妙高火打縦走 〜笹ヶ峰→大谷ヒュッテ経由〜
- GPS
- 12:22
- 距離
- 33.2km
- 登り
- 2,123m
- 下り
- 2,111m
コースタイム
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 2:17
- 合計
- 10:22
天候 | 曇り時々快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
笹ヶ峰から自転車でダウンヒル、杉ノ原スキー場林道入口にデポ後、林道歩き (自転車は帰りに回収) |
コース状況/ 危険箇所等 |
大谷ヒュッテまで林道歩き(6km、約2時間) 笹が峰に登山届ポスト、トイレあり。帰りに、登山道整備感謝のため500円納める。 大倉乗越〜長助池分岐間の崩れているところはロープがあるが注意して通過、また、草が左右から伸びていて露で下半身がびしょ濡れになった。心配な方は雨具を付けてください。 |
その他周辺情報 | 燕温泉の黄金の湯で入浴(無料)、バス停近くに足湯もある。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
ハイドレーション
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
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感想
1.プロローグ
だいぶん昔の話になるが、火打山と妙高山を一日で登った経験があった。
大学の先輩(怪しい登山隊隊長)と一緒にでかけ、笹ヶ峰から火打山を登山のあと
大倉乗越から妙高山をピストンしたが、ただきつかったという記憶だけ残っていた。
こんなバックグランドがあり、妙高山と火打山へはいつかは再訪をしなければと心に留めながら、なにか面白いコースがないかと想いを巡らせていた。
さて、ほとんどの記録は妙高山は大倉乗越をピストンして火打山登山を組み合わせているが、なんとかここを一日で縦走にできないかが課題である。
妙高山の登山口は笹ヶ峰、燕温泉、スカイケーブルからのルートがある(スカイケーブルからのルートは現在運休中)。
笹ヶ峰を起点とした周回ルートをデザインできないか。
地図とにらめっこの日々で情報を集約した結果、チャリと林道歩きをいれればほぼ満足できるルート構成できることが分かってきた。
笹ヶ峰から妙高山の燕温泉登山コースに合流するため、途中の林道入口まで自転車でダウンヒル、林道を大谷ヒュッテまで登り上げる。
この林道はゲートで一般車通行止めのため林道を歩かねばならない。
このルートを経由すれば後は妙高山登山と火打山登山のコンビネーションとなる。
日中の暑さを回避するため、先のコースを真夜中にこなしておけば、笹ヶ峰にはお昼過ぎに戻ってこれる。
暑さ回避・水の消費も抑えられ、チャリとロードを活用した自分の山行スタイルにぴったりのコースだ。
前回の山行で妙高・火打にも興味があると聞いていたYoshio_KSKさんもお誘いすることにした。
午後9時に富山を出発、久々の県外遠征だ。登山準備や家事で結局睡眠時間はなし。
きついが頑張るしかない。
世の中、新型コロナウィルス感染が再拡大しているが、
今回のコースの半分は夜間登山で三密対策にもなる。
妙高SAで一息入れて笹ヶ峰へ向かう。
夜空に星が瞬き、晴天の予感がした。
杉野原の集落を抜けカーブが多い道を車で進み、途中で林道の入口を確認。
予想通りしっかりとしたゲートがあり、一般車は通れない。
2.笹ヶ峰〜妙高山
さすがに山の日で、笹ヶ峰に到着したが駐車場はすでに満車であった。
仕方が無く途中の駐車できる空スペースに留めさせて頂いた。
自転車(ロードとMTB)を素早く組み立て、チェックしてスタート。
自転車のLEDライトとヘッデンのダブルライト仕様だ。
林道の入口までダウンヒル。夜半近くでも車が上がってくる。山行後半の笹ヶ峰への下りは多くの人とすれ違うだろう。
林道のゲートをくぐり自転車をデポして歩行開始。ここで標高1200m、大谷ヒュッテまで400mちょっと登ることになる。
林道は最初は舗装だがやがて舗装されていない区間も出てくる。
深夜なので涼しく快適だ。退屈な林道歩きは話し相手がいるので飽きない。
ゲレンデを横切り、標高1590m地点に達する。
南地獄谷から引いている温泉のホースが空中に敷設されている。
南地獄谷に向けて林道をさらに登る。イオウの臭いが時折する。山容が一気に険しくなる。
日田切川の橋を渡り、ヘアピンカーブをいくつかこなすと赤倉登山道と合流する。
そこから林道を進むと大谷ヒュッテに到着。トイレ・水場もある(案内板)。
小屋を覘くと寝ている人がいるようなので、林道の方に移動して小休止する。
暗闇の中に妙高山の姿が見える。近いようで遠い。
ここから登山道に入る。なかなかの急登だが残り700m位なので気が楽だ。
暗闇なので急坂も気にならない。狭い登山道から広い広場に出た。天狗堂だ。標高1900mを超えてきた。
妙高山も修行場としての歴史がある。お参りして先に進む。
次は、左手に光善寺池に見える。大きな池塘というイメージだ。夜なので周囲の風景が分からない。
それにしてもダケカンバの木々が見事。ブナがあまりない。
標高2100mを超え、八合目の風穴に着く。ここは小穴が二つあり、冷たい風が吹き出して気持がいい。
次第に岩が出てきて固定ロープのある場所も出てくる。
東側の眺めがよく、YK氏いわく、日本海沿岸(定置網など)も見えるようだ。
やがて、鎖場下部に到着。ステップが切ってあるが、通過時は夜なのでそれなりの緊張感があった。
ここが九合目、標高2260mだ。
鎖場からは上部は岩場が主体となり、大きな岩がいくつも転がる斜面だ。
山頂まであと500mもないが最後は岩場の斜面となる。ここは目印の矢印が確認できず、踏み跡を確認しながらフリーに登る。
正しいルートが分からない一抹の不安を感じつつ、どこを登っても頂上に達すると分かってるので、感性のまま登る。
4時過ぎに大きな岩を右側から回り込むと南峰に到着した。目立つ突起状の岩が目印だ。
闇夜の登山といえ、なかなか火山特有の特徴が髄所に実感できて男性的な山だ。
予定よりも少し早いので、ここで小休止して栄養補給。
空が明るくなってきたが、どこでご来光を迎えようか?
