宮之浦岳(淀川登山口〜黒味岳〜宮之浦岳〜永田岳〜縄文杉〜太鼓岩〜白谷雲水峡〜楠川温泉)
- GPS
- 68:59
- 距離
- 43.7km
- 登り
- 2,593m
- 下り
- 3,821m
コースタイム
- 山行
- 6:38
- 休憩
- 3:30
- 合計
- 10:08
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 10:08
天候 | 10日:晴れ 11日:小雨のち晴れ 12日:曇り時々晴れのち時々小雨 13日:曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
飛行機
(復路)楠川温泉前の湯ノ川温泉BSからバス、早崎でランチ後、徒歩で空港、空路 鹿児島経由 羽田。 〈バス時間表〉 屋久島交通も、まつばんだ交通も搭乗区間が同じなら料金は同じ。 ・屋久島交通(2017/9/19改定) http://yakukan.jp/doc/pdf/yakubus170919.pdf ・まつばんだ交通(2017/3/01改定) http://yakukan.jp/doc/pdf/matsubandabus.pdf |
コース状況/ 危険箇所等 |
屋久島、宮之浦岳なら淀川登山口からが最も多く歩かれている。車やタクシーなどで日の出前にスタートすれば日帰りピストンの方も多い。 片や荒川登山口からは紀元杉まで日帰りピストンの方が多いが、宮之浦岳は距離も標高差も長丁場になるので日帰りは厳しいが、避難小屋一泊なら十分可能。 また、淀川登山口から荒川登山口まで日帰り縦走のツワモノもいる。 私はせっかくなので、ゆったりと永田岳や白谷雲水峡、楠川歩道を加えた歩きを計画しました。 メインの縦走路は全体的に整備の行き届いた一般ルートで緩斜面も多く、一部岩場(ロープ)もあるものの難易度は低く歩きやすいと思います。 今回のコースで留意点は二つ:  ̄陛蝶戞措之沢小屋間は溝がエグレて崩壊している箇所あり。下りは一見ガケに見えるがよく見ると木にぶら下がったり、笹を掴めばクリアできる。 白谷雲水峡からの楠川歩道は少しルートファインディングが必要だが、要所にピンクテープがあるので慎重に探せば迷うことはない。このルートは旧道を復活した路のようだが、静かな歩きが楽しめる苔蒸したいいコースと思います。 〈水場〉 ・頻繁に水場があるので不自由しない。ただ、ほとんどが沢水。淀川小屋の水場に至ってはまさに川。北海道のようにエキノコックスは無いにしても、心配な方は煮沸したくなるかも。 それ以外の気づき事項を列記します: 〈淀川登山口〜黒味岳〉 ・登山口から少し行くと、いつのまにか屋久杉に囲まれている自分に気づく。サルが鳴いてるな、と思ったらルート脇に何頭も出てきてビックリ。灰色がかってるのが特徴。 ・淀川小屋はこの日約10人。連休を少し外すと随分と空いているな、と感じた。 ・黒味岳は、ピストンしたがロープが確か4回、うち二回は無かったら上がるのか大変だったと思う。 〈〜宮之浦岳〉 ・投石岩屋から岩場が数度出てくるが、いずれも短く難度は低い。 ・山頂手前で急に雲の上に出て快晴となった。日頃の行いですね‼と出会う方々と喜びあう。 ・半分以上は、淀川登山口日帰り組。遅いグループは失礼して抜かさせてもらった。 ・山頂周辺の花崗岩露出地帯は必見。快晴に恵まれてよかった。 〈〜永田岳〜鹿之沢小屋〉 ・宮之浦岳から一旦150mくらい下って登り返す。実際には大したことはないが見た目から精神衛生上よくない。笑。 ・永田岳から見る宮之浦岳は圧巻。黒味岳までの稜線も綺麗に見える。 ・鹿之沢小屋までの下りは少しヤブっぽいが下を見ればハッキリしているので迷うことはない。ただ、溝がエグレて崩壊しているのには少々参った。いきなりガケかと思うシーンが二回ほどあり、笹を両手で掴んだり、木にぶらさがったままウンテイのように伝わり降りた。登りは足場が見えるし、一度下ってるから難易度は格段に低い。 〈〜新高塚小屋〜高塚小屋〜縄文杉〉 ・ルート自体は歩きやすく迷う箇所もない。新高塚小屋手前は、それまでも度々出てきたが、ヒメシャラの大木の密度が圧巻。オレンジピンクの樹皮が冴えわたる様は見事。 ・縄文杉は やはり格別の風格。見る価値はあると思う。 〈〜楠川別れ〜辻峠〜太鼓岩〜白谷山荘〉 ・楠川別れまでトロッコ道を黙々と小一時間歩く。 ・楠川別れから辻峠は苔蒸した静かな歩きが楽しめる。全体的に緩斜面だが1日の最後の登り300mは少々きつい。 ・辻峠から太鼓岩の周回は約25分。 ・白谷山荘までは苔蒸した広々したルートを緑の中 下る。 ・白谷山荘は、外観は古いが中は広々としていて、小部屋に別れており、居心地はなかなか良い。水場やベンチ・テーブルも目の前。トイレが中にあるが、部屋のドアを閉めれば全く気にならなかった。 〈〜白谷雲水峡〜楠川歩道〜楠川温泉〉 ・早朝の白谷雲水峡を散策気分で下る。 ・楠川歩道はあまり歩かれてないのか苔蒸した静かな歩きが楽しめる。 ・ルートファインディングが必要な場面もあるが、ピンクテープを探せば迷うことはないだろう。 ・三本杉から少し急降下。細めのトラバースもあるが、ルート広めなので危険を感じるほどではない。 ・最後、車道歩き一時間強で楠川温泉に到着。 |
