船窪岳-針ノ木岳-後立山連峰
- GPS
- 34:30
- 距離
- 99.8km
- 登り
- 9,702m
- 下り
- 9,041m
コースタイム
02:00 大町温泉郷
03:45 七倉山荘駐車場
04:50 ブナ立尾根登山口
06:40 烏帽子小屋
10:40 船窪小屋
13:40 蓮華岳
14:10 針ノ木峠小屋
8/3(土) 14時間45分 37km +3,300m CT0.50
01:00 針ノ木峠小屋
03:50 新越山荘
05:00 種池山荘
06:00 冷池山荘
07:40 キレット小屋
10:00 五竜山荘
11:40 唐松岳頂上山荘
14:00 天狗山荘
15:45 白馬岳頂上宿舎
8/4(日) 7時間40分 23km +1,200m CT0.57
02:00 白馬岳頂上宿舎
03:50 雪倉岳避難小屋
06:15 朝日岳
09:35 蓮華温泉
天候 | 8/2 快晴無風 8/3 雨→快晴無風 8/4 快晴無風 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
大町温泉郷に車デポ. 葛温泉の登山口までロード14km +250m 8/4 11:00 バス 蓮華温泉 - 12:00平岩駅 12:08 電車 平岩駅発 大糸線松本行き - 南小谷駅で乗り替え - 13:00 信濃大町駅 920円 13:20 バス信濃大町駅 - 大町温泉(車デポ) 530円 13:45 信濃大町駅着。車回収完了。 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉は大町から30分クルマを走らせて穂高しゃくなげの湯。 やっぱここっすわー。ご飯がうまい。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
昨年、初夏の晴天に爺ヶ岳から朝日岳を歩いた。ものすごく楽しかったので再訪したいと思っていたが、大町は自宅からめちゃ遠いので天気五分五分の日に遠征して外したくはない。今週末は金曜有給で3連休。しかも金土日と晴れまくりだ。ならば行き先はここしかない。今回は3日間もあるので烏帽子小屋-針ノ木-種池山荘の間も繋げよう。地図を見た感じこの区間はアップダウンが激しくかなり厳しそうだ。やり甲斐がある。新しい装備とたっぷりの食料をザックに詰め込んでいざゆかん。
8/2(金)
前日夜移動で大町へ。夏休みなので名古屋周辺はどこもプチ渋滞。自宅から大町まで5時間もかかって運転だけで疲れた。3時間仮眠して元気に出発。まずは去年と同じように大町温泉郷からロードを走って登山口へ。「葛温泉までクルマで行って、下山後に信濃大町から乗合タクシーで葛温泉に戻ってくるプラン」も考えた。しかし乗合タクシーが面倒なのでやめた。それに葛温泉スタートだと尾根に出ても暗い。ロードは時間調整の意味もある。大町ダム、七倉ダム、高瀬ダムと3つのダムの側をてくてくジョグる。空気がひんやりして意外と快適だった。葛温泉へ向かう登山者のクルマが何台も通る。この道路をジョグっている僕を見てどう思うのだろう。
立派なロックフィルの高瀬ダムを登り切って不動沢の吊り橋で朝を迎えた。水をたっぷり汲んでブナ立尾根を登る。北アルプス三大急登らしい。気合を入れて行こう。しかしフレッシュな脚ではどうってこと無かった。ルートのキツさというのは斜度や距離でなく「それまでにどんな行程を歩いてきたか」が一番効く。烏帽子小屋に着いたらこの先は未踏の尾根。ワクワクする。南沢岳まではアップダウンが少なく超快適。終わりかけだがコマクサに癒される。幸か不幸かここまで尾根はガスに包まれてひんやり。しかし南沢岳を越えるとガスが晴れた。晴れてしまった。マジで暑い。真夏の山って2,500mを超えてもこんなに暑かったのか。特に日当たりの良い東斜面はダム湖の水蒸気が上がっているのかサウナのように蒸し暑くて下っていても汗が吹き出すほどだ。不動沢で汲んだ水は船窪小屋まで持つのか?キツイ、キツイ、キツすぎる。この尾根は本当に登りと下りしかない。しかもめちゃめちゃ急斜面ばかりだ。遠くのガスも晴れて針ノ木、蓮華岳ドーン!!遠すぎる。とんでもないアップダウンだ。絶望しかないが逃げ場は無い。進むも地獄、戻るも地獄。
