残雪期 北鎌尾根 (水俣乗越-北鎌沢-槍ヶ岳)
- GPS
- 41:46
- 距離
- 41.3km
- 登り
- 2,540m
- 下り
- 2,525m
コースタイム
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 0:41
- 合計
- 7:14
- 山行
- 10:33
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 12:06
- 山行
- 8:34
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 10:16
天候 | 4/28(土) 晴れ、気温8度(北鎌沢出合@夜)、風ほぼ無し。 4/29(日) 晴れ、気温3度(北鎌平付近@夜)、夕方より風速10-15m程度。 4/30(月) 晴れのち曇り、気温?度、風速5-10m程度。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪バリエーションルートです。色々と総合力が必要です。 まず、体力。行動時間が非常に長いです。12時間程度は積雪期テント装備で行動出来る事が必要だと感じました。雪山技術的は、例えるなら、厳冬期の西穂高岳への危険箇所「のみ」が延々と1-2日続く感じです。気が休まる暇が無く、緊張感を強いられる時間が非常に長く、めげない精神力も必要です(笑)そして、ルートファインディング。岩稜・雪稜を見て、どこが弱点かを楽しみながら見つけられるのが理想です。 また、今回は独標や大槍直下ではある程度のクライミング技術(V級程度)が必要でした。氷結斜面もあり、(自分達は経験が無いのですが)アイスクライミングの技術があった方が良いと感じました。アックスもう1本あったら楽だろうなぁ、という登攀が何箇所かありました。 雪は例年に比べて少ないんだろう…とは思いますが、このルート、少なけりゃいいってもんでも無い気がしました。比べてみないことには分からないですけど…岩が雪に埋まってくれていた方が楽じゃね? と。ただ、少ないとは言え、雪稜や雪壁は何箇所も存在していました。さすがの3000m峰です…。 以下はルートの各セクションの概要ですが、今回は自分用メモ的要素が強い事をご了承下さい。バリエーションルートに正解はありません! 参考 : 大天井ヒュッテ ブログ http://www.yarigatake.co.jp/otenjo/blog/2014/09/post-485.html ■大曲まで 一般ルートです。槍沢からは雪が一気に増えます。 ■大曲〜水俣乗越 そこそこの急登です。アイゼン、ストックでした。ここが危険と思えるなら、北鎌やめた方が無難です。 ■水俣乗越〜北鎌沢出合 今までの登り分を無情にも一気に下ります。今回は雪がズブズブだったので楽でした。左にこれから登る北鎌尾根と槍ヶ岳がバッチリ見えます! 北鎌沢出合では沢より給水し放題です。 ■北鎌沢出合〜右俣〜北鎌のコル ひたすら雪面を登ります。最後の方は斜度40度位あります。もっとかも!?夏と違い迷う事はほぼないでしょうが、途中全くと言える程平らな場所はないので、ひたすら2時間程度登るので体力勝負です。コルに枯れ木が一本立っているのがゴールの目印。中々辿りつかないです(笑) ■北鎌のコル〜P8 天狗の腰掛〜P10 独標取り付き(コル) 主に雪稜の急斜面で難しい所はないですが、気温が高かったせいもあり、ズブズブで、先行者のトレースでさえ、踏んだら崩れてしまう始末、、 P9は登り切って少し雪稜を進むと開けたお休み場所があり、P10 独標が眼前に広がります! ■P10 独標取り付き〜山頂 残雪期は独標は直登ルートが一般的です。トラバース路は通れない…と思います、、 1ピッチ目は雪壁で、今回はまさかの雪庇工事付きでした(笑)木やハイマツでライナー取れると思います。 2ピッチ目は今回は岩がかなり露出してたので、ほぼ岩登り。フリーでも行けなくはないかな? 3ピッチ目は雪面の急登です。フリーで余裕でした。 ■P10以降〜P15まで 正直、あんまり覚えてないんですよ(笑)行くと、ここ弱点で通れそうだなー、を通っての繰り返しです。岩場と雪のトラバースを織り交ぜながら、基本全てのピークを踏んでいます。 P13-P14間が少し難しかったかな…。ホントにここ正解?的な感じでした。大きく外してはなかったと思いますが、、 またP15直下は、雪の急斜面を見てザイル張ってます(雪壁1ピッチ+岩場1ピッチ)。コンディション良ければ不要だと思いますが、自分がチキンなもんで、、 ■P15〜北鎌平(手前) P15からの下降で懸垂(10m程度)しました。歴史感じる残置を利用させて頂きました。 その後、北鎌平の手前の広めのコルで幕営。結局自分達ともう1PTが幕営しました(結構広い!)。また、P15山頂でビバークされてる方もいました。 ちなみに北鎌平までは、雪の状態良ければ、急な雪面登りはあるけど、徒歩10分です。つまり、力尽きた、って奴です(笑) ■北鎌平〜大槍直下 斜度はそこそこありますが、広い斜面を登ります。大槍の麓で、岩壁が見えてからは、最後のアタックです。 自分達は何も考えず、左端の弱そうな岩場からフリーでアタックしましたが、その後の雪面を登ったら、プチチムニーでツルツルアイスクライミング状態。無理矢理登って、怪しい残置ハーケンで大急ぎでビレイという、かなり望ましくない感じでしたので、早め早めのビレイが重要だと強く実感しました…。 その後は、ビレイしていれば普通のルートだとは思いますが、山頂直下の1つ手前のピッチが、V級程度のミックスで、かなり時間かけての登攀になってしまいました。完全に積雪期クライミングの領域でしたね…。ピッケル何度か打ち込んでなんとかクリアです。 最後のピッチは概ね楽勝系でヴィクトリーロードでした!皆さんご存知、祠の裏からニョキッと登場。 どのピッチも、凸岩に加えて、怪しい残置をフル活用してます。残雪期は、本来であれば確実な支点構築が出来るギアを持つべきだと感じました。また、今回はスノーバーも持っていましたが、結局利用せず、もっと積極的に活用すべきだったと反省です。 |
