大源太山(旭原〜蓬峠幕営〜旭原)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 10.3km
- 登り
- 1,176m
- 下り
- 1,169m
コースタイム
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 6:30
- 山行
- 2:40
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 2:50
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
徒渉地点2ケ所あり増水時注意 |
写真
感想
久しぶりに遠征を、と考えて花の豊富な蔵王山塊の不忘山から二口山塊までの縦走を計画してみたが、アプローチが不便で、水場の問題も有りあえなく沈没。日本海溝の奥底深く埋没してしまった。しばらく浮上は不可能と思ったが、心機一転谷川方面に転進した。
以前から蓬峠でテン泊訓練をやってみたいと思っていたので、大源太山を経由して蓬峠テン泊の計画で出かける。昨年は、テント泊は大境山で一回だけだった。しかし、ビバークは2回。そのうち1回は、まったく予想していなかったビバークであった。予備泊の練習もしておかないと。
朝、のんびり出発。下道を走る。三ケ所の道の駅で休み休み走る。旭原近くの道路から雲が上がり始め、足拍子岳の峨峨とした山容が姿を表し、気持ちは一気に大源太山へと引きずり込まれた。旭原の登山口には4台の車が止まっていた。関東ナンバーが3台。新潟1台。ウイークデーだから登山者は少ない。直ぐに沢を徒渉する。左岸沿いの道を進み対岸へ渡る。いずれもロープが渡してあり石伝いで問題なし。ここからが正念場だ。ブナ林の道はなかなかの急登だ。しかし、ここが頑張りどころ。一歩一歩登る。
とにかく、勾配の緩むところ、いわゆる肩までは頑張らないと。そこまで行けば先が読める。ブナの木がまばらになり、見通しの出るところまでは休まず頑張ろう。天候は予報通りの展開で気温はうなぎ登り。汗がとめどなく流れ、目に沁みる。あっ、また日焼け止め忘れた(-_-;) まあ、いいか。と、いきなりひらめく。“汗をかき 陽にあぶられて 日焼け止め”いいんでないかい。さらにひらめいてもう一句。“体力は 無くとも有るぞ 耐力は” 耐力じゃないなあ。貧に耐える力だから耐乏力だな。字余りのおそまつか。まっ、耐力でいいか。
“ひとり芝居”を演じている間にやっと見晴らし。いいねえ〜。山頂は見えないが西側の視界広がる。10分休み。そこから一投足で稜線上のルートとなる。シャクナゲの花は霜にでもやられたのだろうか、茶色く枯れていた。ここまで来れば先は見えた。さらに進んで稜線の木立の日陰で大休止。ピラミッドのような万太郎山や眼前の大源太山の山頂が見えて、360度の展望だ。良い風だ。美味しいごちそう風である。
痩せた尾根も有り、鎖の下がる個所もあるが、慎重に進めば特に問題になるようなところは無い。淡々と進む。頂上が眼前になると、二人パーティの姿が山頂直前に見えた。七ッ小屋の方から登って来たのであろう。私とは逆回りである。頂上から七ッ小屋へ向かう場合、頂上直下に要注意個所が有る。以前、逆回りしたときは、ここを下るのは嫌だな、と思ったことがちらっと脳裏をかすめた。山頂には、先ほど見えたお二人が休んでいた。中年男性である。
まあ、雑多な話を交わしながらひと時を過ごして山頂を後にする。心配した個所は、真新しい鎖になっていた。ロープの個所もあるが、落ち着いてホールド、スタンスを確保すれば問題は無い。七ッ小屋山へは見た目、一時間で休まずに登れると思ったが、思いのほか手ごわく途中のダケカンバの木陰で谷から吹き上げる風に吹かれて一休み。イワカガミやツマトリソウ、アカモノなどが咲く。
