北ア縦走5日間 初のテント泊で 室堂〜薬師岳〜雲ノ平〜水晶岳〜鷲羽岳〜黒部五郎岳〜笠ヶ岳〜新穂高


- GPS
- 40:00
- 距離
- 83.1km
- 登り
- 6,272m
- 下り
- 7,574m
コースタイム
9:57室堂-10:34一ノ越10:41-11:06龍王岳-12:15獅子岳12:43-13:13ザラ峠-13:50五色ヶ原
歩行時間 3時間18分、行動時間 3時間53分
7/25
5:35五色ヶ原-7:07越中沢岳7:50-9:30スゴ乗越小屋9:50-11:48北薬師岳12:26-13:02薬師岳14:40-15:07薬師岳山荘-15:45薬師峠
歩行時間 6時間51分、行動時間 10時間10分
7/26
5:18薬師峠-5:33太郎平小屋5:42-7:07薬師沢小屋7:55-9:48雲の平10:02-11:05祖父岳11:17-11:48ワリモ北分岐-12:16水晶小屋12:46-13:08水晶岳13:28-13:51水晶小屋13:56-14:20ワリモ北分岐-15:06鷲羽岳15:23-16:03三俣山荘
歩行時間 8時間10分、行動時間 10時間45分
7/27
5:50三俣山荘-6:37巻道分岐-7:07黒部五郎小舎7:22-8:49黒部五郎岳9:16-10:16黒部五郎小舎10:39-11:29巻道分岐-12:05三俣山荘13:02-13:42三俣蓮華岳14:05-15:11双六小屋
歩行時間 6時間56分、行動時間 9時間21分
7/28
6:19双六山荘-6:34 2622mピーク手前6:44-7:04弓折乗越-7:18大ノマ乗越-8:09秩父平-9:03笠新道分岐-10:00笠ヶ岳山荘10:10-10:19笠ヶ岳10:28-10:33笠ヶ岳山荘11:03-11:10笠ヶ岳下った辺り11:25-12:00笠新道分岐-12:39杓子平12:44-14:07笠新道分岐14:17-14:52新穂高
歩行時間 7時間4分、行動時間 8時間33分
天候 | 7/24 曇り 7/25 曇り時々晴れ 7/26 早朝快晴、午後は北アを取り囲む雲発生するも黒部源流域は快晴 7/27 早朝ガス、朝は晴れ、午後は晴れだが雲多し 7/28 曇りだが晴れ間はあり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
室堂直通バス 富山6時半発 室堂9時着 3000円 濃飛バス 新穂高〜平湯温泉 870円(1時間ごと) 濃飛バス 平湯温泉〜新宿 5700円(1時間ごと) |
写真
感想
さて、初のテント泊縦走!今まで小屋泊での1泊2日山行が最高なので、計画時のテント泊5泊6日の山行は凄い躍進となります。計画段階で、7/24 室堂〜五色ヶ原、7/25 五色ヶ原〜薬師岳〜薬師峠、7/26 薬師峠〜薬師沢〜雲ノ平〜祖父岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣、7/27 三俣〜黒部五郎岳〜三俣〜三俣蓮華岳〜双六、7/28 双六〜槍ヶ岳〜西岳〜大天井岳、7/29 大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳〜上高地の予定。果たしてこんなに歩けるのでしょうか?
普段は日帰り基本で荷物も恐らく10kgもないので、いきなりの17kgの荷物での6日間の縦走はかなりの負荷となり、実際にはこんなに歩けなそうなことが予想されました。これをこなすには基本的にコースタイムの7割程度で歩かねばなりません。しかし、結果は・・?果たして・・。
7/24 曇り
新宿発の夜行バスで富山へ。富山から室堂直通バスに乗って室堂に9時ちょっとに到着。
出来れば初日でスゴまで行きたいが、早速出発が10時となってしまい、まぁ五色ヶ原どまりだろうと。
曇っていたので、あまり展望の記憶はなし。一ノ越からちょっと行ったところに雷鳥がいたくらい?初のテン泊装備17kgの荷物はあまり強い負荷とはならず、サクサク歩いて14時前には五色ヶ原着いてしまいました。
このままスゴまで歩けば17時には着くだろうけど、それは迷惑になりそうなのでやめておきました。
さて、とても暇なので若干晴れてきたところで五色ヶ原周辺散策と行きます。獅子岳や赤牛岳が印象的でした。
その後、すぐ隣のテントのご夫婦と色々と話をします。何と10泊11日の山行予定らしく、旦那さんは背負子に一斗缶2つ+ザックで30kgの荷物という装備でした。僕と歩く予定のコースはほぼ完全に同じようで、明日はスゴまで行かれるようでした。
7/25 曇り時々晴れ
五色ヶ原を早朝に出てスゴは飛ばして一個先の薬師峠を目指します。五色ヶ原山荘からは野口五郎岳と赤牛岳の間から針の穴を通すように槍の穂先が見えました。しかし、雲多し。五色ヶ原から少し進むとすぐにガスってきました。
その後曇ってはいるものの遠く白山が見えました。薬師岳の山頂はガスっています!
