易老渡〜易老岳〜光岳〜大根沢山〜大無間山〜井川田代
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- GPS
- 78:41
- 距離
- 36.7km
- 登り
- 4,384m
- 下り
- 4,709m
コースタイム
0510飯田=<タクシー>=0645易老渡登山口0715→0930面平→1330易老岳(幕営)
2012/01/01(日): ※最後の2hはバテバテのCT
0630易老岳→0930静高平→0945光小屋→1040信濃俣分岐→1200百沢俣の頭→1555信濃俣(2331.7△)→1615椹沢山(幕営)
2012/01/02(月): ※全体にバテバテのCT
0640椹沢山→0820西俣山(2107P)→1320大根沢山→1425小根沢山(1922P)→1630 2127P→1710三方嶺手前の小ピーク(幕営)
2012/01/03(火):
0430幕営地→0510三方嶺→0655大無間山→0905小無間山→1010 P1→1035 P2→1105 P3→1140小無間小屋→1355諏訪神社登山口
天候 | 2011/12/31(土) 晴 2012/01/01(日) 晴→夜中に降雪 2012/01/02(月) 晴→曇 2012/01/03(火) 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー
「林道崩落のため北又渡までしか入れない」「大野集落まで」等の 事前情報であったが、結果的には易老渡登山口までタクシーで入山。 約1.5h、約18k\。 林道崩落箇所は迂回路設置されていた。 路面積雪はなくスタッドレスで問題なく走行。 ◇井川田代登山口→静岡駅(井川地区自主運行バスとしずてつジャストライン乗継) 井川地区自主運行バス1日3便。1/3まで正月ダイヤ、1/4以降平日ダイヤ。 ・井川駅〜大井川鉄道 ・しずてつジャストライン上落合バス停〜静岡駅 に適当な待ち合わせ時間で接続するようなダイヤで運行。 基本、井川地区の方々の生活用バスなので必ず乗車できる保障はない。 時刻表は「井川地区自主運行バス」で検索。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◇登山道状況 全体的に積雪量が少なく、連日の好天でマーキングもよく認識できたため、 この季節としては格段に好条件での縦走であった。 ワカンでラッセルは易老岳〜光岳のみ、あとはストック&アイゼンで歩行。 所々に岩場や崩落のフチがあり、慎重に歩行(特にバリルート) ・易老渡登山口→易老岳 登山口の橋手前にポスト有。 標高1900m付近から積雪路。山頂まで冬靴ツボ足で登る。 山頂付近は樹林に囲まれたなだらかな地形で平らな切り開きも多く、テント場は豊富。 12/31は2〜3張だったもよう。 ・易老岳→光岳 全般的に20〜30cm程度の積雪だが、易老岳〜光岳ピストンの人のトレースがあったので、 ワカン無しでも通過できたが、トレースなければワカン必須。 ・光岳→信濃俣 先行トレースなし積雪10cm程度で先頭のみワカン。 2542P以降は12本アイゼンで最終日まで行動(どちらかというとスリップ防止)。 樹木の幹にテープのマーキングがコンスタントに現れる。たまにガレの淵や岩場よじ登り現れるも、特段の危険箇所なし。 信濃俣山頂付近もなだらかな樹林帯でテント適地。 ・信濃俣→大無間山 二万五千分の一地図上では無表記のバリエーションルート。 樹木の幹にテープのマーキングがコンスタントに現れる。 たまにガレの淵や岩場よじ登り現れるも、特段の危険箇所なし。処理に困るような倒木もなかった。 大根沢山山頂付近はなだらかな地形で樹林帯の見通しも悪く、歩き出しの方位に注意が必要。 三方嶺手前(北側)の小ピーク付近は平らな地形でテント適地。 ・大無間山→井川田代登山口 一般縦走路。小無間山までは歩きやすい。 小無間山と鋸歯P1とのコルは両側の崩落がすすみ登山道が消失しつつあり、小無間山からの下り方向では特に注意が必要(勢いで滑落する危険性)。 しんどい鋸歯を越えると小無間小屋があらわれ、あとは1000mの我慢の下り。 ◇下山後の温泉 民宿ふるさと 日帰り入浴可 |
