灼熱の北アルプス周回 (三股起点:蝶ヶ岳、赤沢山、西岳、大天井岳、横通岳、常念岳)
- GPS
- 53:51
- 距離
- 42.4km
- 登り
- 4,188m
- 下り
- 4,185m
コースタイム
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 8:26
- 山行
- 7:04
- 休憩
- 3:11
- 合計
- 10:15
- 山行
- 6:56
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:35
5:11駐車場-9:08蝶ヶ岳-11:27横尾-12:55槍沢ロッヂ-13:33槍沢キャンプ場
7月14日(土)
3:27槍沢キャンプ場-3:47大曲-4:40水俣乗越-5:45ヒュッテ西岳-6:51赤沢山-7:52ヒュッテ西岳-8:15西岳-10:35大天上ヒュッテ-11:28大天荘
7月15日(日)
3:27大天荘-5:00横通岳-5:30常念小屋-6:38常念岳-7:40前常念-11:00駐車場
天候 | 7月13日(金):晴れ、微風・無風、気温高し 7月14日(土):快晴、微風・無風、気温高し 7月15日(日):快晴、微風・無風、気温高し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・三股-蝶ヶ岳:登山口と登り始めてしばらくのところに水場あり利用可能。基本的には樹林帯の登りで展望は得られない。登山道は明瞭で間違えようがない。 ・蝶ヶ岳-分岐-横尾:30分ほど稜線を歩くと横尾の方向を知らせる表示板があらわれるのでそれに従う。下り始めるとあっと言う間に樹林帯に入り景色は見られなくなる。途中立派なベンチがあるところで槍の穂先が見える。登山道は明瞭で、思った以上に登山者もいた。 ・横尾-槍沢ロッヂ-槍沢キャンプ場:沢沿いを歩く。標高はほとんど上がらない。途中二箇所沢を渡るがいずれも立派な橋が架かっている。キャンプ場の受付は槍沢ロッジで行う。キャンプ場には立派でまだきれいなトイレあり。 ・槍沢キャンプ場-大曲-水俣乗越-ヒュッテ西岳:大曲までは沢沿いを歩く。水俣乗越へのルートは急傾斜。途中沢と登山道が交錯していて間違えやすい箇所があった。水俣乗越に乗ればあとは稜線歩き。 ・赤沢山往復:ヒュッテ西岳のテント場の端から往復可能だが、正規のルートではないし、登山道は手入れされていないので藪漕ぎが多い。行くなら事前に各種Webサイトや経験者の話を聞いてからにするべき。気まぐれや、思いつきで行ってはいけない。なお伝聞だが、ヒュッテ西岳では赤沢山への往復は推奨していない。 ・ヒュッテ西岳-大天上ヒュッテ-大天荘:ヒュッテ西岳から西岳は往復可。大天荘までは登山道明瞭。 ・大天荘-横通岳-常念岳-前常念-三股:大天荘から常念岳手前の常念小屋までは眺めの良い縦走路。常念小屋に向けて標高を下げるが、それ以外はアップダウンもあまりなく快適に歩ける。常念岳は登山者多くすれ違い時等で落石注意。常念岳手前から前常念に向けて分岐するが、地味な道標しかないので見過ごしやすい。前常念まではあまり標高が下がらないが岩場の下りで、それ以降は2300メートル付近までいやらしい岩場が続く。一箇所だけハシゴがかけてあったが、それ以外は鎖などなく、両手両足を使って登り降りしなければならない。この区間は一般縦走路としては難路と思う。岩場が終わり樹林帯に入ればあとは三股まで普通の登山道だが、この日は途中に泥濘が多く難儀した。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
タイトルに「絶景」等主観の入る言葉は好まないのだが、今回に限りどうしても「灼熱」という言葉を付け加えたかった。涼しい筈のアルプスが焼けるように暑かったからである。今回は百高山最難関と言っても良い赤沢山がメインイベントで、それを軸に記録を付けようと思ったのだが、やはり3日間を通して暑かったほうが、遥かに印象に残っている。以下に詳細。
7月13日(金)
