会津朝日岳〜丸山岳〜会津駒ケ岳
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- GPS
- 33:13
- 距離
- 43.5km
- 登り
- 3,848m
- 下り
- 3,336m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 2:03
- 合計
- 7:34
- 山行
- 9:06
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 9:44
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 7:34
天候 | 3/17 快晴 3/18 晴れ後薄曇り 3/19 霧一時雪 3/20 雪後曇り一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白沢集落からいわなの里は除雪されていない 赤倉沢はデブリ多数。気温が高い時間帯は通過を避けたい 会津朝日岳〜丸山岳 8割ぐらい雪が残っていた印象。雪庇も使える。2割ぐらいは藪、またはミックス 丸山岳〜会津駒ケ岳 雪の状態は良い。快適に歩ける。 |
その他周辺情報 | アルザは営業していなかった |
写真
感想
【再び挑戦】
歩いてみたい会津駒ケ岳〜会津朝日岳の稜線、しかし、難しいルートだった。
去年は北上を試みるが三岩岳までしか届かず。核心は会津朝日岳〜大幽朝日岳にかけての痩せ尾根区間。げじげじマークが沢山出てくる。更にこの区間事実上エスケープルートが無い。突っ込んだら行くか戻るしかない。triglavさん曰く、単独で通過すべきではない、と。
でも、歩いてみたい。
先々週の上越は雪の状態が良かった。その後は纏まった降雪は無い。もしかしたら行けるかもしれない。怖い。だけど思い切って行ってみよう。だめなら引き返そう。
休暇は5日間確保しておいた。が、天気が良くない。1日目は高気圧に覆われ、2日目までは持ちそう。しかし3日目は低気圧の影響で雨/雪、4日目は曇りで5日目は南岸低気圧の影響で午後からまとまった雨/雪。迷う。核心を2日目までに抜ければ行けるかも。抜けれなければ引き返す事にする。
【1日目】
初日と2日目で何処まで進めるか、できれば丸山岳付近まで着けたい。そのためにも早出をしたい。目標はいわなの里を6時出発したい。
しかし、いつもの如く手際が悪く、遅れている。更に、除雪がされていなくていわなの里に辿り着けない。仕方が無いので白沢集落の道路に停めててくてく歩きだす。焦っていた。いわなの里を過ぎて行き詰まる。地形図を見ると渡渉している。そうだ、渡渉点があった。急いで渡れそうなところを探す。ザックを置いて、ピッケルとスコップを持ってルート工作をする。これで行けそうかと思い、戻ってザックを担いて再び渡渉、対岸の足場が高く、ピッケルを支点に登ろうとした時、支点が崩壊し見事川に落ちた。全身水浸し(笑)。何とか這い上がって衣類を絞る。ザックも水没したので点検すると、シュラフはほぼ助かった。これがダメだったら撤収だった。かなりがっかりしたが、メリノウールのせいか濡れてはいるものの何とかなりそうだった。まぁ、天気も良いし、折角来たのだから引き返すにしても行けるところまで行ってみよう、と思った。
谷を歩く。デブリが寄せている。気温が低いので雪が動く事は無いと思うが気持ち良いものでは無い。さっさと尾根に付きたいが分かりにくい地形で戸惑う。ようやく取り付くと気温が上がってきて雪が腐ってきた。脛から膝下ぐらいまで埋まり、高度が稼げない。焦る。果たして着くのか。
それでもいつかは着くものだ。叶の高手の稜線に到着、一気に視界が開ける。目指す鋸刃の稜線が見える。きれい。来てよかった。雪はあまり落ちていない。状態は良さそうだ。明日に期待する。
雪は深いのに、不思議と小屋の入り口は雪が無かった。押すドアなのだが、押せなかった。室内側に雪が積もって、氷化しているようだった。隙間からピッケルを差し込んで少しずつ除去すると侵入する事ができた。ありがたかった。衣類、靴など乾かした。ガスを予備に1個余計に持って来ておいてよかった。
