【日本百名山 No.16】槍ヶ岳 新穂高温泉→双六小屋→西鎌尾根→槍ヶ岳→槍平小屋→新穂高温泉
- GPS
- 52:06
- 距離
- 36.9km
- 登り
- 2,873m
- 下り
- 2,952m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 8:07
- 山行
- 7:41
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 9:12
天候 | 一日目 晴れのち曇り 二日目 晴れのち曇り 三日目 曇り時々晴れ 台風接近の日程でカッパ出さずに済んだのは僥倖 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰りは新穂高から第一ロープウエイに乗る。400円。絶対お得! |
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高〜双六小屋区間は,非常に手入れが行き届いており,快適でした。マーキングや危険個所の迂回も的確で,整備いただいている皆様に深く感謝です。 西鎌尾根は,左俣乗越から千丈乗越区間が,ややルート不明瞭なところあり。 飛騨沢ルートは性格上,ガレ場等が随所にありコース維持が大変だと思いますが,それでも一般人があるけるルートを維持いただき,これまた感謝。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
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写真
装備
MYアイテム |
犬丸42
重量:-kg
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個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
非常食
飲料
コンパス
ヘッドランプ
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
カメラ
トレッキングポール
GPS
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感想
海の日三連休に合わせて有休を申請していたが,天候悪化に伴い,この週に変更。今シーズン,あまり山に入れてないので,体力的に無理の出ぬよう小屋二泊と定め,せっかくの平日だし未踏の槍ヶ岳を目指すことにする。ルートも,先々週訪れた上高地はパスし,新穂高起点,双六小屋から西鎌尾根,と定めた。
前日,仕事終えてひたすら走り,新穂高に23時ごろ到着したが,無料登山者用駐車場はすでに満車。仕方なく鍋平にて車中泊。こちらはガラガラ。
翌朝,夜明け前から行動開始予定が寝過ごし,出発は6時前となる。天候晴れ時々曇りという感じ。いきなりひーひー言いながら新穂高まで下り,林道を詰める。平日にもかかわらず登山者はちらほらいて,さすがの北アルプスである。
わさび平小屋で一息入れ,小池新道に入るが,実に歩きやすい。先々週の焼岳は,かなり高低差のある段差が連続したりして結構ワイルドな感じだったが,小池新道
は細かく手入れがなされていて,実に歩きやすい。途中雪渓での迂回ルートも丁寧に作ってあり,危険個所なし。整備してくださった皆様には感謝しかない。
鏡平小屋を目指すうち,ガスが出てきて,光景が白くなる。これは逆さ槍無理かねえと思ってたら案の定残念な感じだった。人々でにぎわう鏡平小屋で牛丼をいただく。味濃いめで美味。当初,双六小屋まで一気に行けるか心配だったのだが,大丈夫そうなので,双六小屋を目指す。弓折乗越を超えるとあとは稜線歩き。ライチョウを目撃したりしつつ歩を進めると突然眼前に途方もなく美しい山容が現れる。鷲羽岳。いやはや,この光景は予想してなかった。何ともウツクシイ山であるわ。
細かいアップダウンをやり過ごしてようやく双六小屋が見えてからが結構長かった。最後の少しの登りに泣きながらなんとか14時前に到着。小屋の内外,たくさんの登山者に囲まれゆっくり時間を過ごす。夕食は少し人が多く計二回戦。翌朝4時30分の朝食に間に合わすべく20時頃アイマスクと耳栓を装着して枕に頭を置く。あっという間に意識を失う。
二日目,予定通り4時過ぎ起床。ご来光写真など撮る。朝食は並ぶかと思ったが1回目の列に入ることができた。5時過ぎ西鎌尾根に向けて出発。樅沢岳に向けての登りでうまくペースをつかめた。山頂の展望スペースでようやく槍とご対面。これから歩く稜線を目の当たりにして期待4不安6くらいの心持になる。
一昨年,燕山荘から情念小屋まで歩いて以来人生二度目の北ア稜線歩きは,いやはややっぱり楽しかった。あのエリアの,森林限界を超えてからの独特の空気は何物にも代えがたい。ゆっくり雰囲気を満喫しながら歩を進める。左俣乗越から先はガスが出始め,ルートも少し不明瞭になるが,一丈乗越までたどり着く。ここからはひたすらの登り。ガスが切れず果てがわからない辛い状態のまま登り続け,もうすぐおしまいかというあたりでガスが切れ,唐突に目の前に穂先が出てきて,いやはや,一人で声出して笑いましたわ。
西鎌尾根,超お薦めっす!
一息ついて荷を下ろしサブザックをもって穂先に挑む。ガスがあったのと上を目指すので精いっぱいで,恐怖感は感じなかった。GPSによると1014登頂となっている。順番に写真を撮ってもらう。「いい顔してますねえ!」とご一緒した方からお声掛けいただくほどニヤけていたらしい。
肩まで降りて今日は槍平まで降りようと決める。三日目の工程を短縮するためである。行動開始からまだ6時間ほどなので行けると踏み,小屋に電話して予約を入れて降りて行ったのだが,結局この選択は間違いだったと思う。個々の下山で完全に脚をなくしてしまい,這う這うの体で小屋にたどり着いた。
混み合っているかと思ったが,台風が来るのでキャンセルが相次ぎ,なんと男性一人部屋は私一人だといわれる。その後ソロ男性が一人来られたが,週末前の北ア山小屋の大部屋に二人だけというのはなかなか貴重な体験だったか。0545スパイスカレーの夕食をいただき,1930就寝。この日も爆睡する。
三日目は0545に朝食をいただき,ひたすら下る。個々の下りもなかなかにヘビーで,前日の疲れが抜けない太ももにかなりの負担がかかった。もうすぐ林道というところで,大きくけつまずき,左足首をひねってしまう。後の工程は足を引きずり気味になんとかこなし,0954新穂高到着。鍋平まで40分の登りをこなす気力はもはやなく,第一ロープウェイを使って上に上がり車に戻って終了。
とにもかくにも,穂先を落とせたことが何ともうれしい。ただ,槍ヶ岳小屋に泊まらなかったのは,今となっては少し心残りがあるのも事実。槍の方でゆっくり時間を過ごせる日が,この先また来るだろうか。
そして,鷲羽岳にも挑まんといかんな。ヤマノボラー人生に終わりはないのである。