奥秩父縦走(瑞牆山荘~雲取山・鴨沢)


- GPS
- --:--
- 距離
- 57.3km
- 登り
- 3,715m
- 下り
- 4,823m
コースタイム
- 山行
- 19:30
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 20:50
天候 | 晴れ時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
瑞牆山荘~金峰山:標高差1,000mの登りを緩やかに上がっていく。砂払ノ頭から金峰山山頂までは険しい岩の稜線を登っていく。 金峰山~甲武信岳:奥秩父らしい稜線。「山と高原地図」には倒木多しとあったが、 倒木の多くは撤去されたり切断されており、通行にはストレスを感じることはなかった。アップダウンを繰り返すトレイルは比較的、歩きやすい。 甲武信岳~雁峠:アップダウンの標高差が大きく、テクニカルなルートが続く。破風山避難小屋から西破風山までの登りはかなりの急登。花崗岩の露出帯が続き、通過には慎重を要する。今山行で最もきつい区間だった。 雁峠~将監小屋:雁峠から笠取山の巻道は歩き易い。唐松尾山から山ノ神土までの 下りは斜面崩落を避けるため巻道がある。しかし、標識がなく、道が分かりずらい。自分も行くつもりのない西御殿岩に出てしまい、30分ロストした。 将監小屋~雲取山:ここからは尾根道ではなく、巻道中心になる。今までより歩きやすい。沢を渡る板の橋が多数現れる。表面が濡れていると非常に滑りやすいので、通過は慎重に。 雲取山~鴨沢:長い下りだが、緩やかに下るトレイルは気持ちが良く、一番歩きやすかった。 |
その他周辺情報 | 下山後は奥多摩駅の玉翠荘で入浴。もえぎの湯より駅チカ。750円 |
写真
感想
3年前から挑戦したいと思っていた秩父縦走。今月、期せずして3連休をもらえたので遂に決行してきた。
今回の山行を行うにあたって当初、荷物が少なく軽快に行動できるトレランスタイルを考えた。しかし、必要になる行動食の量や下山後の着替え等を考えると、とてもトレランバックには収まらない。
そこで、前職に籍を置いていた時に秩父縦走するのに使おうと社割で買ったオスプレーの「エクソス38」を使用。容量は大きいが重量1㎏の軽量ザック。さらに、ストックはUTMBでも使用したブラックダイヤモンドの「ウルトラディスタンス」を併用。
さらに、長時間の山行でジェルだけでは体力が持たないと考え、今回初めてエスビットのポケットストーブとコッヘルを持参。中間点でドライフーズのパスタを摂ってしっかりと栄養補給をしようと考えた。
更に身を守るため、クマよけスプレーも装備に追加。荷物の重量は当初の想定より大分、重たくなってしまったが仕方ない。
今回はトレランではなく、ファストパックスタイルで山行に臨んだ。
18日当日、西武線と中央線各駅停車、バスを乗り継ぎ5時間かけて瑞牆山荘に到着。10:20に出発した。
山荘周辺は紅葉にはまだ早かったが、森の雰囲気は非常に良く、気持ちよく森林浴をしながら緩やかな登りを歩いていった。
出発から2時間で金峰山到着。平日にも関わらず、山頂には沢山の人がいてびっくりした。
写真だけ撮って山頂通過。大弛峠を目指す。登りは歩きだが、下りやフラットな場所は早歩きかランをして進んだ。
しかし、大弛峠直前で不意に腹痛に見舞われた。峠ではトイレに直行。身体が冷えてしまったのか、下痢をしていた。腹痛はなかなか収まらず、2,3回とトイレに駆け込む羽目に。力が入らず、思いがけず峠で停滞することになってしまった。
この調子ではとても先へ進むことはできない。大弛峠でリタイヤしようかと本気で悩んだ。
峠にはバス停があった。しかし、運行は土日祝日のみ。峠でリタイヤしても、麓までは長い林道を自力で下らなければならない。仕方なく先に進む決断をした。
弱った胃腸は食べ物を受け付けないため、身体に力が入らない状態のまま最初のピークである前国師岳を目指す。
体調は良くないがタイム的には順調に前国師岳、国師岳、東梓を通過。出発から7時間弱、まだ明るいうちにようやく甲武信岳を踏むことができた。
賑やかな甲武信小屋で50円で水を1L補給。1本400円するコーラを購入し、カロリーメイト4本と一緒に、ようやく落ち着いた胃の中へ流し込んだ。
夕暮れとともに気温が下がって肌寒くなってきた。ゴアのジャケットを羽織り、帽子からウールのニット帽に取り換えた。ここから先はナイト山行になるためヘッテンも装着し、10分後に甲武信小屋を後にした。
木賊山への分岐から破風山避難小屋までは約300mの急な下り道。途中、崩落した斜面が2箇所ほどありトレイルが不明瞭な箇所があった。
下りを降り切ると避難小屋に到着。中を覗くと小屋内でテントを張って休んでいる先客がいたので休むことなく破風山への登りへ取り付いた。
破風山の登りは花崗岩がゴロゴロした急登で、非常に荒々しいかった。標高差は200mほどだったが、今回の山行で一番キツイ登りだった。破風山山頂から先の稜線も露岩帯が続き、岩と岩の間の穴に足を滑らせ、膝を強打してしまった。雁坂峠を過ぎると歩きにくかった岩稜帯はようやく終わり、歩きやすいトレイルが続く。
