うさぎ年の山 兎岳 南アルプスを縦走
- GPS
- 46:10
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 3,554m
- 下り
- 3,551m
コースタイム
7月31日 07:20 畑薙ダム夏期臨時駐車場⇒ 07:40 畑薙ダム⇒ 08:00 畑薙ダム⇒ 08:50 聖岳登山口⇒ 10:00 吊り橋⇒ 11:05 作業小屋跡⇒
12:45 沢を渡る⇒ 13:40 滝見台⇒ 14:30 聖岳平小屋
8月1日 04:00 聖岳平小屋⇒ 04:25 あざみ畑⇒ 05:15 森林限界⇒
05:25 小聖岳⇒ 05:55 水場⇒ 06:45 聖岳 07:05⇒ 08:00兎岳コル⇒
08:50 兎岳避難小屋⇒ 09:00 兎岳⇒ 09:50 小兎岳ピーク⇒ 10:40 中盛丸山⇒ 10:55 百間洞分岐⇒ 11:20 大沢岳⇒ 12:05 百間洞テント場⇒
15:00 赤石岳⇒ 17:00 赤石小屋
8月2日 赤石小屋⇒ 05:50 樺段(かんばだん)⇒ 07:00 サワラ島 08:00⇒
09:00 畑薙ダム⇒ 09:15畑薙ダム夏期臨時駐車場
天候 | 7月31日 曇りのち雨 8月1日 晴れのち曇り雨 8月2日曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
県道189号線 〜 県道60号線(南アルプス公園線) 〜 畑薙第一ダム |
コース状況/ 危険箇所等 |
井川ダムに近ずくにつれて雨足が強くなり、どうしようかと迷いながら畑薙臨時駐車場に着きました。 予定した時刻より到着時間が早かったので車内で空模様をうかがって待機していると、薄日が時折さし始めてきたので迷いを捨て予定通りに登山を実施することに決めて車から降りて準備をしました。 今月下旬の台風のため畑薙臨時駐車場の先の道路が崩落してシャトルバスが通れないので、畑薙第一ダムまで15分ほど歩き一番のバスに乗りました。 聖岳登山口で下りたのは、私を含め4人でした。急斜面の人工林の中をジグザグに登って尾根を交わすと緩やかな登りのトラバース道になりました。 聖沢に架かる吊り橋を渡ると広葉樹林の中の急登になり、造林小屋跡付近からは雨が降り始めてきました。 合羽を着て登ると汗で蒸れて歩く速度も鈍り立ち止まることが多くなり、登山道の木の梯子やガレ場を通過して高度を上げるのが大変きつかったです。 滝見台付近からはどしゃぶりになり登山道は沢のように水が流れ、登山靴が濡れてしめぼったくなり気になり登山道を外して歩きびしょ濡れで聖平小屋にほぼ予定時刻に到着しました。 翌日8月1日は霧雨状態でしたので生乾きのカッパを着て日の出前の暗い中、小屋を04時に出発しました。 薊畑を過ぎるころから周囲が明るくなるとともに青空が見え始め晴れてきました。聖岳の山容が現れて早く山頂へと気持ちは高ぶりますが、息切れと足が上がらず苦しい登りになりました。 水場で一休み山頂まであと一息、空身で追い越して行った若者が山頂から戻ってきました。 標高3013mの聖岳山頂からは雄大な赤石岳が目の前に現れて、あの山を越えて行くと思うと若干の不安を感じ今日の山行予定を変えてしまいたくなりそうでした。 まずは腹ごしらえと餅とパンそして自家野菜のキュウリ、ミニトマトを食べて朝食にしました。 兎岳のコルまで下がり西沢に崩れ落ちている崩壊地の縁を通り岩場を登り返して、兎岳避難小屋過ぎ標高2818mの兎岳山頂に着きました。 ガスが濃くなり周囲の地形が分からないまま、標高2738m小兎岳と標高2807mの中盛丸山を越えて百瞭兇諒岐に着きました。 ガスの中で時折見える大沢岳は急峻で高く見えましたので登らずに百瞭兇惴かおうかと弱音が出て迷いましたが、まだ通過予定時刻より早いので計画通りに登ることにしました。 