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Yamareco

記録ID: 1186385
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

(過去レコ)小嵩沢山

2009年05月02日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
31.8km
登り
2,100m
下り
1,966m

コースタイム

日帰り
山行
11:50
休憩
0:40
合計
12:30
3:40
70
安房峠道路旧道
7:00
60
徳本峠
8:50
35
2384.6mピーク
9:25
9:35
70
2120m最低鞍部
10:45
11:05
50
11:55
12:00
60
2120m最低鞍部
13:00
40
2384.6mピーク
スタート地点は旧道へ入ってすぐ、比較的広い所に路上駐車。
帰りは上高地BTからタクシーで戻る。
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2009年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
徳本峠への登りから
2009年05月02日 06:21撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 6:21
徳本峠への登りから
徳本峠近くの展望台から
2009年05月02日 07:09撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 7:09
徳本峠近くの展望台から
SJ(スタジオジャンクション)から
2009年05月02日 07:41撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 7:41
SJ(スタジオジャンクション)から
SJから奥穂〜前穂〜西岳〜大天井〜常念
2009年05月02日 07:41撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 7:41
SJから奥穂〜前穂〜西岳〜大天井〜常念
JP(ジャンクションピーク)から小嵩沢山の奥に八ヶ岳
2009年05月02日 08:02撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 8:02
JP(ジャンクションピーク)から小嵩沢山の奥に八ヶ岳
JPから鉢盛山〜小鉢盛山〜中央アルプス
手前は小嵩沢山への途中にある2384.6mピーク
2009年05月02日 08:02撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 8:02
JPから鉢盛山〜小鉢盛山〜中央アルプス
手前は小嵩沢山への途中にある2384.6mピーク
JPから南アルプス
2009年05月02日 08:02撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 8:02
JPから南アルプス
南アルプスの甲斐駒ヶ岳周辺をズーム
甲斐駒の真後ろに富士山が大きい。
右の凹は北沢峠
2009年05月02日 08:02撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 8:02
南アルプスの甲斐駒ヶ岳周辺をズーム
甲斐駒の真後ろに富士山が大きい。
右の凹は北沢峠
最低鞍部〜小嵩沢山間のベスト展望地から
ジャンダルム〜ロバの耳〜奥穂〜前穂北尾根〜槍
2009年05月02日 10:11撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
1
5/2 10:11
最低鞍部〜小嵩沢山間のベスト展望地から
ジャンダルム〜ロバの耳〜奥穂〜前穂北尾根〜槍
同じ場所から
西岳〜赤岩岳〜牛首展望台〜大天井岳〜東天井岳〜横通岳
手前は徳本峠⇔大滝山の尾根
2009年05月02日 10:10撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 10:10
同じ場所から
西岳〜赤岩岳〜牛首展望台〜大天井岳〜東天井岳〜横通岳
手前は徳本峠⇔大滝山の尾根
同じく
大滝山〜鍋冠山
2009年05月02日 10:10撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 10:10
同じく
大滝山〜鍋冠山
ここからは笠ヶ岳〜西穂高岳も見えていた。
右端はジャンダルム
2009年05月02日 10:11撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 10:11
ここからは笠ヶ岳〜西穂高岳も見えていた。
右端はジャンダルム
稜線の様子
2009年05月02日 10:12撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 10:12
稜線の様子
山頂標示
2009年05月02日 10:51撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
2
5/2 10:51
山頂標示
頂上の北東側には切り開きのような空間がある。
2009年05月02日 10:52撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 10:52
頂上の北東側には切り開きのような空間がある。
頂上の少し手前では乗鞍岳もよく見えた。
(下山時に撮影)
2009年05月02日 11:12撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 11:12
頂上の少し手前では乗鞍岳もよく見えた。
(下山時に撮影)
その近くから御嶽山
(下山時に撮影)
2009年05月02日 11:14撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 11:14
その近くから御嶽山
(下山時に撮影)
午後2時を過ぎても雲のかけらもなく、
2009年05月02日 14:01撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
5/2 14:01
午後2時を過ぎても雲のかけらもなく、
一日中眺めていたい山岳美であった。
2009年05月02日 14:28撮影 by  Canon EOS Kiss Digital, Canon
1
5/2 14:28
一日中眺めていたい山岳美であった。
撮影機器:

感想

【山行記録投稿=2017年7月4日】

小嵩沢山(こたけざわやま)は徳本峠への古道、島々谷川南沢とその南を流れる水殿川とに囲まれた山塊の最高峰である。
どこかに、残雪期に日帰りで行ける面白そうな山はないだろうかと、日がな一日あちこちの登山地図を眺めていて探し出した山である。

