厳冬期南アルプス南部単独大縦走4日間 (茶臼岳〜聖岳〜赤石岳〜荒川三山〜塩見岳)
- GPS
- 104:00
- 距離
- 69.3km
- 登り
- 6,785m
- 下り
- 6,442m
コースタイム
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:20
- 山行
- 11:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:50
- 山行
- 13:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 14:00
- 山行
- 19:55
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 19:55
- 山行
- 2:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 2:50
天候 | 12/30 晴れ 12/31 晴れ 1/1 晴れ→雪 1/2 晴れ→雪 1/3 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・茶臼岳にウソッコ小屋方面から登るルートは台風の影響で壊滅的らしい ・聖岳の登りは斜面がクラストしていて危なかった ・聖岳〜兎岳間は稜線が細く危険 ・前岳から高山裏避難小屋への道は急斜面で滑落の危険大 |
その他周辺情報 | 畑薙第一ダム近くの白樺荘が結構お気に入り |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
サブザック
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
厳冬期南アルプス南部単独縦走4日間 その1(畑薙ダム〜上河内岳近く)
寒い。現在南アルプス塩見岳の起点となる標高2,586m三伏峠下にて、テントを張らずに寝袋にくるまっている。外気はおそらくマイナス20度近いのではないだろうか。どうして年始にこんなところにいるのだろうか...。この山行の始まりは去年の12月30日にさかのぼる。
今年の年末はどこの山に行こうか。最初に思いついたのは北アルプスの北部である。しかし、日本海側や東北は年末寒波の影響で大荒れ。唯一と言っていいほど天候が良かったのは南アルプス方面であった。そして、その中でも天候が良かった静岡方面からの入山を決めた。
「年末はどこの山に行くの?」。出発前日に長野の祖母に尋ねられた。祖母は大変心配性で、僕が山に行く日は眠れないらしい。「7人パーティーで八ヶ岳にのんびり行くんだ〜」。そう答える。どこからそんな嘘が出てくるのだろうか。隣にいた父と母はこの嘘に思わず苦笑した。
1日目の予定は静岡の山奥にある畑薙ダムからスタートし、主稜線に位置する標高2,600mちょっとの茶臼岳近くで寝る予定であった。当初の予定では6時くらいに歩き始めるはずだった。しかし、当日の夜中になっても一向に行く気が沸かない。結局、長野でゆっくり寝たりしていたため、畑薙ダムの出発は10時になってしまった。荷物は30キロ近くあり、この重さから足取りは重い。
直前に知ってはいたのだが、秋くらいかなんかの台風の影響で、茶臼岳に登る登山道にかかる橋が数本落ちており、倒木も多いため通行困難らしい。どうやって主稜線にあがろうか。事前に知り合いにこのことを相談したところ、隣にある鳥小屋尾根という、茶臼岳に直接つきあげる尾根を登ればいいのではとのこと。一般ルートではないので情報は少ない。まあ、ものは試しと登ってみたところあっという間に茶臼岳に出ることができた。今年は雪が少ないが1,700mあたりから徐々に雪な現れた。なお、2人ほど先行しているらしく、雪の上に足跡がついていた。
主稜線に夕方にあがったが、人がいそうな茶臼小屋にはなんとなく泊まりたくなかった。そのまま稜線を上河内岳方面に少し歩き、テントを張った。気分はそこまで上がらないが、体調はすこぶる良い。寒波で気温は下がり、すべての物がすぐに凍りつく中、安眠した。
厳冬期南アルプス南部単独縦走4日間 その2(上河内近く〜聖岳〜百間洞)
2日目、聖岳を過ぎたあたりで僕のメンタルはほぼ完全に崩壊しかかっていた。
朝、上河内岳近くの幕営地を日の出前に出発。前日はメソメソと下界のことばかし考えていたが、2日目に入ると割と山モードになる。本日は標高3,013mの聖岳を登り、その先で幕営予定。西暦3013年になったらこの山も人で賑わうのかなぁとくだらないことを考えつつ進む。午前のうちに聖岳の下まで来た。山頂に向かって、いくつかの足跡が雪面上にある。よっしゃ、これは楽勝とこのときは思っていた。
聖岳の登りは延々と続くまあまあな傾斜の斜面である。ただ雪がついているだけなら恐らく問題にはならないだろう。しかし、この日は斜面がカチカチに凍っており、アイゼンの歯がほとんど潜り込まないところすらあった。キツめに蹴り込むが数ミリしか氷にはいらない。富士山ではこういうことがあると聞いたことがあるがまさか聖で...。少しでも滑ってしまったら後は滑り台の要領でずっと下まで滑っていく。緊張しながらもなんとか聖の山頂に達するが、精神的に結構疲れていた。気分的には聖岳の東尾根から下山したい。心の中で天使と悪魔が囁く。「もう降りちゃっていいじゃねぇか。この先はあぶねぇぞ?家帰ってゴロゴロしよーぜ」「長期休暇なのにまさかの2日で下山ですか?塩見まで行くと大見得をきったじゃないですか!行きましょう」。ふむ...とりあえず歩くことにした。ここから赤石までは誰も入っていないようでトレースがなかった。
聖を越えると一回下り、兎岳という山に登りあげる。兎岳、名前はかわいいがとんでもない山である。正面から見ても、登るラインが全く見えない。尾根は両側が切れていて、歩けるようには見えない。恐る恐る尾根の下の斜面を際どいトラバースしながら進む。登りは...どうやったのかよく覚えていないが気づいたら山頂にいた。怒りが沸き起こる。なにが兎岳だ。かわいい名前つけやがって。こっちは兎に殺されかけたわ。と。
兎岳を越える頃には夕方に差し掛かっていたが、百間洞まで入っておきたかった。小兎岳、中盛丸山を越える。小兎岳の山頂では、兎岳の裏の顔を見た。暗闇の中、百間洞に到着し幕営する。一晩寝て少しメンタルが持ち直した。
!羨ましい山行を続けていますね!。南米アコンカグアに南ア・南部主脈縦走と。
荒川岳(前岳)から高山裏避難小屋小屋迄の所要時間が他行程と比べ、大幅に所要時間を要していることから、前岳下降後のラッセル大変だったみたいですね。くれぐれも事故なく登山を続けられることを!!。ヤマレコ楽しみにしています。
ありがとうございます!とても励みになります!
今回の縦走に比べるとアコンカグアはハイキングでした。ご想像の通り、高山裏避難小屋まではラッセルが大変で、滑落の危険性が高い前岳の下りで神経をすり減らしていたのも相まってかなり時間がかかってしまいました...。
今後とも事故には合わぬよう登山を続けていこうと思います!
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