室堂から裏剱へ・紅葉キャンプ3泊4日
- GPS
- 69:00
- 距離
- 28.7km
- 登り
- 2,680m
- 下り
- 3,628m
コースタイム
【day2】0700雷鳥沢-0830別山乗越-0920剱沢0945-1200真砂沢1230-1330二股-1600池の平キャンプ場(泊)
【day3】0715池の平-0835池の平山0850-0930池の平1130-1230仙人池1300-1430二股1410-1530真砂沢キャンプ場(泊)
【day4】0715真砂沢-0845ハシゴ谷乗越-1045内蔵助平1105-1220内蔵助谷出合-1335黒部ダム-1345扇沢1430-1930新宿
天候 | day1 曇り時々雨 day2 晴れ day3 晴れ day4 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
■復路:黒部トロリーバス+京王バス(扇沢1430発、新宿1921着) ★黒部ダムトロリーきっぷ 往復10500円(新宿からの高速バス+扇沢〜黒部間トロリーバス)がお得 ★アルペンルート黒部ダム〜室堂 片道4200円 ※手回り品10Kg以上は600円の追加料金がかかる |
コース状況/ 危険箇所等 |
■危険箇所 今回のルートでは、この時期の剱沢雪渓の状況が唯一の懸念事項でした。 9月上旬にまず真砂沢ロッジに聞いたところ、毎日状況が変わるからわからんが4分の3は雪の上を歩くと。硬さを聞いたら、硬いと、『雪の上歩いたことあるの?』と逆切れ寸前。今忙しいからのんびり電話してられないと切られる。 次に富山県警に聞いたところ、滝の手前までは右岸の夏道が出ており、滝の手前で雪渓を利用して左岸に移る。滝は左岸にあるペンキを目印にして降り、その後真砂沢ロッジまでは雪の上。夏道は左岸にあり、9月下旬にはほとんど夏道を歩くことになると。雪質については、この頃の雪渓は昼でもほとんど緩まず硬いがキックステップは出来るので氷ではない。傾斜については、平蔵谷出合と長次郎谷出合の間が急でそこは人によりアイゼンが要るとのことでした。 剣澤小屋の情報では平蔵谷と長次郎谷の間の雪渓にクラックが入り始めたので通行止めになる可能性があり、6本爪以上のアイゼンが必携とのこと。 当日は、雪渓がかなり崩壊していたので、雪の上を歩いたのは平蔵谷の大岩までの40-50m。そこから右岸に上がり、スラブで作業をしていた小屋の人にロープづたいに岩を降りて崩壊寸前というスノーブリッジの下をくぐり抜けるよう指示され言う通りに。そのあとはまた夏道に戻って、長次郎谷出合下の雪が薄くなっているが平らなところで対岸の夏道の白いペンキ印目指してクラックが最小のところを選んでまたいで雪渓を20-30m?横断して左岸へ渡り、そこからはまた夏道で真砂沢ヒュッテまで歩きました。 結局、この日は好天に恵まれ雪が緩んでいたので、アイゼンなしで問題なくコースタイム通り歩けました。 それよりも、ハシゴ谷乗越から内蔵助平までの間でゴロゴロした岩に苔が生えていて滑りやすく、また内蔵助平から内蔵助出合で道がところどころ崩壊しており、ロープやクサリがついていましたが結構びろーんとたわむのでザレザレの急斜面で重装備だとバランスを崩しやすく、結果として思いのほか通過に時間がかかってしまい、下山後のお楽しみだった大町の薬師の湯に入る時間がなくなってしまったことが非常に残念です。。。 ■紅葉 標高2400mの室堂周辺では草紅葉が進んでいましたが、標高2000m前後の池の平や仙人池ではまだまだでした。今年は1週間ほど遅れているようで、台風の影響もあるので小屋閉めまでに紅葉が間に合うかどうかというところ。体育の日の連休を過ぎると二股の橋を撤去してしまうので、見頃になるまで営業を続けたくても室堂からはお客さんが来れなくなるので小屋を閉めざるを得ないのだと仙人池ヒュッテの女将さんがおっしゃっていました。 |
予約できる山小屋 |
剱澤小屋
|
写真
感想
今年の紅葉狩り山行第1弾は、キャンプしながら憧れの裏剱ルートを3泊4日で。こればっかりは秋限定ですね。北方稜線の下見も兼ねて?!かつて長次郎谷をつめて剱岳を登ったという、もと岩ヤさんと共に、テント張りはり行ってきました。
