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Yamareco

記録ID: 116995
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

南アルプス縦走(上河内岳〜北岳)【2006】

2006年09月02日(土) ~ 2006年09月08日(金)
情報量の目安: A
都道府県 山梨県 長野県 静岡県
 - 拍手
GPS
152:00
距離
66.3km
登り
7,611m
下り
7,012m

コースタイム

【9/2】畑薙大吊橋〜茶臼小屋
【9/3】茶臼小屋〜上河内岳〜聖岳〜兎岳〜百間洞山の家
【9/4】百間洞山の家〜赤石岳〜荒川前岳〜悪沢岳〜中岳避難小屋
【9/5】中岳避難小屋〜高山裏避難小屋〜小河内岳〜三伏峠
【9/6】三伏峠〜塩見岳〜北荒川岳〜安倍荒倉岳〜熊の平小屋
【9/7】熊の平小屋〜三峰岳〜間ノ岳〜北岳〜北岳肩ノ小屋
【9/8】北岳肩ノ小屋〜二俣〜広河原
天候 【2006年】
 9/2,3,4,5 晴れ 9/6 雨 9/7 雨のち曇り 9/8晴れ?
過去天気図(気象庁) 2006年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
静岡駅から畑薙ロッジ前までバス利用。
下山後、広河原から甲府駅までバス。
コース状況/
危険箇所等
最近天気が悪くて山に行けていないので、過去の記録をまとめてみました。
写真は携帯で撮ったものなのであまりきれいじゃありません。
スタート地点の畑薙大吊橋。
かなり長くて怖い・・
by  W44T, KDDI-TS
スタート地点の畑薙大吊橋。
かなり長くて怖い・・
上河内沢。
まさに南アルプス天然水♪といったかんじ。
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上河内沢。
まさに南アルプス天然水♪といったかんじ。
翌朝、草原を抜け上河内岳へ向かう。
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翌朝、草原を抜け上河内岳へ向かう。
上河内岳山頂から聖岳を望む。
山がでかい!!
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上河内岳山頂から聖岳を望む。
山がでかい!!
小聖岳付近から聖岳を見上げる。
結構ザレた道で時間が掛った気がする。
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小聖岳付近から聖岳を見上げる。
結構ザレた道で時間が掛った気がする。
赤石岳山頂からの富士山。
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赤石岳山頂からの富士山。
赤石岳山頂から北部の山々を望む。
まだまだ先は長い。
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赤石岳山頂から北部の山々を望む。
まだまだ先は長い。
百間平と奥は大沢岳、中盛丸山。
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百間平と奥は大沢岳、中盛丸山。
赤石岳の下りから大聖寺平と荒川岳。
天気いいなぁ。
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赤石岳の下りから大聖寺平と荒川岳。
天気いいなぁ。
確か悪沢岳辺りで撮った1枚。
これは何ていう花?誰か教えて下さい。
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確か悪沢岳辺りで撮った1枚。
これは何ていう花?誰か教えて下さい。
中岳避難小屋から望む悪沢岳。
小屋の影も見える。
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中岳避難小屋から望む悪沢岳。
小屋の影も見える。
避難小屋前から望む夕日。
きれいだった。
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避難小屋前から望む夕日。
きれいだった。
翌朝、荒川前岳からの赤石岳。
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翌朝、荒川前岳からの赤石岳。
高山裏避難小屋への下りで出会った雷鳥。
他に何羽かいたがハイマツの中に逃げてしまった。
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高山裏避難小屋への下りで出会った雷鳥。
他に何羽かいたがハイマツの中に逃げてしまった。
おそらく烏帽子岳付近から撮った塩見岳。
この後電池が切れてしまったので写真はここまで。
by  W44T, KDDI-TS
おそらく烏帽子岳付近から撮った塩見岳。
この後電池が切れてしまったので写真はここまで。
撮影機器:

