絶景と、花と、出会いと【荒川三山、赤石岳】(椹島から周回)
- GPS
- 19:09
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 3,104m
- 下り
- 3,107m
コースタイム
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 5:44
- 山行
- 6:15
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 7:14
- 山行
- 5:01
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 5:57
天候 | 3日間とも晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
コンビニはI.C.出たすぐにローソンと約1km先にファミマがありますが、以降はありません。道は狭くカーブも多い、しかもときどき動物も出てくるので走行に注意。 臨時駐車場に仮設トイレあり 駐車場より東海フォレストの送迎バスで椹島へ(送迎バスのため、周辺の小屋に泊まらないと乗車できません。) 往路 通常7:30が始発ですが、この日は6:30頃発の臨時便に乗車 復路 椹島発 13:00 |
コース状況/ 危険箇所等 |
椹島から千枚岳へと向かう登山道入口の吊り橋が掛け替えられてルートが変わっています。 千枚岳への登りはほぼ樹林帯で、標高の低いところからのスタートなので暑さが厳しい。 千枚岳から丸山への尾根に長めのハシゴと岩場のやせ尾根あり。 悪沢岳から中岳コルへの下りと赤石岳椹島下降点からのガレ場の下りは注意が必要。 水場は清水平、千枚小屋、荒川小屋、大倉尾根上部のガレ場下、赤石小屋にあり。 コースが長く、累積標高差も大きいので、体力が必要。 南アルプスは午後は雷が起こりやすいので、早めの行動を心がける必要があります。(幸いこの3日間は雷はありませんでした) |
その他周辺情報 | 椹島にコインロッカーあり。 日帰り温泉:白樺荘(臨時駐車場から車で5分ほど)510円 |
写真
感想
前の週、北海道のいつもの宿に行き、宿主から来週3連休なんだけど赤石岳に行かない?と誘われる。今まで遠いと思っていた南アルプス南部の山々が急に現実味を帯びて、登山地図を見ながら天気予報を気にする一週間を過ごし、ついに当日を迎えた。
【1日目】
遠い道のりを経て、朝一番のバスで椹島へ。出発は太陽も高く昇った8時。真新しい吊り橋を渡ると早速急登が待ち構える。南アルプスの樹林帯は深く、そして長い。暑さも加わり、久しぶりの10kgオーバーのザックが重く感じられる。
ほぼ中間点の清水平で冷たい水を補給し、さらに登っていく。
木馬道の美しい林を抜け、高山植物が見えてきたところで千枚小屋に到着。今夜はここで一泊する。
小屋の前のテーブルでまずはビールで乾杯。担ぎ上げたツマミで飲みながら、そのまま夕食へと流れていく。いつもは小屋で出会った人と話すか、一人でテント場で静かに過ごすかだけれども、今回はいつもと違って仲間がいて、話は尽きない。
夜半過ぎ、外に出て空を見上げると、満天の星空が拡がっていた。明日も良い天気になりそうだ。
【2日目】
日の出前に目覚め小屋の前に出てみると、昨日は雲に隠れていた富士山が姿を見せてくれていた。絶景の前で朝食を済ませてから出発。今日はアップダウンの激しい稜線歩きが続く。
朝いちから急な登りで、ゆっくりとしか足が進まない。30分ほど登ったところで、突然視界が開け、目の前に赤石岳の大きな山容が姿を現した。そして1つ目のピーク千枚岳。
千枚岳から丸山への尾根は長いハシゴや岩場のやせ尾根が続くが、足元には様々な高山植物が根を張っている。足元に注意しながら花を楽しむ。
丸山への登り、先を行っていた仲間が立ち止まり手招きをしている。そこにはライチョウが悠々と歩いていた。南アルプスでライチョウを見るのは初めてだ。
大きな岩を登って辿り着いた先が悪沢岳(東岳)。南アルプス北部の山々、目指す赤石岳、富士山、遠く中央アルプス、北アルプスまで見渡せる最高の展望台。
急な岩場を一旦下り、登り返すと中岳。ここから前岳までは短いながらも標高3000mの稜線散歩。青空の下、最高の贅沢。
前岳からの東斜面は、日本アルプス有数のお花畑。目の前に赤石岳の雄大な山容が迫り、撮影のために足がしばしば止まり、なかなか進まない。
荒川小屋で大休止と水の補給をして、見上げるほどまで迫った赤石岳を目指す。大聖寺平まではなだらかな道。そこから小赤石岳の斜面をジグザグに一気に登っていく。急だけれども一定の斜度で淡々と登るこういうところは結構好きかも。
