北ア・島々谷編 真夏の笹藪の求道〜憧憬の小嵩沢山無雪期薮尾根縦走
- GPS
- 14:32
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 1,631m
- 下り
- 2,404m
コースタイム
- 山行
- 2:32
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 2:46
- 山行
- 11:28
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 11:45
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
どうしてこうなった…
……………
…………
暑さと暑さと暑さで体力減退したところに足の具合が悪化して二進も三進も行かなくなった訳で…
この週末は盆に備えて、下見して以来数週間ご無沙汰していた金木戸川上流の取り付きの確認に行こうと、沢の装備も準備万端?整ってぇ土曜早朝に双六ダムまで行ったんだよね
…でもね…金曜、日中に異様に頭冴えて仕事をした所為か?よりにもよって双六ダムに着いたら猛烈な睡魔に襲われて結局駐車場で寝たんだってさ…ハハワロス
脳のCPUにガタが来てますわぁ…
んで…じゃぁどこ行こうかと考えてたら道の駅奥飛騨で11時までぐっすりだってさ…
何を言っているのかわからねーと思うが以下略。
こうなったら2週続けて「ぶく」になった島々谷シリーズのド本命をやるしかないな、とR158号を島々谷へ…
沢渡BTを通過した時点で車が全く動かなくなったのはなんでだぁ?
工事に伴う片側通行の待ち時間にしては長過ぎるだろJKということで、ググってみたらあらびっくり!木賊トンネルで正面衝突事故だってさ…ハハハワラエネエワ
いつ渋滞が治まるのかアテにならんので、仕方茄子に沢渡BTの有料駐車場に車を止めてバスで上高地へ…プランBで上高地経由で徳本峠へ行くしかねぇ!
駐車代が2日分で1400円もかかるからちくしょう!!
当初の計画から目的地が変わった上に、いきなりのケチの付きように不安を覚えるが、まぁどうせいつもこんな感じだ…( ゜д゜)、ペッ
ってな訳で前振りはこれぐらいにして…
4時間程度で徳本峠へ…
前々週に小屋番さんに大見え切って霞沢の翌日に小嵩沢へ行くと行っておきながら、あっさり即堕ち敗退ダブルピースだったので合わす顔が無いなぁ…と心配していたら、若い小屋番さんで初顔だったのでよかったばい…
でも明日小嵩沢山を縦走して島島谷へゲザーンするって聞いて「登山道無いんだけどそんな装備で大丈夫か?」と心配してくれましたよ…
「大丈夫だ、問題ない」とフラグ混じりのお礼を申し上げてテント設営!
…強襲制圧型ウルトラライト装備なので、快適性をオミットしてスリーピングマットも雨除けのフライも持ってきませんでしたが、あろうことかバーナーとコッヘルまでも持ってこなかったのは想定外でしたね…
持参したカップうどん(中身)の入ったビニール袋に適量の水を入れて2時間程放置プレイ…
2時間も待てないのでそのままダイソー枕とうっす〜いシェラフで熟睡ですよ…
皆が寝静まった23時頃に目が覚めて水戻しうどんを見てみると、なかなか良い塩梅に冷やしうどん状態になっております…やったぜ!
暗闇の中、袋から直食いで遅めの夕餉をいただきます…そうそう、カトラリーも忘れていたんだよね…ハゲワロス
なんだろう…食べながらしょっぱくなって来たぞ?😭
朝靄漂う薄闇の中、テントを撤収して作戦行動開始…水は1ボトル(700ml)+プラティパス(2300ml)、増槽でペットボトル麦茶(600ml*2本)、総菜パン*3、明神館で買った柿ピー、ビスケット…これだけあれば、藪漕ぎ中のシャリバテはなかろう…
水食糧以外の重量(シェラフ、クロスオーバードーム、枕)は1kgあるかないかなので、ベストな状態で藪に突入できそうだ…
消耗を避けてゆっくりとジャンピーを目指す…
途中でモルゲンになり、どうか日差しが強くなりませんように、と祈りながらジャンピーを通過、小嵩沢山に続く南尾根の稜線へと藪入りしていく…
◆ジャンクションピーク〜三角点「本谷」◆
糞藪度:あ(1/5)
人類は平和度:あたたた
踏み跡度:あたたた
ジャンピー一帯の平場は若干の倒木と薄い藪で踏み跡も無いが、尾根に乗るとはっきりとしたアニマルトレイル(AT)が現れた!😄
事前情報で林班図にもここから本谷までは破線で作業道?巡視道?が記載されていたので予想通りではあった…
尾根の左側は笹藪、右側は樹林帯と言った感じでその中に薄っすらと道が見える感じで開幕早々からの藪漕ぎは避けることが出来たよ!
