笠ヶ岳〜双六岳〜槍ヶ岳〜中崎山
- GPS
- 37:41
- 距離
- 50.8km
- 登り
- 5,313m
- 下り
- 5,201m
コースタイム
7/15 撤収5:15〜抜戸岳6:45〜秩父平8:15〜弓折岳〜双六小屋11:15幕営11:45〜双六岳12:50〜
三俣蓮華岳14:00〜BC16:05
7/16 撤収4:45〜樅沢岳5:35〜千丈乗越8:45〜槍ヶ岳10:20〜飛騨沢分岐11:50〜槍平小屋13:25幕営
7/17 撤収4:45〜奥丸山6:20〜わさび平分岐7:10〜中崎山9:55〜佐俣林道12:05〜新穂高バス停
12:35/12:56〜中尾高原口駐車場13:05
天候 | 7/14 曇り時々雨 最低気温6℃、最高気温18℃ 7/15 雨のち曇り 最低気温3℃、最高気温10℃ 7/16 曇りのち晴れ 最低気温5℃、最高気温12℃ 7/17 晴れ 最低気温8℃、最高気温21℃ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰りは新穂高バス停からバスを使いました。¥220 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山届はクリヤ谷登山口に、下山届は新穂高山岳補導所に出しました。 ・クリヤ谷の渡渉は4箇所あって、下の2箇所が深かったですが、まだ岩を飛んで行けました。 ・笠ヶ岳までは全体的に細いガレ道という印象で、崩壊箇所や笹薮が少々。残雪も危なくない程度にありました。 ・双六小屋までは、秩父平が雪渓になっていて紅が捲いてあります。長いロープも下がっています。 アイゼンはあったほうが安心です。その後も残雪が道を塞いでいるので、雪の上から道を見て歩くのがいいです。 ・双六岳は直登の斜面が雪のため通行禁止です。中道の途中から春道が作られています。 ・三俣蓮華岳からの巻道は雪渓7箇所を越えます。幅広のが2箇所、紅が無いのでホワイトアウト時は慎重に。 ・西鎌尾根も残雪が道を塞いでいます。薄く紅が残っています。また、残雪の縁の氷は固くて割れません。乗った ら即スリップです。 ・クサリは4か所。すべて使えます。 ・千丈沢乗越からは雪はありませんが、あいかわらずの烈風地帯です。 ・飛騨沢の雪渓渡りは小さいのが1箇所ですが、他にも残雪の脇を通るところでは、スリップ注意です。 ・奥丸山の登山口は、崩落して取り付きにロープが下がっています。 ・奥丸山から中崎山へは、進むにつれ道が不明瞭になります。一応赤テープと道標がありますが、 道探しをしないと迷い子必至です。 ・中崎山以降は荒廃していて、急坂のハシゴはことごとく腐っています。岩や丸太が苔むして滑ります。 道迷い+怪我の可能性大です。しかも、左俣林道の登山口には標識がありません。 ・下山後はひらゆの森に行きました。レストランで昼食(冷山菜そば¥700+小ライス¥100)をいただきました。 ・ルート標高図の右端に双六岳が載っていますが、そこだけ手入力の追加ルートのためです。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
7/14 北アルプスに行くと、いつも大きな山体を雲に隠している笠ヶ岳。
登るならクリヤ谷からと決めていた。ついでにまだ行っていない双六岳、三俣蓮華までの道、
西鎌尾根、奥丸山から中崎山への地図にない道などを盛り込んだ計画にした。
最大のネックは、雨で急に増水するというクリヤ谷渡渉点だ。様々な障害が考えられるが、
行ってみないとわからないのはいつものことだ。深夜に新穂高無料駐車場に入った。さすがに
3連休で車が多い。なんと、今年はここに停めるのが初めてだと気付きつつ、とりあえず仮眠
する。
朝、出発の準備をしていたら、大粒の雨が降ってきたため中尾高原口に移動し、改めて出発
した。通り雨だったようだ。槍見館の裏に登山口がある。駐車場からいくらも離れていない。
岩の多い道で、表面が滑りやすい。男性が1人下山してきて、最初の渡渉点で対岸の道がわか
ないと言う。道がわからないのは自分も困る。二人で探しましょうと上がって行った。けっこ
うペースの速い人だ。
渡渉点は増水しているようだが、まだ岩が見えている。飛んで渡って行くと、左手に道を見
つけることができた。少し同行することにしたが、行動パターンが合わず、単独になることが
多い。2つ目の渡渉点では自分が先行していたが、岩の表面で足を滑らせて腰まで水に浸かって
しまった。3つ目も普通には渡れそうになかったので、渡れそうな場所を見積もった。4つ目は
渡るに問題なかった。
その後、休憩中に抜かれてからは再会することはなかった。雨は降ったり止んだり。完全に
雲の中なので、上も下も白一色だ。視界も数10m程度。それだけに雲間にチラっと見える景色に
