奥茶臼山から大沢岳の赤線つなぎ
- GPS
- 25:44
- 距離
- 63.3km
- 登り
- 5,251m
- 下り
- 5,286m
コースタイム
- 山行
- 13:56
- 休憩
- 0:16
- 合計
- 14:12
- 山行
- 10:44
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 11:28
天候 | 晴れ(夕方曇り) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
しらびそ高原から奥茶臼山は一般登山道です。緩やかな登りで苔としらびそが美しいです。 奥茶臼山から大沢岳の尾根は一般登山道ではありません。 奥茶臼山から2385mピークまではアップダウンも少ない歩きやすい道です。 2385mピーク〜丸山〜2311mピーク〜標高2400mの間は10回以上の激登り/下りがありました。手も使わないと登れないような所や崖のような場所があります。崖の手前でよく見ると巻道方向に目印がある所もありました。標高2400m手前が岩の崖のようになっていたので右から巻きました。それでも凄い傾斜でした。 標高2400m付近を過ぎたらハイマツ帯になりました。低いハイマツではなく2mくらいのハイマツが斜面下側に向かって倒れているので登る時は凄い抵抗になります。結果的には右側の崖のハイマツが少ない方を歩けば良かったです。大沢岳手前の2814mピーク手前から低いハイマツになります。 大沢岳以降は一般登山道です。 |
その他周辺情報 | 神楽の湯で入浴、食事をしました。 (下栗の里のいっ福は時間が遅く閉店してました。) |
写真
感想
奥茶臼山から大沢岳の赤線つなぎをしました。
昨年、聖平小屋に泊まった時に師匠にこの尾根について質問したら『目印はありますよ』との事だったのでチャレンジしました。(師匠の言葉を甘く見てました)
熊伏山からしらびそ高原の赤線つなぎも兼ねていたので炭焼きゲートの近くの路肩に車を停めて2:00にスタート、しらびそ峠で明るくなりました。この間は舗装路ですが12.5kmで標高差が670mもあり疲れました。しらびそ峠で気持ちをリセットして登山道に入りました。しらびそ峠から奥茶臼山は歩いたことがあり、緩やかな傾斜で気持ちが良い登山道です。順調に奥茶臼山の直下まで着きましたが先が長いので奥茶臼山には登りませんでした。
ここからが初めてのルートになるので気を引き締めて大沢岳方面に向かいました。
奥茶臼山から大沢岳に向かう分岐は分かりにくい感じですが地図を見ながら尾根を外さないように歩きました。しばらくすると目印のテープも見えてきて2385mピークまでは歩きやすい平坦な道でした。ここを過ぎたら雰囲気が一変して激登り/下りの連続となりました。標高2400m付近まで10回以上の激登り/下りがありました。手を使わないと登れないような激登りでしたが深南部で鍛えているのでどうにかクリアできました。それでも最後の標高2400m付近は手前から見てとても登れるような雰囲気ではありませんでした。どうにかここをクリアしたら大沢岳山頂までは傾斜が緩んでハイマツの中に道があって優雅に歩けると思っていました。ところが2mほどのハイマツが斜面の下に向かって倒れていて、とても歩ける状況ではありませんでした。
それでも力を振り絞って100mくらい登ったらガスが出てきて雷の音がゴロゴロしてきました。ハイマツの中で方向が分かり難く、雷でも落ちたら命は無いなと思いました。しばらく頑張ってハイマツと格闘していたらガスは切れて雷は聞こえなくなりました。まだ大沢岳までは標高100mくらいありましたが腕も足もパンパンで体力の限界になってきました。時間は15:00を過ぎて、マジで『ここを通過できなかったら遭難死するな』と思いました。冷静になってよく見回すと崖の際の岩がある所はハイマツが少なく歩けそうだったのでそちらに必死に移動して滑落と紙一重の場所を歩き、どうにかハイマツ帯を脱出しました。百間洞山の家には16:15に到着しましたが快く泊めていただけました。ハイマツの花粉とヤニでボロボロになった体、服、ザックをキレイにしながら無事に小屋に着いたのをシミジミと噛みしめました。
夜は疲れ過ぎていて眠れませんでした。
二日目は4:30に朝食をいただいて直ぐに出発しました。前日にしっかりとストレッチをしたので疲れは少なく快調に聖岳まで着きました。聖岳は眺めても登っても良いですね。聖岳の山頂から下栗の里が遥か遠くに見えました。あの場所まで歩くと思ったらゾッとしました。💦
薊畑分岐から西沢渡のルートは初めてでしたが歩き易い道でした。西沢渡ではゴンドラで悪戦苦闘しました。その後は林道と舗装路を18km歩いて550m登って炭焼きゲートの車まで戻りました。最後はヘロヘロになりました。
登山を始めて、初めて遭難死を意識しました。ルートを甘く見ていました。エスケープや戻るタイミングのシミュレーションも不足していたと反省しています。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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Zenjinさん、こんにちは!