海の日連休を一日前倒しして金曜日からの休みとした。深夜クルマを走らせ安曇野ICで降り、仮の駐車場には4時45分頃に到着。事前の調査で一番奥の三股の駐車場まで行けないことを知っていたので慌てなかった。既に明るい時間で歩き始める人も多い。平日だが、駐車場は思った以上にクルマが停まっていた。土曜日の同じ時間だったら絶対に駐車できなかっただろう。食事と準備で出発と言いたいところだが、今回は2泊3日のテント泊縦走。久々の重荷のため歩き始めると非常に重く感じる。冬の間は重くてもスキーを背負う程度だし、それも数時間程度だが、今回は3日間とも8時間程度歩く予定。この重荷に果たして体が悲鳴を上げないか、歩き始めから心配になるほどだった。本来の駐車場まで林道を歩き、駐車場からも少し歩いてようやく登山口。左に折れて蝶ヶ岳を目指す。蝶ヶ岳と三股の登山道はこれまで二回歩いたことがあるが、いずれも下山で使用していた。登りは初めて。しかも2泊分の食料込み。気温は下界と比べれば涼しいが、山間部としてはさほどではなく、少し蒸している。とにかく足を攣らせないようにペースを落として歩く。いや、落としてと言う表現は正しくない。重くてゆっくりでしか歩けないのだ。初日だしとにかく慎重に進む。途中はずっと樹林帯で、時折の切れ間から常念岳が見えるが、この山は最終日の最後まで今回は関わりがない。暑くて汗が滴るので休憩のたびに水分を多く取る。急登なので重荷にはつらい。とはいえ行くしかない。平日のためか、下ってくる登山者も少なくすれ違いなどでさほど気を遣うこともなく標高を上げる。最後の標高差200メートルは、マジで足が上がらなくなってきつかったが、出発から4時間ほどで無事に蝶ヶ岳に到着。多分3回目の訪問。朝早いのでテント場にテントなく、山頂にひとけなし。涼風が心地よく、汗だくのシャツが冷えるほど。なおこの3日間の山行で涼しさを感じたのは蝶の山頂にいたときだけだった。穂高を眺めるが、雲がかかってしまい写真には向かなかった。今年の穂高は残雪が多く見られたが、まだ7月の中旬だとこのくらいが普通なのかもしれない。梅雨は明けたが、暦ではまだ7月13日なのである。再び重いザックを背負い、この後30分だけの稜線歩きを楽しむ。周囲に人の姿なく、貸し切りの尾根歩きだった。じきに横尾を示す道標が出てきたのでそれに従う。そしてあっと言う間に樹林帯に入り展望は得られなくなる。分かっていたこととは言え残念。こんなマイナーな登山道は横尾まで誰もすれ違わないだろうと予想したのだが、想像以上に人は多かった。目的地が蝶か常念かその他かは分からない。横尾にはほぼCTどおりに到着。10年ぶりくらいに横尾にきたが、一段と下界化が進んだ印象を受けた。上高地からここまで歩くと長いしけっこう退屈なのを思い出した。ベンチに座って休憩しつつ先を急ぐ。標高が1600メートル程度しかないので、暑くて仕方ない。水は十分なので追加しない。横尾から槍沢も10年ぶりだが、意外と記憶には残っていた。延々沢沿いを歩いた記憶だけが鮮明で、それは正しかった。標高差はほとんどないので楽なはずだが、今日は既に1300メートル標高を稼いだ後に1000メートル下がったので、足はかなり疲労していた。それより何より背中のザックが重い。水と食料は確実に減らしているが、軽くなっているとは感じられない。ゆっくりでもとにかく進む。暑くても、とにかく進む。槍沢ロッヂには13時頃に到着。ここで受付をする。本当は今日のうちにヒュッテ西岳まで行けたら、と考えていたのだが、疲労と暑さで全く無理な相談だった。槍沢で十分。ここなら水もあるし。さらに30分ほど歩いてようやくゴールのキャンプ場に到着。既に数張りテントがあったが、まだスペースには余裕があり自由に張ることができた。その後、例によって続々とキャンパーがきたが、それでも平日のためか、満員になることはなかった。このキャンプ場は、以前来たときも落石注意だと思ったのだが、案外そうでもないのだろうか。ここで怪我した等々は聞かない。水が豊富なので顔や体を洗ったり、ストレッチなどをして過ごすが、テントの中は暑かった。外に出て日が陰るのを待つ。そして翌日に備えてまだ明るい時間帯に本格的に寝る。まだ周りでは宴会の最中であったようだが、沢の音がいい感じでかき消してくれたのであまり気にはならなかった。夜も寒さは感じず。