写真
感想
今現在いちばんの憧れであり目標でもある、南アルプス南部バリエーションルートの縦走。
比較的メジャーな光岳〜信濃俣〜大根沢山〜大無間山のガイドツアーに参加した。
厳しいルートに緊張して臨み、下山時刻のプレッシャーの中必死に歩き、無事踏破した。
以下、個人日記(長文注意)
【12/30/2011(前日移動日):自宅→飯田駅】
新宿駅から高速バスで飯田に移動する。午前の新宿駅は歳末の賑わいで、西口の高速バスターミナルは
大きな荷物をかかえた老若男女の帰省客であふれている。
中央高速の事故通行止めを知らせるアナウンスが繰り返される。バスにトイレはついているはずだが、
念のためトイレへ行っておく。ザックは置いていくしかない。隣に座っている女性に声をかけ、できれば
見ていてほしいとお願いする。急いで戻ってきて御礼を言う。笑顔で返される。携帯で話す様子では
どうも外国人女性らしい。今時、新宿で赤の他人の荷物を見ていてくれる人がいたなんて。嬉しくなる。
新宿発飯田駅行きのバスは4台。一号車に乗り込む。今現在大月で通行止めで、通過する頃に解除される
可能性がある。待てば解除の場合は手前のSAで待ち、ダメなら20号に降りますと運転士が車内アナウンス
で告げる。この年末時期に事故通行止めとは迷惑千万。運転士は大変だ。本当にご苦労様です。
結局タイミングよく通行止め解除され、バスは滞りなく運行、30分弱の遅れで終点飯田駅へ。
飯田駅前は意外とこぢんまりとしていて、予約のホテル方向へ西向きに歩く。立ち並ぶ飲食店の扉には
正月飾りや年末年始の営業案内などが貼られていて、ああもう年末なんだなと。
ホテルにチェックイン、周辺をぶらぶら散歩してみる。
西方向へ目をやると、街並みのむこうに茜色に染まる南アルプスの山並み。飯田の町のひとたちはみんな
毎日この景色の中暮らしているんだなあと思う。
この後居酒屋で独り飲み、早々とホテルに戻り、早々に就寝。
【12/31/2011(1日目):飯田駅→易老渡登山口→易老岳】
3:30起床。コンビニ飯を食べて4:30出発、ガイドSさんともうひとりの客Kさんの宿泊するホテルへ向かう。
ロビーで二人と待ち合わせ。おはようございます、はじめまして。
前日にSガイドが予約したタクシーが横付けしている。70L×3人分のザックをトランクに無理やり詰め込み、
5時すぎ、出発。タクシー運転手は前日の予約のあと、飯田市内のスポーツ店へ易老渡登山口へのアクセス
状況を問い合わせてくれていたらしく、12月上旬の時点で大野集落までしか入れないらしいと告げられる。
北又渡まで入れるとの事前情報で登山口までせいぜい1.5hの林道歩きと思っていたが、大野集落から歩く
となるとプラス2hはかかる。今日中に易老岳まで登れるかどうかも怪しくなってくる。しかし行くしかない。
どんよりとした気持ちのまま、暗闇を走るタクシーで居眠りし気がつけば下栗の里。途中で関東ナンバーの
車に先に行ってもらう。大野集落を抜けても特に道路に積雪はあらわれず、「この先通行止め」の標識も現れない。
「おかしいな、どこまで入れるんだろう?」といいつつ車を走らせる。進めど進めど先に行った車は引き返して来ない。
そのうち北又渡に到着。あらら、入れたのね。引き続き通行止めを知らせる看板もなく進む。すぐに問題の崩落箇所へ。
あらわれたのは「この先通行止め」ではなく「迂回路」の看板。左手の河原に下りる迂回路がつくってあり、林道崩落
箇所を横目に迂回、もとの林道に戻る。いつのまに設置したんだろう?これはもしや易老渡まで入れるんでは?