今年の夏から中央高速バスが新宿から扇沢行きの昼行便を毎日出しており、これと黒部トロリーバスを組み合わせて往復10500円という企画券もあって、さわやか信州号より使いやすい。初日は雷鳥沢で温泉に浸かりつつまったりキャンプできる。
しかし台風がフィリピン沖に来ており、秋雨前線を伴った温帯低気圧が太平洋沿岸をなめるように北上中とあって天気はイマイチ。というかいつ雪が降ってもおかしくない状況のなかで、2日目からのV字回復を信じて出発。
問題は、アイゼンを持って行くか行かないかというところで最後まで悩んだ。誰に聞いても持って行けというのだけど、相方は剣沢雪渓は傾斜がゆるいからいらないという。テント泊装備で荷が重いので、なくて済むなら持って行きたくはないけど。。。結局直前に私はダブルストック、相方はピッケルのみ持参することに。
日頃の行いがよっぽどよいのか、2日目はカラリと晴れ上がり爽やかな秋晴れ。剣澤小屋にて雪渓情報を尋ねると、危険箇所を示した手書きの地図を渡してくれる。アイゼン持ってるか聞かれて、ないというと「ここで買うか引き返すかどっちかにしてください。この時期の雪渓がどれだけ固いか、自分の眼で確かめて来たらいい」と小屋の若いお兄ちゃんに思い切り叱られる。ま、想定内ってやつですな。さんざん脅かされてこわごわ雪渓に降りてみると、天気が良く気温がぐんぐん上昇しているせいか、思いのほか柔らかい。真砂沢のほうから上がってくる登山者にも後ろから下ってくるパトロール隊にも、登山道を補修している小屋の人にも、アイゼンなしで歩いているというと絶句されたけど、今日はそんなに状況悪くないと思うんだけど。この程度の雪渓崩壊で大騒ぎするなんて、やっぱり北アルプスは過保護だよな。むしろ残雪期の大雪山の固い雪渓の心配、みんなでもっとしようよ〜。
核心部を終えて真砂沢ロッジの前で休憩していると、ホットパンツ姿の若い女の子が一人で降りて来てびっくり。「えー?アイゼンなしで降りて来たんですか?尊敬しますー」って、ソロで来るあなたの方がよっぽど武勇伝でしょう。聞けば、どこかの小屋で働いてたが下山してるところで、剣澤小屋でアイゼンも地図も持ってないと言ったら貸してくれたのだとのたまう。ん何ぃ、あの若造、あたしらには買えと言っておいて、若いねーちゃんにはタダで貸すのかよ!
ところで、仙人新道の登りは完全にナメてましたが、コレがきつい。特に朝っぱらから雷鳥坂を登って剣沢雪渓で緊張して降りてすでに疲れている体に、日中の日差しが一番強い時間帯に樹林帯の階段状の急登は随分とこたえた。それでも仙人峠からの木道歩きは心が弾みます。ゴタテの眺望は抜群だし、チングルマの果穂が揺れて葉が真っ赤に紅葉しているのですから。
池の平のキャンプ場には自分たちの他にはテント1張りのみで、贅沢にも剱岳を目の前に眺めながら横になれます。まあここまで来るのは北方稜線をやるクライマーか物好きか点の記の撮影隊だけみたいですが。。。(ここは客なんてまあ来ないから、とは小屋のあるじの言)あ、余談ですがこの日は岩質調査隊も来てました。
翌日も雲一つなく風そよぐこともなく晴れ上がり、八ツ峰のスカイラインを眺めつつのんびりパンケーキを焼いてカフェオレを飲んでから池の平山へと出発。本当は小窓まで歩いてみたかったのだけど、さすがに小窓雪渓の急斜面を見てその気も失せました。あれは装備ないと無理(笑 池の平山、相方は「こんな山登ってもしょうがないじゃん」と内心思っていたらしいですが、なかなかどうして素敵な山なんですわー。もっと有名であってしかるべきだよね、と2人でしきりに褒めちぎる。だけど有名でなくて結構。このままいつまでも誰も知らない楽園のままであってほしい。お花の盛りに是非また来てみたい。それは平の池の湿原も同様。仙人池に知名度は負けているけど、浮世離れした美しさと言ったら比ではない。雲ノ平や夢ノ平にも負けてない。小屋のおかみさん、7月のカタクリ、ホテイアオイ、チングルマと次々とお花が咲き乱れてそれはそれは可愛らしいのよ、と我が子を褒めるように目を細めてました。うん、きっと天国とはこのあたりのことを言うんだね。