その他周辺情報 | <ガス缶> 空路だと持ち込めないガス缶ですが、屋久島内での調達は容易です。少しググるとすぐ出てきます。私は空港内の売店で購入。PrimusのNormalとHigh Powerが置いていました。プリムスの例↓。 http://www.iwatani-primus.co.jp/guslist.html <入山協力金> 今年3月から山中泊なら2000円支払い要となった。 あくまでも協力金なので強制ではない建前だが、登山口にオジサンが「張っている」し、常識的には「仕方ない」、だろう。 島内各所で支払うことができる。私は空港前の観光案内所で支払い、屋久杉製のお札をもらいまいた。 http://yakushima-tozan.com <安房での買い出し> 安房港前にあるA-Coop↓は安房最大のスーパーで食材等一通り揃う。 値段は千葉と遜色ないか物によっては安いくらい。 建屋内のカフェのマスターは山岳ガイドさんなので、食事がてら色々伺えて助かりました。 http://www.jabank-kagoshima.or.jp/tenpo/ja_taneyaku/_ja_8.html なお、宮之浦港付近にも大きなスーパーが数店ある。 〈楠川温泉〉 ・県道から徒歩2分半。(湯ノ川温泉BSから3分) ・沸かしだが、ヌメリ気のあるしっとりした温泉が楽しめる。少し硫黄の香りもした。 ・300円。美人女将とのトーク付き。 ・石鹸あり。シャンプーリンスは個人提供のが置いてあった。 https://i.4travel.jp/shisetsu/10603528?dmos=dm 〈空港近くでランチ〉 ・湯ノ川温泉BSから空港まで飲食店がない(鉱泉女将、バス運転手さん談)ので、空港から2つ先の早崎BSへ行くと、飲食店が4,5軒ある。 ・空港まで戻り徒歩約15分。 〈天皇陛下来訪〉 11月16日は、天皇陛下が屋久島ご来訪らしく、空港周辺では警備の演習が物々しく行われていた。当日予定の方は渋滞など想定された方がいいかもしれません。 |
写真
感想
最南端の百名山、宮之浦岳は関東からはアクセスだけでも大変なので、前後ゆったりとした時間配分で歩いてきました。
避難小屋周辺はテントも可能のようですが、連休外してるので小屋泊り前提のツエルトだけ持参としました。
11月は比較的降水量も少ないらしく、カッパを着ることはありましたが、山頂付近では青空が拡がり花崗岩が露出した絶景が楽しめました。
特に、宮之浦岳に向かうルート、宮之浦岳からみた永田岳、永田岳からみた宮之浦岳や稜線の山々の絶景は圧巻でした。
常に屋久杉に囲まれ歩く苔蒸した感じはやはり屋久島ならでは。
ヒメシャラもあんなに大きくなるのかと感動してしみじみ見上げていました。
縄文杉の大きさと風格にも圧倒され、白谷雲水峡前後から楠川歩道の苔蒸した静かな歩きも堪能でき、とても充実した歩きになりました。
避難小屋も充実しているので、組み合わせ次第で様々なプランが考えられると思います。
連休を外せばこの時期静かな歩きが楽しめることも分かりました。
屋久島は、そうそう来れる場所ではないですが、機会があれば、次は原生林が最も色濃く残っているという花山歩道(鹿之沢小屋から南西)を歩いてみたいと思います。
以下、小屋など途中で出会った方々のことを自分の備忘録として記録しておきます。
<屋久島空港にて>
・安房行きのバスを待っていると30前後の単独男性がいたので行程を聞くと、淀川小屋一泊、新高塚小屋で2泊目で3日目に荒川登山口へ下山、とのこと。小屋の混雑が気になるので安房からタクシー(約6000円)であがるというが財布に余裕のある方は違う。安房近郊までのバスで雑談させてもらった。小屋で再会。1時半に一番乗りだったらしい。翌朝5時頃先発された。
<淀川小屋にて>
・小屋で隣り合わせになった30前の単独男性。仕事の関係で休日が1日減ったのと鹿児島からの航空便の関係で、翌日は白谷雲水峡発バス14:40にどうしても乗りたいという。トレランされてるとのことで、翌朝2時半スタートと言っていたが間に合ったのだろうか。(日出時刻6:30過ぎ参考)
・淀川登山口までのバスも同じで小屋を5時半頃出られた60前後の4人組み男性。黒味岳直下でも出会い、永田岳直下でもすれ違った。
<鹿之沢小屋にて>
