御嶽山 What a wonderful world
- GPS
- 30:10
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,343m
- 下り
- 1,344m
コースタイム
6:40田ノ原天然公園駐車場 - 7:20あかっぱげ - 7:40森林限界・金剛童子(小休止)
7:45森林限界・金剛童子 - 8:00八合目避難小屋 - 8:40一口水(小休止)
8:45一口水 - 9:00九合目 - 9:20王滝頂上(小休止)9:30王滝頂上 - 10:05 剣ヶ峰(大休止)
10:20剣ヶ峰 - 10:40二ノ池(雷鳴につきニノ池本館に避難+池畔で昼食)
11:20ニノ池 - 11:50サイノ河原避難小屋 - 12:10五ノ池小屋(夕食)
13時ごろから雨が降り始め、14〜17時ごろまで猛烈な豪雨。
行動を断念し小屋に待機→そのまま就寝。
■2日目========
6:30五ノ池小屋 - 7:05三ノ池分岐(途中で道間違いタイムロス) - 7:20四ノ池(小休止)
7:35四ノ池 - 7:50三ノ池分岐 - 8:10三ノ池・開田頂上 - 9:00サイノ河原避難小屋(大休止)
9:20サイノ河原避難小屋 - 9:50 二ノ池 - 10:10黒沢十字路 - 10:35王滝頂上(小休止)
10:50王滝頂上 - 11:15 九合目 - 11:30一口水 - 12:00八合目避難小屋 - 12:10森林限界・金剛童子 - 12:15あかっぱげ(小休止)
12:20あかっぱげ - 12:50 田ノ原天然公園駐車場
天候 | 8/18 晴れときどき曇り のち豪雨 8/19 晴れときどき曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
レンタカーで深夜出発。 伊奈ICより権兵衛峠、木曽福島を経て田ノ原へ5時前に着。 仮眠。 登山口:田ノ原天然公園 下山口:上に同じ ■帰り 田ノ原よりレンタカーで帰宅。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■宿泊 五ノ池小屋 (途中、ニノ池本館で雨宿り) ■温泉 日和田高原ロッジ ■登山道 黒沢十字路-王滝頂上間の巻き道はガレ沢トラバースなので意外と怖いです。 経験していないので何とも言えないのですが、悪天候・視界不良時は剣が峰経由のほうが良いのかもしれません。 ■目にした動植物 花:ヨツバシオガマ、コマクサ、オトギリソウ、オンタデ、クルマユリ、イワツメクサ、イワギキョウなど 実:クロマメノキ、ハイマツ、チングルマ 動物:ライチョウ、クジャクチョウ、ヒカゲマダラ ■服装 1.アンダーシャツ長袖 2.ポロシャツ半袖 3.フリース 4.レインウェア兼ウインドブレーカー 行動中は1+2、山頂付近では1+2+4。 朝は1+2+3+4の装備でした。 夏山はこのパターンを確立? |
写真
感想
山に登るようになってから、是非行ってみたかったところ。
それは木曽御嶽山の『ニノ池』でした。
理由は単純。日本で一番高いところにある湖沼だから。
そして、行ってきました。
一ノ池から五ノ池まで、5つの湖が織りなす雲の上の別世界。
幸運にも恵まれ、雷鳥の親子、圧倒的に美しい夕日と朝日、そしてブロッケン現象と、高山ならではの様々な風景を見ることができました。
■1日目===============
結論。東京から御嶽山は遠い。
前日夜にレンタカーを借りておいて、深夜に自宅を出発。
