”迷走”タワ尾根・長沢背稜
- GPS
- 32:52
- 距離
- 23.0km
- 登り
- 1,770m
- 下り
- 1,761m
コースタイム
東日原8:00-一石山神社8:30-一石山9:55-ミズナラの巨樹10:18-人形山10:30-11:00金袋山11:10-篶坂ノ丸11:40-12:45【ウトウノ頭】13:10-13:55大京谷のクビレ―14:50タワ尾根・長沢背稜縦走路出合-15:40?滝谷の峰-16:20ごろ長沢背稜出合に戻り、ビバーク
3/4
タワ尾根・長沢背稜出合(ビバーク地点)7:10-滝谷の峰7:40?-縦走路合流9:30-行福のタオ9:45-10:35酉谷避難小屋11:45-13:00七跳分岐13:10-ハナド岩13:50-14:35一杯水避難小屋14:45-16:50東日原BS
天候 | 3/3(土) 晴れのち曇り 3/4(日) 曇り。一日中霧氷だか小雪だかわからんのが降ってました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
奥多摩駅7:25=(西東京バス)=東日原BS7:55 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★積雪の状況について 2/29(水)に都心でも積雪が観測される(小河内の降水量は18.0mm) 3/1(木)は気温が高く、都内の平地での積雪はほぼ融ける 3/2(金)は比較的気温が高めの雨。小河内の降水量は9.0mm、気温は1.2℃-3.7℃(最低ー最高)。標高の低いところでは雪を解かす雨、高いところでは湿った重い雪となったようです。標高1400mあたりから雪の量が一気に増えてきます。 ●一石山神社‐ミズナラの巨樹・人形山(積雪0〜10cm) 震災後通行止めが続く燕岩ルートにかわって、現在「金袋山のミズナラ」およびタワ尾根方面へはここが唯一の登山口となります(公には)。 新たな指導票が設置されたものの、下部ほど道が不明瞭で急であるという状態には変わりません。個人的には絶対に下山に使いたくない道の一つです。 途中からは道型がはっきりしてくるので、登りに使う分には大きな支障はありません。 ただし、ミズナラの巨樹の広場へ向かう九十九折りは降雪の直後などは道が不明瞭になりそうです。 ミズナラの巨樹の広場から人形山へは指導票はありませんが、広場の北にある最低鞍部の方向を目指します。 ●人形山-篶坂の丸(積雪10〜25cm) この区間は昨年モノレールが設置され、ほぼモノレールと並走して歩く形となります。金袋山からのゆるい下りは、雪が吹きだまって歩きにくい状態でした。 ●篶坂の丸-ウトウの頭(積雪15〜30cm) ウトウの頭への急登りは、雪でかなり時間がかかりました。 ウトウノ頭は、1つ目のピークから、岩場の急下りを経て、2つ目のピークの一番奥になります。 ●ウトウの頭-大京谷のクビレ‐大京谷の峰(積雪15〜30cm) この区間は荒れた道や岩場が多く、タワ尾根最大の難所となります。 まず、ウトウの頭からは四間小屋尾根(北東方向の尾根)へ下らないように進行方向をよく確認します。 ウトウの頭からはいったん急な斜面を下ります。その後は慎重に尾根通しを進みますが、倒木などで非常に歩きにくいです。 その後小ピークを越えて少し進むとトラロープを張って通行止めになっている岩があります。ここで、岩に向かって左手にピンク色のテープがありますので、このテープの方向にあるトラバース道にはいってそのまま下っていきます。 このトラバース道は比較的しっかりしており安心して歩けます。 数分ほど下ると「大京谷のクビレ」と呼ばれる鞍部に出ます。 木にくくりつけられた小さなプレートは、かろうじて「大京」の2文字が読み取れます。 ここからは、次の「大京谷の峰」と呼ばれる1602m峰まで標高差60mほどの岩場混じりの急坂を直登します。