易老渡手前の橋のところに先行の関東ナンバー車は駐車、タクシーはさらに先へ行く。無事、易老渡駐車場到着。
どんよりとした気持ちが嬉しい誤算へとかわる。親切なタクシーの運転手に礼を言い、タクシーは引き返していった。
身支度を整え、食糧・燃料の1/2をザックに詰め込み、出発。
KさんはSガイドの常連客で脚力もあるらしいので、前を行ってもらう。案の定取り付きから自分は遅れを取る。
事前に予測していた状況ではあるが、自分は足が遅い(せいぜい公式CTで歩ける程度)ことを事前にSガイドに
伝えており、焦って先行2名についていってもすぐにバテて余計に足を引っ張るのは目に見えているので、
マイペースで登る。やっと面平。遅れてすみませんねぇ〜、光岳までは行ったことがあるので、万一置いて
いかれても道迷いはしませんから、と言い訳。
その後も、離される→休憩ポイントで先行2名待っている→少しの休憩のあと出発、を繰り返すこととなる。
足の速い人は十分な休憩を取り、足の遅い人は十分に休憩できないまま出発、というパターンだなと思ったが、
どうにもならないので気にしないことにする。
標高200m毎に休憩を取りながら順調に高度を稼ぎ、1900mあたりから雪があらわれるがツボ足のまま登る。
山頂手前の鋸歯のところは、昨年GWに雪道崩落であわや滑落の体験地であったが、正しい巻き道でないほうを
巻いていたことが判明。
ようやく易老岳山頂。単独の人がおられ、情報をいただく。易老岳にテントを張り、光岳往復してこられた
そうだ。スノーシューを履いておられた。すぐ横にテントを張らせてもらう。単独の人は撤収し、仁田岳のほうへ
これから行ってみると言っていた。少し離れたところにテントもう一張りあった。
テント内で酒とつまみ、夕食を食べ、早々に就寝。
夜中に雪崩のような音で目が覚めたが、よく聞いているといつまでも音が続き、時刻は0時すぎ。
寸又峡あたりで新年の花火でもあげているのかなと思いながら再度眠りについた。
<本日の服装>
上:ウール混長シャツ1枚,下:夏用パンツ+インナータイツ,足元:冬靴ツボ足
就寝時:長シャツ+フリース+ダウン,夏パンツ(インナー)+ハードシェル下
【1/1/2012(2日目):易老岳→光岳→信濃俣→椹沢山】
5時起床。すかさずシュラフを撤収しスペース確保。湯をつくって朝食。テント撤収、出発。
光岳へは基本的に夏道を辿る。光岳山頂まではずっと先行トレースがあり、辿って進んだ。静高平手前の
沢筋の登りは積雪量多いとキツいかな?と思っていたが、積雪が少なかったのでほぼ夏道沿いで登った。
出発後、少しすると周囲が明るくなり、やがて左手の木立のあいだから橙色の朝日がのぞく。初日の出だ。
少し立ち止まって記念撮影。安全で平穏な一年になりますようにと手を合わせてみた。
すぐに出発。途中でワカンのひもが外れるトラブルがあり、切れたか?と一瞬焦ったが、緩んで解けただけだった。
Sガイドが再度解けないように直してくださる。
順調に進み、静高平へ。木道が現れ、先に光小屋が目に入る。光小屋到着。KさんとSガイドは光岳山頂を
踏みたいとのことで自分は光小屋で少々待機し、分岐で待ち合わせることにする。
ここまでは景色を眺める余裕がなかったが、時間ができたのでゆっくり眺める。
北方向には兎・聖から上河内〜茶臼〜易老岳の白い稜線がくっきりと見える。東へ目をやると富士山、そして
南にはこれから行く深南部の黒い山並みがずっと広がっている。ああ、いよいよここへ足を踏み入れるんだ・・・・
信濃俣への分岐で2名と合流、再び出発する。
林の中を百俣沢の頭への稜線へと進む。2542の小ピークはほとんど雪がついておらず、ここでワカンから
アイゼンへと履き替える。足元の低いハイマツは、これが南限のものだろうか?
引き続きなだらかな下りを進み、百俣沢の頭へ。
この後も若干アップダウンしつつ標高を下げていき、信濃俣手前の小ピーク越えあたりから急激にバテる。
ガス欠っぽく力が入らない。休憩時に体を休めていて積極的に食料を口にしていなかったからかもしれない。
Kさんが「シャリバテかもしれないね」と飴をくださる。
信濃俣への登りはかなりの急登で、Kさんの直登トレースを辿ろうとすると雪面が崩れてしまう。足も上がらない。
信濃俣の隣の小ピークにテン場適地があればと考えたらしいが、4人用テントを平らに張れるスペースはなく
結局椹沢山までバテバテで登り続ける。
早々にテントを張り雪を集めてテント内へ。酒・食事・おしゃべりして就寝。
<本日の服装>
上:ウール混長シャツ1枚+ハードシェル上,下:夏用パンツ(インナー)+ハードシェル下,足元:ワカン→アイゼン
就寝時:長シャツ+ダウン,夏パンツ(インナー)+ハードシェル下
【1/2/2012(3日目):椹沢山→大根沢山→三方嶺手前】
5時起床。すかさずシュラフを撤収しスペース確保。湯をつくって朝食。テント撤収、出発。
この日の予定は大無間山頂、最低でも大無間山手前コルの以前大無間小屋のあったところと告げられる。
あまり寝られず前日使い果たした体力は回復していない。景色を楽しむ余裕なく必死の行軍を続ける。
時折岩場でSガイドによるザイル確保。大根沢山への登りは本当にしんどい。ようやく山頂。長閑で広々した
大根沢山山頂。雪に覆われているので樹林帯でも明るい。ここで一日マッタリ過ごせたらどんなに幸せか・・・
時間的余裕もないので出発。行軍は続く。休憩でのザックの上げ下ろしも体力的に辛い。
途中でもう大無間は諦めたと言われる。最低限、大無間山登山道合流地点に目標地点変更される。
大根沢山から350降り、300弱登り返してまた降る。もう二人には先に行ってもらって、自分はヘッ電であとから
行きたいと訴える。却下。やがて日が傾きほのかなピンク色に染まる雪面を黙々と踏みしめる。薄暗くなった頃
やっと三方嶺手前の小ピーク到着。テン場適地ということで本日はここまで。
<本日の服装>
上:ウール混長シャツ1枚+ハードシェル上,下:夏用パンツ(インナー)+ハードシェル下,足元:アイゼン
就寝時:長シャツ+フリース+ハードシェル上,夏パンツ(インナー)+ハードシェル下
【1/3/2012(4日目):三方嶺→大無間山→小無間山→井川田代登山口】
いよいよ最終日。14時下山をにらみ、3時起床。
すかさずシュラフを撤収しスペース確保。湯をつくって朝食。テント撤収、出発。
まだ真っ暗でヘッ電歩行。頭上にはこぼれそうに星が瞬き、はるか遠く下方に街の灯がみえる。静岡市だろうか?
