八ヶ岳全山縦走〜観音平から編笠山、蓼科山女ノ神茶屋登山口
- GPS
- 54:10
- 距離
- 39.9km
- 登り
- 4,090m
- 下り
- 3,925m
コースタイム
観音平6:30-7:11雲海展望台7:17-7:50押手川7:51-9:00編笠山9:10-9:26青年小屋9:30-10:45権現岳10:55-12:02キレット小屋12:22-14:28赤岳14:40-15:00赤岳展望荘
25日
赤岳展望荘5:10-5:54三又峰5:54-6:04横岳6:14-7:00硫黄岳7:13-7:38夏沢峠7:45-8:12箕冠山8:12-8:14根石岳山荘8:23-8:55東天狗岳9:02-9:36中山峠9:45-9:55分岐9:55-10:09中山展望台10:17-10:53高見石小屋11:02-11:17丸山11:18-11:52麦草峠12:13-12:25大石峠12:25-13:07茶臼山13:20-13:49縞枯山13:49-14:04雨池峠14:10-14:30雨池山14:33-15:10三ツ岳15:13-15:37北横岳ヒュッテ
26日
北横岳ヒュッテ5:08-5:18北横岳5:40-6:13大岳6:17-7:20双子池ヒュッテ7:35-8:05双子山8:22-8:37大河原峠8:55-9:51赤谷の分岐9:51-10:00蓼科山荘10:10-10:40蓼科山11:15-12:35女ノ神茶屋登山口
天候 | 24日 晴れのち一時くもり 25日 晴れのち一時くもり 夕方 雨 26日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
自宅から小淵沢IC(諏訪湖SAで仮眠) 観音平駐車場へ駐車(無料)平日6時ごろだったので十分空き有あり 帰り 蓼科山女ノ神茶屋バス停よりラウンドバスにて茅野駅まで(1,350円) 茅野駅から小淵沢駅までJR(440円) 小淵沢駅から観音平までタクシー(3,230円だったと思う) 観音平駐車場で車を回収し、道の駅小淵沢 延命の湯で入浴、食事 小淵沢ICから自宅(中央道渋滞と疲労のため恵那SAで仮眠) |
コース状況/ 危険箇所等 |
ほとんどがたくさん人が歩いているコースなので、特段の問題はありません。 ただ、キレット小屋から硫黄岳山荘手前までの間は、鎖場、はしごなど、初心者や気を抜くと危ないところはたくさんあります。 天狗岳以降北は、ごろごろした大岩も多く、危険というより歩きにくいところが多いです。 縞枯山を下りた後の雨池山、三ツ岳から北横岳へ向かうルートは大岩が多く、初心者や荷物の大きい方は苦労しているようでした。 北横岳から大岳、双子池のルートも大岩が多く、岩を乗り越えるのも苦労する部分もあり、滑りやすい岩の部分もありました。 双子池から、双子山経由大河原峠の間は、笹がかなり茂っていて、ルートはしっかりしていますが、藪漕ぎ状態のところもありました。 蓼科山将軍平から山頂間も岩が多く、かつ初心者や山慣れない方も多く歩いているのである意味危ないと感じました。 蓼科山山頂から女ノ神茶屋登山口の間は、急坂で滑りやすいところもありました。 |
予約できる山小屋 |
黒百合ヒュッテ
|
写真
感想
今回、以前から気になっていた八ヶ岳全山縦走を計画し、3日間の休みで何とかということで計画しました。
単独のため、登山口までの交通機関、アクセスが最大の難関で、タクシーで高額を使うつもりなら良いのですが、タクシーは使うにしても最低限で、後は公共交通をいうことで計画すると、下山時間が制限され、そのための最終日の行程から逆算し、2日間にはかなり無理をして歩く計画。
歩きとおせるか、かなり微妙なラインの計画でした。
今回の荷物はできるだけ軽く、と厳選したつもりが、やはり単独縦走となるといろいろ必要なものが増え、13圈
結構、重いですがまぁとりあえず減らすのも限界かなということで、何とか耐えることにします。
1日目