7月14日(土)
3時30分出発すべく2時起床。外は星空。食事、テント撤収、パッキングして予定より3分前に出発。テントはフライが例によって結露でびっしり濡れていた。沢沿いのキャンプ場なのでしかたない。日の出が早い7月とは言え、さすがに4時前ではまだ真っ暗。昨日暑くてたまらなかったので、今日は涼しい時間帯に標高を稼ぐ予定。大曲の分岐までは沢沿いを歩く。左手側では沢が暗闇の中ゴーゴー流れていて、音を聞くだけだが不気味だった。早く沢から離れたい一心。大曲で分岐するとようやく沢音がしなくなり静かになる。暗くてよく分からず時折沢を登ってしないそうになったが、そうなる度に周りを良く照らして正しい道を探す。水俣乗越の道は急傾斜だったが、途中ニッコウキスゲの群落などがあったりして歩いていても楽しかった。明るければ良かったのに、と思わなくもなかった。もう少しで稜線というところで明るくなり、槍から南岳につながる稜線が朝日に染まるのが見えた。まじめに涼しい時間帯に歩いたが、さすがに稜線に上がるまでは間に合わなかった。4時40分に乗越到着。ここで休憩、と思ったが無数の虫にたかられる。手でどかそうと何度も試みても全く通じない。これはたまらんとばかりに水飲みだけで先に進む。が、この虫好かれたのか、ヒュッテ西岳までずっと1時間以上追われることに。全く筆舌に尽くしがたい不愉快さだったが、山中なので文句も言えない。ヒュッテ西岳までは稜線歩きで気の抜けないところが多いので、そこで虫により注意力が散漫になるのは避けたかったがどうにもならなかった。振り返れば槍が屹立としていてとても見応えがある。写真を撮ろうにも虫が寄ってくるので手で追い払いながらにしかならなかった。槍から北鎌の尾根は、見る度登高意欲が湧くが、果てして自分が行くことはあるのだろうか。虫に追われつつも予定よりも早くヒュッテ西岳に到着。今山行のメインイベントである赤沢山を目指す。事前リサーチによりテント場の端から降りて行くらしいのでまずはテント場まで行く。途中にザックをデポし、持参したサブザックに商売道具を詰め込んでいざ出発。テント場にある大岩を右回りに巻いて降りる。こんなところ本当に降りるのか?とかなり心配になるし若干泣きが入るが、うっすらと踏み跡があるのでそれに従う。また、これも事前に聞いていたトラロープを発見。これは鞍部付近まであるようなのでこれをたよりに下る。すると上から人の声。2人が降りてくるようだ。こんなところにわざわざ行く人はいないだろうと事前に様々調べてきたが、期せずして3人パーティでピークハントすることになった。少し安心。トラロープをたよりに下ると下の方に更に人影が。どうやら登って来る人のよう。トラロープを掴んで藪漕ぎしなければならないので、先に上がってもらう。こんな登山道もろくにない藪漕ぎの山に1日で4人も登山者がいるなんて暁光だろう。すでに山頂往復してきたとのことなので、話を伺う。年齢は自分よりだいぶ上だが、見てきたことをつぶさに聞くことができ更に安心。これから向かう3人で丁重に礼を言い今度は自分たちがロープを使いつつ藪漕ぎして下る。鞍部まで降りるとロープはなくなるが、踏み跡は相変わらずうっすらあるのでそれに従う。今度は登りだが、やっぱり藪漕ぎなので難儀。ストックははっきり言って邪魔だし、同行することになった2名は途中でデポしたと言っていた。それが正解だろう。自分はデポ場所が見つからず、とにかく持っていくことに。急傾斜の藪漕ぎだが、途中で埃のような物が舞う。何か分からなかったが、どうやら漕いでいるハイマツから花粉のようなものが飛んでいるようだった。重度の花粉症である自分がこんなに間近で大量の花粉を浴びても大丈夫なのか心配になったが、これを書いている時点では、特に体に異常はない。登りをこなすと赤沢山のピークが先に見える。が、ここから先も藪が続く。完全な藪ではなく、やはり薄く踏み跡があるのでそれさえロストしなければ問題なく、基本的に穂高側を歩けばよかった。出発から1時間弱で無事赤沢山の三角点に到着。即席パーティの3名で無事到着を祝う。自分は恐らくこれで百高山完了と思ったが、まだ残っていた。残念。