船窪小屋で水をガブ飲みして復活。蓮華岳が近づくとたまにガスが通りがかりひんやりして回復。針ノ木峠に着くと時刻は14時。もう少し進みたいが新越山荘はテン場が無いし種池山荘まで頑張るにしても到着が18時を超えてしまう。少し早いが今日はここまでにしておこう。テントを張って小屋でカレーを食べて暗くなるまで外でぼけーっとしていた。針ノ木岳にかかっては消えるガスを眺めて過ごした。針ノ木峠はLTEも使えるので素晴らしい。たまにはこういうのも良い。17時頃にバケツをひっくり返したような夕立が降ってきたので慌ててテントに避難した。厳密にはテントではなく自立式シェルターのクロスオーバードームだがこんな雨に打たれても浸水は無く快適だった。
8/3(土)
0時半起床。雨が降る中を元気に出発。今日頑張れば明日は楽できる。この雨はきっと上がると信じて先へ進もう。5分に一度くらい雷が鳴っている。空はピカピカ光っているが音は結構遠くから聞こえてくるので大丈夫だろう。とはわかっていてもびっくりする。心臓に悪い。東のすぐ下には扇沢の駐車場の明かりが見える。車のヘッドライトが動いているのもよく見える。暗闇の中を3時間耐えて新越山荘にたどり着いた。早い人はもう出発の準備をしていた。水を飲んで一休みしたら種池山荘へ向かって出発だ。新越山荘-種池山荘の間はアップダウンが少なく平坦で快適。程なくして空は明るくなってきた。気づけば雨は止んで西には立山と劔がよく見える。空は真っ青に晴れていた。血が滾る。今までの疲れが全て吹き飛んだ。これは行ける。今日はどこまでも行けそうだ。
種池山荘で大休憩したらさあ行こう。爺ヶ岳、鹿島槍、五竜、唐松。いくつものピークを超えて岩や鎖やハシゴを突破した只々ひたすら北へ北へ。今日も太陽はカンカンマシマシ絶好調。イケイケどんどんだぜ。日差しで首筋が焼ける。汗が噴き出す。水不足になるのは勘弁なので多めに担いでいく。荷物増による脚への負荷増よりも水不足によるパフォーマンス低下の方が何倍も深刻だ。対抗する登山者とすれ違う際に避けて待っている間にザックのボトルに手を伸ばしてサッ飲むと効率が良い。水分補給やフルグラを食べるのはスライド時。不帰劔の通過は12時前。岩場で渋滞し思うように進まなかったら今日は天狗山荘までかと考えていたが、ここは元々通過する人が少なく通過する人の多くは岩場によく慣れた登山者なのでひどい渋滞には遭遇しなかった。天狗山荘には予定どおりに到着。ここの水場は本当にありがたい。命の水場だ。山荘は新築中で骨組みが出来上がっていた。14時なのでテン場はスカスカで張りたい放題。ここでテントを張ってまったりしたい気持ちを押し殺してもう2時間、白馬まで頑張ろう。ゆるやかな白馬槍の登りを処理して白馬のテン場にたどり着いたのは16時。テン場はもう張るところは無いんじゃないかって惨状だが探せば意外とあるところにはある。2,700mもあるので寒いんじゃないかと心配したが夜は涼しくて快適そのもの。ここまで頑張ってよかった。15時間、炎天下の長い長い戦いだった。
8/4(日)
今日は朝日岳まで歩いたら蓮華温泉に下山する。行動時間は8時間くらいだろうか。あまり早く出てもバスが無い。1時半までぐっすり眠って2時出発。外の空気は生ぬるい。夜中の2,700mなのに短パン半袖で元気に出発。せっせと白馬岳に登ったら次は雪倉岳まで下り基調。軽快に高度を落としていくと…暑い。夜中に下っているのに暑いってどういうこっちゃねん。こりゃ日中に2,000m以下に居たら相当ヤバいことになりそうだ。雪倉岳に着くと東の空が明るくなってきた。辺りが明るくなるにつれて高山植物にも低い太陽の光が当たり始める。花は朝か夕方の光に照らされると本当に美しい。写真を撮っていると全然進まない。そうこうしているうちに太陽はすっかり高くなり朝日岳の登りは拷問のようだった。
朝日岳は小屋から出てきた人たちで賑わっていた。少しだけ休憩して蓮華温泉へ急ごう。朝日岳から五輪尾根までの木道はよく整備されていて歩きやすい。樹林に入るまでお花の楽園で本当に癒される。高度を下げると徐々に気温は上がってゆく。日中になれば下っていても汗をかき、登りなんてもう大変。姫負峠から兵馬ノ平へ上がる登りはもう許してくださいって感じだった。予定通り蓮華温泉には9時半頃に到着。バスが発車するまで濡れた装備を乾かした。蓮華温泉から平岩駅までバスに揺られて1時間。平岩駅から信濃大町まで電車で2時間。そこからクルマをデポした大町温泉まで15分ほどで帰還。クルマを30分走らせて穂高の温泉で汗を流し自宅まで4時間のドライブ。今週もめちゃめちゃ歩いて登った週末だった。身体はクッタクタだが明日からの仕事もこれで頑張れる。山へ行かなきゃ、山へ行けなきゃ仕事は頑張れない。
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