【2日目】
今日が勝負。核心を抜けれなければ縦走は不可。できれば丸山岳付近まで行きたい。
雪の状態は良い。締まっていて10本歯アイゼンが効く。アイゼンは10本歯にするか12本歯にするか迷った。斜度が50度以上で氷化した壁だと12本歯+シャンクの入った冬靴が良い。しかし、そこまで厳しくなければ10本歯+夏靴の方がスピードが稼げる。結局厳冬期では無いので10本歯で行けるだろう、その代わり、ピッケルを2本持つ事とした。一昨年に二ツ峰を越えた時、ダブルアックスが欲しいと思い、下山後直ぐに買いに行った。240gの軽量で負担にならない。しかし、これまで出番は無かった。まぁ、保険のようなものか。
会津朝日岳の詰めは斜度がある。試しに腰に差したサブのピッケルを使ってみる。うん、全然使いやすい。タガーポジション専用といた感じか。2点支持と3点支持の違いは大きい。
稜線に乗る。ピークは少し北側なので空身で行ってみる。展望が開ける。素晴らしい。あの先は丸山岳か。果たして行けるか。
進行方向、確かに難しそうだが、雪の状態も悪くはない。もう、ここまで来たら行ける所まで行ってみよう。地味に進む。藪もある。が、踏み跡がある。雪の壁に当たる。腰に差していたピッケルを使う。結構順調に進む。鋸刃をどうするか。稜線を行くか、右をトラバースするか、左には良さそうな雪庇がある。結局、トラバースする事に。しかし、やっぱり雪庇を歩けば良かったと思った。ともかく第一チェックポイントを通過。順調。快適な雪庇が現れる。さっさと進む。景色は最高。やっぱり残雪期は楽しい。岩が出ている。が、雪が使える。藪も使える。慎重に、確実に、しかし、大胆に先を読む。できるだけ雪庇に乗る。大幽朝日岳が近づく。ここを越えれるかが大きな節目だった。確かに斜度もあるが不安無く通過する。良し、これで会津駒ケ岳まで行けるかもしれない。遠くからは分からなかったが、1442の前後は悪かった。今回、概ね1500m以下は雪が落ちている所が多かった感じだ。慎重に通過、丸山岳が近づいてくる。1552を過ぎると緊張から解放されて好き勝手歩く。
丸山岳は本当に丸かった。去年、遥か彼方からあの辺りかなぁ、と目撃した山。感無量だ。今朝出発した会津朝日岳が見える。南には最終目的地の会津駒ケ岳も見える。ずーっと稜線が繋がっている。地味だけどいい山だ。ここは、「四季を問わず創造的登山をしなくては登頂できない名山」と定義されたマイナー12名山の1座。実は私にとって初マイナー12名山なのだ。嬉しい。来てよかった。
残り3日間は天気が良くない。特に最終日は雨の中の自転車は避けたいところ。本当はこの辺でゆっくりしたいのだが今日は出来るだけ進んでおこう。
緩い稜線をてくてく歩いて梵天岳。風が避けれそうな南側の樹林帯に幕営。1日良く歩いた。
【3日目】
場合によっては停滞も考慮していた。が、明るくなってみるとガスで視界は無いが風も無く雪も僅かだ。テントを撤収して出発。本当に視界が無い。真っ白だ。コンパスを出して次の目標点を目指す。雪庇の境界もわからない。30mぐらい先の樹林が何となくグレーがかている。GPSで現在地を確認する。何も見えないがひたすら進む。まぁ、もう丸山岳に行けたから気持ち的には満足だ。雪はちらつくが雨でなくてよかった。
樹林帯を上がって坪入山に着くと、一瞬視界があった。そういえば去年、この稜線では電波が届いていた。試しにオンラインにすると繋がった。ヤマテンを受信し、ブラウザで天気図とGPVを取り寄せる。やっぱり最終日はかなり悪そうだ。
北上して窓明山、一瞬三岩岳が姿を現す。大きい。三岩岳からこちらを見た時は窓明山って大きいと思ったけど、三岩岳の方が大きかった。てくてく下りて避難小屋を目指す事にした。実は避難小屋がどこにあるか知らなかった。去年近くを歩いているはずだが気が付かなかった。インターネットで調べると、地形図上で丁度登山道の交点付近である事が判明。近づくがそれらしい物が見当たらない。良く見ると屋根らしきもの発見。しかしどこが入口かもわからず。無雪期の写真があったので見ると、どうも4mぐらいは掘り起こしが必要なようだ。苦労して潜り込んでも洞窟なのでさっさと諦め、東側の風が無さそうな場所に幕営。丁寧に整地したらとても良く寝れた。