前日、仕事終わりで22時に自宅を出発。
睡魔と闘いながら、なんとか諏訪湖SAまで。
ここで3時間ほど仮眠し、観音台らに入りました。
6時出発の予定が、仮眠時間確保の関係で、6時半になってしまいました。
この日のコースは、編笠岳、権現岳を超えて、赤岳そして赤岳展望荘泊です。
コースタイムで8時間半。
初日でこの時間は結構ハードでどうしても体調がよくないということが多く、かなりの不安。
しかし、とりあえず行けるところまでということで、観音平をスタートします。
最初は樹々の中をひたすら歩き、雲海展望台に。
ここでは、雲海の上に富士山が見え、テンションが上がります。
やはり、天気の良い日の山行は最高です。
写真におさめ、先も長いので再出発。
徐々に樹林の中を歩き高度を上げていきます。
押手川を過ぎると大きな石がごろごろとしたところが出だし、歩きにくいですが、初日の最初ということでスムーズに歩き、時々下界が開けるところまできました。
しかし、このあたりからすでに疲労の蓄積がはじまり、足取りが重くなってきました。
とはいうものの、ひとまずコースタイムを上回り、ポイントで休憩をしてもコースタイムを上回っている状態。
この調子だと何とか予定通りでいけそう。
そして、一つ目のピーク、編笠山に到着。
雲はあるものの八ヶ岳がずっと見渡せます。
こんなにくっきり八ヶ岳を見たのは初めてでうれしくなります。
富士山も見え、ゆっくり休みたいところですが、先が長いので、コンビニで買ったお稲荷さんを食べ、早々に出発。
青年小屋に下ります。
結構、急に下る感じがあり、最後は大岩で一気に足に堪えました。
途中でヒカリゴケもあり、見事に光っているコケに感動しました。
そして、青年小屋で荷物を降ろし、一息。ここからの権現の登りに備えます。
数分の休憩で再出発。
ここからはお本当に足取りも重く、本当にゆっくりゆっくり進むことになります。
歩きにくい石が多い道から、クサリ場もありますが、それでもなんとか45分くらい歩き、少し休憩という感じで歩き、権現小屋に到着。
分岐まで登り、荷物をデポし、山頂を往復。
証拠写真だけ撮り次に進みます。
次に目指すはキレット小屋。
いきなり長いはしごで、手前で一呼吸し、息を整えゆっくりと下ります。
この体勢、結構疲労がたまり、つらい感じでした。
ここからは、ほぼ下りで、時々登りかえすというのを繰り返し、もったいないくらい下っていきます。
そして、このあたりからコースタイムくらいでしか歩けなくなっています。
キレット小屋についた時には、暑さと疲労でフラフラに。
食べ物も受け付けない感じになってきました。
とりあえず、食べやすいドライフルーツとゼリー飲料少しでエネルギー補給し、20分ほど休み再出発。
もっと休みたいところですが。この後のペースダウンを考えると、少しでも早めに出発し、心に余裕を持っていないと余計につらそうなので。
ここからはひたすら登ります。
最初は歩幅を狭めて、ゆっくり歩くという感じで、体調の不調をカバーできる感じでしたが、途中からはクサリ場、はしの連続。
岩を登るなど自分の歩幅で歩けるところではなくなり、休んでは登り、登っては休みを繰り返す状況になってきました。
それでもだんだん間隔が短くなり、もう完全にばてている状態です。
そうこうしているうちに雲が湧いてきて、山頂に着くころには、雲で見えなくなっていました。
結局、コースタイムより余分に時間がかかり、フラフラになりながら、何とか到着。
バテてさえいなければ、そう難しいクサリや岩ではなかったものの、さすがにバテていると手ごわい感じでした。
山頂で長居したいところでしたが、なんとなくはるか下に見える展望荘まで早くたどり着いてゆっくりくつろぎたいとの思いから、早々に下山します。
ここも結構急な坂を20分ほど下り、ようやく到着しました。
ここでずっと我慢していたコーラを購入し、一気に飲み干しました。
