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Yamareco

記録ID: 2296742
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

栂池〜白馬大池〜白馬〜大雪渓〜猿倉(過去レコです)。

2011年09月23日(金) ~ 2011年09月24日(土)
 - 拍手
onisan その他1人
GPS
32:00
距離
15.6km
登り
1,313m
下り
1,891m
天候 雨。
過去天気図(気象庁) 2011年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
栂池スキー場からゴンドラでつがいけしぜんえんまで。
コース状況/
危険箇所等
一応北アルプスです。
2011年09月23日 11:32撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/23 11:32
2011年09月23日 11:41撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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9/23 11:41
2011年09月23日 13:25撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月23日 13:56撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月23日 14:19撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月23日 14:43撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月23日 14:44撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月23日 15:06撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月23日 15:16撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月24日 12:36撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月24日 13:49撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月24日 14:17撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月24日 14:17撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2011年09月24日 15:12撮影 by  uT8000,ST8000 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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感想

 秋分の日の連休を利用して白馬岳に登る計画を立てた。白馬岳に登る数あるコースのうち、栂池から白馬大池を経て白馬岳に登り、大雪渓を下って猿倉に至るコースを選んだ。このコースは登山口と下山口が異なるのが難点だが、下山口にはタクシーが並んでいると案内本に書いてあるので、それを利用して登山口まで戻ることにする。  
 2011年9月23日、朝6時に家を発ち、関広見ICから豊科ICまで高速道路をひた走る。台風15号の大雨の影響で、一昨日は名古屋で100万世帯に避難勧告が出されたが、この3連休は台風一過の好天が予想されている。しかし安曇野から眺める常念岳は雲の中。栂池スキー場の有料駐車場に着き、仕度を整えていると、隣に車がやってきて夫婦連れと思しき二人が先に出発して行く。続いてわたし達もブラブラと、まずはゴンドラ駅まで歩く。切符を買おうとすると、小さな小屋の窓から声を掛けられる。登山届を書かされ、「昨晩は積雪3cmあった。下界とは違うけど大丈夫か?」。ザックにはフリースにダウンも入れてあり、防寒対策は大丈夫。長〜いゴンドラを「つがのもり」で降り、ロープウェイに乗り換えて「つがいけしぜんえん」まで上る。ここはすでに標高1,850m、肌寒さを感じる。駅から10分程歩いた所にビジターセンターがあり、そこが登山口、大勢の人がたむろしている。入り口には「天狗原・・・約1時間、白馬大池・・・約4時間半、白馬岳・・・約7時間半、*すべて片道の時間です」、と記されている。
 11時40分、登山道に入る。道はぬかるんでいるが、レインウェアーのズボンを履いているので、まあいいか、とそのまま。結構急な勾配で、全ての人に追い越される。登山口から1時間もしないうちに雨が降り出し、レインウェアーを着込む。1時間ちょっとで小さな広場に到着。丸太をころがした坐り場があり、ここが天狗原だろうと勝手に決め、コースタイムより随分早いのに気を良くする。雨は止み、カッパを脱ぐ。アオモリトドマツの背丈は低くなり、その先っぽについている大きなマツカサが近くに見える。再び雨が降り始めカッパを着込む。丸太で土留めされた階段を登って行くと勾配は緩み、木道が現れる。周りは湿原となり、「天狗原」の文字が。先程の小さな広場から随分登って、登山口から1時間50分が経っていた。入り口に書いてあったコースタイムは1時間半なので20分遅れ、やっぱりな、まあこんなもんだろうね。大勢の人達が休んでいるが、わたし達はカメ、写真を撮っただけで先に進む。天狗原を横切って再び大石重なる急登となりゼイゼイ。振り返ると天狗原が見おろされ、池塘が光っている。全員に追い越されたのが嘘のよう、何人もの人を追い越して登る。