(過去レコ)悪沢岳⇒小河内岳⇒塩見岳⇒蝙蝠岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 50.7km
- 登り
- 6,007m
- 下り
- 4,899m
コースタイム
- 山行
- 12:30
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 13:45
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 9:50
- 山行
- 11:30
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 13:35
初日(18日・金)は午後から寝て夕方自宅を出る。
山行の三日目は遅い時間に帰宅となるので、五連休の最後は休養日とする。
60歳が近くなった頃から、遠出する山行ではこのパターンが多くなった。
天候 | 三日間とも概ね好天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
塩見岳から二軒小屋へ下る蝙蝠尾根は、いつかは歩いてみたいと思っていた。
蝙蝠岳そのものにも立ってみたいと憧れていた。
山と高原地図には、広河原〜伝付峠間は荒廃気味と書かれているが、沢沿いを歩く区間が多く、大雨の後は通行できないかもしれない。
地図にある保利沢小屋は東電の管理施設で、このすぐ先で伝付峠へは鋭角気味に右折するのだが、真っ暗い時間帯ではライトで照らした範囲しか目に入らず、前方には本流に架かる大きな橋が見え、この橋を渡って保利沢沿いに50分ほど行った所で大きな堰堤があり、そこから先は道がなかった。
管理施設まで引き返し、足元をよく見ると伝付峠方向を示す小さな表示板があった。
橋のワイヤーを支える鉄柱にも小さな表示板があった。
3時間近くのロスとなったが、早い時間に広河原を出ていたので、正規の登山道に復帰した時間はまだ遅くはなかった。
伝付峠は展望はないが、その手前の水場からはどんよりした空に富士山が見えた。
コンクリの基礎部分が残るロボット雨量計跡付近でようやく視界が明ける。
今日はできれば荒川小屋まで行きたいが、未明の道間違いですっかり疲れていたこともあり、千枚小屋で泊まることにする。
宿泊手続き後、小屋のサンダル履きでカメラのみ持って千枚岳へ。
登山道沿いの草に降りていた朝露で靴の中までびしょ濡れになっていたのだ。
二軒小屋から千枚岳までは直線距離にして4匸々だが、標高差は1500m近くある。
昔は、堰堤か吊橋で小屋の西側対岸に取り付くルートがあったと記憶しているが、あまりの急斜面なので崩壊しやすく、北側に遠回りして対岸に取り付くルートに付け替えられている。
小屋に戻り、持参したつまみで富士山を眺めながらビールを飲む。
二日目、快晴下のもと、午前4時半からの朝食を終えて50分に小屋を出る。
今日は塩見小屋まで行きたかったが、満杯だと言われて三伏峠小屋泊にした。
明日の夜に泊まるつもりで二軒小屋ロッヂへ連絡したら13000円とのこと、ウ〜ン、ちょっと高過ぎる、どうしよう…
迷ったが、明日中に下れそうならキャンセルするつもりで、一応予約する。
前川金一氏の『山頂渉猟』を読んで気になっていた悪沢岳北峰の西小石岳は、悪沢岳頂上からはとても断定しにくい。西側の小河内岳から見れば尾根がガクンと下がる所なのでよく見えるだろう。
荒川前岳ではもうガスに覆われて展望なし。
高山裏避難小屋へ下る途中、単独行の女性に続けて二人会う。
一人目はよく日焼けした健康的な若い方、二人目は顔を真っ白に塗り、若いのかどうか分からない。
高山裏避難小屋にはレトルト食品、カップ麺の他に牛丼もあったと言う。
避難小屋はすいていたが、テン場は一杯だったとも。
板屋岳はルートから僅かに西側に外れた針葉樹の中で展望は全くない。
小河内岳では、眼下の避難小屋の草むらで二人が寝そべっているのは見えたが、山はガスで何も見えなかった。
三伏峠小屋の朝食は4時からだったが、実際は3時40分頃から食べられた。
夏山の朝は一刻千金で、幸運にもライト無しで道が見え始める4時05分にスタート。
初めての塩見岳は塩見新道のピストンだったが、今は歩く人がいないのか、廃道化している感じ。
塩見岳西峰には丁度3時間で着く。中央アルプスの背後に御嶽山、槍〜穂高の右には立山も見え、まさに絶景中の絶景、パーフェクトな展望だった。
東峰からは雲海上の富士山がよく見え、完全無欠の凛然たる雄姿であった。
塩見岳は周辺に同等の高さの山がないため、南アルプスでは展望随一だと思う。
西峰から東峰へは1分ほど、西峰へ登頂して東峰から下り始めるまで30分ほどいたが、飲み食いすることなく、超絶の山岳景観を楽しむ。
天気も体調も良く、この分では今日中に広河原まで下れそうなので、一応予約していた二軒小屋ロッヂへキャンセルを入れる。
蝙蝠岳の手前の2758mで向こうから単独行が来る。話をすれば、昨夜は塩見小屋に泊まり、蝙蝠岳までピストンとのこと。
この長い尾根で、縦走にこだわらずに蝙蝠岳に立つにはベストな計画と言えよう。
蝙蝠岳への登りで大きなザックの男性を抜く。その先でも一人で歩いていた女性に追い着く。藤枝から来て、男性とはカップルと言う。
私だけ先に蝙蝠岳に着き、少し遅れて女性も登頂。頂上には30分ほどいたが、男性はかなり遅れて上がって来た。
カップルなら離れて歩いても目の届く範囲がいいのでは?と思うが、差し出がましいことは言わなかった。頂上で、ご主人が上がって来るまで山の話で盛り上がる。
二軒小屋への下りは、森林帯に入ると踏み跡不明瞭や倒木が多くて歩きにくい。
水場は涸れていることも想定していたが、道が荒れて分かりにくく、少し下まで下るとせせらぎを立てて流れていた。
中部電力管理棟のすぐ上は道が分かりにくかったが、他はまずまず明瞭だった。
二軒小屋ロッヂには関係者が三人いらしたが、とても親切に声を掛けてくださった。
椹島や二軒小屋は、紅葉シーズンには観光客も大勢入るのだろうと思う。
先方には、私が一旦予約してキャンセルした者とは分からないはず。
伝付峠は雨具が要らない程度の霧雨で、水場から富士山は見えず。
小さなテントが一張、明かりが透け、ラジオが聞こえていた。
明るい時間には下山できたが、沢沿いのルートは途方もなく長〜く感じた。
二軒小屋を基点にした縦長💛形の2泊3日は、過酷にもドラマチックであった。
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