これで何とか体が復活し、展望荘ではお風呂があるということで女性の時間ラスト5分になっていましたが、超高速でお風呂に入り、シャワーで汗を流し、さっぱりしました。
そのあとはお決まりのビールを飲みつつ、写真を撮るという感じで、はるかかなたに見える最終目的地の蓼科山まで本当に行けるのかと、まず明日の行程を不安になりながらも、まったりとした時を過ごしました。
そうこうしているうちに、時々雲も晴れる時があったりで、そしてまた諏訪湖が見えたりと素晴らしい景色を見ることができました。
そして夕食の時間。
展望荘での夕食はこれもまた名物、バイキングスタイルで山菜中心の感じでしたが、おいしくいただき同席になった方と山の話をしつつ、楽しい時を過ごしました。
そして、明日の疲れを少しでもなくすようストレッチをしつつ、そして、茅野市内の明かりがきれいに見えるのに感動したりしながら時間を過ごし、眠りにつきました。
2日目
今日もいい天気です。
しかし、日の出を満喫する余裕もなく、本日のコースタイムで11時間半の道のりに、たどり着けるのかかなり不安ながらも少しでも早い出発で余裕をということで5時出発予定。
ただ、ちょうど日の出の時刻と重なり、思わず写真を撮ってしまったりしていたらスタートが5時10分。
どこかで挽回しないとこの日の目的地、北横岳ヒュッテに16時半までにたどり着かない計算。
ここから時計とにらめっこしながらの道のりとなりました。
というものの、目の前に広がる雲海や富士山、朝日を帯びた赤岳を前に、5分ほど進んだところで改めて心置きなく写真を撮り、ここからリスタート。
まず横岳をめざします。
岩場、クサリ場、ハシゴの連続で気の抜けるところはないですが、昨日とは違い体調も良い朝の時間帯で意外に足への疲労の蓄積も少なく、道を見失わないように注意を払いながら、順調に進み、横岳に到着。
空も青く山の緑もきれいで最高の景色です。
時間があればまったりと過ごしたいところですが、パンを少しだけかじり、証拠写真だけおさめ、硫黄岳をめざします。
しばらくは岩場などが続きましたが、やがて、それもなくなり歩きやすくなります。
そして硫黄岳山荘に到着。
一息休憩の後、硫黄岳をめざします。
ここからは、まさにケルンに導かれと書いてある通り、ケルンに従い、ジグザグに高度を上げていきます。
そしてゆっくり上ると山頂に到着。
爆裂火口や昨日歩いた南八ツの景色を堪能し、写真におさめ、夏沢峠に向けて出発します。
滑りやすいザレ場を慎重に下り、木々の間を抜け、夏沢峠に到着しました。
ここでも少し荷物を降ろし一休み。
登りに備えます。
やはり、13圓曚匹硫拱があると小刻みに降ろさないと肩や腰への負担が大きく、長時間歩き続けるのは無理。
そしてまた、天気も良いので気温も上がってくるので、特に登りは大したことのない登りでもゆっくりと進みます。
そして樹林を歩き、箕冠山へ到着。
この硫黄岳から夏沢峠、夏沢峠から箕冠山、箕冠山から根石岳の間は、冬のスノーシュー、アイゼンで歩いたことがあったのですが、なんとなくの雰囲気は同じものの足元が全く違うので、かなり違った印象でした。
そして箕冠山から根石岳に向かって進みますが、樹林を抜けると本当にきれいな青空で根石岳の緑がとてもきれいに映えていました。
そして、この先道沿いにしばらく小屋もないので、根石岳山荘でトイレをかりて休憩。
でもこの根石岳山荘、この立地、一度は泊まってみたい山小屋でした。
そして再出発。
まず根石岳へ登ります。
そして天狗岳へ向けて緩やかに下り、登りかえします。
標高差はそれほどないのですが、やはり暑さと足の疲れでゆっくりしか進みません。
そして、ここで事件が。
前から歩いてこられたおじさま。
おそらくすれ違いのあいさつをするのに顔をこちらに向けてくれたのですが、その時に足元から目を離した瞬間。
医師につまずかれて、前のめりにこけられ、危うく崖の下という状況でした。
ザックにつけていた傘などが崖の方へ落ちて、何とか拾える範囲だったのでよかったですが、目の前でおじさまが崖に落ちそうだった時にはびっくりしました。