やがて低い灌木も無くなり、ハイマツとライチョウの世界が広がる。再び雨が降り始め、カッパを着込む。雨は小粒の霰と変わり、頬を叩く。腹が白くなり始めたライチョウが、「グエーグエー」、と道案内をして呉れる。大岩だらけのだだっ広い場所に、「乗鞍岳山頂、2,436.7M」の柱と、コンクリートで固められたケルンが立っている。これが無ければそこが山頂であるとは誰も判らないだろう。乗鞍岳を下り始めると、行く手に白馬大池と山荘の赤い屋根が見えて来る。大岩をピョンピョンと伝って下り、池の端に降りると、まるで海辺のようにピチョピチョと波立っている。こんな山の中、流れ込む川もないのに、こんな大きな池があるのは不思議。さざ波立つ池面をじっと見るが、さすがに魚の影は無い。15時15分、登山口から3時間35分、地図上のコースタイムより15分遅いが、登山口に記されていた時間より1時間も早く着いた事にまんざらでもない。山荘の前にはカラフルなテントが所狭しと並び、山ガール・山ボーイが行きかっている。夕食、朝食に弁当をつけて一人10,100円也、部屋は10号―下。普段は4人部屋だが、今夜は大勢なので6人が入る。でも余裕のスペース。身体を拭いて下着を着替え、食堂で缶ビールを空ける。それでも時間を持て余し、5時半からの夕食までひと寝入り。夕食はカレーライス。お代わり自由だが、一杯で満腹。
 いつもの如くウツラウツラと夜を明かし、5時半からの朝食を終え、仕度を整えて外に出る。夜のうちに降った雪がうっすら白く積もり、冷気が頬を撫で、気分がシャキッ。碧空の下、朝の光を浴びてなだらかな丘に登山道が向かっている。6時20分、その登山道に入り、霜柱を踏みながら丘を登る。青々とした水をたたえた白馬大池が、朝日に輝いている。ハイマツの中、ガレ場を登って「船越の頭」に出ると、後立山の山々が飛び込んでくる。遠くに鹿島槍、その手前は五竜だろう。これから登る小蓮華に向かう稜線上に登山道が続き、その尾根の右肩から目指す白馬が僅かに頭を見せている。安曇野は雲海におおわれ、遥か向こう、雲の上に八ヶ岳連峰と南アルプス山脈が浮かんでいる。そして八ヶ岳の編笠山の向こうにうっすら黒く、富士が頭を出している。小蓮華に登る途中から派生する尾根を越えると、白馬が全容を現す。白黒まだらの岩塊、その山際は飽くまで碧い空。今夏始めての好天に恵まれ、さいこ〜うの登山日和だが、稜線上は風が強く、鼻を啜りながら登る。小蓮華山頂まで2時間弱、快適なペースだ。小蓮華山があるのだから大蓮華山もあるだろうと地図で探すが見当たらない。針の木岳の向こうの蓮華岳はここから遥か遠く、小蓮華の対にはならない。かって越後側では白馬を大蓮華山と呼んでいたと云う事で納得。小蓮華を下る途中、風を除けてひと休み。後立山連峰の隙間から、槍が天をついている。振り返れば朝日・雪倉岳からの登山道、以前に通った事のある道が見え、この先で合流するところが「三国境」。三国境まで下る頃には白馬から下って来る人が多くなる。9時、三国境に到着。稜線上の岩礫の道、雲海を眺めながら快適に登る。やがて岩場となり、左側は真っ直ぐに切れ落ちている。ひと山越すと白馬の頂上が見え、ゆるやかな道を登って9時45分、白馬山荘側から登ってきた人で溢れるテッペンに到着。眼下に雲海、そこに浮かぶ唐松、五竜、鹿島槍と続く後立山連峰。素晴らしい眺望ではあるが、ヒトヒトヒトの賑やかな場所ではゆっくり眺めている気分にはなれない。カタログから飛び出てきたような、カラフルなスカートを履いた山ガール達を搔き分け、早々に下って白馬山荘でひと休み。白馬山荘は日本で最大の山小屋、レストラン「スカイプラザ白馬」で温かいコーヒーを注文。ゆっくり休んでから下りにかかる。
 頂上から猿倉までは標高差1,600mの長丁場だ。村営頂上宿舎の脇からは急坂となる。避難小屋が建つ小広場で昼食とする。白馬大池山荘のお弁当はトリそぼろ、タマゴそぼろにちょっとしたオカズ。夕食はカレーライスと手抜きであるが、この弁当は結構いける。お腹もふくれて元気を取り戻し、再び下り始める。小雪渓をトラバースする筈なんだが、今の季節、溶けてしまったのだろうか、避難小屋から1時間程下って見えて来たのは大雪渓。6本歯のアイゼンを装着し、いざ大雪渓へ。雪渓の上には大きな石が転がっている。クワバラクワバラ。すぐにクレバスが出現。幅1m程の裂け目が伸び、その真ん中あたりに赤い線が横切っている。中を覗いてみると底が見えない程の深さで、落ちたら到底這い上がることは出来ない。クワバラクワバラ。赤い線は無視し、足跡を辿って下る。前を行く若者のパーティーは滑ってこけまくっている。わたし達はアイゼンを着けているので、若者達を追い越して快適に下る。しかし僅か10分で大雪渓の下りは終わり、岩場に上がる。この先の雪渓はクレバスだらけで通せん坊になっている。崖に取り付けられた急造の迂回路は、狭い砂利道でズルズル滑る。本当にこの道で良いんだろうかと不安がよぎるが、でもこの道以外に他に道は無いので仕方なく先に進む。一歩ずつ慎重に足を運ぶ。滑り落ちたら一巻の終わり。わたし達のすぐ後ろにいた若者たちはどんどん遅れて離れて行く。山肌の道は雪渓に向かって下って行き、こんな状態がいつまで続くのか、でもここを通るしか仕方が無い。ようやく本来の大雪渓の出口に降り立ち、ほっとしてザックを下ろしてひと息つく。若者達がようやくやって来たのを機に、わたし達は出発。ここから先はまともな登山道を下り、白馬尻小屋の前の広場でひと休み。小屋は雪に備えて解体中、白馬の観光シーズンの終わりを告げていた。登山道を抜けると車道。何の面白味も無い道をテクテク歩き、最後は再び登山道を下って猿倉に降り立った。15時20分、白馬大池を発ってから9時間が過ぎていた。駐車場にはタクシーが2台待機している。タクシーに乗り込み、栂池の駐車場に戻る。料金は5,300円也。隣の車の二人連れも戻ってきた所で、聞くと、「昨日は大池に泊まり、今日白馬に登って往路と同じ道を下りてきた」、と云う。「それは正解でしたね。大雪渓は大変でした」。

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