標高2819.4mの大沢岳は最初のピークが山頂と思っていましたが、ガスの中からさら高いピークが現れ双耳峰になっているのにきずきました。 山頂からは片方が切れ落ちたガレの縁を回り、長い時間を感じ石のゴーロ帯を下がり百瞭競謄鵐半譴肪紊ました。 雨が降り出してきたので合羽を着て赤石岳を見上げると、ガスで一部しか見えませんがはんぱではないスケールの大きさに驚きました。 やっとの思いで登りきったと思いきや百諒燭任靴拭先が見えないのでどこまで続くのか不安にかられ長く感じました。 今度はきつい登りになり登っても登っても赤石岳の山頂は見えません。雨が激しくなり赤石岳避難小屋に逃げ込もうかとまた弱音が出てしまいましたが、標高3120.1m赤石岳山頂に着いて時計を見ると予定時間を少しおしていましたが、がんばって宿泊予定していた赤石小屋まで下がることにしました。 お花畑にはキンポウゲなどたくさんの花が咲き乱れていましたが、小屋到着時間に余裕が無く通り過ぎて今日もずぶ濡れで赤石小屋にたどり着きました。 翌日8月2日は04時30分に小屋を出発サワラ島に下がり08時のバスで畑薙ダムへ戻りました。 |
写真
感想
今年は兎年なので「うさぎ」と名前が付く山に登ろうと年頭から考えていました。
南アルプスのまだ未踏峰の兎岳に的を絞り、春先から少しずつ高い山に登り標高を上げて高度順応と体力をつけ万全の準備をして今回の慰霊登山も兼ねた山行に臨みました。
実施してみると天候が不安定で雨に遭い、想像していた以上にきつく厳しい行程でした。
聖岳は登山を始めて初めて登った3000m峰で、思い出が深く残っていて登るたびに自然と涙がこみ上げ感動します。
また登山をするきっかけになった義理の弟の奥赤石沢での遭難事故で捜索のお手伝いをしているうちに山とはどんなところか見てみたいと思い、まずは自力で聖岳に登る決意をした山です。
聖小屋の小屋番が変わったようで以前来た時よりも食事が改善されて大変美味しくなり、特に大きなお椀にいっぱいの味噌汁は味が良く量もありおすすめです。
新しく自炊用の小屋が作られ混んでいる時は静かでよさそう、寝具は寝袋ですがまだ新しく心地よく休むことができました。
兎岳は優しそうな山名とは違い聖岳からコルまで下がり、岩場などを通り登り返すので想像していたよりもきつい山でした。
遭難場所の上部と思われる兎岳コル付近で、奥赤石沢に向かい合掌して義理の弟の冥福を祈りました。
赤石岳はガスで先が見えず距離や目標物が分からなく、行けども行けども山頂に至らず体力を消耗し不安に駆られました。
3000m級の山は簡単には頂を踏ませてくれないようです、自分なりに準備を重ねてきましたが思うようには進まず、以前のコースタイムと比較してみますと時間がかかり体力の衰えは確実に進行しているようです。
山旅を続けていますと尊敬する人やすごい山男に出会いますが、今回出会った人はスケールが大きく桁違いでした。
年季の入った大きなザックを担ぎ東京を6月頃出て山に入り、南アルプスから北アルプスと渡り再び南アルプスに戻り11月頃東京に帰るそうです。
出会った日の夕方は大雨になったのでさすがの山男もテント泊をあきらめて小屋泊まりになりました。
小屋でスケッチブックを見せてもらいました。きめ細かいタッチで山の風景が画かれていました。今までに100冊程画いたそうです。
小屋で見た人は皆「すごい」「うまい」「個展でも開いたら」と賛美していましたが本人はその気も無く笑っていました。
ただの山男ではなく芸術家で、放浪の画家山下清さんのようだと思いました。
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