燧ヶ岳「尾瀬沼テント泊、久々のダガーポジションで柴安登頂」
- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 1,077m
- 下り
- 1,065m
コースタイム
- 山行
- 8:15
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 9:23
天候 | 11日: 快晴に近い晴れ(てんくらの予報的中) 12日: 尾瀬 晴れ後曇り時々雨 燧ヶ岳 霧一時雨(てんくらの予報大外れ) |
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過去天気図(気象庁) | 2017年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
御池〜沼山峠 シャトルバス利用 片道520円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ナデッ窪:足跡・マーキングなし(途中で遭難の危険を感じ断念) 長英新道4合目まで:まだまだ雪いっぱいのシラビソの森の中をひたすら上り下り ピンクテープはある所にはあるがない所にはない。 足跡当てにならない箇所多数。GPS持ってて正解。 午後は雪が腐ってチェーンスパイクも効かず。 4合目〜9合目: 一気に急坂。4合目ー5合目の登山道は沢登り状態。 俎堯措動濁堯А \磴諒鼻12本爪アイゼン及びピッケル必携! |
その他周辺情報 | 尾瀬沼キャンプ場:気持ちいいウッドデッキのキャンプ場 トイレ、洗面所は超きれい。 売店、東屋あり。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
予備手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
飲料
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
◇プロローグ
日本百名山35座目は燧ヶ岳に登ってきました。
日本国内は勿論、世界の大抵の所は飛び回ってきましたが、恥ずかしながら尾瀬には行ったことがなく、「夏の思い出」で憧れた尾瀬には何が何でも水芭蕉の満開の時に訪れたいと思っておりました。
日本百名山完全踏破を目指したので燧ヶ岳にも登ることになったのですが、当然、尾瀬の水芭蕉とセットでプランを立てたことは言うまでもありません。
当初は水芭蕉が見頃となるだろう5月中旬頃を狙っていたのですが、尾瀬沼ヒュッテ総合案内所に問い合わせたら、5月26日にならないと沼山峠までのシャトルバスが運航しないことや今年は雪が多くて尾瀬沼はまだ雪に重れていて水芭蕉はまだ先になるのではないかと教えていただきました。
今年の水芭蕉の見頃は6月中旬ということで、6月12日夜中出発、早朝に会津駒ヶ岳を登ってその日の午後に尾瀬沼キャンプ場でテント泊、翌13日早朝から燧ヶ岳に登ろうという一石二鳥の計画を思い立ち、ずっとてんくらの予報をチェックしていたんですが、土壇場の10日になったら、当初12日〜13日晴れだったのが、11日〜12日晴れで登山指数A、13日は雨で登山指数Cとなったので急遽予定を1日早めることにしました。仕事の関係もあって11日未明の出発は出来ないので会津駒ヶ岳は次回に先送りし、今回は尾瀬沼キャンプ場でテント泊し、翌日に燧ヶ岳だけを登ることに決定しました。
どの登山道から登って下りるかについては、尾瀬沼でテント泊し、ほぼ空荷で登るので、難路と書かれているナデッ窪コースから登って長英新道から下山することに何の疑問も持たずに決めました。
◇久しぶりのテント泊
去年は宮之浦岳の大塚小屋では雨のため、鹿島槍ヶ岳の冷池山荘では疲れ果てたため、いずれもせっかく担いで登ったテントは使えず、意に沿わない避難小屋泊で、西穂高と唐松岳での厳冬期テント泊以外では赤岳と飯豊山でしかテント泊をしていない。テント泊で山に登った時の達成感は半端ないし、シュラフの温もりは病みつきになる。心の中のテント虫が「オイ、早くテント泊しようぜ」と囁く。それに尾瀬沼キャンプ場のウッドデッキは魅力だ。
◇アクセスで痛恨のミス
この計画を立てた時点でGoogleMapsで尾瀬御池をナビ目標にして検索したら、金沢から北陸道長岡JCT〜関越道小出IC経由で5時間32分と出たのでそんなもんだろうと思って、後は当日ナビに入れることにした。当日北陸道から関越道を通り、山口百恵を聞きながら順調に小出IC付近まで近づいたSAで、ナビに目的地を入れたが御池駐車場ではヒットしない。尾瀬御池でもダメ。仕方ないのでG-BOOKで調べてもらったら御池ロッジで登録があるというので入れてもらってナビ設定したら、なんか中部地方をぐるっと回って着予定が21時過ぎだと教えてくる。「そんなはずはないだろ小出経由で行けるはずだ」と、ナビがいうのを無視して小出ICで下りたら、道の要所々に尾瀬とかかれた道案内板が掲示されている。「ほら、やっぱりこの道で合ってたじゃないか」と思ったのもつかの間、案内板に沿ってしばらく走ってると目の前にでっかく「熊なんとか峠通行止」の道路案内板!なぬ、このまま行ったら通行止めだと!?ここで頭の中真っ白!
