赤岳・横岳・硫黄岳 〜花と絶景の稜線歩き〜
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- GPS
- 13:16
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,078m
- 下り
- 1,524m
コースタイム
- 山行
- 4:46
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 5:21
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 2:31
- 合計
- 11:13
天候 | 6月2日 晴れ 風が強い 6月3日 快晴 風もおさまり穏やかな登山日和 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
≪登山道の状況≫ 〜南沢コース・北沢コース〜 ・八ヶ岳核心部へのアプローチルートで危険個所無し ・南沢:登りの勾配はこちらの方が急 一部ルートが不鮮明な箇所も有り、道迷いが発生している模様 ・北沢:前半は車道歩き、後半は赤岳鉱泉まで北沢の流れに沿って歩くコース 〜赤岳地蔵尾根〜 ・行者小屋から急登で一気に稜線へ登る ・後半はハシゴや鎖場がある。高度感のある急斜面のトラバースもあり。スリップしないよう慎重に。 〜赤岳展望荘から赤岳山頂〜 ・登山道の傾斜は急で、鎖を頼りに登降する区間もある。混雑時にはすれ違いに気を遣うことになりそう。ここも雨天時にはスリップ・転倒に要注意。 〜横岳縦走〜 ・随所にハシゴ・鎖場があるアルペンムード満点のコース。 ・転倒すると怪我では済まない箇所も随所にあるので、慎重に。 ・3点支持徹底し、安定した場所に足を置くように心掛けること。 ・横岳奥之院前後が核心部。登山道脇は切れ落ちた斜面。 ・カニのヨコバイと言われる箇所はさほど高度感はなく、足場も十分あり、鎖もあるので、それほど怖くなかった(ちなみに当方は高所恐怖症です…)。 〜硫黄岳〜赤岳鉱泉〜 ・硫黄岳山頂からの下りの序盤は段差が大きい箇所あり。 ・足元はザレていて滑りやすいのでフラットフィッティングで行きましょう。 ・赤岳鉱泉側の中盤から樹林帯歩き。一か所ハシゴ(桟橋)もあり。特に危険個所は無い。 ≪危険動物情報≫ ・クマ:南八ヶ岳周辺には棲息していないとの情報もあるが果たして… ・ヘビ:遭遇せず ・ヤマビル:遭遇せず |
その他周辺情報 | 美濃戸から諏訪南インターの途中に日帰り温泉の樅の湯がある。 入浴料500円、シャンプー・ボディソープ完備。 泉質もよく良いお風呂でした。 |
写真
感想
爽やかなレモンイエローのツクモグサ。
雪解けと共に稜線に咲くその花は、是非見てみたいものの一つでした。
本州で見られるのは、白馬岳と八ヶ岳。
しかし八ヶ岳では険しい稜線の横岳にしか咲かない…。
高所恐怖症の自分には無理だろうなぁ、とあきらめていました。
異常な暖冬だった今年はツクモグサがもう見頃だとか。
諸兄のレコを見ているとますます行きたくなりました。
夏に奥穂高に行きたいなら、高度感に慣れるためにも挑戦してみようかな…。
行ってみて恐怖心で足がすくむようなら引き返せばいいし…。
そんなこんなで、今年の夏山遠征は八ヶ岳から始めることにしたのでした。
今回の山旅の目的は、赤岳・横岳の高度感のある岩場・鎖場歩きを経験して、岩稜帯歩きの経験値を積むこと。
そして私が山に登る主目的でもある高山植物を見に行くこと。
なかでも山麓の森に咲くホテイラン、稜線に咲くツクモグサ、キバナシャクナゲ、ミネズオウ、チョウノスケソウを見ること。
いくつみつけられるかな?
今回も美濃戸登山口からスタート。
前に来た時は、稜線に登る地蔵尾根も文三郎コースも恐ろしくて、中山展望台まで行って撤収でした。
あの時は指をくわえて見ていただけの赤岳、横岳に今日は登るんだ…。
そう思うといやがうえにもテンションが上がってきます。
まずは南沢から行者小屋へ。
森の林床はきれいな苔で覆われ、八ヶ岳に来たなぁと実感します。
ホテイラン自生地は南沢コースの序盤。
今年はもう散ってしまったかなとやきもきしていましたが…。
ピークは過ぎ終盤ではあるものの、きれいに咲いているホテイランが残っていてくれました。
よくぞ今日まで咲いていてくれました!