さいわい顔の擦り傷と、口の中を少し切られたようでしたが、何とか大丈夫そうだったのでお別れしましたが、疲れた足取りになっている自分にもいつ起こってもおかしくない出来事だっただけに改めて改めて気を引き締め慎重に歩き出しました。
そしてしばらく歩き、山頂直下のハシゴもクリアし山頂に到着です。
ここまで来るとやはり時間的にも人が増えてきて山頂には何組かの方が休憩しており、証拠写真だけ撮って、山頂の端の方に退散しました。
ここからの景色はきれいでゆっくりご飯でも食べたい気分でしたが、朝少し出遅れた分もあり。この日の目的地16時半までを考えと余裕はないので、パンを少しだけ食べ再出発。
ごろごろの歩きにくい道を下っていきます。
あとから歩くところを考えれば大したことのない岩だったのですが、この時は分からず…。
そして、スムーズに中山峠に到着。
中山まで一気に進もうと歩き始めたのですが、ここで間違い。
気づいたら黒百合ヒュッテにたどり着きました。
歩きやすい道で数分で気づいたので傷も深くなくよかったのですが、ここで10分のロスタイム。
これでもせっかく作った貯金がなくなってしまい軽くショック。
まぁ、それぐらいは何とかなるかと、正しい道をひたすら進み、一気に中山へ。
そして中山展望台へ。
岩のゴロゴロしたところで景色は一気に開けましたが、山はすでにガスが湧き始めており、朝はくっきり見えていた景色が見えなくなっていました。
のんびりする時間もないので、一応写真だけ撮り、また軽くパンを食べ、出発。
次、目指すは高見石小屋です。
北八ツらしいゴロゴロとした石も多く、周りの樹林は苔むしており、まさに北八ツという景色の中を、足を滑らさないように、つまずかないように注意しながら一気に下りました。
そして高見石小屋に到着。
なんだかおしゃれなテラスでのんびりコーヒーでも…、高見石によじ登って…、と思うことはたくさんですが、バッジだけ購入し、先へ進みました。
次のポイントは麦草峠。
ここで時間に余裕があればきちんとしたご飯が食べたいなぁという野望を抱きつつ、足を進めました。
苔むした森を歩き、気づけば車の音が聞こえだし、道路が近くなったのを感じながら歩いていくと麦草ヒュッテの赤い見覚えのある屋根が見えてきました。
ここは、今年の2月。スノーシューでお世話になったところ。
冬とは全く違うバスまで停まっている景色にやや興ざめしながらも、だからこその重要な給水、トイレポイントなので、シカの柵を開けて通り、また閉めて麦草ヒュッテに到着しました。
噂どおり国道も走っており、ほぼ観光地です。
あとは、軽めのトレッキングをするくらいの人々があふれています。
時間的には、のんびり食事をするには微妙な時間。
あんまり遅くなるとまた先の行程に響いてくるので、とりあえずメニューとにらめっこし簡単に食べれそうなものと思いますが、観光客も含めお客さんも多いので、なにかと時間がかかりそう。
ゆっくり食べることはあきらめ、水を補給することに。
ヒュッテで尋ねると、1Lあたり100円で、いくらでも細かく量り売りしてくれるそう。
かなり暑くなっており、余裕があれば後ででもコーヒーを飲んだりしたいという思いもあるので、ある程度の水分は必要。
ただ、ここで給水した分はこれからの登りにすべておもりとなって自分の肩にかかってくるので、あまり沢山だとそれはそれで、疲れた体にはこたえます。
ということで、「1Lお願いします」100円と2L入るプラティパスを渡すと、なんと入れ物いっぱいの満タンの水が…。
「めちゃめちゃ入ってますけど…」と思わず言ってしまいましたが、「いいよ。サービス!」と、ものすごくご厚意で言ってくれています。
内心、「こんなまともにおもりになるのに、どうするの…」と思いながら、笑顔でお礼をいい小屋の外へ出ました。
少しでも減らそうと、いくらか一気飲みし、少しボトルへ詰め替え、後はザックへ。