は興奮させられた。
だんだんマーキングが少なくなっていくが、道は明瞭。細いザレ道という印象だ。笹薮や崩
壊気味の斜面などもある。クリヤの頭は判然としなかったが、雷鳥岩は見逃さなかった。そこ
から少し下って山頂への登りになる。途中、幕営適地が1箇所あった。
長い道のりを黙々と歩く。板状の岩が積み重なる光景は、遺跡のような雷鳥岩といい、神秘
的であった。
山頂からは何も見えないため写真だけ撮って通過。山荘のスタッフは気さくで親切だがテン
ト場が遠い。約8分かかるという。しかも雪渓上を往来しなければならず、冷池山荘を思い出す
不便さだ。でもまあ明日行く方角だし、快適ではあった。
辺りはガスに覆われ、何時ころからか風雨が強まりだし、明日の天気は諦めていた。クリヤ
谷ルートをさほど遅れず上がれたことが嬉しかった。
7/15 朝には風が治まったが、雨は残っていた。そう強い降りではないので予定通り出発した。ハ
イマツを縫う道はゆるやかなアップダウンの、晴れなら気持ちのいい道だろう。今は何も見え
ない。見ただけでそれとわかる抜戸岩をくぐり、抜戸岳山頂分岐にザックをデポして往復して
きた。
下って行くと道が折れて秩父平の雪渓下りだ。ガスで先が見えないうえ、けっこう急。ここ
は笠ヶ岳山荘のスタッフが紅を捲いてくれており、長いロープも下がっていた。アイゼンは履
かずに下ってみる。雪はパウダースノーのままシャーベット化した感じで、踏むと締まる。表
面がうろこ状に窪んでいるのも、いい足掛かりになった。
その後も残雪が道を塞いでいる。このルートは双六側からの人が多い。十数人の団体さんも
いた。皆口数は少ない。大ノマ岳は気付かず通過してしまったようだ。大ノマ乗越には標柱が
あった。そこから弓折岳への登りはまさかのハシゴ4連発。大したことはないが、これまでの道
とのギャップが大きい。山頂は相変わらずの白一色。しかし、この道は花盛りで今までにない
楽しみを覚えた。
山頂から双六小屋までは下り道・・と思っていたら、登りの方が多く、かなり疲れた。双六
小屋には1時間ほど遅く着いたが、まだまだ余裕。テントを張ってる間に体が冷えてきたが、頑
張って再出発した。地図とコンパスは忘れなかったが、GPSロガーを忘れてしまったのが悔やま
れる。
双六岳への夏道は、雪の急斜面のため通行止めになっていた。しかし、秩父平を歩けたのだか
らと登って行った。雪質は変わらないので楽に上がれた。平地が少し続いてゆるやかに登ると山
頂だ。双六岳は山頂表示が3カ所もあって、記念撮影でバックの景色を選ぶためかなと思った。
三俣蓮華岳まではほとんど下り道で、花がたくさん咲いていた。山頂には3人の男性がいたが、
あまりに軽装な自分を見て、心配されてしまった。雲の平行のときとは違いすぎる光景。これも
自然か。
山頂から山荘の方へ下って、三俣峠から巻道へ入る。グリーンロープで仕切られた道から雪渓
地帯へ。ガスで視界の悪い中、対岸の道を見据えながら渡って行った。途中、雲が切れて硫黄尾
根の赤い山肌や燕岳が見えたのはラッキーだった。
今日も無事に終わり、明日は西鎌尾根。風雨がテントを鳴らす音で寝不足気味であった。
7/16 今日も視界無しの中を歩く。しかし、天気は快方に向かっているようだ。風が強いのが不安だ。
樅沢岳まではちょっと急だったがハイマツを縫う道だった。いつ険しくなるかと歩いていたが、
想像より道幅があって岩場も少ない安全な道だ。道を寸断する残雪には、消えかかっているもの
の紅が捲いてある。だが、残雪の縁の凍ったところは、うっかり乗ると恐ろしく滑る。割れもし
ないので避けるしかない。
道は尾根の南北を蛇行しながら緩やかに高度を上げていく。岩場の右側を回る狭い道が、地図
に注意箇所とされていたところだろう。硫黄尾根の近くでは、本当に硫黄の臭いがするのが不思
議で面白かった。
鎖場を4カ所通過すると、沢の水音のような轟音が聞こえてきて、それが風の音だと気付いた。
千丈沢乗越だ。後ろから突然、猛烈な風で体を押され、転びそうになった。下山する年配女性6人
と遭ったが、話すこともできない。よたよたと体勢を保つこともままならず、風に急かされて歩
を進めていく。ガスを強く吹き付けられて、また服が濡れてきた。上がるにつれ風は弱まり、思
いのほか早く槍の肩に到着。追い風のおかげだろう。
穂先はガスの中だが、多くの人が一目その姿を見ようと顔を向けている。ザックを山荘前にデ
ポして登頂した。ちょうど人が切れたタイミングだったのか登りやすく、山頂にも1人しかいなか
った。山頂は雲の上で、時おり青空が覗いたが、遠望を得るには程遠く、下山することにした。
山荘前に戻って昼食を摂る。飛騨沢への分岐はどう行くのか、テント場をうろうろしていて、
