南アルプス大縦走 8日間
- GPS
- 174:15
- 距離
- 64.5km
- 登り
- 6,081m
- 下り
- 6,989m
コースタイム
- 山行
- 4:55
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 5:21
- 山行
- 5:48
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 6:15
- 山行
- 6:20
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:42
- 山行
- 6:42
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 7:25
- 山行
- 5:30
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 6:10
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 7:48
- 山行
- 3:43
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 3:56
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
・広河原から南アルプス市営バスで北沢峠へ |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
|
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感想
北沢峠から椹島まで南アルプスを縦走するプランを検討し、無理のなさそうな8〜9日で歩けるように日程を組む。
初日は自宅から北沢峠へ移動して「こもれび山荘」に前泊し、8月2日から山に入る。
【1日目】
5時に山荘を出て仙丈ケ岳への登山道をゆっくり歩き始める。この前後に登り始めるグループが多く、1時間半ほどは追い越したり追い越されたりが続く。
樹林帯が終わりハイマツの尾根に出る頃から次第に足に疲れを感じ、小仙丈ヶ岳に到着したところで大休憩。その後も重い足を引き摺りながら、出発から5時間擁して仙丈ヶ岳山頂に着く。
この日はここまでで、仙丈小屋に下りて宿泊。定員一杯で布団1枚に2名で朝まで身動きできず。
【2日目】
5時40分頃に小屋を出て、先ずもう一度仙丈ケ岳へ。山頂には先客1名のみ。ガスの中で展望はないのですぐに大仙丈ヶ岳方面へ。ガスはやがて晴れてきて30分ほどで大仙丈ヶ岳のピークへ。ザレた道を200mほど下り、その後は幾つかの小さなピークの続くハイマツの尾根を歩いて行く。
伊那荒倉岳を過ぎた辺りから前月の台風のためと思われる、かなり大規模な倒木が何か所もあって道を塞いでいる。途方に暮れそうになるが、目印のリボンを捜しながら、その方向へ最短距離で倒木を伝い歩いて越えて行く。
(倒木については両俣小屋が近く整備するとのことだったので、その後解消された可能性がある)
独標まで来ると倒木も一段落し、樹林帯の中をさらに歩いて野呂川越から野呂川沿いへ下り、両俣小屋に泊まる。
この日、山道で出合った登山者は2、3名。
両俣小屋は基本的には釣りの拠点と見え、小屋泊まりの登山者は4名だけだが、開放的で居心地が良い。
【3日目】
この日も良い天気。
5時過ぎに小屋を出て野呂川越への急登を登る。意外に早く稜線に戻れて樹林帯の中の道をアップダウンしながら歩いて行く。この日の最難関は野呂川越からの標高差700mの三峰岳(みぶだけ)。樹林を出て直射日光を浴び始める地点からそそり立つピークが見えて戦闘意欲を減退させる。
仕方なく休み休み、少しずつピークに近づき、両俣小屋を出てからほぼ5時間かけて三峰岳に到着。