2kg以上は増えた荷物に、スタートから少しは減りつつあった荷物ですが、おそらく13kgを超えていたでしょう。
そして、公共トイレを利用し、再び、山へ入っていきます。
ここから茶臼山の山頂を目指しますが、中木場までは笹原を抜け、ゆっくり石がある道を登っていく感じですが、そこからは結構急な道をたんたんと単調に登る登りです。
一気に水分補給したこともあり、汗が噴き出してきます。
登るにも下るにも大変そうな道のりでした。
そして、展望のきかない茶臼山へ到着。
ここから、少しルートを外れると展望のきくところがあるようで、荷物を置いたままで空身で展望台まで。
ガスがだいぶ湧いてきており、あまり遠望は見えません。
ひとまず写真だけおさめ早々に戻ります。
そして、次なる山頂縞枯山を目指します。
いったん高度を下げ、再び同じような道のりを登ります。
木の根っこがいたるところにむき出しになっているところや、石がごろごろしているところが多く、疲れている足には危険な感じで、つまづいたり。
なんとか注意を払い歩き切り、縞枯山に到着。
ここも展望はありません。
証拠写真だけ撮り、すぐに先に進みます。
残るは、本日あと一つ。
長かった道のりも先が見えてきました。
ここで、悩みます。
雨池峠についた時点で14時。
時間的に雨池峠から、縞枯山荘の前を通り、坪庭経由で北横岳ヒュッテに向かうか、予定通り雨池山、三ツ岳経由で北横岳ヒュッテに向かうか。
時間的な差は、40分。
三ツ岳経由だと2時間というコースタイム。
2時間少しかかっても、一応予定の16時半までには到着する予定。
でもできれば本当はもう少し早く到着したい気持ちもあり、そして何よりも疲れている体で、危険のあるコースは危ないかなという思いもあり、峠でかなり悩みましたが、せっかく計画したコースで、行かずに後から後悔するのは嫌なので、とりあえず時間的には何とかなりそうなので、当初の計画通り三ツ岳経由のコースに決定。
あまり人通りのなさそうな印象の入り口でしたがともかく進みます。
やはり大きめの岩をどんどん登り高度を上げていく感じ。
やはり疲れた体にはかなりこたえる感じのコースです。
しばらく進むと前から降りてくる人がいて、「今からですか」と言われ、14時過ぎから山に登ろうというのだから今からですかと言われるのも仕方ないかと思いつつ、ここまで9時間以上歩いてきてるんだからなぁと「ヒュッテまでですので何とか」と言い訳しつつ進みます。
しかし、本当にこの大岩は曲者で、一気に足への疲労が増します。
そして、少しで雨池山に到着。
ここから、少し高度を下げ、もったいないなと思いつつ、だんだん天気も雲が多くなってくるので、なんとなく暗くなりつつある山の中の道を少しでも早くという感じで歩きます。
そしてまた登りかえし。
大岩をバテバテになりながら必死に登っていきます。
ここでもまた、一組のパーティーに出会い「今からですか」と言われ、先ほどと同じ言い訳をしつつ、しかし内心みんなにそう言われるということは、この時間にここを歩いているということは無謀なのかと思いながら、焦る気持ちで、気持ちとは裏腹に言うことのきかない体で気持ち的には先を急ぎます。
いくつも大岩をよじ登り、大岩を巻き、何とか一つ目のピークに到着。
少し展望が開け、3つ目のピークも見えてきました。
大岩の上や間を抜け、何度か降りては登りかえし、3つ目のピークに到着。
ここで記念撮影し、ここまで何度となく小刻みには休憩してきましたが、少しゆっくり休憩。
あとは本当に、あの北横岳の登りを登ってヒュッテにたどり着くだけという、安堵感。
気持ち新たにまだ見えぬヒュッテをめざします。
しばらく歩くと、人の声が聞こえてきて、坪庭からのコースとの分岐が近いことを感じました。
そして、分岐に到着。
割と軽装な人々に会い、一気にホッとしました。
これでたどり着ける。
時間もこの時点で15時半ごろ。
思っていたよりも早くたどりついており、本当にホッとしました。
ここからはそう遠くないことは分かりましたが、荷物を降ろし何とか一息つきました。