写真
装備
個人装備 |
インナー
ハードシェル上下
靴下
手袋
手袋予備
防寒着
ゲイター
バラクラバ
帽子
靴下予備
予備靴ひも
ザック
シュラフ
シュラフマット
ストック
ピッケル
ハイドレーション
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
ロールペーパー
保険証
時計
サングラス
ヘルメット
ハーネス
ATCガイド
カラビナ
スリング
クイックドロー
|
---|---|
共同装備 |
救急キット
GPS
テント
ガスカートリッジ
ライター
コンロ
コッヘル
食料
ロープ(60m)
|
備考 | 軽量化を行い、1人当り17Kg程度(水除く)に抑えられました。 |
感想
北鎌尾根と言えば泣く子も黙るバリエーションルートの雄。
最近色々忙しかったし、GW前半3連休は、ぬるま湯北陸登山の予定だったけど、天気予報が余りにも良すぎたもんだから、どうなのよ、って事で相談したら、結局、北鎌尾根でkojiと合意に至る(笑)
結果はというと、予想からは少し斜め上を行ってて、うちらにはちょこっと背伸びなルートだったかな?
でも、P10独標直下からP15まで、ピッチ含めて先陣切らせて頂いて、なんだか他のPTの方には申し訳無い気分。こんな若造共が先頭でいいのだろうか、と、、積雪期のルーファイって先頭PTの特権だし、、後ろめたさもありましたが、楽しませて頂きました。ありがとうございます。
そして、昨年のGWの奥穂南稜の不甲斐なさ?に比べたら、今年はマシにはなったと信じたい…。登るスピードはウサギだけど、ザイル出した瞬間にカメっす(泣) アルパインクライミングの判断、技術、そしてスピードと、うちらの足りない部分を思い知らさました。
また、このルート、体力もそうですけど、ホント精神力が削られた感があります。集中力を切らす余裕が無いんですよ…ほぼずっと危険箇所、という…。なので、下山後、2人とも体力よりも精神的に疲れたよね、って話をしてました。
ただ、GWでこの天気いう事もあり、屈強な3PTが周りにいたのは精神的に物凄く助かりました。皆さんありがとうございました&お疲れさまでした!
最後に…。。
このルート残雪で超えられたら充実感満載で絶対楽しいと思います。雪山色々と経験して、行けるかな?、と思えるようになったら、、偉そうな事言える立場ではないですけど、、是非トライを!! ただ……もう一度行け、って言われたら少し考えちゃいますね…大変だったもん(笑) まだまだ精進が足りないな…。
ご無沙汰しています!
私が東鎌尾根に苦戦しているところ、北鎌ですか!
凄いな〜!
雪が消えたら今年チャレンジしてみようと思います!
返信遅くなりまして申し訳無いです。。
東鎌もこの時期は人通らないので大変そうですね…。冬通れるのかな、って考えて、無理!って思った覚えがあります(笑)
残雪はアレですけど、無雪は楽しそうなので、自分ももう一度、せっかくなら湯俣から行って見たいです!
P15でビバークした二人組パーティの者です(僕は弱い方です)。三日間お疲れ様でした。また独標からP15までのルート工作、本当にありがとうございました。
北鎌沢の登りでの圧倒的な速度には度肝を抜かれました。僕は北鎌尾根はおろか、槍穂そのものが初めてだったんですが、中央の山々の屈強なパーティを間近で見る事ができて大変勉強になりました。
住んでいる所が地方なので中央の山には頻繁には行けませんが、またどこかでお会いしましたら、その時はよろしくお願いします!
はじめまして!そして、ズブズブ残雪の中、本当にお疲れ様でした!近くにPTの方がいるのはプレッシャーでもあり、自分達は初の北鎌だったこともあり、頼もしく、一時ではありますが、本当にありがとうございました!
しかし、工作遅くてお待たせする事が多々あって申し訳無かったです。少なくとも屈強では無いですよ…。まだまだ素人に毛が生えた位です…。しかし、初の槍穂で残雪の北鎌とは恐れいります!初で北鎌残雪期は聞いたことないです!
山行記録見させて頂いたら、雲の平付近でもすれ違ってますね(笑)行きたい所似てる方は意外とまたどこかでお会いするかと思いますので、その時は気軽によろしくお願いします!実際、ばったり再会多いので…。。
ぼちぼち元気にやってます(^_^;) GWでここまで天気恵まれるのは正直ツイテました!インスタ投稿してなかったら、生きてるのか?って何人かからら言われたので再開したいと思います(笑)写真はたくさんあるんだよな、、
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