同行の方は残り2山と言っていたが、どちらも縦走路の途中で、今回の赤沢山に比べたら容易なので時間の問題という雰囲気だった。地図で見る限りこの赤沢山は槍穂の展望台だろうと思っていたが、やはりそのとおりだった。天気快晴だったのが尚よかった。写真撮影などしてから帰りにとりかかる。行きしなにここは下ってはダメ、という箇所が何箇所あったが、自分が先頭で歩いていたら、見事にそこを下ってしまった。これはおかしい、と気付いたら上から「そっちじゃないぞ」の声。有り難い。しかも二度やった後はさすがにこいつは、、、と思われたらしく、先頭を変わってもらった。帰りも藪をこいだり、トラロープを使ったりして難儀しながら戻る。テント場近くの大岩は、左右どちらからでも回れることが分かった。帰りは行きよりも早く戻れた。無事ミッション完了、パーティ解散。またどこかで、と挨拶して各々の方向へ向かう。自分は取りあえずザックに道具を仕舞い水分と栄養を補給してヒュッテを後にする。目の前にある西岳は以前一度登ったが、今日は思った以上に行程が早く進んでいるので再訪することに。ここも槍穂の展望台。この先は赤岩岳という山頂に近寄るのが難しいピークがあり、ここも本来なら三角点まで行きたかったのだが、近付きながら見ていてこれは無理そうだと諦める。縦走路にそれっぽい山頂標があったのでそれで良しとした。今日のメインイベントが終わったが、キャンプ地の大天荘まではまだ時間も距離もだいぶある。赤沢山往復の時は必死だったのであまり感じなかったが、大天荘に向けて歩き始めると途端に暑さを感じるように。空は快晴で雲は一片もない。風もなく、2500メートルを越す高所なのに暑くて暑くてたまらない。帽子とサングラスを被り、日焼け止めを塗り直して歩く。喜作新道を北に向かうと槍は中々見えないが、それでも振り返ると槍が聳えているのは大変気分が良かった。大天上ヒュッテのベンチで休憩し大天荘への登りに取り掛かる。途中でコマクサが群れて咲いていた。ここで見掛けるとは思わず、幸運な気がした。最後登り切って無事に午前中にテント場に到着。今日は連休初日で小屋もテント場も大混雑が予想されたが、この時間であればまだどこでも割と好きな所に張ることができた。受付、テント設置、食事をしたら大天井岳に行くのが億劫になりそうだったが、折角なのでカメラとGPSと地図を持って行く。大天井岳は3度目。テントに戻っても暑くて入れないのでのんびりして14時前に戻る。テントはかなり増えていて、張れる敷地には全て張られている。これから先に到着する人はどうするのか気になったが、小屋の前や登山道、トイレの前にも張っていた。キャンプ場というよりも難民キャンプのような雰囲気だった。とにかく、平地であれば斜めであってもテントが張られている。カオス状態。朝というか夜のうちに動き出して正解だった。自分の家の周りも通るときに余程気を付けないと張り綱を引っ掛けてしまうような状態だった。15時を過ぎても標高2900メートル弱のテント場は日差しが強くて暑く、テントの中には到底いられない状態だった。着替えだけはしたかったので無理矢理入って着替えたが、乾いた汗をまた大量にかくことに。仕方ないのでテントの外に出て長袖、帽子の格好でじっとしている。小屋の影があるところが最適だが、そこは既に多くの人で埋め尽くされていて、自分にはちょっと近寄りがたかった。17時を過ぎさすがに日が陰ってきて涼しくなったのと、食事や明日の準備のためにようやくテントに入る。こんな時間まで暑くてテントに入れないなんて初めての経験。天気が良すぎるのも考え物だ。食事と準備をして就寝。暑くて到底寝袋には入れないので、始めは体にかけるだけだったが、本格的に日が沈むとあっと言う間に気温も下がり、結局は寝袋の中で寝ることに。標高2900メートルはやはり伊達じゃない。
7月15日(日)
