御嶽山 - 小坂口敗退、黒沢口でリベンジ -
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- GPS
- 13:36
- 距離
- 27.0km
- 登り
- 2,768m
- 下り
- 2,755m
コースタイム
- 山行
- 4:11
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 5:29
- 山行
- 6:29
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 8:03
天候 | 27日:曇り後雨、稜線は烈風、28日:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
僕にとっての御嶽山の印象の初めは40年前にさかのぼる。登山を始める前でサイクリング小僧だった時代に、乗鞍高原から野麦峠、長峰峠、地蔵峠を越えて木曽福島へと走り下りた日、地蔵峠等から眺める御嶽の秀麗な姿に憧れを持ったのだった。
その後東京にいる間も、富山に移ってからも、他の山から遠くに認めることはあっても、御嶽に登りに行くことには距離感があって考えていなかった。そして2014年9月27日の噴火の翌日、白山に登って御嶽の噴煙を見つめていた。あらためて御嶽と白山が岐阜県飛騨地方の東と西の県境にあって対峙する山なんだと認識し、御嶽山頂剣ヶ峰に再び登れるようになるのはいつだろうとの思いを持った。
今年になってshinmon0711さんから、昨年来登頂解禁になっている御嶽に登れるときに登っておきたいんだと聞いていた。そのshinmon0711さんは7月13日に登ってしまい、僕も続こうとチャンスを狙って今回になった。さて北陸地方は梅雨が明けたが東海地方はまだ、この週末には明けるのではとの観測である。一方本州南岸近くにある低気圧が金-土にかけて台風6号となって上陸の可能性があると、これが大変心配だが、関東方面に行くのだろうとの予想を見て、また現地周辺の天気予報が土曜昼間は曇り基調であること、山岳気象予報で標高3000mでも強風にならないので、きっと登れるだろうと判断して金曜夜に自宅を出発した。
当初はチャオ御嶽のゴンドラ下から登ろうと考えていた。shinmon0711さんと違う登山口にしようと思ったのだが、現地に着くと登山口が見つからない。センターハウス辺りにも登山案内が見当たらない。広い駐車場を2ヶ所回ったが殆ど車が停まっていない。ここから登るのはどうも一般的でなさすぎるだろうと思い、結局飛騨側のメジャーな登山口である濁河温泉に移ることにした。
濁河温泉の小坂登山口を朝5時に出た時点では、青空が垣間見えて悪くない天気。湯の花峠まで登ると、高い木のてっぺんではゴオゴオと音が鳴り、稜線では強風になるとの予想はできたが、樹林帯の間は全く問題ない。八合目のお助け水より上で森林限界となり、確かに風は強くなったが行動をためらうほどではなく、ガスの中標高2800mの五ノ池小屋に着いた。
小屋から先が稜線の道となるが、小屋を離れて道標のある峠地形に出た途端、これ以上とても進めない烈風になった。風の強弱の波を観測するが弱まることが殆どない。這うように小屋に引き返して様子を見ることにする。小屋ではdocomoだと電波が入るらしいが、docomoでなくても小屋提供のwi-fiが使えて大変ありがたい。そこで判明したのが、台風6号は紀伊半島に上陸して北上している最中であること。天気予報も午前10時以降は雨だと、こりゃ(昨日までのと)話が違うよ。このまま小屋で泊まる選択肢もあったが、泊まる想定の装備を全くしていないので、下山することにした。小屋から下の下山行動には全く支障はなかった。
計画では土日の連続日帰りで御嶽に続いて白山に登ろうとしていた。このまま日曜は白山に登ろうか、しかし白山なら気軽にいつでも行けるが、御嶽までそうそう来れないし、また登山規制になってしまうかも知れない。翌日曜もう一度登ろうと決めたが、同じ登山口ではつまらないので木曽側の黒沢口からにしようと、開田高原で蕎麦を食べ、一旦木曽福島に下りて食料調達と給油、中ノ湯六合目に上がって車中泊した。
土曜午後から未明まで雨が降り続き、一時はかなり強かったが、明け方には止んでいた。日曜朝の時点で、100台泊まれるという中ノ湯の駐車場の、上下に分かれている上部の充足率で半分くらい。僕の支度中にも数名の登山者が出発していた。昨日もそうだったが登山道の整備状況は大変に良い。樹林帯の間は殆ど木の階段で埋められているような感じである。雨で出来た道の中の流れや水たまりがはけていないが、靴を殆ど濡らさずに登って行ける。女人堂より上で森林限界となり、登山道も石の道へと変わるが、きちんと敷き詰めてあり、道を外さない限り崩れる心配が殆どない。順調に九号目手前の石室山荘に着いて一服。ガスの中だが剣ヶ峰を目指す。
剣ヶ峰への最後の坂の登り口になる黒沢十字路で登山規制の柵が設けてあり、今は規制解除でロープが外されている状態になっている。溶岩の道だがガレて歩きにくい所はない。頂上直下にシェルターが置かれた小平地から82段の石段を登って剣ヶ峰となる。ガスが晴れる気配はなく何も見えないが、やっとここまで来たとの感慨が沸く。
剣ヶ峰からは黒沢十字路まで戻るしかなく、その先は昨日来れなかった五ノ池への道を行くことにする。二ノ池辺りが5年前の噴火の火山灰の積もる地面だが、二ノ池ヒュッテから先、サイノ河原では噴火の影響は感じられない、草花茂る高層台地となる。摩利支天山は視界が利けば行きたいと思ったが、ガスガスなのでパスした。稜線の道を下りて行くと、見覚えのある道標が現れて五ノ池に達した。五ノ池小屋では、昨日は仕舞われていた真新しく立派な椅子やテーブルがテラスに並べられ、大変快適にくつろぐことが出来る。ガスのままだがひところよりは薄れ、五ノ池湖面を眺めて過ごせた。
五ノ池から継子岳を一周した。小屋を出て直ぐと、継子岳山頂の辺りでコマクサが多く見られる。僕には今年はコマクサの当たり年で、蓮華岳、烏帽子岳とここで見事な群落を愛でることができた。コマクサ以外では、見られた高山植物の種類は多くなかった。ミヤマダイコンソウは多いが、シナノキンバイやミヤマキンポウゲは見当たらない。チングルマが僅かにあって、ハクサンイチゲは五ノ池湖畔に多かったが目の前に群落を見ることは少なかった、といった様子。でも四ノ池の沢を渡る地点は綺麗だった。五ノ池に戻り、巻き道からサイノ河原に登り返し、サイノ河原避難小屋(白竜避難小屋)で大休止とする。
避難小屋は行きに中を覗いて、帰りにここで休もうと目ぼしを付けていた。バーナーの火を使うのに風を避けられて気兼ねも要らないからだ。30分余りの滞在後、富山弁で言う「腹うい」状態、胃袋が鋭意消化作業中で、急坂登りではしんどくなるが、この後二ノ池までの登り返しは僅かで大丈夫。二ノ池の平坦地から九号目へも僅か登り返し、後はひたすら下りになる。整備優良のこの道は下りも楽ちんで、すっ飛ばしても六合目の駐車場まで一度も休もうと思わなかった。
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