躓いて岩に頭をぶつけてしまった。テント場を過ぎると分岐点。飛騨沢は道がほとんど出ていて、
雪渓通過は1箇所だけだった。事前調査ではここの残雪が危ないというので、アイゼンを持ってき
たようなものだった。結局今回はアイゼンを使わずに終わってしまった。
飛騨沢道は沢沿いの緩い下りかと思ったら、ほとんどが急坂で足が痛くなってくる。気温が上
がってくるのが感じられる。日が射して周囲の山肌を輝かせた。千丈沢分岐でカメラを出すと、
レンズが中から曇っていたため、この先携帯で写真を撮るしかない。防水仕様でないのが痛い。
今日はまだ時間が早い。このまま明日の工程をこなしてしまうか、中崎山はやめて白出沢へ歩
くか。中崎山をやめるのはもったいないが、登山口への橋が流されていれば、行けるかどうかわ
からない。槍平に着いたとき真っ先に橋を探した。橋は架かっていた。テントを張り終えると、
空が晴れてきた。濡れたものを乾かして、のんびり昼寝して過ごした。夕方登山口を見に行くと、
崩落したらしく、形が変わっていたのには驚いた。やはり偵察はやっておくに越したことはない。
レンズの曇りも取れたし、いよいよ明日が最後のお楽しみだ。
7/17 満天の星空は、夜明けとともに高曇りに。穂高の峰にも厚く雲が乗ってしまった。それでも稜
線に上がる途中、槍の穂先の先端が見えて、本当に満足した。
稜線の道標で、いつもと逆の方へ歩く。気持ちのいい青空が木々の緑を映えさせて、歩調を軽
くしてくれる。奥丸山山頂は360度の展望があり、今まで立ち寄らなかったのがもったいなく思え
た。左俣林道の分岐点までは特に問題なく、標柱には「中崎山→」と書かれていたので、進むこ
とにした。
中崎山は槍ヶ岳からは離れているのに、なぜ冬道を中崎尾根と呼ぶのか。中崎山から歩く道が
あるかもしれないと、ネット検索で去年歩いたというブログを見つけて、今回の周回ルートを考
えた。
新しい赤テープが目立つ道だが、草で道が隠れてしまうことがあり、注意して見ていないと迷
ってしまいそうだ。地図の地形と照らし合わせて歩いていたつもりだ が、どうやら脳内位置ず
れをおこしていた。中崎山の山頂表示が見つからなかったのも、ずれを修正するのにてこずる原
因となった。地図で見るよりずっと細い尾根なのも意外だ。
いつまでも続くかに思える山深い道は苔むしていて、岩や丸太橋は滑ってしょうがない。足の
置き場に気を使う。進むにつれ荒廃した密林状態になり、赤テープも途切れがちになってきた。
見るからに古いハシゴは、乗ると折れてしまいそうで、実際1本踏み抜いて足を捻りそうになっ
た。昨日のうちに無理して登らなくてよかった。
ようやくたどりついた下降点。初めこそ腐ったハシゴの連続だったが、九十九折れの普通の下
り道でよかった。地図上ではどんな急坂かと思っていた。しかし、予定していた時間には遠く及
ばず、約1時間半遅れで左俣林道に出た。その林道に出る手前の荒廃ぶりがまたすごい。分岐点か
らの約7劼僚限臉ともいえる。稜線では中崎山への案内をしているのに、登山口では案内板すら
外されているようだ。全く不思議なことだ。移転した山岳補導所で下山届を出したとき、ついそ
のことを書いてしまった。
ザックを降ろしバス停のトイレに入ると、もう中尾高原まで歩く元気がなくなってしまった。
それに、曲がりくねった洞門の中を歩くのはやはり危険な気がする。小雨の降る中20分ほどバス
を待ち、駐車場まで座って移動した。
車の中はサウナ状態。すぐにひらゆの森へ向かった。熱い湯に浸かっていると、疲れが滲み出し
ていくようだ。レストランで昼食を食べて帰途に着いた。
今回も疲れに行ったような山行だったが、今回のような天候下での記録に不満が残る。後から
見たとき有益な内容になるよう改善していこうと思う。
完全に見逃していました、レコ。
申し訳ありません。
あれー、奥(ricalon)とお友達登録して頂いているとてっきり思っていました。
くりや谷から笠ヶ岳、この夏に奥が行きたい一番の北アルートらしいです。
なぜか私は、笠は3回登ってるんですが、奥は未登。
天気はもう一つだったみたいですが、笠のテント場、天気が良ければ印象が一変します。
一番下の方の、槍穂に近いところがいいです。
しかし、双六までではなく三俣蓮華まで行っての大周遊。
お疲れさまでした。
ricalojpさん、こんばんは。
クリヤ谷、思ったほどきつくなかったんですが、いやあ長い、長い
今回は冬季の下見のつもりだったんですが、あまりに視野が狭くて、もう1回行く必要がありそうです。
以前、友達のレコが見れないことがあったような・・
私はlonさんの情報が見れてますよ。
椹島3、いいルートですね。頑張ってください
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