三峰岳からは間ノ岳に繋がる登山道があり、ここを通じて白根三山側から登山者が仙塩尾根側へ移動して来る。このため、殆ど他の登山者と出会わなかったこれまでと異なり、これ以降は比較的よく擦れ違うようになってくる。
三峰岳から1時間半ほど尾根を下り歩いてこの日の宿、熊ノ平小屋に到着。この時は一人二人だった客は、夕食時には30名ほどに増える。
熊ノ平小屋の夕食はとても工夫してあって美味しく、疲労した体にも食欲を回復させてくれるのが嬉しい。寝室のスペースも広く、接客も気持ちが良い。
【4日目】
また快晴で暑い日。
二つ目の3000m峰、塩見岳を目指す。稜線上のマイナーピークを探して踏みながら北俣岳を往復してくる、というカップルと前後しながら2時間ほどで北荒川岳。ここから眼前に聳える塩見岳は大きく、迫力十分。
崩壊している斜面を回りこんで避け、急な斜面のザレ尾根をハアハア言って登り切って、北荒川岳から2時間で北俣岳分岐。ここでカップルと別れ、さらに1時間かけてようやく2番目の3000m峰の塩見岳の東峰、さらに3番目の西峰に到着。
暫く景色を楽しんでから小屋へ下る。西峰の下りとそれに続く天狗岩の下りは急こう配な上に岩礫、砂礫の混合した足元なので落石や滑落に非常に気を使う。頂上から約1時間かかって今日の宿、塩見小屋に到着。
三伏峠から塩見岳を往復する客が多いようで混雑している。
塩見小屋は熊ノ平小屋と対照的に就寝スペースが狭めで食事も工夫が欲しい感じ。
【5日目】
この日も快晴だが、台風接近のニュースが入って来てこの後の方針を考える必要が出てくる。情報があまりに少ないので困るが、最悪だと三伏峠から下りられるように小河内岳で停滞することを考える必要があるかも知れない。
塩見小屋を6時に出て先ず三伏峠まで下る。多少のアップダウンはあるが、あまり疲れることなく2時間半ほどで三伏峠の小屋に到着し、30分ほど休息を取る。三伏小峠屋までの区間では多くの登山者とすれ違った。
急な登りを1時間ほどで烏帽子岳に到着。塩見岳や北部の山々の展望が良い。さらに前小河内岳を経て2時間ほどで小河内岳に着き、山頂近くの小河内岳避難小屋に泊る。
避難小屋に泊まるのは初めてだが、南アルプスの避難小屋は夏の間は管理人さんが常駐していて寝具の貸し出しや、簡単な食事も作ってくれるので安心できる。
ここは見晴しが良く、夕景・朝景の撮影に期待したが、台風の影響かどちらも山頂付近がガスに巻かれて実現せず。
【6日目】
朝起きるもやはり霧の中。台風の動向はあまりよく分からないが、次の荒川中岳の避難小屋までは進むことにして出発。
小河内岳の頂上に出て荒川岳方面への登山道を探すが、ハイマツの中に入っていく道跡がどれも行き止まりになってしまい、20分ほどあちこち迷う。もう一度頂上標識に戻って目を凝らすと、しっかりとした登山道がありホッとする。
2時間余りかかって板谷岳付近まで下って来ると雨がかなり強くなってきたので、雨具を着ける。疲れてきたので高山裏の避難小屋でコーヒーを淹れて貰い大休止。この小屋は狭くてあまり泊まりたくない。テント場を使う人が多そうな場所。
腰を上げて荒川岳へのトラバース気味の登山道を2時間ほど登って行くと荒川岳のカールの底に出る。雨も上がっているので雨具を脱ぎ、照りつけるようになった陽射しの中を休み休みカールを登る。高山裏を出てから3時間ほどかかって荒川岳の稜線に出る。
さらに20分ほどで前岳の山頂、荒川小屋方面への分岐を過ぎて、稜線に出てから40分ほどかかって荒川中岳の避難小屋に着く。
台風の詳細な動向はあまりはっきりしないが、管理人さんが異様に博識で消灯間際まで話に花が咲く。
【7日目】
台風は関東の東縁を霞めて北上するらしく、南アルプス山域への影響は相変わらずよく分からない。少なくとも日中に大きな悪化はなさそうなので、取り敢えず赤石岳の頂上小屋まで急ぐことにする。
朝の間は多少の風はあるものの天気は良く歩き易い。小屋を出ると荒川小屋から登って来たらしい数名の登山者とすれ違う。分岐から谷へ下り、沢山の花が咲く中を赤石岳の姿を見ながら赤い屋根の荒川小屋へ向かう。