前から来た小さな女の子にあと「5分だから」と励まされ、再出発。
すぐに屋根が見えてきて5分ほどで本日の宿、北横岳ヒュッテに到着しました。
この2日目が本当に勝負だと思っていたので、無事にたどり着けたことが本当にうれしく、これで何とか計画通り八ヶ岳の縦走ができると早いですが今日歩いた達成感が湧いてきました。
小屋でも、赤岳から歩いてきたということに感心されてしまいましたが、自分ながらも本当に頑張ったという感想でした。
しかし、ここで新たな事実が。
小屋の方との話で、実は翌日考えていたコースでは全山縦走になっていないということ。
帰りのバスの時間から逆算して、この時間歩くならここまで来ておかないと無理と思って必死に歩いてきていたのですが、大岳、双子山を省いたコースを組んでおり、それだと全部じゃないといわれ、再度、コースの練り直し。
何とかスタート時間を早め、下山口を変えることで、全山歩くルートにしても何とかバスに間に合うという計算。
予定より2時間近く多く歩くことになりますが、あと2時間歩いて何とかなるなら、ここまで歩いてきた苦労の方がはるかに多く、そっちに変更することに決定。
綿密にコースの時間と、帰りのバスの時間をわりだし、明日に備えることに。
外へ出てお決まりのビールを飲み、ここまで使わずに持ってきたジェットボイルと持ってきた水でコーヒーを飲みたいと準備をしかけたら、雨が…。
結局、雨が止まず、コーヒーをあきらめました。
北横岳ヒュッテの夕ご飯はすき焼き。
同席の方たちと、一緒に一つの鍋で作って食べる方式。
お肉は馬肉。
いろんなお話をしながら、野菜もたっぷり、お肉もたっぷりのすき焼きで、かなりお腹いっぱいになり、たのしい時間を過ごしました。
夜には少し星も出ており、少し撮影にも挑戦し、明日に備えて、ストレッチをしながら、眠りにつきました。
3日目
朝起きたら、日の出の前。
星もたくさん出ているよう。
外へ写真を撮りに出ます。
何枚かとっているうちにだんだん空が東の方から明るくなってきており、かなり幻想的な景色。
それも写真におさめ、今日も早目の出発なので、出発の身支度を進めます。
この日も5時出発ということで、お弁当を用意してもらったので、それをザックに詰め込み、なるべく早い時間に北横岳山頂にたどり着きたいという思いで、5時過ぎにヒュッテを出発。
しかし、山頂までの途中で日の出を迎えました。
振り返り、何枚か写真におさめ、急いで山頂を目指します。
ここには、昨日ヒュッテに宿泊していた人たちがほとんどおり、日の出を満喫したようでした。
少し出遅れ、山頂での完全な日の出の瞬間は逃しましたが、それでも朝日を浴びた山々の景色はとても幻想的で、歩いてきた南八ツもはっきりと見え、最後に目指す蓼科山も間近に迫りくっきり。南アルプス、中央アルプス、北アルプスもはっきりと見え、先も長いのに時間のたつのも忘れ、何枚も写真を撮って時間を過ごしてしまいました。
そして、ひとしきり撮影した後、先へ進みます。
そして、すぐに南峰にたどり着き、再度撮影。
そして、再出発し、少し下り目となる大岳の山頂を目指します。
ここからは、ほとんどまだ人も歩いている形跡もなく、昨日の雨に濡れた木々の水滴でズボンもベタベタに。
それでも、暑い時期なのでそのうち乾くからということで、気にせず進みます。
そして、大きな岩の多い道を進み、分岐に到着。
ここでも荷物をデポし山頂を目指します。
そして、10分弱で山頂に到着。
一気に視界も開け、緑の木々の中に点在する大岩と青い空でとても素敵な空間でした。
こんなところでのんびりと過ごせればいいのですが、そうも言っていられない事情もあり、先を急ぎます。
ここからの双子池までの下りは、本当に大岩も多く、ところによっては滑りやすい岩も多く、かなりの曲者のよう。
昨日、ここを下ることをあきらめたパーティーがヒュッテに引き返してきたくらい。