即、車を路肩に止めて尾瀬沼ヒュッテ総合案内所にすがる思いで電話して聞いたら、「銀山平はまだ通行止めですね」と冷たい回答の後に、「でも小出からでも只見を通って来れますよ。1時間くらい余計にかかりますが」と地獄に仏の天使のお言葉!ありがたかったね〜。
帰って調べたら分かったけど、行く前にちゃんと調べないとね!
おかげで相当遠かったけど、新潟の名所「奥只見シルバーライン」を通ることが出来ました!
で無事13時40分、御池駐車場に到着。ラッキーなことに13時50分発のシャトルバスが待機中。切符を買って余裕で乗り込めました。
◇沼山峠〜大江湿原〜三本杉〜尾瀬沼
テント泊装備も、ヒルバーグソウロからヘリテージクロスオーバードームへ、プリムスのガスストーブからアルコールストーブへ革新的軽量化を図っているにも関わらず、チェーンスパイク、12本爪アイゼン、ピッケル、携帯トイレ一式、冬用寝袋、ハードシェル一式、サブザック等で重量20kgのパリセード80を背負って歩くが、基本下り坂なので楽勝で大江湿原に到着。帰り=登りの辛さを忘れてる…
日曜日の午後とあって、十人以上の客を連れ歩くガイドと何回もすれ違ったが、ガイドのくせに下ばかり見て、前から人が歩いてきてるのにも気づかず、登り優先の原則すら守らず、重いリュックを背負った人間を途中で待たせて平気でのろのろ通り過ぎる神経というかマナーの低さには恐れ入った。客の中にも泥濘やアイスバーンも歩かなきゃならないのにトレッキングシューズならまだしも、どこぞの格安量販店で売ってるようなズックで歩いてる人が大勢いて、なめすぎだっちゅうーの!
その点、屋久島のガイドもトレッキング客も立派だった。
◇尾瀬の水芭蕉との出逢い
大江湿原で尾瀬の水芭蕉と初めて出逢った。
水芭蕉自体は火打山や他の処で何回も見てきているが、池塘の規模が違うというか、こっちはでっかい湖のような沼だし、しかも真っ盛りの時に来ちゃったもんで元気で生き生きとした個体が圧倒的に多く、夏の思い出の歌詞どおり快晴の「とおい空」の下に咲く姿から「霧の中に浮かびくるやさしい影」、夕暮れの「しゃくなげ色にたそがれる」姿まですべて堪能させてもらいました。
◇尾瀬沼キャンプ場でテント泊
15時19分過ぎに尾瀬沼ヒュッテで受付。前日に予約変更してあり、スムーズにチェックイン。クチコミでは融通の効かないお兄さんのように書かれていたけど、やさしいお兄さんで、お願いしたら室内の自動販売機からスーパードライ500mlも買ってきてくれました。
番号札は10番だったけど、2番のサイトが空いてたのでトイレからの近さでそこに決定。ウッドデッキはかなり広くて同じ大きさの1番のサイトは1人用テントを3つ張れたほど。そこを贅沢に1張りで独占。
2番のテントサイトはウッドデッキで日当たりも適度にあり、乾いていて言うことなし。テント設営後は呑むべし。5時10分から風呂に入ろうと思っていたが、呑んでるうちに面倒くさくなっちゃって、且つ夕暮れの燧ヶ岳を見なければという使命感に急遽目覚め、カメラを持って散策。夕暮れ時の尾瀬沼の水芭蕉も綺麗でした。尾瀬沼からの燧ヶ岳、絵になるな〜。
◇いざ、ナデッ窪から燧ヶ岳へ
カッコウの囀りで気持ちよく目覚め、時計を見たら3:59。まだ夜は明けておらず満月の明かりで天気がいいことを確認。アルコールストーブで湯を沸かし、にゅうめんすまし柚子と珈琲で朝食。
5:12 昨日酔っぱらう前に必需品を詰め込んだウルトラスパイアエピックを背負ってキャンプ場出発。朝は思ったより寒く気温3℃だったので、出発時からハードシェル上下着用。尾瀬沼ヒュッテ付近から見た燧ヶ岳は山頂付近が雲に隠れている。
05:24 長英新道分岐に着くも直進し沼尻十字路を目指す。05:50 沼尻十字路着。
こんな時間に十字路に佇む一人歩きの若い女性から弥四郎小屋にはどの道を行けばいいか尋ねられる。見晴とか言ってくれたら即答出来たんだけど、小屋に泊まる気全くないから小屋の名前を言われても即答できない。直ぐに自分の山と高原地図で調べ、見晴にあることを伝え、道を示す。
ナデッ窪まで木道が一直線に続いている。目の前に聳える山の白い部分、多分まだ雪で埋もれている谷部がナデッ窪だろうと目安を付ける。木道が雪に埋もれている所まで来たが踏み跡が全くない。しばらく歩けそうな所を選んで進むも木は倒れまくり、リボンもペンキのマーキングも全くない。多分雪が解けて木道が現れれば、道が明確な部分だからマーキングが無いんだろうけど今の状態では致し方ない。ここからの急坂、GPS頼りでも行って行けないことはないだろうが、予備のバッテリーを持ってきてなかったので潔くここからの登頂を断念。そうと決まれば即Uターン。
◇長英新道、そして俎
06:23 長英新道分岐まで戻ってきた。約1時間のタイムロス。ここからはシラビソの森の中を歩く。木道は直ぐに雪に埋もれ、ピンクリボンと木の幹に施したペンキマークだけが頼り。そのピンクリボンだが、ある所にはやたらあるのに必要とする所には少ないというか、ない。だから足跡も結構間違いだらけ。登りも下りもGPS必携でした。
07:55 ようやくシラビソの森を抜けたかと思った時に現れたのが、4合目の標識。これだけ延々歩いてきてまだ半分にも満たない4合目!これからこの倍以上歩くの?