真砂沢に戻る前に、仙人池にも立ち寄りましたが、紅葉はまだまだ全然でした。他に誰も客もなく静まり返ったヒュッテでビールとランチをいただきつつ、美人の女将にお話を聞くと、こちらの小屋は雪が深いのでちょうど3ヶ月しか営業していないのだけど、お客さんが来るのは紅葉期のほんの2週間ほどに集中しているとか。しかもほぼ全員カメラマンの常連さんだそうです。100回以上通っている人もいるとか。今年は週末ごとに台風が重なったり紅葉が遅かったりで、小屋閉めまでに間に合うか心配されていました。古いんだけど、高天原山荘みたくなんか居心地がよい小屋でした。
最終日は黒部ダムまで半日歩いて終わり、で大町温泉郷で帰りのバスが来るまでのんびりまったりするつもりだったのですが、予想外に行程がきつくてびっくり。まだまだ地図読みが足りないのかな、おおむね下りだから楽だろうとナメきっていたハシゴ谷乗越から内蔵助出合までかなり厳しい道のりで、温泉どころかバスに間に合うか時間ギリギリで、最後出合からダムまではほぼ小走り、あせりました。
そんなこんなではありましたが、全体的には変化に富んだ素晴らしいコース、ぴかぴかのお天気で楽しい山行になりました。
コメント
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憶えていますか。内蔵助平の橋の袂で休んだ二人組です。私たちより少し先に出発したお二人には、テント泊のような荷物なのですぐ追いつくと思いましたが、バテバテの私たちには無理でした。
私たちは1日目は室堂から真砂沢ロッジ。2日目は八ツ峰から三の窓・小窓を経て仙人池。3日目がハシゴ段経由で黒四でした。天気もよく、人も少ない時期に恵まれたと思いました。ちゃんとアイゼンとピッケルを持ちました。
池ノ平山って、行ったことありませんが、よさそうな山ですね。機会があったら行きたいと思いました。
8月の終わりに鳳凰三山でお会いしたponiです。
私も26−27日に立山をうろうろしておりました!
とはいえ、aymiyさん達には遠く及ばぬ「初めての立山」王道コースでしたが
行きはお二人と同じ新宿−扇沢の京王バス(日にち違い)を利用して1泊目を浄土山経由で一ノ越山荘に泊まりました。朝家を出発して山中で泊まれるなんて、意外と立山って交通の便がよかったんだなあと思っていたところです。
27日は14時半のバスに間に合う自信がなかったので、扇沢16時発の路線バス+JR+松本からの格安バスで帰りましたが、もし往復で京王バスに乗っていたらまたお会いしていたわけですね。
それにしてもすごい渋いコース取りですね。まだまだメジャールートしか歩けないので、こんなルートもあるんだ、と目からうろこです。
そして相変わらずのステキ山ごはん!木須肉なら自分でも材料担ぎ上げ何とかなるかも。参考にさせていただきます♪
aymiyさんのコースは私には玄人すぎるので山中で再会、というのはないかもですが、登山口とかでばったりとかいうのはありそうな気がしてきました。
そのときはよろしくお願いします
aymiyさん、お疲れ様でした。
8月に行ったとき、池の平山も平の池も仙人池も寄ってこなかったので、後悔しています。
いい景色ですね。次は絶対寄ってきます。
ありがとうございました。
あの時のお二人連れですね!
3日間で八ツ峰歩いたんですか?それはバテますよね!
すごい体力、恐れ入ります。
私も装備揃えていつか行ってみたいです!
気が合いますね〜!
私も王道コース歩きますよ。
行動パターンがponiさんとは似ているようなので、
本当にまたどこかでニアミスしそうです。京王バス乗り場とか(笑
特に紅葉の時期は短いので確率高そうwww
その時はよろしくです、お話色々聞いてみたいです!
コメントありがとうございます。
あの山域は素敵な場所がたくさんありすぎて
一度にすべてを見て回るのは難しいですよね。
それだけに、また行く楽しみがあります。
私も次回は雷鳥沢にテント張りっぱなしにして
1週間ぐらいフラフラしてみたいと思っております!
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