越中沢岳まで来ると、雲は多いですが、赤牛岳の背後に水晶岳が見えてきました。越中沢岳で朝食をとってからは中々キツめの大下り、途中スゴの頭まで登り返し、その後更に急坂を下って行くとスゴ乗越に至ります。スゴ乗越小屋では炭酸で補給しました。
ここからはやや緩めに北薬師岳まで登って行きます。これが長い長い。途中またしても雷鳥に出会いました。今度は子連れ。子供は5羽いたかな?
漸く北薬師岳まで来ますが、薬師岳は雲に隠れること多し。昼食をとりつつ、薬師岳が晴れるのを待ちます。うおおおおおお。
北薬師岳の手前から薬師岳まではずっと岩場です。薬師岳まで結構離れているように見えましたが、北薬師岳から30分ほどで薬師岳に至りました。実はこれで百名山60座目!
薬師岳からは雲多いですが、針ノ木岳、水晶岳、雲の平、槍ヶ岳、黒部五郎岳などが見えました。中でも水晶岳はイケメン過ぎる!鷲羽岳はここからだと全然名山に見えませんでしたw
薬師岳直下にはまたしても雷鳥さん。今度も子連れでした。
ここから薬師岳山荘まではサクサク下り、その後薬師峠までは沢下り。何とか16時前に薬師峠に着けました。テントの受付に行こうと太郎平へ向かおうと思っていたのですが、薬師峠まで出張に来られている方がいるとは思いませんでした。しかも売店までやっております。折角なのでビールを飲むことにしました。やはりビールは登山後以外は美味しくない!
翌日が今回の山行で一番大変になりそうなので、翌日の計画を入念に立ててから就寝します。
7/26 早朝快晴、午後は北アを取り囲む雲発生するも黒部源流域は快晴
さて、この日は大変な日です!薬師峠から薬師沢へ下り、雲の平まで急坂の直登で登り返し、更に祖父岳まで登ります。その後祖父岳を下ってから再び登り返し、ワリモ北分岐から水晶岳をピストンしてきて、鷲羽岳を登り、三俣へ至ります。恐らくテン泊装備でこんなに歩く愚か者はいないでしょう。
早朝目覚めてみると何と快晴!水晶岳がヤバ過ぎるでえ!これは俄然やる気も出てきます。
まずは太郎平から薬師沢まで下ります。ここはひたすらの下りなのかと思っていたのですが、登りが結構混じっていて割と体力を消耗します。
薬師沢は素晴らしい。この素晴らしい沢を見ながら取り敢えず朝食です。因みに朝食の時間が遅いのは仕様です。
薬師沢から雲の平まではまずは標高差500mを直登で稼ぎます。これが辛過ぎる。いくらなんでも直登過ぎますw
直登が終わると木道が現れますが、それはすぐに途切れ、再びやや登って木道が現れたところで雲の平です。これは確かに楽園。標高2500m以上もあるところにこんな庭園があることが不思議。山頂でもないのに展望も素晴らしい!