【4日目】
ここまで来れば今日下山できるだろう。
天候は雪、視界も良くない。でもまぁ危険個所は無いので出発する。去年と逆の方向。停滞した幕営場所も思い出す。去年は新雪が深くて苦労した。今回は昨日の夜に10cmぐらい降ったが歩き易い。視界は無いが三岩岳、大戸岳、を通過。そしておそらくこの辺り、と目標物を探すと、短い丸太に「会」の字が。遂に到着した。感無量。風が強いのでさっさと下りる。だだっ広い雪原を、右往左往しながら歩く。ガスの中から突然小屋が見えて一安心。一瞬、大戸岳の稜線が見える。
樹林帯に入る。リボンやプレートが出てくる。薄いトレースもある。スキーの方が上がってきた。今回の山で初めて人に会う。天候良くないのに凄いなぁと思う。
高度を下げると雪が腐ってくる。斜度もあるので結構大変。滑って転びながら何とか下山。しかし、これで終わらない。デポしておいた自転車を漕いで、車を回収に。下りのはずなのに向い風でへろへろに。遠かった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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お疲れ様でした!
この難しい区間を無事に走破されたこと、素晴らしいです。
やはり会津朝日〜大幽朝日間は難しいですね。3月だと雪の状態もだいぶマシかと思いましたが、写真を見ると私が歩いた時と大差ないような気がします。朝日岳南面の黒々とした様子もGWと同じような感じです。
私も稜線とトラヴァースを天秤にかけて失敗した箇所が2か所くらいありましたが、写真を見るとkahaさんと同じ箇所かもしれません(笑)(45枚目)。あと66枚目のテントを張ったら気持ちよさそう、という場所はたぶん私が1日目テントを張ったあたりだと思います(笑)。
大幽朝日〜丸山岳〜梵天岳で天気が良かったのはほんと最高でしたね。私は一時遭難を覚悟したほどだったので、この晴天はほんとうらやましいです。お疲れ様でした!!
しばらく私も忙しくて大きな縦走をやっていないので、だいぶ体力が落ちている感じがします。GWを楽しむために少しずつ体力を付けてゆきたいです。
やっと歩けました(笑
triglavさんが難しい、とおっしゃっていたので、ドキドキしながら入山しました。記録をオフライン保存して、縦走中も何度か読み返していました。(その割には渡渉の事はすっかり頭から抜けていました)危険なら引き返そうという覚悟で慎重に進めました。
天候に恵まれたのは運が良かったです。
2日めは高気圧の後面で曇るかと思ったのですが、視界があるうちに丸山岳に立てて、本当に幸せでした。人工の物は何も無い、360度遥か彼方の稜線が見渡せる丸山岳は素晴らしかったです。
triglavさんの記録からこのルートを知って、行ってみたいと思ってから何年か経て漸く歩けました。やっぱりいいルートですね。縦走の醍醐味を改めて実感しました。ありがとうございました。連休はどちらに行かれるんでしょう? やっぱりマイナー12名山ですか(笑
私の時は渡渉は楽でしたが、3月だと沢はまだ大変なのですね…赤倉沢の雪崩の危険もあったとは思いも寄りませんでした。
私はGWは未丈ヶ岳から毛猛を越えて、浅草を越えて、できれば光明山まで縦走しようと思ってます。こちらも特に後半が難しいと思いますので十分気を付けます。
沢に落ちたのは、恐らく渡渉点を過ぎてしまってから気付いて、時間的焦りもあって戻って確認する事を面倒くさがってしまったためです。間抜けですよねぇ(笑
未丈ヶ岳〜毛猛山〜浅草岳〜光明山。。凄いルートですね。
しっかりマイナー12名山入ってますね(笑
triglavさんのルートは夢がありますね。楽しみです。
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