この日も前日と同じ時間起床。やはり3分フライングして出発。フライシートがカラカラに乾いていたのは幸い。稜線とは言え3時30分では真っ暗だが涼しい。稜線の景色も捨て難かったが、一度昼間歩いたことはあるので良しとした。横通岳の手前当たりで完全に夜が明ける。3日間見続けた槍穂ももうすぐ見えなくなるが、朝焼けの時間帯は格別にきれいだった。前回この尾根を歩いた時は横通岳は脇の巻き道を歩いただけなのか、三角点ピークまで歩いたのか記憶がない。写真もないし、GPSの記録を見ても三角点まで航跡がないので、行っていないと思われる。今回どんなものかと思いピークを目指したが、踏み跡がはっきりしていて迷いようがなかった。赤沢山の往復に比べたら初心者レベル。横通岳から下りつつ最後のピークである常念岳を眺める。最後のピークに相応しく、重厚な構え。常念小屋には5時30分に到着。テント場出発から約2時間かかった。ちょうど出発する人が多く、座って休憩していると続々と山頂に向けて歩き始める人を見掛ける。常念岳は、残雪期や日帰りでも何度か来ているのでこれで多分5度目の訪問になる。それにしても連休中日の北アルプスにある百名山の人の数はすごい。自分のペースで歩くのは限りなく不可能。先に進もうと無理をすると落石の危険性があるので無理はできない。確実に進むしかない。登りの間は風がちょうど良く吹いていて、長袖シャツ一枚で暑くも寒くもなかったが、中にはダウンを着て登り降りしている人もいたので、人の感覚は様々だと思った。山頂手前に前常念との分岐がありそこにザックをデポする。一度気付かずに通り過ぎようとしたが、何とか戻る。カメラとGPSのみになるとさすがに羽が生えたように軽い。最後はあっと言う間に登り切って無事常念岳の山頂に到着。ここはいつ来ても狭くて写真を撮ったら即どかないと邪魔で仕方ないと思うのだが、そう思わない人もいるようだった。自分は写真数枚で退散。山頂付近からドローンを飛ばす人もいた。分岐まで戻りザックを回収し前常念に向かうが、そこに雷鳥の親子を発見。最初親鳥を見、周りを見ていたらワラワラとヒナが出てきた。確認できただけで六羽。時々親鳥が鳴くことで、自分の位置を知らせているのだろうか。今回の山行では全然雷鳥を見なかったので、ここで見られて良かった。先に進むが、前常念までは岩場の稜線。景色は素晴らしい。既に三股から登って来る登山者もいるが、日の出前から歩き始めないと、この時間にここまでたどり着けないだろう。割と呆気なく前常念に到着。ここで小休止し進むと別の雷鳥に出会す。今度は警戒心が強く、親鳥と思しき大きな鳥もあっと言う間に見えなくなる。さて、三股から前常念はこれまでに何度か歩いていて、この下の岩場の区間が案外難所なのだ。ここにくるまですっかり忘れていた。全く覚えていなかった。もし覚えていたら、少し無理してでも常念から蝶まで縦走したかもしれない。水は縦走するには不足気味だったが、蝶の小屋で買えるだろうし。しかしここまで下ってしまってはさすがにそれもできず、大きなザックを背負ったまま降りることに。岩場でマーキングはあるがロープや鎖などはなく、ハシゴが一箇所あるのみ。とにかく自分の手足を駆使して降りるしかない。以前11月末に半分雪で覆われたこの岩場をアイゼンを効かせて登高したことがあったが、その時よりはマシなものの、下から続々と上がってくる登山者に石を落とさぬよう慎重に下る。何度かスリップはしたが、大事にはならずに済んだ。難儀な岩場をクリアしたが、下りでも暑くて汗が滴った。常念の登りで吹いていた涼風は、前常念方面に入った途端に止まり、灼熱の尾根になっていた。登りの人はかなりきつかっただろう。岩場が終わると樹林帯に入るので直射日光は避けられるようになった。が、今度は本格的に無風になり、やはり暑い状態は変わらない。もう後は下るだけなので慎重に下る。が、途中で眩暈や手足のしびれが出てくるように。まずい、熱中症かもしれない。止まって残り少くなった水をがぶ飲みし座って休憩する。しばらくすると落ち着くので再び歩き出すが、再度同じ症状に。座って同じことをして回復を待つしかない。休めば回復したのは幸いだった。暑くてたまらん下山道を降りなんとか怪我せずに登山口に到着。止まらず歩き出して駐車場には11時に到着。暑くてたまらん山行が終わったが、最後熱中症のような症状は我ながらまずかった。赤沢山を無事往復できたので気が緩んでいたのかもしれない。
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