雲の平からはしばらくは緩坂を登って行きますが、祖父岳直下まで来ると直登。これが中々厳しいですが、登り切るとそこには素晴らしい展望が待っていました。薬師岳、水晶岳、黒部五郎岳、背後には槍・穂高連峰全山に笠ヶ岳が見えます。そしてここに来て漸く鷲羽岳が真の姿を現しました。
ここからがもうキツい!状態になってきました。まずはワリモ北分岐までの登り返し。もうダメだ!w
水晶小屋直下の登りもキツい!特に肩が痛い!仕方ないので湿布を貼ったら、今度は焼けるように熱い!炎症を起こしている証でしょう。水晶小屋では昼食と炭酸で補給。水晶小屋に荷物をデポして水晶岳へ向かいました。
流石に軽い!軽やかに歩けて水晶小屋から20分ほどで水晶岳山頂でした。
水晶岳山頂からも大展望!特に野口五郎岳が印象的でした。いつか登ろう。赤牛岳の奥には劔岳・立山、また後立山連峰も微かに見えました。
水晶岳直下ではまたしても子連れの雷鳥さん。これで3日連続です!w
ワリモ北分岐からはいよいよ正念場。ワリモ岳に登ってから一旦下り、鷲羽岳へ再び登り返しです。これは辛かった。
鷲羽岳山頂からは槍ヶ岳が間近。北鎌尾根が非常に印象的でした。
鷲羽岳山頂から三俣への大下りも案外キツい。というか荷物重いだろw でも三俣方面から見る鷲羽岳は中々イケメンでした。てか鷲羽岳下り終えた辺りから右に真っ直ぐ伸びている登山道らしきものは何?
三俣では薬師岳山頂で出会ったおじさんに再会しました。この日はゆっくりするとか言ってたにも関わらず、結構歩いてるじゃないですか!w 僕のルートから水晶ピストンを除いたコース取り。これがゆっくりなのか。
因みに三俣のテント場で再びルートについて考えたところ、疲れた足で5日目に双六から大天井まで全ての荷物を背負ってキツかろうということになり、5日目は意外と印象的だった笠ヶ岳に登ってから新穂高に下山するルートを取ることに決めました。5泊6日の山行から4泊5日の山行に短縮です。
7/27 早朝ガス、朝 快晴、午後 晴れだが、雲多し
この日はゆとりだと思っていたが案外キツかった。実は標高差1400mも登っていたのである!荷物軽いが前日と大して変わらんwww
まずは三俣にテントをデポったまま黒部五郎岳をピストンしてきます。この日はテント場でまず朝食をとってから出発しました。黒部五郎小舎まではあっさりでしたが、そこから黒部五郎岳までの登りはだらだらしていて長かったです。登りは小舎の方にお勧めされたカールコースを取りましたが、確かに黒部五郎岳を間近に見ながら歩けるので登りはこちらのがいいだろう。てか、黒部五郎岳ってこんな山だったんですね。薬師方面からだと裏側しか見えないのもありますが、遠くからではよく分かりませんでした。
黒部五郎岳山頂まで来るとすぐに穂高連峰、笠ヶ岳方面がガスってきました。でも途中で見れたからOK。また、黒部五郎岳からは雲がかかったりもしていましたが、劔岳、立山がよく見えました。水晶岳は相変わらず素晴らしい!
黒部五郎岳からの下りは稜線コースを取りました。これは確かに岩場多くカールコースよりキツめ。途中で稜線コースに唯一向かったおじさんを抜き去り、その後小舎で再び合流。ここで少し話します。
ここからが若干の正念場?ゴロゴロした岩の中を直登で200m登って行きます。でも直登はキツいだけですぐ!三俣蓮華岳は再び巻いて三俣山荘に戻ってきました。
三俣ではテントを片付けてから昼食。1時間ほど休憩してから、ザックに全ての荷物を詰めて出発しました。
今度こそ三俣蓮華岳に登ります。やはり荷物が重いと辛いですが、ぶっちゃけ足取りがゆっくりになるせいか、足への負担はそこまで変わりません。辛いのは肩と腰です!僕の骨ばった肉薄の身体に重いザックは容赦なく食い込むでえ!
三俣蓮華岳直下では黒部五郎岳で出会ったおじさんと再びすれ違います。「今日は黒部五郎小舎まで?」って、いや流石にそれで三俣にテントデポは愚か\(^o^)/ 「北鎌尾根がいいですねー。」と言われたので、「9月に行く予定です。」と言うと、「私も2回いったことあるんだけど、いいですよ。若いから大丈夫。」的なことを言われました。何と!明日は読売新道へ向かわれるようです。いいなー。
三俣蓮華岳山頂では栃木から来られたご夫婦と少しお話をしました。栃木は日光によく行きますと言うと、紅葉の那須岳をとても強くお勧めされたので今度行ってこようかな?