10分休んでようやく七ッ小屋山へ到着。笹原に身を包まれた国境稜線が谷川岳まで続く。大源太山は、良く上越のマッターホルンと言われるが、確かにそう呼ばれてもおかしくは無い山容だ。こちらへ向かって一人やってきたが、写真を撮っているようで、なかなか上がってこない。誰でもこれだけの光景を見れば見入ってしまうのであろう。ようやくやって来たのは若い男性だった。
馬蹄形登山で、今日の泊りは清水峠だそうだ。馬蹄形登山はちょっとしたステータスで、いわゆる登竜門的な扱いになっているようだ。次は主脈縦走をやるつもりのようだ。どちらが難しいか、と聞かれたので主脈だろうと言っておいた。岩っぽい所だし、天候の急変に対する対応も難しいであろう。実際に遭難死も起きている。当たらずとも遠からずであろう。
青年は聞いてもいないのに、家からここまで180円しか使っていないと言う。自慢したいんだろうが、それっていわゆる薩摩守だろう。薩摩守平忠度。そんなことを他人様に自慢するものではない。まあ、しかし、様々な人がいて、様々な“山行のスタイル”はあるものだ。
珍しいことに笹の花が咲いていた。これが咲くと一帯の笹は枯れてしまうと聞いているが、本当だろうか。確かに笹の葉は茶色で枯れ葉のようだ。青々とした笹原とは趣が違うが、それはそれでいぶし銀のような雰囲気で、乙なものである。わずかだがハクサンチドリが咲いていた。ニッコウキスゲの蕾はまだ固い。
広い笹原の稜線を進み、蓬峠ヒュッテに到着。手続きを済ませヒュッテ前のベンチで先着お二人とよもやま話。今日は、このまま泊りというのが、のんびりとした気分にさせてくれる。頃合いを見て、テント設営。
一年ぶりのテント生活は、ミスばっかり。ペグ忘れた。テントの紐は延長してあるので周りにあった石に結わえる。それよりも何よりもガスコンロが無い。コンロは無くてもメシは食える献立だが、スープが飲めないのは痛い。箸も無い。これはいつもの通り笹竹を切って作る。窮すれば通ずだが、コッヘルを手にしたら中で何かが動いた。蓋を開けると中にガスコンロが納まっていた。若年性痴呆症か俺は(-_-;)
今回は軽量化を図るために、寝袋は無し。シュラフカバ−+ツェルトで代用する計画である。早速かけて休んでみると、なかなかものである。しかし、そのうち風が強まって、テントの中にも入り込むのか、何となくうすら寒い。前に飯豊のイブリ差岳の小屋で泊った時は、それで十分だったのだが、小屋とテントでは耐寒性、通気性で差が出るようだ。ツェルトはもともと巻きテントのことを言うので、身体にまきつけて見たが、これも同じようなものだった。ちょっと手抜きをして汗で濡れたシャツを取り替えなかったからであろう。シャツを乾かしてみるとやっと体が温まった。ハッと思って目が覚めたら朝の3時過ぎだった。さわやかな目覚めである。
5時半出発。ヒュッテには8人泊っているはずだが物音ひとつしない、静かな朝である。今日も一日晴れであろう。絶好の山行日和である。シシゴヤノ頭の分岐まで戻って左手へ進む。あさつゆで靴下まで濡れたが気になるほどではない。カタツムリも動き出していた。大源太山では花が枯れていたシャクナゲが一叢咲いていた。ドウダンツツジ、タニウツギの花が鮮やかだ。白いタニウツギが珍しい。
シシゴヤノ頭手前で中年男性とすれ違う。今日はウイークエンドだ。天候は晴れ。にぎやかな一日になるであろう。シシゴヤノ頭で一休み。ウグイスの谷渡り。小鳥の澄んだ鳴き声。それも間もなく聞き納めか。ちょっと寂しいね。
開けた沢沿いの木漏れ日がきれいだ。北沢を渡って一息で駐車場に着く。駐車場は既に満杯で路駐が5、6台。人気の大源太山である。それだけの山であることに異論は無い。自己主張する山である。
コメント
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こんにちは
テン泊遠征久しぶりでしょうか。
好展望のルートですね。梅雨前のこの季節は暑くも寒くもなく、爽やかで花も多い最高のシーズンですね。