壮絶な登山だった様ですね。写真で良く伝わってきます。
凄い岩場の通過や,2mものハイマツ漕ぎ,滑落と遭難の危険を乗り越えて凄いですね。
私には想像もできませんし通過は無理だと思います。
それに二日で60卍兇鯤發きって。
体力はもちろん、凄い精神力だと思います。
無事に下山出来てなによりです。
本当にお疲れさまでした。
KF4148さん
おはようございます。コメントをいただきましてありがとうございます。
岩場の通過が何事も無かったように感じるくらいハイマツ漕ぎがキツかったです。
岩場や急登は鶏冠山南峰の北斜面のような感じでした。
ハイマツの具合が分かっていればこのような計画はしなかったです。私の技量で歩けるルートではありませんでした。レコが少ないのが納得できました。
エスケープを考えてなかったのも計画のミスでした。最後の18kmの林道と舗装路歩きはハイマツより楽だと思って歩きました。
しばらくは一般ルートを歩くようにします。
壮絶な藪漕ぎですね!
無事で何よりですが、一般人だと遭難でしたね。Zenjinさんの体力と気力ならではの生還ですね。ハイマツのヤニと花粉!
一般道に出てからは、本当に気持ちの良さが伝わって来ます!
お疲れ様でした。
unchikutareoさん
こんにちは。コメントをいただきましてありがとうございます。
まだ緊張というか恐怖で夜がまともに寝れません。
ハイマツの藪の中で『もう無理だな』と思いましたが家族の写真を見て心を奮い立たせました。計画と前調べのミスでした。しばらくはバリエーションルートは封印します。
unchikutareoさんもご家族の安全最優先で登山を楽しんで下さい。
おはようございます!
凄いですね...!
60キロも歩いて、激藪を越えて、危険な岩場を越えて、、本当に凄いです!!
これなら仁田岳東南尾根等のバリエーションルートも行けますよ!
良い体験になったんじゃないでしょうか。
無事に帰ってきてこれて良かったです。。
お疲れ様でした!
seiraくん
こんにちは。コメントをいただきましてありがとうございます。
改めて師匠の凄さが分かりました。
膝くらいのハイマツを踏みながら歩いたことはありましたが今回は2mを超える倒れたハイマツをかき分けて踏みつけての繰り返しでした。
仁田岳東南尾根等のバリエーションを制覇しているseiraくんなら行けるルートだと思います。でも無理はしないようにして下さい。
しばらくは大人しく一般ルートを歩きます。
初めまして。
自分も昨年大沢岳からしらびそ高原のこのルートを通りましたが、zenjinさんのレコを見て自身の過酷な山行を思い出しました。
大変おつかれさまでした。
katamakeさん
こんばんは。初めまして。
コメントをいただきましてありがとうございます。
katamakeさんのレコをお気に入り登録して何度も見てから望みました。詳細なレコをありがとうございました。
しかし見てのとおりの結果でした。自分のレベルの低さを痛感しました。
katamakeさんのレコは他にもたくさん参考にさせてもらってます。
今後ともよろしくお願いします。
zenjinさん、こんばんは!
イヤ〜とんでもない凄いルートですネ。何も言えないです。私がやってる事が情け無い😱でも真似出来ないので仕方ないですが…、ゆっくり休んでください。
daishohさん
おはようございます。コメントをいただきましてありがとうございます。
凄いのではなく、無知というか計画ミスというか…とにかく反省してます。
大沢岳から奥茶臼山のルートはよほど慣れた方以外はやめた方がいいと思います。
昨日は心身共に休んでリフレッシュできました。
しばらくはバリエーションルートを封印します。
Zenjinさん、こんにちは。
地図上で見ると、大沢岳と奥茶臼山が繋がっているようなので行ってみたいとは思っていましたが、こんなにハイマツだらけとは思いませんでした。Zenjinさんでさえこうなのだから、私だったらヘリココを呼ばざるをえないだろうな。
鶏冠南峰北斜面のような所、という表現でよくわかりました。とにかく無事な生還おめでとうございます。
naoeさん
おはようございます。コメントをいただきましてありがとうございます。
私も地図を見て行けそうだったので師匠に聞いたら目印があるとのことでトライしました。
鶏冠山南峰北斜面のような所を10回以上通過したのを忘れるくらいハイマツ漕ぎが強烈でした。
レコを上げたら歩く方がいるかも知れないので止めようかと思いましたが、危険なルートであることを知らせるためにあげました。
無事に帰宅できてホッとしてます。
Zenjinさん
おはようございます!