ネットで検索すると、何件かの記事がヒットし、そのうち、2005年4月29日と2007年4月29日の、いずれも幕営単独行の記録を参考にさせて頂く。
(特に後者は役に立った。)
2002年8月に霞沢岳へ日帰りで行った。今回も日帰りの予定。もし無理なら帰路で徳本峠小屋に泊まるか、途中で引き返すことにしていた。
当初は、私の勤務先が連休に入った29日(祝日)を予定していたが、前日に小屋へ電話して雪の状況を尋ねると、『2〜3日前に雪が降り、日陰で20〜30僉⊃瓩溜まりで50僉戮箸里海函新雪はラッセルを強いられるので後日の好天の日に変更する。

GWの後半、全国的に5連休が始まる。前日の天気予報は、関東甲信越とも晴れマーク一色。2日(土)の午前0時過ぎ、八王子ICに乗る。小仏トンネルまではノロノロ、以降、松本ICまで渋滞はなかったが交通量が多く、ほとんど80〜90キロ走行。
中ノ湯のゲートが開いてから、沢渡でバスやタクシーに乗り換えていたのでは遅くなるので、霞沢岳の時と同じく安房峠への旧道に路上駐車し、歩いて上高地へ入る。
夜が明けたばかりの河童橋では、4人のおばさん達が雪の穂高連峰や焼岳を見上げていた。明神館の外には人影なし。

徳本峠へのルートはネットの記事と全く同じ。徳本峠への黒沢から振り返ると、黒々とした岩肌に真っ白な雪をまとう前穂が、群青色の空に突き上げていた。
足元の雪はよく締まっていて滑りはしなかったが、穂高連峰を撮るのでザックを開けてカメラを出したついでに、アイゼン(軽6)を着ける。(アイゼンは帰路もこの下までずっと着けていた。)ルートは徳本峠へ直接上がる形となっている。
小屋の横で単独行がテン泊していた。二言三言話す。霞沢へは行かず、今日はこれから下るという。極上の快晴なのに何とも勿体ない! 小屋のすぐ上でも鮮麗なる穂高の絶景が眺められた。

計画段階で、JP(ジャンクションピーク)までの急斜面が最も心配だったが、小屋泊まりで先行したと思われる真新しい2〜3人の足跡があり、全く問題なし。帰路では股間まで踏み抜いた跡もあったが、朝は雪面が締まり、快調に高度を上げる。
右側にSJ(スタジオジャンクション)と思われる好展望地がある。鋭い尾根を従えてその頂点にそびえる前穂と、奥穂〜西穂のおびただしい雪の壁が圧巻だ。
ルートはジグを切る夏道と違い、疎林の尾根の直登。所々で左側が広く開けており、これから向かう小嵩沢山への尾根の全貌が見える。黒々とした森で、雪は少なそうに見える。

JPに上がり、眼前に広大な展望が広がる。北は小さく尖った四阿山の左に志賀高原の山々、南は巨大な不揃いの乳房のような鉢盛山の右奥彼方に、赤石か聖が見えていた。甲斐駒は富士山に取り込まれたかのようにみえる。小嵩沢山の背後は南八ヶ岳の横岳。
中アは、北からは縦方向なので山座同定がしにくい。乗鞍や御嶽は樹林の陰で、JPからは見えない。

小休止の後いよいよ小嵩沢山へ向かう。
少しの間は霞沢岳の方へ向かうとネットにあったので、雪面のトレースを追う。3〜4分、緩やかに下った所で前方に樹間から真っ白い巨大な雪壁が見えた。霞沢岳だと分かり、すぐ引き返す。
尾根が広いので、JPまで戻らず右に入る。尾根が少し狭くなり、小嵩沢山へ続く尾根だと確信する。人の足跡は全くない。小屋からの今朝の足跡が小高沢山へ行った人であってほしいと願っていたが、考えが甘かった。

トレースが全くない雪山を単独で長時間歩くことは心細かったが、快晴・無風で体調も良く、新雪を踏み抜いて転倒しないよう、樹間は慎重に歩く。最近降った雪とそれ以前の雪ははっきり見分けが付く。前方の2384.6m三角点峰も所々で見える。
ところが、実際にその場に着いてみると、三角点峰にいるのかどうかは分からなかった。目印の類は一切なく、最高地点そのものが二重山稜だった。ネットに記載されている以上に二重山稜や舟窪地形が多い気がする。

今回の山行には目印用のオレンジ色の布切れとコンパスを持参。間違った所はあったが、迷った所はなかった。間違った所は2384.6m付近の平らな尾根で、左方向に下るべきを真っ直ぐ進んでしまった。
高低差120〜130mぐらい下った頃だったろうか前方に急傾斜の谷を隔ててピークが見える。こんな筈はないと思い、左奥を注意して見ると尾根らしい高みがある。
尾根を間違えたことに気がつき、かなり急な斜面を真横(左)にトラバースする。
その時間と距離から、最初は三角点峰から南南西に延びる尾根に入ったかと思っていたが、帰路に検証してみると正規の尾根と南南西に延びる尾根の中間の小さな尾根に入っていた。