この辺りから、ヘッテンを周囲に向けると、暗闇の中に光る目が浮かび上がった。最初はビックリしたが、よく見ると鹿だった。この後、何度も鹿を目撃した。鹿はまだ可愛い。心配だったのは熊と出くわさないかということだ。身を守るためにクマよけスプレーは持っていたが、出来れば会いたくはない。
古札山の巻道を通過中、ヘッテンの光量が急に弱くなってしまった。使用していたヘッテンはブラックダイヤモンドのストームで最大160ルーメン。ナイト山行には十分だが、経験から4時間程で最大光量を保てなくなる。当然、予備電池は3回12時間分を持っていた。しかし、甲武信でヘッテンを装着してまだ3時間も経っていない。あまりに早く電池を消耗してしまったことにショックを受けた。これでは一晩、電池がもたない。
光量が弱い状態で使用してはミスコースしてしまう危険が大きかったため、電池を交換。休憩ポイントと決めていた将監小屋までこの電池で何とか到着したかった。
雁峠に到着すると霧が発生。ヘッテンの光が乱反射して視界が悪い中、先へ進む。
小さな分水嶺を通過後は笠取山の巻道を進む。公園のような整備されたフラットなトレイルを走って通過。このままヘッテンの光量がまた弱くなる前に将監小屋に着きたかった。
しかし、黒ジュエン山を抜ける稜線の道にでると、トレイルはアップダウンが続き険しさを増した。いくつものピークを越えては下るを繰り返す。唐松山を過ぎてしばらくすると、ようやく稜線から将監峠への下り道へ入った。
しかし、途中に崩落した斜面を巻く巻道を歩いていたつもりが、なんと再び稜線上に出てしまった。ミスコースしたのだ。途中の標識を見落としたのか?ヘッテンがいつ暗くなか分からない中、急いで来た道を戻った。
10分ほど道を戻ったところ、標識もないところにトレイルの分岐を発見。一安心と思ったら、今度は1.5リットルあった水を飲み干してしまった。急がなければ!
山ノ神土に到着すると将監峠までフラットな道を走り、深夜11時過ぎになんとか将監小屋に到着した。
小屋の前の東屋でポケットストーブを使用してドライフーズのパスタを調理。さらに、あまり早く出発してしまうと夜が明ける前に電池が切れてしまうと考え、ここで2時間の休憩を摂ることにした。
更に汗でぬれたアウトドアリサーチの長袖をバーグハウスのウールジップシャツに着替えた。
深夜2時前に将監小屋を出発。飛龍権現までは稜線ではなく山腹の巻道が続く。ここから先、崖を渡る板張りの橋がいくつも現れる。路面はぬれており、非常に滑りやすかった。
ここにきて、何度か睡魔が襲ってきた。堪らずトレイルに腰を下ろして10分寝るということを2,3回繰り返しつつ先へ進んだ。
しばらくすると雨も降りだしてきたが、幸い寒さはそれほど厳しくなかった。
飛龍権現を過ぎても相変わらずトレイルと板の橋が繰り返し現れる。
雲取山の3km手前にある三ツ山の巻道を通過している辺りでようやく空が白み始めてきた。
三条ダルミ手前で辺りはすっかり明るくなった。それと同時に雨もあがり、うっすらと朝霧に包まれた山の美しさに感動しながら歩いていった。
三条ダルミから最後の登りである雲取山への急登へ取り付き、出発から21時間で雲取山頂に到着。
その後は気持ちの良いトレイルを抜け、瑞牆山荘をスタートして22時間40分でゴールの鴨沢に到着したのだった。
~感想~
いつも山に入るときはトレランスタイルで身軽に行くことが多かった。今回は距離、時間とも長い山行になるため、初めてファストパックというスタイルを取り入れた。できるだけ荷物を少なくしたつもりだったが、38ℓのバックをかつで走るのは大変だった。そんな中でもポケットストーブを使っての料理は意外とちゃんと出来たのは新鮮な発見だった。甘ったるいジェルばかりだと飽きてしまうし、長い山行では食事もまともに摂らなければ身体がもたない。今後も積極的に使用してみようと思う。
今回は下痢に襲われたりヘッテンが想像より早く電池を消耗したりと、トラブルに見舞われた。今後はこの辺りを改善してより良い山行を行っていこうと思う。
コメント
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hwqfs236 、お疲れ様でした!!
瑞牆山荘では写真、どうもありがとうございました。
大弛でピンチもあったようですが無事達成ですね。
自分もこの山行で一番きつかったのは、甲武信小屋から雁坂峠の間、特に破風山避難小屋から破風山への200mアップの区間でした。
山行スタイルが違い、時間軸も全く異なりますが、レコを「わかるわかる」という感じで読み進んでしまいました。
また、どこかの山でお会い致しましょう!
tamiya様
コメントありがとうございます❗なかなかハードな山行となりましたが、満足のいくものとなりました。ただ、甲武信小屋でテント泊している人を見たさいは、のんびり登山も良いかもって思いました。また、どこかでお会いしましょう。
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