越後駒ケ岳(反省多き山行)
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- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,404m
- 下り
- 1,394m
コースタイム
- 山行
- 9:20
- 休憩
- 6:00
- 合計
- 15:20
- 山行
- 5:10
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 7:10
入山コースをどう取るか、駒の湯か道行新道か?悩みに悩んだ末、リスクはあるがやはり雪の回廊コースは捨てがたく、後者を選ぶ。とにかく道行山までに迷わず行けるか?が鍵となる。
天候 | 両日とも快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
シルバーラインは24h通行可。R352の枝折峠への道は通行止めです。 小出ICから1時間弱です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今年は残雪の量がかなり多いとの事です。それでもこの時期になると道行山への尾根の残雪はほとんど消えて、残雪歩きができなくなる時期に入ります。よって道を間違えて尾根を強行突破するのは無謀です。そういう私も道を失い、越後の山の薮こぎの洗礼を受けました。100m進むのに1時間はかかった。ひどい薮山です。必ず夏道を見出し、道行山までは夏道をたどる事。道行以降は尾根筋に雪稜が残り、ほぼ残雪歩きができます。ただしそれも時間の問題で、だんだん途切れ途切れになってゆくハズ。なお夏道は尾根の取り付きがわかれば、以降残雪は道行山直下までありません。 【石抱橋〜林道〜道行新道入り口】 R352の通行止め舗装道路を行った方が判りやすい。地図を確認すると判りますが、最初の180度転換カーブのところから林道がわかれ、この林道を辿ります。あとはひたすら林道歩き。雪で埋まっている部分もあるが、70%ぐらいは融けてます。他の方のレコにもある通り、柳沢の橋を渡り、100mぐらいで入り口には赤リボンがあり道行新道の入り口はわかります。 【道行新道入り口〜尾根取り付き】 この区間が最も迷いやすい。要注意です。自分もここで道を失い、最初の尾根を辿ってしまい、ひどい薮漕ぎとなりました。下りは尾根取り付きまでは迷うことはありませんが、取り付きから林道に出るまでの道を失い、右往左往して、結局正規の道が何処を辿っているか未だに不明。GPSと地図で確認し、進むべき。自分は持っていないし、藪を侮り、甘く見てました。大反省! 入り口から夏道なので忠実に夏道を辿る。数個所残雪あるが、短いので末端で、夏道探して進む。すこしいやらしいトラバースを超えると、左に良い残雪斜面が見え、まっすぐいくのも残雪多く、夏道がここで途切れた。たぶんここをまっすぐ進み夏道探すべし。自分は左残雪斜面に入って急斜面を登りだしてしまい、最初の尾根に取り付き、途中で残雪切れて、猛烈な薮こぎになった。 まっすぐで、わからなかったら、右の広い残雪斜面から柳沢まで容易に下れるので、一度沢に出て、少し行くと左から支沢が入ってくるのが見える。この沢を渡って、右側を進むと、大きな檜の木が何本かみえてくるのでそこを目指す。少し行くと右斜面で檜がバッキリ折れて登山道を塞いでいる。これがなおさら夏道を隠して、取り付きが見えにくくなってる。しかしこの居れた檜が取り付き目印だ。ここが見つかれば、あとは迷うこと無しの1本道です。ここまでの区間、わずかですが残雪で夏道追えないのがつらい。下の残雪が消えれば迷うことはないと思う。まあここが核心部かも。 【取り付き〜道行山】 急坂が続くが、道は明瞭、残雪も尾根に上がるまで全く無し。タムシバ、マンサク、ムラサキヤシオ、オオカメノキなどお花がいっぱい。イワウチワやショウジョウバカマもたくさんありました。途中道行山の尾根も垣間見えます。 尾根に上がってしまうと右に直角に折れて、尾根を辿っていきます。しばらく緩やかだが、急坂にかわり、雪解け水が流れる場所は、くぼんだ沢状、踏み抜き地獄です。ここを抜けると直下の残雪帯に入り、緩く残雪をたどると頂上です。頂上からは眺めがよい。下る場合はくぼんだ沢状の入り口を失わないこと。右寄りに辿って赤リボンを見逃さない。残雪を左よりに辿ると変なところにいっちゃう。 【道行山〜小倉山】 道行山から少し下ると枝折峠からの道を併せる。小倉山へ行くには直角に左へ折れる。道標が残雪から頭出てました。まっすぐ行ってしまうと枝折峠。左へ折れ、しばらくいくと雪稜帯にでます。ここから小倉山まではほぼほぼ残雪歩きで、一部夏道もでてますが、せっかくだから雪稜歩きたいですね。雪は安定してました。ただし途中数箇所途切れるところがあり、そこは夏道へ逃げます。 