大雪山テント泊縦走(黒岳~トムラウシ山)



- GPS
- 79:00
- 距離
- 47.4km
- 登り
- 2,628m
- 下り
- 3,259m
コースタイム
- 13:00 分岐 - 14:00 白雲岳 - 15:00 白雲岳小屋(テント泊)
9/15(土) 7:00 白雲岳小屋 - 10:30 忠別岳 - 13:00 五色岳 - 15:00 化雲岳 - 17:00 ヒサゴ沼小屋(テント泊)
9/16(日) 7:00 ヒサゴ沼小屋 - 北沼 -トムラウシ山(迂回) - 14:00 南沼テント場【濃霧により道に迷い悪天候のためビバーク】
9/17(祝) 7:00 南沼テント場 - 8:40 前トム平 - 11:40 カムイ天上 - 12:20 分岐 - 13:50 トムラウシ温泉(登山口)
天候 | 9/14 晴 9/15 晴のち曇 9/16 雨 9/17 曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
【往路】 9/13 1:30 八重洲口発(成田シャトルバス)→ 4:30 成田空港着 片道\800- 6:20 成田空港発 → 8:00 新千歳空港着 片道\3,850-(20kg受託荷物含) ※JR桑園駅近くのICIスポーツ札幌店とイオンスーパーにて買出し 12:00 札幌駅発(無料送迎バス)→ 16:10 層雲峡温泉朝陽リゾートホテル着 ※朝陽リゾートホテル前のセブンイレブンにて買出し 9/14 6:10 宿発(徒歩15分) → 6:25 黒岳ロープウェイ駅着 【復路】 9/18 10:00 トムラウシ山登山口発(東大雪荘送迎バス)→ 11:00 新得駅着 ※夏期限定運行の定期バスが終了していたため、宿に相談したところ、 団体登山客(帯広駅行き)の送迎バスに同乗させて頂きました。謝々 12:05 新得駅発(JR特急スーパーとかち) → 14:00頃 南千歳駅着 ※JR北海道の車両トラブルにより、南千歳から新千歳空港までバスを利用。 新千歳空港内にて映画鑑賞(じゃがぽっくるシアター)。他に万葉の湯も あり、20kgのザックを背負って札幌市内を観光するよりは良かったです。 21:00 新千歳空港発 → 22:40 成田空港着 ※23:05 成田空港駅発最終電車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【ヒサゴ沼分岐~北沼分岐(~トムラウシ山)】 ヒサゴ沼分岐から天沼を過ぎて北沼分岐までの間、沼や巨岩が続く日本庭園もしくはロックガーデンにて、道に迷い危うく遭難しそうになりました。一週間過ぎた今でも気持ちの整理が付いていません。。。 悪天候の中、登山者の少ない時期だったとは言え、本州の山では経験した事のない濃霧で何も見えず、トムラウシ山特有の巨岩を歩いた恐怖は一生忘れられません。 まず、「山と高原地図」(5万分の1)はトムラウシ山縦走では役に立ちません。コースタイムは?ですし、実線とは思えない登山コースに驚きました。ベテラン登山者の方曰く、本州の山と北海道の山は別物で点線だと思った方が良いそうです。 次に、「山岳地図」(2万5千分の1)は地図として登山ルートの参考になりますが、結論から言うと「座標(経緯度)の分かる地図」(1万2千5百分の1)とGPSがないと意味がないかと。GPSを所持している登山者は多かったです。ただその日は結局道に迷ったと言う方が多かったようです(トムラウシ温泉の宿で確認)。ヒサゴ沼分岐から北沼分岐までの間はまともな標識が極端に少なく、また巨岩のペンキ印を探すのも大変でした。濃霧のため、そもそも印があるのかないのかすら確認出来ませんでした。 また、携帯電話(ドコモ)ですが、縦走路で通じたのは白雲岳・忠別岳・五色岳・化雲岳の各山頂と白雲岳避難小屋(一部)のみで、ヒサゴ沼避難小屋は通じません。ヒサゴ沼分岐から北沼分岐の間はずっと圏外でした。つまり、3年前に多くの遭難者(死者9名)を出した場所は、今でも携帯電話は圏外です。トムラウシ山頂上に登るか南沼テント場まで行かないと電波は繋がりません。 最後に、天人峡からクワウンナイ川を遡行し登って来られた沢登り登山者の方に偶然お会いし(お互い人に会って驚きました)、おかげで本来のルートに戻る事が出来ました。遭難せずに済んだのもその方のおかげです。この場を借りて深く御礼申し上げます。 【コマドリ沢分岐~カムイ天上分岐】 「山と高原地図」でのコースタイムは25分+40分ですが、泥沼登山道且つ荷物20kgがあると、タイムはあてになりません。ここは特に酷くて、倍近く掛かりました。 |
写真
感想