・永田岳山頂で出会った30前後の単独男性。淀川小屋の目の前でテン泊されていた方だった。鹿ノ沢小屋でもテン泊をエンジョイされていた。翌朝私が出発時にはまだシュラフの中だった模様。
・鹿之沢小屋に16時半頃来られた単独男性2名。
一人は八ヶ岳の山小屋で支配人をされていた方で、最近オフにあちこち歩いているが屋久島も何度も来られているとのこと。屋久島に永住するのが夢だとか。屋久島事情を沢山聞くことができた。
もう一人は30半ばと見受けられる埼玉からの単独男性。翌朝は淀川登山口(駐車中)に戻るという。白谷雲水峡は前日に歩かれた、とのこと。小川町が最寄りとのことでどこかで再会を誓う。
<新高塚小屋手前のルートにて>
朝10時半頃20代の男性2人に立て続けに抜かれたが、2人目に荒川登山口まで17:40に着けるか聞かれた。聞くと淀川登山口を夜明け前にスタートしたが今日の最終バスで下山したいらしい。私の白谷小屋までのCTでも16:40なので余裕だし、ここまでのハイペースを考えたらもっと余裕だと思う、と伝えると嬉しそうな顔をしていた。何やら登山は初の経験らしく、地図はあるもののCTが分からない、という。もうちょっとしっかり計画しなくちゃね、といいつつ強硬できる若さ(体力)に感服。学生時代は特に運動部ではなかった、とのこと。その先でミスコースし踏み跡の無い藪に突入されてたので私が声かけし戻られたが、迷う所でした、とおっしゃっていた。確かに踏み跡が鋭角に曲がっているところだった。
<高塚小屋にて>
・小屋前で休憩中に20kgのデカザックを背負った50代後半らしき単独男性と立ち話。縄文杉までは多くと一緒に歩かれたようだが、ここ(小屋)から先は登山者のみと残念がっておられた。センノキの巨木の写真を撮りに入るという。プロカメラマン風。
<白谷山荘にて>
私が到着時、何と誰もおらず貸切!?夕食とアルコールタイムを終えて、翌日の準備しているとガイジン2名がヘッ電で18時半到着。二人ともアメリカ人(Barkley, CAとMassachusetts)。一人は北九州に7年、一人は中国駐在だが屋久島に来たとのこと。翌日は新高塚小屋まで行く予定らしい。北九州の方は日本語堪能だがもう一人の手前一応英語で話してみた。
楠川歩道であがってきた、とのことで情報を入手。途中ルートファインディングが必要で、自分らなら下りたくない、とのこと。う〜ん、ちょっと気が揺らぐが初志貫徹で行ってみよう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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概ね、天気が良かったようでなによりでした。
屋久島堪能状態ですね。
屋久島には30年前に登りました。
あの頃は若かったなぁ(笑)。
新高塚小屋で満員御礼状態で紅白歌合戦聞いてました。
因みに昔は縄文杉とん大王杉とかペタペタ出来た記憶がありますが、今は無理なんでしょうね。
momohiro先輩、メッセージありがとうございます。
好天に恵まれ、特に山頂付近は絶景が楽しめました。
なかなか行けない山域なのでゆっくり盛りだくさんで楽しんで来ましたヨ
先輩、さすが30年前とは 山の経験が違いますねー
満員の小屋で紅白歌合戦とはまた凄い
今は考えにくいですが、そういう時代だったのですね。
縄文杉や大王杉は囲っててペタペタはできませんでした。
周囲を歩くと土が流れるので禁止になったそうです。
縄文杉は15mほど、大王杉は6,7m離れてた柵があったかな?
でも他の屋久杉に抱きついたりペタペタしてパワーをもらいましたヨ
ShuMaeさん、こんにちは。
屋久島に行ってこられたんですね。
以前、行ったことがあるんですが、杉の迫力、苔の森の綺麗さは忘れられません
当時はあまり登山に興味がなく、黒味岳に登っただけなので、是非再訪したい場所ですが、おっしゃられているように、アクセスがなかなか大変なので、簡単にはいけないですよね
ShuMaeさんのレコ見て、ちょっとだけ行った気分にさせてもらいました
記憶が薄っすらですが、屋久島では私も面白い人にいろいろ会った気がします
bobechanさん。こんばんは、メッセージありがとうございます
屋久島は、やはり杉と苔の密度が凄いですよね。
ヒメシャラの巨木が多いのもビックリ
以前屋久島に行かれてなんですね、さすがbobechanさん抜かりないです
黒味岳もいい山と思いますが、次は全山縦走?にトライ下さいませ。関東からはアクセスだけでもキツイので是非堪能をば
私のレコで少し行った気になっていただけたら本望です。
屋久島は入れ込んでしょっちゅう来る方も多いですね、原生林が深い味出してると思いました!
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