また中間部に一部広いくぼ地を歩く部分があり、視界が利けば全く問題ないが、視界が無い場合、道を失う危険あり。トレースは天気がよいと数時間でまったく消えてしまうので、あてにできません。自分も下りでトレース期待しましたが、消えて見えない部分のほうが多かった。 尾根を歩く部分はわかりやすいです。なお9時ぐらいを過ぎると、雪は緩んで、アイゼンはあまり効かないですね。逆に底に団子に雪がついて、かえって滑ったりするので、余り役立った感ありません。最後小倉山へのトラバース道はかなりの急登、雪が締まってる時の下りはピッケルがあると安心。 この区間は眺望抜群、どこをみても山・やま・山、新緑とのコラボ絶景です。 【小倉山〜百草の池】 小倉山〜先は残雪歩きで雪はとぎれません。夏道も一部出てますが、全部雪を辿れます。夏道が出てるところはイワウチワ、カタクリ、イワナシ、ショウジョウバカマなどお花がいっぱいです。なのでわざわざ夏道を通るのもお花好きならアリ! 小倉山からの駒ケ岳は迫力満点。近すぎず、遠すぎず一番姿が良い感じ。 小倉山から上は要所に目印の棒がたってるので、視界悪いときはこの棒をたよりにします。しばらく緩やかだが、最後すこし急坂上ります。その上の、平坦地が池だが、雪の中。道標は半分顔出してました。 【百草の池〜前駒】 残雪の急登標高差250m稼ぎます。ひたすら頑張って登る我慢の登り。ステップが切ってあるところを選べば、雪は柔らかく、つぼ足でもあるけそう。坪足&ダブルストックの方が多かった。自分はアイゼンつけましたが、重いだけだった。最後がちょっと急です。 【前駒〜駒の小屋】 前駒までくると、後もう少し。前駒からは迫力の滝ハナ沢と駒ケ岳が見える。高度感もあり、すんごい景色。春早い時期はこのあたり、ナイフリッジになるのかな?ここからは駒の小屋が見える。しばらく稜線を辿り、最後小屋までの急登が一番傾斜がきつい。だが幅は広く、恐怖感はそうでもない。ここもステップ切ってあり、一歩一歩確実に進めば、小屋の前に飛び出す。雪が締まってる時は斜度があるので、アイゼン、ピッケルあったほうが安心。視界不良のときは右寄りの草付きを頼りに進めば、迷うことはなさそう。ただ年によってはクレバスぽく割れることもありそうで注意。 【駒の小屋〜駒ケ岳】 駒の小屋は週末管理人さんが入ってるようです。7月〜8月は誰かしらが常駐するそうです。小屋は天国のようにすばらしいところでした。素泊まりのみ2000円/人、テントは2張り程度、500円/人、トイレは足踏み式バイオトイレ100円/回です。小屋前のテラスからの眺望がすごい絶景です。サンダル、毛布、銀マット完備。2Fはお天気良い日はホカホカです。詰め込めば50人ぐらいは泊まれるのかな??30人は余裕です。当日は5人で貸切のように使い放題でした。 駒の小屋〜頂上は15分〜20分ぐらい。雪の大斜面を登ります。この時期はお天気よければ、どこでも歩けそう。正規の道は左の尾根を辿っていきます。特に問題視無し。最後左側は雪屁がすごいので、余り近寄らないほうが無難。頂上寄りは雪屁なしです。S字のうねりが入っているのでその筋に沿って登ると登りやすい。 【振り返り】 全体を通じ、雪の状態は何時如何変わるかわからないし、締まった状態だとピッケル無いと不安な場所もあったので、安全見るなら携帯すべき。12本爪アイゼンは不要の場所が多かった。12本爪持っていったが、あまり役立たず。むしろチェーンスパイクや軽アイゼンの方がよかった。下りは12本爪では底に団子に雪がつくので、その状態では返って滑ってしまい危険。坪足でかかとを打ち込みながら、ピッケル片手に歩くほうがずっと安全。万が一こけてもピッケルで直ぐ静止できる。 視界が両日ともよかったのでルーファイは稜線上では余り必要なかったが、一旦視界が利かなくなった場合、方向がわからなくなりそうな場所多数あり。安易に山に入ると危険です。 |
写真
ここからは荒沢岳〜中の岳〜越後駒ケ岳のスカイラインをずっと眺めながらの豪快な雪の稜線歩きが始まります。思わず胸が高鳴る。しかし無風快晴で暑い!容赦なく体力が奪われる。
遠くは未丈が岳(左)〜日向倉山(右)への稜線、遠くは会津朝日岳(右奥)
このあたりで、体力限界を迎え、ついにあちこちで悲鳴を挙げだした。いろいろなところで吊る寸前!これはもう軽い熱中症にかかってる感じだ。芍薬甘草湯を飲み、体力回復のため、パンとポカリ、チーズなどを無理やり詰め込んだ。
ダマシダマシ登っていくが、また吊りそうになり、ここでも、もう1包芍薬甘草湯を追加投入、ここですこし休んで回復を待った。寝不足と前半の薮漕ぎの体力消耗が堪えた。吐き気を抑えながら、呼吸を整え、一定の歩調でのぼっていくしかない。
小屋前テラスで あとでレコ拝見してわかったのですが、 manzayoitokoさんに撮っていただきました。
ありがとうございました。
ただしこの雪融け水、プラスチック配管のニオイがついてしまい、超冷たいですが、うまくはないです。まあ命の水、贅沢はいいません。ありがたや!