ご無事で良かったです。
レコを拝見し、zenjinさんの精神力と体力だからこそ、乗り越えることが出来たのだろうと感じました。
私だったら間違えなく遭難していたと思いました。
聖より深部に位置していた奥茶臼は気になっていた山でした。
Zenjinさんのレコを拝見してはっきり
私には無理なんだと思いました…(>_<)
とても勉強になりました。
聖に行くのも体力的に私には無理なんじゃないかと考えていたりしてますが(^_^;)
本当にお疲れ様でした!
Ekkorinさん
おはようございます。コメントをいただきましてありがとうございます。
下山して何日経っても、無事に下山できて良かったと感じます。しばらくトラウマになりそうです。💦
奥茶臼山はしらびそ峠に駐車して歩けば往復15kmで標高差は650mでCTは8:20で一般登山道ですから大丈夫ですよ。しらびそと苔がキレイで緩やかな傾斜なのでお勧めです。
聖岳は高齢の方でも聖岳→赤石岳→荒川岳と小屋泊で縦走しているので大丈夫でしょう。
南アルプス南部も楽しんで下さい。
大沢岳まで漠然と歩きたいと思ってたルートでした。
快足Zenjinさんの山行で14h越えってあまり見た記憶ありません。
進まないハイマツ、計画遅れで鳴り出した午後の雷…。
ハイマツ帯ハマってしまったらビバークも困難でしょうし。
私がヤバいなと思ったのは谷川の芝倉新道でルートロスして激斜面の草つきを草掴みながらよじ登ったことです。
あれは泣きそうな気分になりました。
一般道に出てホッとする…百瞭兇ら聖もタフ過ぎてたいがいだと思うのですがそれくらい大変だったと…。
聖からはハイランドしらびそまでの林道、下栗の里、よく見えますね。
私は北又渡から歩いたことありますが、下山してクルマのエンジンかなり悲鳴上げながら下栗の里へ行きました。
この山域周回するとなるとやはり今回の山行のようにタフになってしまいますね。
いっ福開いてなかったのは残念ですが気に留めてくださりありがとうございます。
この界隈の山域歩かれたらぜひ寄り道してみてください。
本当に美味しいしボリューム満点です。
なにはともあれお疲れさまでした。
tomhigさん
こんばんは。コメントをいただきましてありがとうございます。
初日は14時間で32kmですが舗装路が2時間30分で13kmなので登山道を歩いたのは標準的なんですよ。白峰南稜の時は二日目と三日目は両日共に13時間くらい歩いたのでそれが最高記録です。
奥茶臼山〜大沢岳のルートは距離とか時間を忘れてしまうくらいハードでした。
『もうダメだ』と2回ほど思いましたが大きく深呼吸をして気力を振り絞って進みました。
普段からトレーニングをしていて良かったとつくづく思いました。
二日目は朝から調子が良くて聖岳まではあっという間に着いてしまったのですが聖岳から遥か遠くに下栗の里が見えて絶望的になりました。曇って見えなかった方が良かったです。15:00頃までに車に着いたらいっ福の開いている時間に間に合ったのですが最後の北又渡からの8kmの舗装路の登りで暑さと疲れで失速してしまいました。
いっ福には先日お邪魔した時にご馳走になったので秋になったらみかん持って遊びに行きます。
近いうちに谷川に行こうかと思っているのですがそんなにヤバイ所があるんですか?
芝倉新道ですね。調べてみます。
しばらくは一般道をボチボチ歩きます。
Zenjinさん、遅くなりましたがやはり大変なコースでしたね。
私には到底無理です。聖はご褒美ですね。ご無事で何よりでした。
くれぐれも無理をされないで下さい、と言ってもレベルが違いますので、何が無理かは分からないのですが。。
来週よろしくお願いします。
ponjiさん
こんにちは。コメントをいただきましてありがとうございます。
生きて戻れたのにホッとしています。
前に歩いた方のレコもあったし、師匠は『大丈夫ですよ』なんて言うので何の疑いもなく難コースに突入してしまいました。
最後は体力勝負でした。日頃からトレーニングをしていて良かったです。
来週はponjiさんの足手まといにならないよう頑張ります。
カメレスですね(笑)
zenjin殿の師匠とは、誰や?
正直このレコ見て(よく見て)正直に、怖いもの感じました
おはようございます。亀コメをいただきましてありがとうございます。(笑)
師匠…深南部の王者で私が師匠と呼べないくらいレベルが高い方です。
昨年まで聖平小屋の管理人をやってました。
実は私はバリルートは好きではないのですが成り行きで通らないとならないことがあるので…汗
遠山郷からしらびそ高原まで歩いたレコもあるので参考まで。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1423060.html
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