中央道をひたすら伊奈ICまで進んで、伊奈から木曽へ権兵衛峠を抜けて、木曽の奥地である王滝村へ。しめて5時間の移動となりました(途中休憩含む)。
長かった・・・。
深夜の権兵衛峠では突然、助手席のシートベルト未着用サインが鳴りだしてかなり焦りました。私しか乗っていないのに・・・。
原因は助手席に積んだザックが重かったからで、ザックをずらしたらサインは消えました。真夜中の誰もいない峠道だったので、マジでビビりました・・・。
王滝村に入って、田ノ原へ向かう道は石柱が林立しており、こちらもかなり怖かったです。御嶽山は信仰の山だとわかってはいましたが、夜に参道を通るというのはやはり怖いものです。
それでもどうにか5時前には田ノ原に到着。1時間ほど仮眠をしてから、いざスタートです。
初日は五ノ池小屋に泊まる予定で、そんなに早朝出発しなくてもよかったんですが、田ノ原の駐車場がいっぱいになると困るので、あえて早出にしました。
結果的には、そのプランが大きく功を奏することになります。
はじめのうちは一直線でゆるやかな登りですが、寝不足の体にはこたえます。
疲労をなるべく溜めこまないよう、ゆっくりと登っていきます。
それでも森林限界を超えると無駄にテンションが上がり、結局普段通りのペースになっていきました。
この田ノ原口の登山道は、ずっと御嶽山を眺めながら登れるのがいいところだと思います。しかし、富士見石あたりでガスが出てきて、周囲の展望は無くなってしまいました。
ガスの中、王滝頂上を抜けて剣ヶ峰へ。10時過ぎに剣ヶ峰の山荘につくと、旨い具合にガスが晴れてきました。
剣ヶ峰に着いたときには、眼下にエメラルドグリーンのニノ池を望む絶好のコンディション。記念すべき自身初の3000m峰登頂となりました。
ここからは、ニノ池→サイノ河原→五ノ池小屋へ向かいます。
しかし、剣ヶ峰から下る途中で、なんと雷鳴が聞こえてしまいました。この時点でまだ10時半だというのに、あまりにも早すぎる。
おまけに雨まで降り出し、あわててニノ池本館に駆け込みました。
とりあえず雨具は装備していたものの、雨がやむまでニノ池本館で待機。その後雨は止んだものの、外で昼食をとっていると、再び雷鳴が聞こえてきました。よりによって、これから向かうサイノ河原の方面から黒い雲が近付いてくるのが目に入りました。
ここでは非常に悩みました。
『稜線で雷鳴を聞いたら行動するな』とはよく聞きますが、このままここで待っていて午後になれば、本当に身動きできなくなってしまう可能性があります。
ニノ池から、目指す五ノ池小屋まではおよそ1時間。むしろ急いで小屋を目指した方が良いのではと思いました。ちょうど中間地点にはサイノ河原避難小屋もあり、万が一の場合はここを利用できます。
ニノ池本館のご主人にも、『雷の予報が出てるので、午後になるまえに行動したほうがよいですよ。』と勧めていただき、急いで五ノ池小屋を目指すことを決めました。
ニノ池本館には結局40分ほどお世話になりました。快く受け入れていただいたご主人に、改めて深く感謝申し上げます。
この時点で11時20分ほど。まずはサイノ河原を目指します。
雷鳴が聞こえるなか、逃げ場のない山上の道を雲に向かって歩くのは決して気分のいいものではありません。写真もそこそこに、そそくさと歩きます。
しかし、サイノ河原の入り口では雷鳥さんに遭遇。先週の槍ヶ岳に引き続き、2週間連続で雷鳥に会うことができて、とてもうれしかったです。雷の心配も忘れて、しばし雷鳥さんを激写しました。雷鳥って人が近付いても逃げないんですよね。
ん?しかし雷鳥が出るということは、いよいよ天気が下り坂ということか?