人通りも少ない時間ということもあり、ともかく慎重に進み、大岩をよじ登り、乗り越え、間を抜け、どんどんと高度を下げていきます。
そして、少し開けた天狗の露地に到着し、ここで小休止。
ずっとほぼ下りのこういう道のりは足への負担がかなり大きく、少しおかしくなりそう。
入念にストレッチし、再出発。
ここからは、北八ツらしい苔むした地帯を進み、ようやく双子池に到着。
水場となる雄池で、水をくみ、ベンチで小屋から持ってきたお弁当を広げ遅い朝食。
半分ほど食べたところで、再出発。
一気に食べると体への負担が多い感じがし、一気に食べることができませんでした。
ここから、また登りかえし、双子山に登ります。
昨日、小屋でも言われたのですが、ここの笹がかなり大きくなっており、やぶ漕ぎならぬ、笹漕ぎ状態だから、長そで長ズボンじゃないと大変だよと言われていたので覚悟していたのですが、その話どおり、かなりの笹。
背丈以上にもなる笹が道を覆う感じになっており、足元が見えず、かなり歩きにくい状況でした。
それでも何とか、急斜面ではないのでゆっくりマイペースで進み、山頂へ。
この山頂は、視界が開け、とても気持ちよく、ピクニックに最適な感じの山頂でした。
ここから、大河原峠まで、また下ります。
山頂からは15分ほどでしたが、ここもまた興ざめスポット。
車がいっぱいで、普通に自販機も。
でもそのおかげで、またまたスポーツドリンクを普通の値段で補給できたり、きれいなトイレもかりれたりで、うれしいスポットではありました。
そして、しばしの休憩の後、最後の山頂に向けて、再出発。
ゴロゴロとした石が多い歩きにくい道をたんたんと進みます。
そこまでの急登ではないので、小さな歩幅で、ともかくマイペースで進みます。
軽登山の人たちもたくさんいるので、じっくりじっくり追いつきぬいていく感じでした。
そして、気温も暑くなってきており、汗が吹き出し始めますが、大汗になる前に斜度が緩み、少し休憩状態で登れる感じに。
そして、淡々と歩き将軍平に到着。
ここに着くころには、すでに蓼科山は半分ほど雲がかかってきていました。
将軍平では、蓼科荘でここまで歩いてきたご褒美に少し早いですが、アイスクリームを購入し、一気に食べました。
この甘さと冷たさは至極のひと時でした。
そして、最後の登りに出発。
ここからは本当に人が多く、それも登山になれない人も多い中での岩ゴロゴロの急登なので、何かと危険な感じ。
ともかく周りにも注意しながら、一歩ずつゆっくりと進みました。
そして、ほぼ時間通りで蓼科山ヒュッテに到着。
バッジだけゲットし、山頂を目指します。
そして、岩がたくさん転げている山頂を進み、三角点へ。
最後の山頂で記念撮影だけし、残りの弁当を食べるために座りやすい場所を確保。
ここで、歩いてきた山々をずっと見ることができたら最高でしたが、周りの山々はガスで遮られほとんど見えません。
真っ白な景色です。
それでも、ともかく満足感に浸りながら、見えそうで見えない山の姿を探しながらランチタイム。
しかし、やはりここでもそうのんびりしていたらと、バスの時間が気になります。
コースタイムで歩いたとしたらそう余裕のある時間ではありません。
見えないとは思いつつ、方位盤のあるところまで行ってみます。
しかし、当然何も見えません。
すぐに引き返し、神社でお参りをしていると、山頂の三角点あたりには、気づけばたくさんの人々であふれてきていました。
そして、下山開始。
女神茶屋登山口へ下ります。
こちらへ下る人は、山頂にたくさんいる人の中でもほんのわずか。
もちろん上がってくる人もわずかということで、道自体は歩きにくいところもありますが、人に気を遣わなくていいという点では歩きやすい道でした。
どんどん急坂で高度を下げ、進みます。
途中で休憩を考えましたが、景色のいいところでと歩いているとタイミングを逃し、結局少し、休憩をしたくらいで歩き続けました。
かなり足は、疲労でつらい感じでしたが何とか下りきり、笹が生い茂るところまで降りてきました。