感想

大学3年の夏、高校生以来山からは遠ざかっていたのだが突然山に登りたい衝動にかられたので、南アルプスのテント泊縦走をすることにした。目標は畑薙大吊橋から入って甲斐駒まで抜けること。ザックとテントを購入して、残りは押し入れの中から引っ張り出してきた。10日ほど休むと伝えると、バイト先からは困る言われたが、なんとかお願いして休みをもらった。

【9/2】畑薙ロッジから歩き始めたが、すぐに椹島方面行きのバスに拾ってもらった。原則小屋泊者のみの送迎と聞いていたのだが、まぁいいよとのことで乗せて頂いた。ありがたい。
畑薙大吊橋前で降ろしてもらい、準備運動をして12時過ぎに出発。吊橋はかなり長くて怖かったような気がする。途中茶臼小屋までは2つの小屋を通過したが、すでに9月に入っていたのでいずれも管理人不在になっていた。何回か沢を渡って水を飲んだ気もする。とにかくひたすらの登りで、汗が噴き出し初日のザックが肩に食い込んで痛かった。茶臼小屋に着いた頃にはすでに夕暮れが迫っていた。
この日の夜はまさに満天の星空で、山の奥深さを感じた。

【9/3】朝5時頃茶臼小屋を出発。茶臼岳はパスして上河内岳へと向かった。途中の草原辺りで夜が明け、上河内岳のシルエットが目に入ってきた。竹内門という奇岩を通過したらしいのだが全く記憶がない。しばらくいくと上河内岳山頂。聖岳、赤石岳、悪沢岳という3000m峰が横一列に並んだ景観が圧巻だった。残念ながら写真は残っていない。結構午前中の早い段階で聖平小屋についてしまい、さすがにテントを張るには早いなと思って、悩んだ末に百間洞を目指すことにした。途中には兎岳の避難小屋もあるし、いざとなればそこに泊まればいいやと考えていた。
聖岳への登りは結構急でザレた道が歩きづらかった。確か昼過ぎ頃に山頂について大休止を取った気がする。赤石沢を挟んで対峙する赤石岳がすごくでかかった。なんと山頂には同じ大学のワンダーフォーゲル部がいて、彼らは北から縦走してきたといっていた。彼らと面識はなかったが、そこはさすがに同じ大学に通っている者同士、食堂の話かなんかをしてすぐに意気投合、頂上で輪になって歌を唄った後、シャツを脱ぎ捨てて上半身裸で写真を撮った記憶がある。あの写真はどうなったのだろう。焼き増ししてくれるって言ってた気がするのだが・・
彼らと別れて一路百間洞を目指したのだが、兎岳との鞍部までは結構な下りで、その分登り返しもきつかった。兎岳の避難小屋に泊まろうと考えていたのに、あまりに荒廃しなんだかお化けが出そうだったので、結局百間洞まで歩くことにした。中盛丸山辺りではホントにバテバテで、10歩進んでは止まるといった具合だった。百間洞山の家に着いたのは18時も回って結構暗くなっていたので、小屋のスタッフは呆れたような顔で僕の方を見ていた気がする。テントを設営したあとは、ほとんど食事もせず泥の様に眠ってしまった。

【9/4】昨日はかなり行動時間が長かったので、今日は早めに行動終えようと考え荒川小屋辺りを目指すことにした。百間平は突然開けた様な土地になっていて不思議な場所だった。赤茶けた斜面をトラバースしながら登っていくと赤石岳に着いた。この日も天気がよく富士山が望めた。赤石岳からの下りでは前々日にバスの中でご一緒したご夫婦とすれ違って、頑張ってとエールを頂いた。大聖寺平手前ではピンポイントで携帯の電波が入ったので、誰かと電話をした気がする。大聖寺平を過ぎるとこの日も昼前には小屋に着いてしまったので、結局中岳の避難小屋まで足を伸ばすことにした。避難小屋に着くとザックをデポして悪沢岳を往復した。登り返しもあって結構時間が掛った気がする。この日は夕焼けがきれいだった。中岳ではテントを張れないとのことなので素泊まりで小屋を利用させてもらった。管理人さんからは小屋にオコジョ?か何かがやってくる話をして頂いた。