正規の尾根に出て、1〜2分下った所の栂の木に赤テープが巻いてあった。何の変哲もない場所であり、まるで私に『これが正規の尾根ですよ!』と教えてくれたかのようだった。幾らかしょぼくれていたが、この赤テープで意を強くした。
間もなく、ルート上の最低コル(標高2120m台)に着く。ここは最初から最低鞍部だと確信したし、高度計も合っていた。(現場はネット上のコルの写真とは違う。人工物も見当たらず。)小休止の後、予定どおりサブザックにカメラと少量の飲食料を入れ替えて山頂を目指す。

コルから山頂まででは所々に好展望地がある。一番良かったのは2300m付近の平坦地で奥穂から槍まで、頂稜の視界に樹木が入らず壮観である。ジャンダルムから西穂高は木の枝越しの展望だが、西穂高の左奥には笠ヶ岳が見えていた。何より、SJやJPでは見えない槍が見え、この山に来た喜びを感じる。
昨年10月、涸沢からの帰りに蝶ヶ岳へ上がり、大滝槍見台で今回と同じような方向から槍〜穂高を見上げたが、雪の鋭鋒はやはり格段の迫力である。

山頂が近い頃、尾根がT字状に、左右に延びている所へ上がる。一瞬戸惑ったが、根張りが大きい左へ進む。
軽荷だったので、疲労感もなく小嵩沢山へあっさり登頂。JP以降、雪庇などは全くなく、アイゼンなしで滑っても滑落する所はなかった。頂上は小広い高台という感じで空は真っ青、そよとの風もなく小鳥のさえずりも聞こえず、不気味なほどに静謐なる頂きであった。
木に巻いたビニールテープにマジックで山名を書いてある。左前方(北東)が幅約10m、距離約50mで開けている。緩やかな斜面を下りてみると、大滝山方面が好展望だ。松本平の彼方は美ヶ原を中心として南北に連なる稜線が梢越しに見える。

20分後に下山開始。上りでは穂高方面に気を取られて気付かなかったが、直下の左前方(南西)には乗鞍と御嶽山がよく見えている。
復路は自分の足跡を追うだけなので、ルーファイの心配もなく足取りも軽い。自分の足跡を見て、随分大股で歩いてるなァと思う。
ザックをデポしたコルに戻り、小休止の後、2384.6m三角点峰まで250mの上り。栂の木の色あせた赤テープは2240m付近である。

間違って下り始めた付近がどういう地形で、なぜ間違えたか検証しなければならない。左からトラバースして来た付近は、広いがはっきりした尾根だ。登るにつれ尾根はさらに広くなり、往路の自分の足跡が上から見て右方向に下っていた。そこではやや左に下るべきだったが、尾根が広く先が見通せなかった。
目印にするつもりで持参していたオレンジ色の布は必要なかった。山頂の赤テープの下と、最低コルとで木に縛り付けておいた。三角点峰にもと思ったが、最高地点が二重山稜で紛らわしく、ここで間違える可能性は低いので付けなかった。間違えやすいのは、三角点峰から南東に高度差で50mほど下った広い尾根だ。

結果論だが、三角点峰からは尾根の左端(北側)を歩くべきだった。JPと三角点峰とのコルには大きな舟窪があり、下りでは右側がやや高い。ここを緩やかに上りきれば三角点峰だ。
JPに戻る手前は、霞沢岳に行った人があちこち歩いたのか、足跡が輻湊している。JPでは高年の男性二人が座り込んでいる。P1の手前で引き返した、無理に登っても降りられそうになかったと言う。
二人のうちの一人はアイゼンを付けていなかった。私が霞沢岳へ行った無雪期でさえ、P1直下は直登の滑りやすい急坂で、木の幹や枝に掴まっての登下降であった。

JPから小屋までは新雪が腐って滑りやすく、下りはアイゼンがないと危険な状態だ。小屋でも黒沢沿いの下りでも、上がって来る登山者から「霞沢岳へ行ったのですか?」と聞かれる。霞沢岳は簡単に登れる山ではないので、情報が欲しかったのだろう。小嵩沢山と答えると、きょとんとした顔の人もいた。

5連休の初日でもあり、明神館〜バスターミナル間は大勢の観光客で賑わっていた。
この時期は、夏場のように雷雨の心配もガスに閉ざされる心配もない。
浮世のしがらみを忘れ、煩雑な巷の諸事雑事から離れて、思いっ切り山と戯れた一日であった。

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