小赤石岳から目の前にある赤石岳山頂まで今日最後の力を絞ってやっとたどり着いた。山頂で、かなり前に到着した宿主と荒川岳でお会いした三伏峠から縦走してきた女性が待っていてくれた。
本日は山頂直下の赤石岳避難小屋に宿泊。テント泊のため当初赤石小屋に下る予定だった宿主も予定を変更して一緒に泊まることに(宿主としての勘で楽しそうな予感がしたらしい)。
夕日や朝日が山頂から見ることができるという理由で決めた小屋だったが、それ以上にこの小屋は魅力に満ちていた。
小屋のベンチで既に到着した人たち同士でビールを飲みながら山談義に花が咲く。そして次の人が到着するたび乾杯の輪が拡がっていった。夕日の時間にはすっかり打ち解けて、皆で山頂へ行って刻々と移りゆく景色を共有した。そして小屋番はいかにも山男という出で立ちでありながら、いつも優しい目で登山者たちを見守り、そして時に登山者の話に加わり一緒にお酒を酌み交わす魅力的な親父であった。夜には、小屋の奥様によるハーモニカの演奏会。山で聴くハーモニカの優しい音色に心が暖かくなった。
【3日目】
日の出前に再び山頂に立つ。他の宿泊者たちも続々と上がってきた。雲が多めながら上空がほんのりと染まり良い朝だった。
小屋の主人と奥様に楽しく暖かく見送ってもらい小屋を後にする。最後にもう一度赤石山頂に立ち、いよいよ下山。標高3120mの山頂から1120mの椹島まで標高差2000mの長い下り。
赤石岳の東斜面のガレ場もお花畑が拡がっている。本当に荒川三山、赤石岳とも花の豊富な山だ。
途中の水場で、小屋で一緒だったTさんに追いつく。緩やかなアップダウンと桟道のトラバースを繰り返しながら富士見平に到着。ここからは初日から歩いてきた千枚岳、荒川三山、赤石岳が一望できた。この3日間こんなに歩いてきたんだ!としばし思いにふける。休んでいる間に、やはり小屋で一緒だったYさんも合流。ここからは即席4人パーティーで話をしながら歩く。
赤石小屋からは南アルプスらしい深い森の中を一気に下っていく。無事下山できるという安堵感と3日間の夢のような時間が終わってしまうという寂しさ。縦走からの下山時の気持ちはいつも複雑だ。
長いと思っていた大倉尾根も皆で話をしながらのおかげで楽しく、思ったより短く感じた。椹島に着いた時にはすっかり打ち解け合っていた。
椹島で先に小屋を出発していた方とも再会、バスの出発まで楽しく過ごすことができた。
初めての南アルプス南部の山々。ひとつ一つの山が大きくて、とてもハードだったけれど、その分大きな充実感を得ることができました。
また、北アルプスや南アルプス北部などに比べて人がグッと少なく、かといって全く人がいないわけでもなく、山歩きに浸れる感が半端ないです。
いつも単独登山が多いですが、今回は仲間と登り、そして多くの方たちと出会い、こんなに話しながらの登山は久しぶりで、また違った楽しさがありました。
天気に恵まれアルプスの絶景と花を堪能し、素敵な出会いにも恵まれ、とても良い山行となりました。
赤石岳避難小屋でご一緒したTです
同じ縦走路を歩いた記録を読みながら、1週間前の感動が蘇ってきました
写真もコメントもステキですッ‼︎
青空とお花畑と周りの山々を見渡せる贅沢な3000mの稜線歩き!
写真ばかり撮って足が進みませんでした
縦走はいつも単独が多い私も、今回は天候にも出会いにも恵まれた楽しい山旅になりました
赤石岳避難小屋同窓会で再会できるのを楽しみにしています🎶
sana-smileさん コメントありがとうございます!
先週一週間は、頭の中はずーと2500mくらいを彷徨っていて、仕事に集中するのが大変でした(笑)
花の写真、もっとたくさん撮ったのですが、同行者のペースが速く、焦って撮ったためか、ボツのものが多かったんです。
本当に今回の山旅は天気と出会いに感謝です。
赤石岳避難小屋同窓会でお会いしましょう!!
避難小屋でご一緒させて頂いたYです。
レコを読んでいるうちに感動が蘇ってきてまた行きたくなってしまいました。笑
皆さんと過ごさせて頂いた時間はとても貴重な時間でした、
有難うございました。
赤石岳避難小屋同窓会、Tさんと同様に楽しみにしております☺
yok777さん コメントありがとうございます。
南アルプス南部は今回が初めてでしたが、自分もすっかり気に入りました。聖岳も行きたいし、秋も良さそうだし、今回の逆コースもいいなあ…。
避難小屋のご主人も、自分と同行の宿主と同じくらい面白くて魅力的な方で、また「帰りたい」場所となりました。
皆さんと、楽しく、貴重な時間を共有できて、本当に良い山旅でした。
ぜひ、赤石岳避難小屋同窓会、実現させましょう!!
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