しかも急坂をと考え、思わずここで断念して引き返したくなった。GPSで確認したら結構な距離は歩いてきているが、標高を稼いでいなかった。合目は標高で決めるから、ここから一気に急登になるということだろう。
なんか4合目までと4合目から上の差が有り過ぎ。いきなり沢登りと見紛うばかりの滝が流れるイワイワの登山道。これホンマに登山道でっか?と一人で突っ込んで一人で笑っちゃうみたいな。笑ってる余裕なんかひとっかけらもないんですけど…。
でも直ぐに5合目の標識が現れ一安心。これなら何とか行けるかなって自信も出てきた。ふと気づいたら首から下げてた買ったばかりのカメラが水滴に覆われている。
去年土砂降りの飯豊山の大雪渓をトラバース中に道に迷って、土砂降りの雨の中、iPhone5Sを使わざるを得なくなりブラックアウトさせちゃってるから、またお釈迦にするわけにいかないので乾いたタオルで直ぐにふき取ってそのままリュックに仕舞うことにした。
09:16 俎登頂。 俎頂上で御池から登ってこられたというさわやかなご夫妻とお会いしたので世間話のつもりで、「ここまで登ってきましたが雪も全くなかったし、12本爪アイゼンもピッケルもお荷物になってただけでした」と自嘲気味に話すとご夫婦は「柴安瑤謀个襪覆薀團奪吋襪皀▲ぅ璽鵑睇要ですよ。自分たちはそれを持ってこなかったので頂上まであと6mというところで引き返しました。」「でもピッケルとアイゼンがあっても登れるかどうか、何しろ壁ですから」と語った。自分が「柴安瑤謀个譴覆ても俎瑤泙播个辰討襪覆蕁百名山OKですよね」と尋ねたらご主人が「なーに、また登りに来ればいいんですよ」「また登りに来ますよ」って、笑顔でさわやかに答えるんですよ。お若いのにしっかりした方でしたね!
◇柴安登頂、百名山35座達成
百名山制覇もこんな壁まで登らなくちゃ達成できないんだ。
その壁はGW時期の奥穂のハシゴを登って直ぐの壁を彷彿させる。奥穂の壁は下に転落者救助用の気休め程度のワイヤネットが張ってあるけど、その下は断崖だし落ちたら死ぬか行方不明、よくてワイヤに引っ掛かってもヘリ搬送もんだろうけど(2回命かけて登った)、柴安瑤諒匹硫爾砲呂舛腓Δ疋魯ぅ泪弔群生していて天然のクッション材になってくれるから落ちても多分命まではなくならない。
一応ステップが切られていたと思われる窪みが認められるものの、雪は雨のため、相当ゆるくなってきている。慎重に三点確保を守って、アイゼンの前爪を慎重に深く蹴り込み、しっかりしたステップに作り替えていく。
09:52 柴安登頂。この時ばかりは多少濡れようともリュックからカメラを出してタイマー撮影による自撮り。あの壁を登れただけで久しぶりにアドレナリン出ちゃったみたいで気分はハイ!天気が悪かったことも視界が効かなかったことも大して気にならなかった。「堯廚了は非常に険しい山頂を意味する言葉だそうだ。
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クロユリさん、こんにちは!!
なかなかドラマチックな山旅だったようですね
クロユリさんにはアドレナリンが出るくらいの方がちょうど良さそう
レコから満足感が伝わってきます
お疲れ様でした
ni-shi さん、毎度コメントありがとうございます。
6月中旬で雪の壁に挑戦するとは夢にも思ってませんでした。
ni-shiさんのペースにはとても及びませんが、今月は百名山もう1座登る予定です。
アカヤシオは見れませんが、ムラサキヤシオが見れそう…。
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