笹の中を進み、そのうち車の音が聞こえてくるようになりました。
終わりが近づいている証拠です。
そして、しばらく進むと、道路が見えました。
長かった道のりもこれで終わりです。
バスの時間まで約30分。
汗でドロドロになった服を着替えたいところですが、特にそういうスペースもなく茶屋の前のベンチで着替えられるところだけ着替え、帰りのバスや電車に乗っても支障ない程度にこぎれいになりました。
そして、まだ時間も少しあったのでここでようやくお湯を沸かし、コーヒーブレイク。
達成感に浸りながら、おいしくいただきました。
このバスの時間に合わせて下山してきたので、バス停から茅野駅行のラウンドバスに乗り、まず茅野駅まで。
ここでの乗り換えで1時間ほどあったので、寒天の料理屋さんに行き、寒天ティラミスなるものをおいしくいただきました。
そして、JRに乗り換え小淵沢駅まで。
小淵沢駅から観音平までタクシーで向かい、ようやく車まで戻ってきました。
そこから、汗を流すべく道の駅小淵沢へ向かい、日帰り入浴。
そして、高原野菜をたっぷり使ったサラダとそばを食べお腹も満足に。
ここから、また長い三重までの帰路につきました。
途中の中央道も事故の影響もあり、30キロほどの渋滞が発生しているよう。
どうしようもない疲労感に襲われますが、ともかく進まないと仕方なく、渋滞に突入。
しかし、恵那峡SAで疲労もピークになり、仮眠。
ここで、かなり寝すぎてしまいますが、おかげで渋滞はほぼ解消されており、無事家にたどり着くことができました。
今回のこの計画、自分の中ではかなり無謀な設定かなという部分もありましたが、かなりバテバテになったりという部分もありましたが、何とか歩き切ることができ本当に満足でき、大きな達成感を得ることができました。
そして、好天に恵まれたこの3日間は、久しぶりに素晴らしい景色にたくさん出会えた山行になりました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
annyonと申します。
大阪、62才の男です。
2010.8から山登りを始めた初心者です。
この夏にテン泊で八ヶ岳縦走をしたいと思い、レコを探していたところ、Q-chan さんの山行き記録を発見しました。
2泊3日で全山縦走されていますね。
凄いパワーですね。
あちこち遠くの山に行かれていますね。
入念な計画で山行きを楽しんでおられますね。
しかもほとんど単独行と本当に山が好きなんですね。
これからの山行きの参考にさせて頂きたいと存じます。
よろしくお願いします。
いきなり申し訳ありません。
6月に八ヶ岳全山縦走を計画しております。
何か参考になる記録はないかと検索してみた所、
Q-chanさんの記録が飛び込んできました!
自分も2泊3日で同じコースをやろうかと考えておりました!とても参考になりました!
●jin538147さん
ありがとうございます。
いろいろ考えて準備してのぞみましたが、私の体力では気象条件が良くてなんとかって感じの計画だったので、十分検討されることをお勧めします。
山小屋によっては、予約必須のところや到着時間に厳しいというか、山のマナーをしっかり守らないと…というところもあるので参考までに。
また、行かれた際のレコを楽しみにしています。
●annyon さん
遅くなってしまいましたが、ありがとうございます。
忙しくてしばらくレコをのぞいていない間のコメントだったので全然気づいていませんでした。
すみません。
単独なだけに注意深く計画をするようにはしています。
ただ、単独だから余計に慎重に行動しますし、変更も自分のペースでできるのである意味楽に感じることもありますよ。
いろいろ参考にしていただくとのことで、本当にうれしく思います。
ありがとうございます。
また、annyonさんのレコも楽しみにさせていただきます。
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