「トムラウシ山」は学生時代から憧れの山でした。大学1年の夏に北海道をバックパックで旅した際、大雪山の御鉢平は一周したものの、トムラウシ山へ至る縦走ルートは当時から憧れのロングトレイルでした。
昨冬、スキーをしに18年ぶりに北海道へやってきました。レンタカーを借りてトムラウシ温泉東大雪荘に宿泊した際、ホテルロビーにある黒岳へ至る縦走路のジオラマを見て、登る事を決意しました。ちょうど今夏LCCが就航し北海道へ安く便利に来られるようになった事も追い風になりました。
そんな甘い考えで今回「黒岳~トムラウシ山テント泊縦走(予定では2泊3日※他に予備日1日)」のロングトレイルに挑みましたが、正直反省すべき点が多かったです。「トムラウシ山」に登るだけなら、天候の良い日に空身で短縮登山口からピストンする方が無難でした。
天人峡や白雲岳方面からヒサゴ沼~北沼~トムラウシ山~南沼へと縦走するルートは、自分がこれまで登ってきた山とは比較にならない怖さがありました。2009年のトムラウシ山遭難事故は一般的に人災と言われてますが、まさか自分が同じような経験をするとは思いませんでした(自分は大丈夫という過信がありました)。
今年は異常気象による残暑のせいで、9月中旬にも関わらず全く紅葉してなくて初めは残念でしたが、濃霧で道に迷い雨の中テントでビバークした際には、残暑に救われた気がしました。もし例年の寒さであれば、もっと過酷だったはずですから。
【今回の山行で反省すべき点】
1、「北海道の山は本州の山と違う」、この言葉はものすごく重いです。
2、「大雪山が晴れていてもトムラウシ山頂は雨が降っている」、事実です。
3、「避難小屋があってもテントを持参する」、トムラウシ山に小屋はないです。
4、「携帯電話は繋がらない」、縦走路は山頂以外3日間ずっと圏外でした。
5、「GPSと座標地図を持参する」、北海道の濃霧の中では目視不能です。
6、「予備日は2日用意する」、天候の回復を待つ余裕と飛行機で行く事を考慮。
7、「トムラウシ山縦走路はとにかく長い」、皆に言われましたが長かったです。
※高低差がないのでザック20kgで12kmは歩けますが15km超えるとキツイかと。
8、「水は煮沸しないと飲めない」、それはその分荷物が重くなる事を指します。
※南沼テント場の水場は枯れてました。雨が降ると雨水が溜まり水場が出現。
※ヒサゴ沼避難小屋の水場は枯れてました。雪渓の水は美味しいですが遠い。
※白雲岳避難小屋の水場の水は異臭がします。近くに獣の糞もありました。
※その他の水場は、本州の山と違い水場だと考え期待しない方が良いです。
9、「熊出没注意は本当。怖い」、熊の足跡や糞、獣の臭いが縦走路多々有り。
※道に迷い、縦走路を外れて歩いていた辺りは痕跡が多く怖くて震えました。
※北海道の鹿(群れ)は本州と違い大きいです。ヒサゴ沼のテント場で遭遇。
10、「登山者に会わない」、避難小屋しかなく、山が広いので人に会いません。
【今回の山行で壊れたもの】
①携帯電話のカメラ機能(湿気による)
②モンベルのカーボン製ポール(岩礫に挟まり折れました)
③モンベルの雨具(折れたポールが足に刺さり破けました)
④身体(ザック20kg超で行程45kmは想像以上にきつかった)
⑤心(雨の中視界ゼロの濃霧で道に迷い、心が折れました)
【以下、Wikipediaよりトムラウシ山登山の解説貼付】
登山ルートは、新得町・トムラウシ温泉からのもの、東川町・天人峡温泉からのもの、北から白雲岳、忠別岳を経る縦走路などがあるが、かなり奥深い山であるため、最短ルートの新得町からのルートを用いても山頂まで6〜7時間はかかり、山小屋などの設備も少ない。
その上、天候が崩れると夏でも気温は摂氏8〜10度、体感温度は氷点下まで下がることがある。これによる気象遭難事故も度々起きているため、登頂にはツェルト・固形燃料などの非常用装備や夏季でも秋季の北アルプス並の防寒具の持参・経験者の同行が求められる。
しかし、奥深い山である故に、広大な花畑や湖沼などの大自然が荒らされることなく残されており、多くの登山者が憧れてやまない存在である。特に上記の北から縦走してくるルートは、大雪山系の雄大さを余すところなく堪能できる日本屈指の名ルートである。山頂の北側には北沼があり、その北側は「日本庭園」と呼ばれ、岩が点在しチングルマやエゾノツガザクラなどの高山植物が見られる。山頂の南東部には南沼があり、イワヒゲ、エゾコザクラ、コマクサなどの高山植物が見られる。その南は「トムラウシ公園」と呼ばれ、エゾノハクサンイチゲなどの高山植物が見られる。
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