三俣蓮華岳からは中道コースを取って軽いアップダウンを繰り返しつつ、巻道との合流点までやって来ました。ここからは急坂の下り。やはりこの膝にこの荷物で急坂下りはよくないね。双六のテント場はとても賑わっていました。この日は雷鳥には会えなかったかと思っていたら、双六のテント場にいたしね。これで4日連続です。
てか双六テント場は雷鳥と人が夜になっても煩すぎで寝れないw 「灯り消えてるとこ多いねー。」とか言いながら21時過ぎてもずっと騒いでる団体がいたし。その団体様は暗くなってから漸く夕食の後片付けをし始め、「このゴミ、山小屋に捨てられるかな?」などと言ってる始末。21時になって男の方たちが「そろそろ寝るわ。」と言い出したので、やっと静かになるかなと思っていたのですが、女の方たちが「私たちはまだ飲むわー。」とかいって外でずっと大きな声で喋っていたし、ライトをこちらに向かって何度も照射してくるので中々寝付けませんでした。学生ではありません。もう30歳くらいのいい年の方たちでした。次の日の朝も今日も夜は飲むぞ!とか言ってました。流石に察して下さい。
7/28 曇りだが、晴れ間はあり。
この日は大方曇り。登山中に変更後の予定通り双六から笠ヶ岳を目指します。同様に笠ヶ岳を目指されている方は多く、何人もの方を抜かして行きます。アップダウン多いですが、登ることはあっても200m程度なので大したことなし。ただ5日目にきてついに右膝に違和感が出始めます。
ほぼ予定通りで笠ヶ岳山荘に10時に到着。笠ヶ岳山荘でセール中の賞味期限切れ150円のサイダーで補給して、軽身で笠ヶ岳を往復してきます。登り9分、下り5分でしたw
笠ヶ岳山頂からはやはり黒部五郎岳、水晶岳方面がよく見えました。あちらは今日もこちらよりは晴れているよう。穂高方面は晴れてはいるけれども、ガスってることが多かったですね。
その後笠ヶ岳山荘で昼食としてから、魔の笠新道の下り。林道までの標高差1400mをキツい急坂で下って行きます。土曜なので多数の登山者が登ってきていました。やはり夏中の土日にアルプスはダメだ!
もう嫌になるほど下って行くと、途中で岩に挟まってカーボン製のストックが一本折れました。これがストック新調してから初の山行なんですけど?カーボン製は華奢に見えたけど、やはり華奢だったのか、と思っているともう一本のストックも岩に挟まって折れました。何だこれは!俺の金が!てかストックなしで笠新道を後標高差600mも下って行くとか不安。いや俺にはまだ湿布とサポーテックタイツという2つの壁がある。大丈夫なはずだ。
ストックが消滅してからの下りは右膝に違和感はありますが、むしろサクサクでした。やはりストックは僕のスピードをかなり妨げているようです。
笠新道の下りの最後の方では何人かの登山者を脱いて行きますが、そのうちの女性登山者の熊鈴の音は聞こえるものの速い速い。中々追いつけません。まさかの笠ヶ岳日帰りでしょうかね?結局抜き去りましたが、その後ずっと同じペースでしたw
登山口まで降りてくると、僕と笠新道分岐の手前ですれ違ったというおじさんに話しかけられます。「あんちゃん、走ってたやろ?1時間くらいで下ってきたんとちゃう?」と言われましたが、実際には2時間なのでした\(^o^)/
笠新道登山口から新穂高まではずっとこのおじさんと話しながら歩きました。今回は初めて北アルプスに来たようで、3泊4日で槍ヶ岳、黒部五郎岳、水晶岳、鷲羽岳、笠ヶ岳と廻られたよう。67歳にして中々の健脚ぶりです。今まで北アルプスに来なかったのは北アルプスが嫌いだかららしく、静かな南アルプスにはよく登られているようです。同じく僕も静かな山の方が好きです。そんな意味では今回のコース取りは北アルプスの中ではまだマシかもしれません。
下山後は新穂高の日帰り温泉に入ってから、バスで平湯温泉まで行き、新宿行の高速バスが空いていたのでそれに乗って帰りました。
初のテン泊縦走は天気のいい日が続いた中々充実した山行となってよかったです。この山行中「若さ」という言葉を何回耳にしたか分からない。
コメント
この記録に関連する登山ルート

いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する