ひと月超ご無沙汰したので、私もどこか積み残しの山へ出掛けようかなぁ。
tonkaraさん こんにちは
久しぶりのテン泊でバテバテでした。天気が良くなって、環境は最高でしたが、暑くてまいりました。準備も前の日に決めたのでバタバタでした。まあ、なんとか、それなりの山行が出来ました。時間に余裕が有ったのでのんびりできたのは良かったです。
花は多かったですね。ホントはニッコウキスゲが見たかったのですが、まだまだ蕾は固かったです。前回行った時は日帰りでしたが、ニッコウキスゲが多かったんですね。その時も蕾でしたが、なかなかシンクロ出来ないですね。自然に合わせて生活できるわけじゃないですから。やむを得ないですね。
次回が有るとすればシンクロ出来るようにしたいです。
こんにちは(*'▽')
名前がいいですね。
純朴で我慢強い感じを受けます。
写真25 振り返った大源太山
歩いてきた充足感と次々現れるやまなみに感動しますね。
各地で耳にするササの花のこと
60〜120年に咲くんですか。
心配される声もありますが
生きているうちに一度はおめにかかりたいです。
こんばんは〜
大源太山の「ゲンタ」というのは、材木を意味するこの地方の方言で、角張った山容から名付けられた、と観光案内にあります。たしかに角材のようにゴツゴツしている山ですね。山の形から「上越のマッターホルン」とも言われています。結構人気は有るようです。
実は、近くにもう一つ大源太山が有るんです。そっちは”丸の源太”と呼ばれているようです。いつかはそっちの方も登ってみたいです。
笹の花は、子供の頃、故郷で見ていたのですぐわかりました。60年に一回というけど、笹はあちこちに咲いてますから、私は数回見てますね。でもどのように絶えるのかは分かりませんでした。絶滅するのではなく、古いものが枯れて新しい笹が生えてくるんですね。世代交代みたいな感じですね。きっと。
上越国境稜線では、今回が最初で最後でしょうね。あと60年は、とても生きられそうにありませんので(-_-;)
日記の方でこの頃お目にかからないので、山行中かしらと推していましたが、やはりテン泊なさっていたんですね。新潟のお山のことはほとんどわかりませんが、谷川岳が近いとも知りませんでした。充実の遠征でよかったですね。
ところで不忘山から二口山塊への大縦走案ですが、mas811061さんも企画されて、刈田〜熊野間が通行止めということで、蔵王から面白山間縦走のレコ(6/10〜6/12)が上がりました。妙高さんと同じことを考えてられたんだと妙に感じ入ったわけでした(^^)/
ちょっと訓練も兼ねて出かけてきました。暑くてバテバテでした(-_-;)
新潟は、細長〜い県で朝日連峰から飯豊連峰・上国境稜線・尾瀬・北アルプスと山々が続いています。海抜0mから白馬岳に続く栂海新道も有り妙高・火打も有って、いろんなタイプの山が楽しめます。ただ移動は大変です(-_-;)
やっぱり刈田岳から熊野岳間は通行止めなんですね。それも気になっていたんです。あとは水場ですね。山工高小屋の水場はいつでも採れるのか。清水峠近くの鎌沢の水場もどうなっているのか良く分かりません。雪が残っている時期ならば問題は無いのですが。花の時期は外したくないですし。
アプローチは車で行って、面白高原駅発11時16分発の電車に乗り、仙台駅で新幹線に乗かえると白石スキー場の近くまで行く”きゃっするくん”に乗れます。その日はそれで終わりです。無料休憩所が出来た見たいですが、そこで泊ってもいいのかなあ。水だけでも使えると助かりますね。山上で最低2泊。通常3泊ですね。予備日を入れると5日見なきゃなりませんね。
計画は完璧?ですが、現実は”絵に描いた餅”ですかね(>_<)
お騒がせしました。ではまた。
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