本谷が近くなるとコメツガがやや鬱陶しくなるが、ATがハッキリしているので問題なく、ここまで下り基調で本谷への登りも緩いので案外あっさりと三角点「本谷」に到着…するも、この辺りから2重稜線っぽくなり、AT上に三角点が見当たらない?
GPSで位置を確かめつつ、隣の稜線に移るとなんとか発見♪
◆三角点「本谷」〜小嵩沢山◆
糞藪度:あたたたた(5/5)
倒木度:あたたたた
死にたくなる度:あたたたた
ハッキリ申し上げて、この区間が今コースの最悪区間になります…
本谷を下り始めて勾配が緩くなり始めると再び2重山稜、3重山稜と化し、ATは消える…
笹藪は腰丈以上胸丈当たり…他重山稜のどこかにATがあるかもしれないが、外れ山稜は強烈な笹藪と倒木、コメツガが張り出した枝でまっすぐ進むこと自体が憚られる…
…じゃぁ谷筋歩けばいいじゃん?と思うでしょう?
高低差が低ければそれもありですが、場所によっては10m以上の高低差で糞勾配の笹藪になり、もろちん谷筋にもたっぷり倒木があります…そしてぬかるむぞ…
時折、笹藪の切れるところが僅かにあるのが救いであろうか?
小嵩沢山直下になると倒木とコメツガと笹藪の混成旅団が尾根筋を占拠しており、さっさと右へ逸れないと恐ろしい目に遭います…
陰影付き地図を拡大するとこの稜線の底意地の悪さを理解できます…
笹藪は平らな所では異常に伸びて過密化します…そういうことです…😨
山頂は樹林帯の中の胸丈程の笹藪の海…
北東尾根側が拓けていて下ってみたくなるが…さてどうするか?🤔
ぱっと見、藪屋が付けた赤テープを確認できず…三角点も笹藪に覆われてちょっと見つけられない…
GPSを頼りに三角点マークの中心点を辿ろうとするも分からず終い…
夕方のバスで沢渡まで戻る必要があるため、のん気君してる暇は無いので見切りをつけて北東尾根へ進路を…取らず、計画通り三角点「安曇」目指して絶望的に標高が下がらず、登り返しの多い稜線へと踏み出していく…
どうせ1度こっきりの「縦走」だ…後悔の無いようきっちり藪尾根を歩くことにしよう!😤
◆小嵩沢山〜三角点「安曇」
糞藪度:あたたた(4/5)
標高が下がらない度:あたたたた
死にたくなる度:あたたた
下りゆえに笹薮の脅威も若干和らぐが、それでも倒木や地形に気を付けて下らないと足を取られたり、とんでもない方向へ誘われてリカバリーで地獄を見る…
そしてこの区間の真骨頂は、殆ど標高が下がらない事であろうか…
急勾配をある程度下っても、その後糞薮のアップダウンを繰り返し、また大きく登り返す…
2時間近く藪の中を下っているはずなのに、数十mしか下っていないという事実に死にたくなる…😨
小嵩沢山までのダメージの為、80m程度の薮の登り返しが兎に角足に来る…
もろちんATなんか殆ど無いぞ…
GPSとにらめっこしながら耐え忍んで安曇へと歩を進める…ゆっくりでも歩かなければ辿り着かないからね…
糞藪に揉まれながら最後の30mを登り上げると三角点「安曇」…
標高は2149mで200m下ったはずなのに、登った印象の方が強い…
ここは膝〜脛丈程度の笹薮だが、小嵩沢山同様、三角点が見つからなかった…残念…😰
◆三角点「安曇」〜三角点「庄沢」
糞藪度:あたた(3/5)
標高が下がらない度:あたた
そろそろ挫けそう度:あたたた
安曇から緩やかに標高を落とし始め、登り返しも2回ほどなので、絶望感はあまりないが、藪は低いながらもATはあまり見つからず…一部、笹の勢いが強い区間があるがそれも一瞬で、やや中だるみ感が強いか?