【9/5】小屋を出てすぐ荒川前岳から高山裏方面に分岐するあたりで雷鳥に出会った。そばに寄って写真を撮ろうとするのだがあともう少しのところで離されてしまう。結局彼らはハイマツの中に逃げて行ってしまった。高山裏避難小屋もすでに管理人は不在で、結構下の沢まで水を汲みに行った気がする。ここから先は正直ほとんど覚えていない。なんだか気持ち悪い植物がいっぱい生えていたような気がする。小河内岳への登りは結構疲れた。三伏峠の手前、烏帽子岳からは塩見岳の兜のような姿が印象的だった。天気が良かったのはこの日まで。携帯の電池も切れたので以後写真なはい。

【9/6】朝は曇りだったような気がする。塩見小屋辺りまで樹林の中を進んでいくのだが、途中から雨が降ってきた。塩見岳山頂からの景色もゼロ。まだまだ先は長いのだがやる気がでない。この日は確か道に迷ったりもした。長い樹林帯の中を進むとやっと熊の平小屋に到着。雨に打たれた1日だった。熊の平小屋は樹林に囲まれた静かな小屋だった気がする。いつかまた訪れてみたい。

【9/7】朝起きてみるとテントを叩く雨の音が聞こえる。強くなったり弱くなったりを繰り返している。連日歩き通しなので今日は停滞しようと考えていたのだが、次第に雨が弱くなってきた。10時前頃熊の平小屋を出発。今回は大井川に沿うように縦走してきたわけだが、あの川幅の広かった大井川も今や一本の細い沢である。その沢も涸れ、ガラガラ積み上がった岩を詰めていくと間ノ岳の山頂に到着した。あいにくガスが掛っていて眺望はなかったが、たまにガスが流されると一瞬だけ北岳が望まれた。だいぶ北上してきたなというのが実感できた。ここまで思った以上のペースで食糧を使ってしまい、残りは1日分ぐらいしか残っていなかった。頂上にいた男性に事情をはなすと、おにぎりとフリーズドライタイプのリゾットを分けて頂けた。余りそうだからあげるよとのことだった。山にいるヒトはみんなやさしい。ただこのリゾット、実は今でもザックの中で眠っているのだが・・
連日の疲れからか中白根山への下りで10mほど登山道から滑り落ちた。理由も覚えていないが、一瞬ヒヤリとした場面だった。北岳への登りは結構急だったが、人が多く今までのルートとは明らかに違う雰囲気だった。さすがは人気の山だ。山頂に着いたが眺望はなし。ただ、北岳の頂に立てたということですごく達成感が湧いた。そしてこの達成感が急速に僕の気持を下山へと向かわせていった。この日は肩ノ小屋まで下りテントを張った。

【9/8】夜明け前からテントの前が騒がしい。皆、朝日が昇るのを待っているようだった。テントを出るとちょうど陽が昇ってくるところで、空は真っ赤に染まっていた。神々しい景色だった。そして、旅の最後を飾るには最高のシチュエーションだった。これから野呂川まで下った後、再び仙塩尾根まで登り返し、あまつさえ仙丈・甲斐駒を超えていくなんていう気力はもう残っていなかった。下山しよう。そうと決まれば足取りも軽やかで、あっという間に広河原まで下ってしまった。広河原で小一時間程過ごした後、名残惜しかったが帰りのバスに乗った。途中芦安の温泉で一週間分の汚れを落とした後、清々しい気分で帰途についた。

結果として計画は完遂されなかった訳だが、今でもこの一週間はとてもいい思い出になっている。10日間の休みなんて簡単には取れないだろうが、いずれまた長期山行に出かけてみたいと思っている。さてその時はどこへ行こうか・・

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