1時間で荒川小屋に着くが、そのまま素通りして大聖寺平らへのトラバース道に入る。これで赤石岳の深い沢へ下りずに済むのは有難い。
大聖寺平付近は若干風が強いが心配した程ではなく、むしろ登るには程よい涼しさ。ここから緩斜面をゆっくりと頂上への稜線へ登って行く。
大聖寺平から1時間ほどでガスのかかる小赤石岳の肩に達し、さらに小赤石岳を過ぎて赤石岳本峰への登りにかかったところで突然風雨が強くなってきたので慌てて雨具を着ける。頂上に近づくと立っていられない程の風だが、何とか凌いで雨の中の頂上標識を撮影し、20mほど低い場所にある赤石岳避難小屋に入る。
大らかで親切な管理人さん夫妻(?)に迎えられて寛いだ後、すぐに3時間ほど昼寝をしてしまう。台風の影響は相変わらずはっきりしないが、明日の朝の絶景を期待して夕食後、早めに床に就く。
【8日目】
夜中から風が出てきて時々目を覚ます。2時頃に外へ出てみると真上の空は晴れて星が出ている。これは期待できると、3時前に撮影の準備をして頂上へ向かう。
期待通りに東の地平から昇って来たオリオンと細い月がちょうど富士山の真上に輝いている、…が、肝心の富士山の前に大きな雲があって見えない…。 そのうち退くだろうとセッティングをしながら待つが、却って雲は増え、どんどんこちらへ向かって来る。
結局夜が明けても雲はどかず、折角の早起きも報われなかった。台風は北方に去り、雨風の影響も納まったようなので椹島へ下山することにし、朝食後に管理人さんに礼を言って小屋を後にする。
朝日の指す中、赤石岳を下り、小赤石岳との境から大倉尾根に入って椹島へ向かって下りて行く。色々な花が咲いている中を暫く下りると、急な斜面を左手にしてトラバースしながら下る細い道になる。岩の上を歩く部分も多くて、朝露で濡れてもいるのでかなり滑り易く、非常に嫌らしい区間。これが赤石小屋に着くまで1時間余り続いて精神的にも酷く疲れる。
赤石岳から2時間ほどかかって赤石小屋に着き、少し休むと同時にペットボトルの水を購入して補給する。ここから椹島までは標高差1500mを下りる。最初のうちはこれまでと似たような歩き難い道だが、すぐにより整備された林の中の登山道になり、長くはあるが安心して歩けるようになって心が落ち着いてくる。
椹島−赤石岳−荒川岳−千枚岳−椹島 の巡回ルートは人気のある道のようで、比較的多くの人とすれ違うし、道も良く整備されている。赤石小屋からの残りの道程も長かったが、今回の縦走の最後の部分なので噛みしめながら歩を進める。
赤石小屋から2時間余り下りると気温が格段に上がり、沢の音も聞えてきて、下界に近づいている雰囲気が強くなってくる。やがて、今までとは異なり人工的な臭いのする直線的な九十九折の道を下り、セミの声を聞きながら鉄の階段を下りると最後の舗装道路に出る。と、10時半発のバスがちょうど目の前を通り過ぎて行った。
赤石岳を出てから5時間半ほどで椹島ロッジに無事下山。
脱力感で次に何をすればよいのか直ぐに整理できないなか、ベンチに座り込み、冷たいビールを飲みながら次のバスを待った。
【山行の総括】
5年前の北アルプス縦走以来の長期縦走だったが、山域についての知識・情報の少なさ、山の大きさ、距離の長さ、途中の小屋の少なさ、登山道の整備状況の違い、歩いている人の少なさ、体力の低下、などが重なって、毎日毎日が緊張の連続だった。
長い区間を縦走する人は意外に少なく、毎日顔を合わせて親しくなるような人が少なかったのも北アルプスとの違いで少々寂しくはあったが、代わりに避難小屋の管理人さんたちが皆個性的で、話を聴いているのも楽しかった。
歩いてみて人が多くてよく歩かれていると思った山域は、(1)広河原〜白根三山〜熊ノ平〜塩見岳〜三伏峠、(2)椹島〜赤石岳〜荒川岳〜千枚岳〜椹島。 いつか(1)のルートを歩いてみたい。(当分来たくないが)
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