暗闇を歩きつづけ、大無間山取付きへ。積雪うっすらで一般登山道が見えてもいい筈だが、暗いのでわかりにくい。
黙々と登っているとだんだん傾斜が緩くなる。やがで大無間山頂標識へ。やっと、やっと辿りついた。
ここまで自分の足で歩いてきた。涙があふれる。
記念撮影して下山にかかる。中無間までは非常に歩きやすい緩やかな下り。崩落の淵まできたら左に進路をとり、
いくらかのアップダウンののちに小無間山頂へ。一昨年の6月、ここまで来た。山頂の雰囲気は記憶に新しい。
ゆっくりもしていられず引き続き下山。ここから先は歩いたことがあるので、2人に先に行ってほしいと進言、
鋸歯は心配だからそこまでは一緒にと言われがっくり。
小無間山からの下りは方向がわかりにくく、マーキングを頼りに進む。P1とのコルへの降り口は急激に
下っていて、なおかつコルは両側の崩落が進行していて登山道があるかどうか?という状態。降り口で
足を踏み外すとそのまま崩落斜面を落下していくだろう。慎重に下る。
ここから鋸歯の区間は上り下りがキツいのでオーバーパンツは脱ぎ、途中でアイゼンも外す。
コルを通過してP1への急登。激下りしてまたP2へ急登。また激下りしてP3へ。激下りしてP3とP4のコルで
ようやくSガイドとKさんに先行してもらうことに。やれやれ、ここからはノンビリ安全に下ろう。
マイペースでよちよち歩いていると目の前に青い建物。小無間小屋だ。先には三角点の広場。見晴らしがいい。
引き続き下る。だんだん気温が上がるのがわかる。眼下に時々井川湖が見え、下界は遥か彼方を実感。
枯葉の登山道を必死に下り続ける。なだらかになったあたりの登山道脇の木の幹にびっしりと青色の
ビニール荷紐が巻き付けてある。昨秋JJ0JVLさんに教えてもらった、熊対策だろうか?
引き続き下り続け、雷段をすぎ、鉄塔をくぐり、ようやく登山口へ。さらに道路を越えて諏訪神社の
鳥居に到着。下界に下りてきた!諏訪神社の水を水筒にありがたく頂戴し、トボトボと民宿へ歩く。
先行した二人はまだ居るだろうか?民宿の前に二人のザックが置いてある。温泉で汗を流したようだ。
乗り換えて静岡駅に至るバスは14:51発で、余裕で間に合った。ビールで乾杯して、二人をバス停に見送る。
翌日の仕事が休めないKさんと、今日中に地元に戻りたいSガイドはほっとした表情でバスに乗り込み出発。
自分はいつもの民宿に戻り、楽しい山の話、美味しい酒と食事、温泉に癒され、山行の余韻を心から味わう一夜を過ごした。
<本日の服装>
上:ウール混長シャツ1枚+ハードシェル上→シャツ,下:夏用パンツ(インナー)+ハードシェル下→夏パンツ,足元:アイゼン→ツボ
【自分用備忘録】
・シュラフはシュラフカバーと一体のままコンプレッションバッグに収納する
・テントはフライ無しでも結露する。ゴアの場合はもっと結露するかも?
・ワカンは各部の緩みを事前に確認すること
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