雷鳥が去っていくのを見送ってから、再び急いで歩きだします。
サイノ河原避難小屋についた時点で、まだ雷はやや遠く、太陽も出てきました。
これなら五ノ池小屋もいけるでしょう、ということで小屋では休まずに直進。サイノ河原から五ノ池への道は岩のおおい急斜面で歩きにくいですが、眼下に美しい三ノ池を望む非常に眺めのよい道でした。
五ノ池小屋の直前で、突然周囲が真っ白に。ついに雲がここまでやってきたようです。どうにか雨が降る前、12時過ぎに五ノ池小屋に到着。まずはザックを下して休憩します。
すると、13時前から雨が降ってきて、やがて雷を伴う猛烈な豪雨となりました。結果的に6時半出発をしたことが大きく功を奏しました。遅い時間に出発していたら、間違いなくこの豪雨に遭遇していたでしょう。
これではもう何もできないので、雨が止むのを期待しつつ小屋で待機。しかし雨は一向に止む気配がなく、最終的には寝不足もあってそのまま寝てしまいました・・・。
夕食の前に起きると、雨は止んでいました。夕食後に小屋の外から見た夕日は本当に美しく、あまりにも壮大でした。
五ノ池小屋の宿泊客の方々と、小屋のスタッフの方も出てきて、皆でしばし夕日を眺めていました。背後の三ノ池側には虹も出現。弧を描くことはなかったものの、そこには本当に美しい世界が広がっていました。
五ノ池のほとりには二株だけコマクサがありました。コマクサを見たのも初めてなので、うれしかったです。
■2日目========================
翌朝起きると5時過ぎ。寝不足だったとはいえ、よりによってご来光の瞬間を寝過ごすというこの失態・・・。
しかし、すぐに外に出て見ると、登ったばかりの朝日が三ノ池周囲の山肌と海を美しく輝かせていました。
そして朝食。昨日の夕食でもそうでしたが、五ノ池小屋では味噌を作っているそうで、味噌汁が激旨でした。この味噌汁のためだけに来てもいいと思うレベル。
この五ノ池小屋は非常に綺麗な山小屋でした。夕日と朝日が見れる場所にありますし、ちょっと剣ヶ峰からは遠いですが、個人的にはとてもお勧めしたい小屋です。
出発前に小屋の方にお礼を言ってから、五ノ池のほとりで準備運動。運動を終えて歩き始めたところで五ノ池をちらりと見ると、なんとブロッケン現象が発生していてびっくりしました。
どういう現象なのかは知っていますが、この目で見るのは初めて。実際に見てみると、とてもこの世のものとは思えないような感覚に襲われます。昔の人が神や妖怪の仕業と思ったのも無理からぬと思えました。
さて、前日は大雨で四ノ池・継子岳方面に行けなかったので、この日は四ノ池まで足を延ばしてみます。途中で道を間違えて、登山道を外れてしまいました。ただのガレ場を三ノ池、四ノ池、五ノ池分岐と勘違いしてしまったのです。正式な分岐には看板が立っています。また、このガレ場も正しい登山道に黄色テープが貼ってあるので、それに注意すれば間違えません。すぐに気がつきましたが、道迷いというのは怖いものです。
四ノ池は湿原になっており、非常に美しい小川が流れています。ここから見る継子岳や飛騨頂上の眺めもGOODです。
継子岳までは行かず、来た道を登りかえして今度は三ノ池の東の稜線を進みます。ここは遠くから見ると一見せまく見えますが、実際には広くてとても歩きやすいです。このあたりにはコマクサも咲いていました。ただ、継子岳方面に行った方がコマクサの群落が見られたそうなので、次は足を進めてみたいです。
好天のなか、美しい三ノ池を堪能してから、サイノ河原を経てニノ池へ。
昨日は雷を聞いてそわそわしていましたが、この日は青空と美しいニノ池をじっくり眺めることができました。昨日お世話になったニノ池本館の御主人ともお会いしました。
戻る際に、剣ヶ峰には前日登ったので、この日は巻き道を通りましたが、正直言ってこの巻き道は怖かったです。晴れているので問題ありませんでしたが、悪天候時はおすすめしません。個人的にはまた剣ヶ峰に行くか、あるいはお鉢めぐりをしてもよかったな、と思いました。
帰りも実に優秀で、13時前には田ノ原の駐車場に到着。無事2日間の登山を終えることができました。
最後に王滝村の自然湖に寄ったり、日和田高原を散歩しようと思ったものの道がわからず断念したり、日和田高原ロッジのお風呂に入ったりしながら、また長い帰路につきました。
夕暮れ、九蔵峠から見る御嶽山はとても雄大で、あそこを登ってきたのかと、しみじみと感じていました。
美しい風景を求めて山に登り、そして最高の風景に出会うことができた2日間でした。だけど、奥の院も摩利支天も継子岳も行っていないし、剣ヶ峰お鉢めぐりもしていないので、まだ私は御嶽山を制覇したとは言えません。
また別の季節に、是非訪れてみたいと思います。
余談
今回、ハイブリットのレンタカーを借りたけど、本当にガソリンをあまり使わないので感心しました。ただ、レンタル料金は割高なので、得をしたかどうかは未検証。
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