小ピークを下りたコルから80mほど薄く低い笹を登り返せば三角点「庄沢」に辿り着く…標高は1939.1m、小嵩沢山から200m刻みで三角点が存在しているが、既に5km歩いている…比高400mで水平5kmは登りは良いが、疲労の溜まった下りでは挫けそうだ…まぁ、登りは登りで糞藪だからどっちもどっちだな…死ね!
庄沢の三角点は笹に埋もれることなく、GLから15cmほど頭を出しているので労せず発見できた……………三角点マニアじゃないんだが、あると見つけたくなるものだ😅
◆三角点「庄沢」〜三角点「上沢」
糞藪度:あた(2/5)
もう苦労しなくていいよね度:あたたた
登り返し度:あ
さて最後の三角点目指して下りる訳だが…下り始めはやや右を意識して尾根を下りなければならない…下り開幕は結構な灌木藪で見通しが悪い
吾輩は尾根芯を下っているつもりであったが、尾根の左下方へといつの間にか引っ張られており、おかしいと思いGPSを見るも、尾根芯っぽい…しかし右に尾根が見えるので藪を突っ切って尾根に乗る…この辺りは数十m灌木藪の中を下るのでATが見つからないが、その内藪が切れて里山っぽいすっきりした尾根になる♪
1785Pをわずかに登り返せば明瞭な尾根下り…上沢への登り始めが再び灌木藪の藪漕ぎを強いられると思うと辟易だが、尾根の左下を巻くようにATが続いているのでこれを忠実に辿っていくと上沢を通り越して下りの尾根に合流することができる…
折角なので20mほど緩い勾配を登り返して名無しの三角点を確認しに行く…
三角点のある平場は脛丈のシダの薄藪だったが、容易に発見
実を言うと先ほどの三角点「庄沢」から北東、南尾根の林班界を境に島々谷側は国有林の区分から外れて、この一帯は県有?市有?町有?林になっており、林班図にも記載されていない…国土地理院の三角点閲覧サービスで調べると「上沢」…cloud氏に教えていただいて思い出した…基本じゃん💦
ともあれ、最後の三角点を踏んで後は前樽沢に通じている林道へと尾根伝いに下りるだけである…やれやれ長かった…😩
◆三角点「上沢」〜林道出会い
糞藪度:あ(1/5)
急勾配度:あたたた
下り快速度:あたたたた
ここまで来ると笹藪はもう存在せず、里山感前回であろうか?
とは言え、林道へ通じている尾根へは2回ほど尾根の乗り換えがあるので標高と方位に注意し、初めは1600m辺りから右を意識して右の尾根を下る、ATがはっきりしているのでこれを辿ると1470m辺りでプラ杭が現れるのでここから左の支尾根に移る…
後は只管に下る訳だが、ここから林道まで500mの急勾配の下りになる…
概ね危険はないが、一部抉れて手を使って下りる注意ポイントがある上に、濡れていると結構滑るのでチェンスパを使うと滑り防止に役立つことだろう…
場所に寄って痩せ尾根があるので、この辺りは左右に落ちないように気を付けたい…
最後の最後に500mの急坂下りは足に堪えるようで、途中で大休憩を挟んでしまった…
汗で下着の▽ゾーンが擦れて真っ赤になって痛くてどうしようもなく、止む無くノーピャンになったのは仕方が無いよね… 😭
閑話休題
標高を落としていくと植林帯が現れ、林道近くになると灌木藪が煩くなるが、ATを辿って下り続けると林道はすぐ下に見えた
…が、擁壁の高さは3~4mはある…
若いころは5,6m程度は平気で飛び降りてもなんともなかったが、この年でそんな無茶をやってオーラスで怪我をするのは愚の骨頂だろう…
なんとか擁壁の高さが低くなった場所を見つけて林道へ着地…
……………
…………
I did it!!
yeah!(゜∀゜)
霞沢岳の地図を見てこの山に憧れてから早5年か?
随分時間がかかってしまったが、当初のプランがジャンピーからのピストンから考えれば、胸を張って「登った」と言える程度の山行にはなったことだろう……
…奥美濃とかの常軌を逸した藪を歩いている藪屋達に言わせれば、大したことの無い山ではあろうが…
兎も角、5時半にジャンピーから藪入りして、15時50分現在藪抜け…10時間半の中で8時間は藪を漕いでいたようだ…暫くは藪漕ぎは御免被りたい、というのが「この時点」での率直な感想である…
…15時50分?
…BS安曇支所前の沢渡行きバスの時刻が16時16分…
ヤバいぞ!走らなければ間に合わないか?