感想
今回大きな反省点が2つ!
‘嗣造い怖い場所とわかっていながら、道に迷って薮こぎになったこと。
¬漕ぎに無駄な体力消耗したことも大きいが、真夏日になるとわかっていながら水を2Lしか持って行かず、途中で水切れになり、水分不足から軽い熱中症にまで、発展してしまったこと。
,脇擦鮗困辰燭箸海蹐如△發辰反欺鼎卜篝鼎法▲襦璽侫.い靴覆い箸い韻覆った。というのもすこし薮漕ぎを甘く見ていたきらいがある。越後の薮はすごいとは伝え聞いていたが、今回ほどの藪は経験したことがなかった。本当に100M進むのに1時間かかった計算だ。とにかく強烈な薮で体も通らないほどの箇所が幾度もあった。しかも途中で携帯電話をポケットから落としてしまう大失態!これを探すために薮の中を右往左往して、100Mぐらいは戻って探しただろうか?結局探し出しの地点の3Mぐらい手前に落ちてました。まあ見つかっただけ幸運と言わねばなるまい。そんなこともあって精神的にも追い詰められた感あり、休みも水も取らずに歩き続けてしまった。それがあとあとの熱中症の伏線になっているのは言うまでもない。
△2Lあれば、雪はあるからいざとなったら、コンロで水を作ればよいという甘さもあった。しかし実際は追い詰められると人間なかなか考えがまとまらず、不安ばかりが頭をよぎって、弱気になってしまう。やはりそうなる前に適切な対応をとって、熱中症にならない行動をとれねばいけないですね。
今思うと薮漕ぎでもいつかは抜けると大きな気持ちで、ゆっくり歩く、水分・エネルギー補給しながら歩くという基本をしっかりとらねばいけなかった。また夏道に出てからも、結構無理してがんばって歩いてしまった。適度な休憩とエネルギー補給が、必要なのに、飲まず喰わずで歩いてしまった。道行山手前の雪融水の流れで水分補給は出来たはず。遅れたぶん、先を急ぐ気持ちに勝てず、動いてしまった。
熱中症が怖いのは、一度どこかが吊り出すと、あちこちに波及して、もう体がいっさい動けなくなってしまうことだ。歩くことすら出来ない怖さがある。そうなる一歩手前で、踏ん張れなければ、この山深いところでは逃げ場が無く、命取りになってしまう。今回足の吊り始めのわずかなヤバイ感触を察知して、それなりの対応を取れたことで、なんとか持ちこたえることができた、その対応自体は経験としてよい引き出しを持てた気がする。まあそうなる前の対応だ大切ということも身をもってこの体験から学べた。
さて反省はこのぐらいにして、エチコマの山の良さを語らねば。今回のコースでとにかく残雪期の山の良さがすべて凝縮された要素をもっているそんなお山でした。
雪の回廊歩き、新緑と残雪の絶景、たくさんのお花、輝くモルゲン・アーベントの雪山、すばらしい山小屋と満点の星空、ギフチョウの乱舞、おいしい雪解け水、そしてふきのとうをはじめとしたたくさんの山の恵み、などなど。
今度はしっかり体を作って、余りびくびくしなくても歩けるように体調整え、もう一度エチコマ存分に楽しみたいですね。
0704minoさん
藪漕ぎの越後駒ヶ岳、お疲れさまでした。
私も若い頃ですが、5月GWの時期に駒の湯から小倉山経由のルートで越後駒ヶ岳に登りました。
前日に降雪もあったせいで全コース雪山ルートだったのでルーファイはかえって楽でした。
藪の現れるこの時期は難しいのですねえ。
でも久しぶりに越後駒の美しい山景色を拝見できて良かったです。
それに相変わらずお花の写真の美しいこと!
ありがとうございました。
gorozoさん
コメントありがとうございます。
春山は雪の状態で状況が大きく変わるので、油断禁物、少し慢心してた部分大反省でした。
改めてしっかり読図しないといけないですね。それと自分の体力も過信せず、でもうまくコントロールしながら、まだまだチャレンジは続けたいと思います。やっぱりこの春山の景色は、やめられません。お花はすこし精神的に余裕の持てた帰路でほとんど撮影しました。両日ともお天気に恵まれ本当にラッキーでした。
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