途中で孫惣谷(まごそだに)方面からのモノレール起動と合流すると間もなく大京谷の峰に到着。山名表示板は特にありません。 ●大京谷の峰〜長沢背稜合流点(積雪15〜30cm) この区間はモノレール起動に沿っての緩やかな登りとなります。 モノレールの終点から長沢背稜縦走路の合流点までは10分弱の道のりです。 ★【注意】タワ尾根・長沢背稜縦走路合流点付近の様子について 縦走路に踏み跡はなく、雲取山方面・酉谷山方面ともに縦走路の道型もわかりませんでした。一旦は、滝谷の峰に直登し、ここから尾根通しに酉谷小屋を目指そうかと考えましたが、滝谷の峰から酉谷方面への斜面は積雪が60cmを超え、日没までに酉谷小屋に着くのは困難と考え、タワ尾根と縦走路の合流点付近でビバークを決断しました。 ●タワ尾根・長沢背稜縦走路合流点〜滝谷の峰(積雪20〜40cm) 滝谷の峰へは、標高差50mほどの急登になります。山頂に標識類は一切ありませんでした。 ●滝谷の峰〜行福のタオ(積雪40〜70cm) 滝谷の峰の最高点からは、北北東の方向を目指して急な斜面を下って行きました。 数分も下れば尾根の形がはっきりしてきます。北北東〜北東の方向に進んでいれば正解です。 地形図に現れない程度の小さなアップダウンはいくつかありますが、行福のタオまでは尾根筋を外さないことが重要です。 行福のタオのやや南寄りで縦走路と合流。ここからは縦走路をたどって行福のタオに到着します。 ●行福のタオ〜酉谷避難小屋(積雪30cm前後) 酉谷小屋から雲取方面への踏み跡は1人分だけでした。 道型ははっきりしているので、この区間は特に問題ありません。 酉谷峠から酉谷山山頂へはしっかりした踏み跡がありました。(行福のタオ〜酉谷山は踏み跡なし) ★酉谷避難小屋について ・収容人数は6名、土間まで入れて10人が限界です。 ・厳冬期ながらも、小屋前の水場は細いながらも出ています。 ●酉谷避難小屋〜七跳分岐(積雪20〜40cm) 酉谷避難小屋から一杯水の方へは十分なトレースがありましたが、ときどき膝近くまで踏み抜いたような深い踏み跡もあり、雪で相当に体力を消耗する状況であることに変わりはありませんでした。 途中桟道が数か所あり、桟道上の雪の状態によっては大事故に直結する危険があります。 ●七跳分岐〜一杯水避難小屋(積雪15〜30cm) ・七跳分岐から七跳山方面はトレースあり。物好きっているんですね。 ・七跳分岐から、小川谷方面へは「通行止め」の標識を振り切って、しっかりとしたトレースがついていました。積雪の状況を考えれば、このエスケープはやむを得ない措置かと思います。 ・七跳分岐から先にも桟道が数か所あり、やはり桟道上でバランスを崩せば大事故につながる危険があります。 ・ハナド岩の標識のあたりまで戻れば危険個所はほぼありません。 ●一杯水避難小屋〜東日原(ヨコスズ尾根)(積雪0〜15cm) ヨコスズ尾根は上部では適度に雪があって歩きやすいのですが、標高1300mを切ったあたりから、一旦融けた雪が再凍結して滑りやすい場所が目立ってきます。 (この日は一日中曇天で日差しがなかったため、午後になっても雪融けが進まなかったのですが、日差しがあれば酷い泥濘になっていたことでしょう) 滝入ノ峰のトラバース道は、転落すれば大事故につながる場所が続き、かなり神経を使いました。 滝入の峰の長いトラバースが終わり、樹林帯を急に下るようになると、雪はほとんどありませんでした。 |
写真
感想
当初は初日に酉谷小屋まで行って、2日目の昼くらいに東日原に下山するでした。
タワ尾根を詰めて長沢背稜に出会うまでは想定の範囲内。実際ここから夏のコースタイムの1.5倍で行ければ日没までには余裕で酉谷小屋につくはずでした。
しかし、一面の雪原と化した縦走路合流点で、道がわからず。
探し回っても、膝まで踏み抜くような場所ばかり。
仕方なく、滝谷の峰から尾根通しに歩こうとしたものの、