苔むした森に生えるひときわ美しい花姿は、まさに森の妖精のよう。
匍匐前進の体勢で無心で写真に収めました。
南沢の流れに沿って登り、枯れ沢を進むようになって横岳が目の前に広がると行者小屋。
本当は文三郎コースで登り、展望や岩登りの練習をしたかったのですが、天気予報通りかなりの強風。
遮るものの無い稜線で突風に吹かれては危険なので、無理をせず最短コースの地蔵尾根を登って赤岳展望荘を目指しました。
行者小屋ベンチでヘルメットをかぶって稜線歩きの準備。
昼食と行者小屋手前で知り合ったkanenoki さんから差し入れて頂いたコーラを頂き、エネルギー補給も完了。
高所恐怖症の自分では登れないかと思っていた地蔵尾根に挑みます。
地蔵尾根は樹林帯の急登が終わると、ハシゴ場・鎖を頼りに歩く急斜面のトラバースがあり、高度感に圧倒されて時によつんばいで歩いたりもしました…。
本日は赤岳展望荘にすら辿り着けず撤退!?…とはならずなんとか稜線まで到達できました。
やればできるものですね…。
稜線に到達すると野辺山側の展望も開け、歩いてきた北沢・南沢コース、行者小屋・赤岳鉱泉もはるか眼下に見えて登りの苦労が吹っ飛ぶ大パノラマでした。
赤岳山荘に荷物を置いて、赤岳山頂をピストン。
展望荘から赤岳への登りが、鎖が無いと登れるのかと思うほどの急斜面でした。
それでも何とか登り切って、八ヶ岳最高峰へ登頂しました。
急斜面のコースは下りが怖かったですが、3点支持の練習ができました。
3点支持ってどういうリズムで手足を動かすのか、まだまだトレーニングが必要だと感じました。
展望荘に戻り、明日に備えて夕食。
ここでもまたkanenoki さんと相席させて頂き、山談義を楽しめました。
赤岳展望荘には無料の飲料水が無く困っていたところ、トレーニング用に持ってきたのでと水を2リットル分けて頂き、これが本当に助かりました。
明日に備えて早めに就寝するも、なかなか寝付けず。
高所恐怖症の自分でも横岳が通過できるのかが心配だった訳です。
おかげでかなり睡眠不足で翌日を迎えました。
翌日は日の出前に起床し、日の出と南アルプス方面の展望を見たかったのでもう一度赤岳山頂へ登りました。
秩父山地から太陽が登り、風景が次第に色彩を帯びていく山の朝は最高に美しいものです。
南側を見ると、富士山、南アルプス、モルゲンレートに染まる権現岳
西には中央アルプス、御嶽、乗鞍、穂高、槍、後立山連峰
北にはこれから向かう横岳・硫黄岳
東には甲武信ヶ岳
空気が澄んでいる朝ならではの素晴らしい大パノラマでした。
見上げた空はどこまでも青く澄み渡る「ほんとうの空」
もといここでは「八ヶ岳ブルー」というのかな…
赤岳展望荘に戻り、朝食をおなか一杯食べて、いざ横岳へ出発
自分ではどうにもならない箇所があったら撤退せねばならないのでドキドキでした。
随所でハシゴ、一枚岩の登り、高度感のあるトラバース、岩登り
しかし鎖などの整備も行き届いているし、慎重に進めばさほど危険とは感じないコースでした。
横岳奥ノ院前後では登山道脇が絶壁だったりしたのが怖いくらい。
一番心配だった「カニのヨコバイ」なるトラバースも高度感はあるものの、拍子抜けするくらい簡単でした。
アスレチック感覚で岩と向き合って歩けたので、楽しかったです。
展望もすこぶるいいので、とても楽しい稜線歩きでした。
また来たくなりますね…。
稜線ではミヤマキンバイ、チシマギキョウ、ハクサンイチゲ、アオノツガザクラなど初夏の花が咲き始めていました。
チョウノスケソウはまだつぼみが多いけれど、きれいに咲いているものに会えました。
ミネズオウは横岳手前のハシゴ下に咲きますが、硫黄岳では良く見るとたくさん咲いていました。
現在の稜線の主役はアオノツガザクラとオヤマノエンドウでした。
最大の目的だったツクモグサは
二十三夜峰で群生していました。
時間が早いからか閉じているものが大半ですが、葉や茎のモフモフした毛がチャーミングでした。
開いているものには会えないかと思いきや、1輪だけきれいに開花しているものに会えました。
マクロレンズで撮影し、確認するとため息が出る美しさです。
この後も横岳奥ノ院までは時々咲いていますが、崖のふちに咲いていたりするので接近できないのが残念。
こんな厳しい環境でよくこんな美しい花が咲くものだと思うと感動しますね。
キバナシャクナゲは登山道脇にたくさん咲いていますが、まだ開花していないものやしおれてしまっているものがほとんど。
きれいい咲いているものを探そうとすると苦労するといった感じです。
横岳核心部が終わると硫黄岳山頂へ登り返し
ダイナミックな爆裂火口や、北八ヶ岳・浅間山など北側の展望を楽しんで下山しました。
赤岳鉱泉まで下ってくると、さっきまで山頂にいた横岳が背後に広がります。
あの稜線を歩いたんだと思うと、達成感がこみ上げてきます。
1時間半ほどで美濃戸へ戻り、温泉に入って岐阜へ帰投しました。
岩稜歩きの経験を積み、美しい花も見れて(しかも見たかったものに全部会えた!)、思い出に残る山行になりました。
奥穂高のトレーニングと思っていたけれど、八ヶ岳は最高に楽しかったので、もっと八ヶ岳を味わいにまた来たいと思いました。
長文お付き合いありがとうございました。
コメント
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お疲れさまでした。
夕食を共にした、かねのきです
こんなにも沢山の花があったのですね!
遠くの風景ばかり見てないで、足元や横も見ないと損ですね!
北アルプスでも沢山の花レコ楽しみにしてます
では、また山で会いましょう
kanenoki さん、コメントありがとうございます。
kanenoki さんも私同様にヤマレコユーザーでみえたのですね。
レコを拝見すると、ハードなコースに挑んでおられるようでさすがと思いました。
貴重な水を分けて下さって、本当にありがたかったです。
夕食をご一緒できて山談義を楽しめたり、次の日に横岳一帯でもお会いでき、危ないところは一緒に歩いて頂けたのも助かりました。
花の撮影は楽しいのですが、気を付けていないとルートを外れてしまったり、不安定な場所で撮影していてヒヤリとしたこともあるので、気を付けたいと思っているところです。
関東在住でみえるとなかなか低山ではお会いしませんが、夏のアルプスでまたお会いするかもしれませんね。
そのせつはまたいろいろ教えて頂けるとうれしいです。
同行の方にもよろしくお伝えくださいませm(__)m
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