否、最終18時頃の高山?行きのバスまでゆっくり汗を乾かしたほうが良いか?
兎に角、間に合えば乗る、間に合わなければ諦める、で全力ダッシュ(強歩とも言う)開始😱
走りたいけど、足首の軟骨が消滅しているので関節が曲がらず走ることが出来ない
as soon as possibleで林道を疾走(歩く)も大きく葛篭折れになった車用の林道はなかなか終わらない…
いっそメイトリックスのように筋肉ショートカットしようかとも思ったが、下手な考え休みに似たり…擁壁で立ち往生が目に見えるので大人しく林道駆け(歩き)…
ゲートを通過したのが16時9分…ここから畑の馬入れを上手く利用してショートカットし、16時13分にR158に出て、ギリギリチョップでBS安曇支所前に到着…
1分せずにバスが来てしまい、汗だくのままバスの中へ…
そのまま沢渡まで即身物体Xのように寝てました…
バス代と駐車場代併せて2400円で済んだので実は手持ちの現金が足りるかハラハラ…😨
現金しか持っておらず、沢渡BTにATMが無いので足りなかったらどうしようかと…
細かいとこまで調べてなかったせいで、余計な気苦労をするオチになったとさ…
(゜∀゜)バーカww
そんな訳で…急遽予定変更から始まった小嵩沢山無雪期縦走ではあるが、どうにかこうにか本懐は果たすことが出来た…😅
…が、上高地側から横着をして2400mから下り始めるという掟破りな罪を犯してしまったこともまた事実…😥
今回のルートから外れた位置にある三角点「預瀬沢」を経由する北東尾根や水殿ダムから本谷へと続く稜線にある「花車峰」…
なにかこう…モヤモヤする訳で…
さて……………
一反 尾張?
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
ついさっき、女房が自分のPCで、この記録を見つけました。なぜかタイムラインの2ページ目にありましたよ。
二人で向こうとこっちで時折、歓声を上げながら、引きずり込まれるように、磁石に吸われる鉄のように、ひたと目を引き付けられて、一気に読みあげました。
素晴らしい記録でした。
全力をもって最善をつくし、げに健闘に暮れた一日こそ、尊いものはないでしょうね。
祝福します!とりあたまさんの小嵩沢山縦走成功を!
4等三角点1637.6Mの点名は、「上(宇わ)沢」です。
昔むかし大学生だったころ、バスを降りるときに現金が不足していたんですが、運転手のおじさんが、「それだけで良いよ」と、まけてくれましたよ。友も、高速から出るときに財布を忘れていたのですが、これもありえる事例なのか、何とかなったそうです。
いったん尾張なんですね。次の記録が楽しみです。
凡そ普通の登山者には全くニーズの無い記録で、しかも随分前の記事なので見る人はそれなりにマニアックな方ばかりなんだろうな〜なんて思ってます…
そして「藪だらけ」の一言で済む内容が御覧の有様でダラ長く、書いてて飽きました…
文才無いのがお恥ずかC…
林班図には国有林外の記載が無いので調べられませんでしたが、ああいった区域の三角点を調べる方法は他にあるのでしょうか?
お金が足りなくても笑って許してもらえるのは学生さんまでですよ…(;´Д`)
いい年ぶっこいた大人…初老がお金足りないとか相手が許してくれても自分が恥ずかしすぎて切腹ものでございます…(´;ω;`)
あと1回はこの山域を歩く必要ありますね〜…もろちん、あ・そ・こ♡です
国土地理院>基準点・測地観測データ>基準点成果閲覧>基準点検索入口>詳細検索
以上です。
なお、そこで開いた地形図で、当該三角点をクリックすれば、点の記も閲覧できます。4等上沢の点の記のルートは、今回のとりあたまさんのルートと同じでした。
思い出しました…基本も基本でしたね💧
物忘れ酷くて凹みます…😢
先週に預瀬沢だったので今週は花車峰やりたいな〜と思いますが、天気微妙( ´~` )
あんなところから取り付けるものなんですね…😲
序盤の300m程の登りがかなりヘルモードな気もします…南川氏レベルなら苦も無いかもですが…😅
残雪期の花車峰なら水殿ダムの吊り橋を渡って巡視道から三等「鞍猪沢」経由して花車峰へと往復した記録がありました
こちらは結構な距離がありそうですが、1504m点までは鉄塔巡視路があるので藪も無く標高が稼げそうです…🤔
楽しみにしています。
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