滝谷の峰から北東方向への尾根への入口がわからず。
しかも、雪はひざ上まで踏み抜くほど深く、このルートも断念。
午後4時過ぎ日没1時間前ながら、決断はビバーク。
ビバーク中に考えた翌日の行動は・・・。
‖戝の峰に直登し、尾根通しに酉谷小屋を目指す
一番現実的と思われる行動。酉谷小屋まで行けば、その先は踏み跡がある可能性が高いし、最悪一日かけて酉谷小屋までたどり着けばよし。できれば一杯水まで行ければ、月曜以降天気が崩れても下山は容易だろう。
▲織鑒根を引き返す
来た道には自分の付けたトレースがあるのでこれも比較的現実的。雪がクラストしてるので夜中にトレースが消える心配はない。
問題なのは、やはり一石山から一石山神社への下り。疲労がピークの状態でここを下るのはできれば避けたい。
E形鳥碍侏海撚嫉
これもちらっと考えた。会所までいければ風雪は凌げる。
ただし、地形図からも急なアップダウンが多く、特に梯子谷のクビレからの北斜面の急登は相当厳しそうと考え、これは却下。
ぅ咼弌璽地点で酉谷小屋からの縦走者が来るのを待つ
…なんて消極的な考えも頭をよぎりましたが、月曜以降天気が崩れることを考えても、人が来な時点で死亡確定。
結局最終結論は,僕遒礎紊、その場合でも酉谷小屋で停滞、(小川谷林道は通行止めながら)酉谷から三叉への下山、七跳分岐から七跳尾根を下山などいろいろなケースを想定しました。
翌朝、再度滝谷の峰の頂上に。北東方向への尾根筋は全くわからなかったが、山頂と思しき場所から、とにかく尾根のあるはずの方向の急斜面をひたすら下る。
膝上まで埋まるほどの積雪で、一度下りだしたら引き返すのはほぼ不可能な急斜面。
それでも数分後には明瞭な尾根筋に乗り、コンパスで確認した進行方向も間違っていない。
ひとまずはこれで安心だが、雪が深く、ストックのスノーバスケットにうまく体重を分散させないと膝上まで埋まってしまい、まったく先に進まない。
ふと、右手をみると縦走路らしきものが見えたような気がする。
いったん尾根を外して、「縦走路らしきもの」の方向へ下ってみるが、結局それは縦走路ではなかった。
「余計なことは考えず、とにかく尾根通しを進むべし」
再度尾根に戻って、少しずつ、少しずつ前進していく。
行動開始から実に2時間半を経て、今朝ついたばかりの酉谷小屋からの縦走者1名のトレースを発見。
ひとまず、本日中の遭難死は避けられたのがほぼ確定。
後は、トレース頼りに縦走路を酉谷小屋まで。
酉谷小屋で腹ごしらえをして体力も回復。
酉谷小屋から一杯水へは大勢の登山者が歩いたトレースあり。
ここから先は「普通の」雪山歩き。
それにしても。
2回続けて自分の行動とは思えないような無謀な山行をしてしまったことは、反省をしなければならない。
―などと、まるで他人事のように思う自分がいる。
kanosukeと申します。
3/3にヨコスズ尾根から長沢背稜に入りました。
七跳山頂にむかうトレースはたぶん私のものです。
最初私は水松から天祖山経由で下る周回コースを考えてましたが雪にはばまれあえなく引き返しました。
レコを読ませていただいて計画の無謀をあらためて痛感しました。また同時期に長沢背稜にいたものとしてoreshioさんがいかに大変だったかよくわかります。
でもまたそこがいいんですよね。
長沢背稜の積雪、完全に甘く見てました。
基本的に尾根の南東側についた巻道なので、それほどの積雪量にはならないと踏んでいたのですが・・・。
(実際、タワ尾根までの積雪とそれに伴う遅れは想定の範囲内でしたので)
あの雪の積もり具合だと、水松山→天祖山は梯子坂の頭、ナギ谷の頭への登り返しが相当キツかっただろうと思われますよね。
それにしても、標識があるのに道がわからないという状況は初めてで、ちょっとしたパニックに陥ってしまいました
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