相談の上、北峰に向かうことにした。
岩がゴロゴロした薄暗い稜線を北に向かう。温度計や碑などを見ながら日本岩へ。実に大きな岩だ。
その右手を進むと北峰だ。南峰は岩だらけだが、ここは広場になっていて三角点や百名山の標柱がある。
さて、ここも日の出には少し早い時間についてしまった。風が少しあり、じっとしていると寒いので身体を動かして写真撮影タイムだ。
北へ下る登山道を少し下った風が当たらないところで朝日を迎える。
まだ、行程の中間地点だ。
男性的な妙高山を下り、早々に火打山方面へ向かう。
3.妙高山〜火打山
北峰から外輪山の鞍部まで約300mの激下りだ。
頂上を後にしてすぐに不意に岩の洞窟前に出た。
何かが祀られているようだが詳細不明。登山道を確認し下山再開。
ここの下りは富士山のように標高が高いほど勾配が増す。
下から登ると負荷が大きいが、上から下るのもジャングルジムになったりで
手間と体力が要る。
やはり時間のわりにはスピードは上がらなかった。
しかし、眼下に広がるダケカンバの林は見事だ。
下るにしたがって勾配は緩くなるがコケが付いた岩もあり、
滑りやすく気が抜けない。
だいぶん下がってきたところでは草が伸びているところもあった。
やはり、このコースのピストンは避けたいと思うのが正直な感想だ。
長助池と大倉乗越の分岐に到着。ベンチがあるがそのまま通過。
長助池方面の燕新道は通行止めだ。
分岐からすぐに谷を横切るが、ここが水場になっている。
ペットボトルを一杯にして補給。
ここから外輪山をトラバース気味に登り出す。
中間あたりは露が付いた草が伸びていてすぐにびしょ濡れになる。
今日初めて登山者とスライドした。これからどんどん増えるだろう。
崩れているところもあり、ロープが張ってあるので足元に注意して通過した。
他にも固定ロープのある場所が幾つかある。
やがて、青空が広がると大倉乗越である。
振り返ると妙高山がクリアに見える。眼下には長助池も見える。
妙高山北峰から大倉乗越は、やはり、このコースでは激坂とトラバースなどあり
一番厄介な区間で、ピストンしなくてよくありがたかった。
反対の火打山側から数人の登山者が上がってくるので、
簡単にあいさつと情報交換。
木の間からは火打山も眺められる。
大倉乗越の下りから地面が柔らかくなり一転して歩きやすくなった。
足に優しく解放感まで感じる。
多くの登山者とすれ違い、約100m下り、間もなく黒沢池ヒュッテに到着。
ヒュッテは発電機の音がしたが、営業中止で立入禁止(ロープあり)。
空き地では多くの登山者が休憩していた。
太陽が昇る前になるべく距離を稼ぐため茶臼山へ進む。
左手に池塘や高原風景が広がり写真を取りながら登る。
妙高山はどんどん遠くなるが、ついつい後ろを振り向き撮影してしまう。
茶臼山に向けて標高が高くなると高原全体が見えだし、またまた撮影タイムだ。
やはり日差しを背に受けると暑さを感じる。
水はまだ一リットル以上あるので余裕だ。
食料もまだ半分以上あり、お荷物と化している。
緩やかな坂を登りつめたところが茶臼山(2171m)だ。案内板だけある。
ここからしばらく右手の北斜面が切れ落ちていて、眺めがよい。
高谷池ヒュッテ手前の分岐点までゆるりとした下り。
分岐点からヒュッテがすぐそこだが火打山方向へ進む。
池塘の向こうにカラフルなテン場が見える。
すこし登り返した後は木道が主体の道となり天狗の庭に至る。
高原植物と火打山の景観が眼前に広がる。
当然、人出も増えてきた。
妙高山と火打山を両方踏破するとその特徴の差が良くわかる。
火打山は海底が隆起してできた山なので妙高山に比べると角が無い。
天狗の庭の看板から少し下ったところは逆火打山の撮影スポット。
この時期、ワタスゲの群生もあり、歩くことを忘れさせる道程だ。
天狗の庭から山頂まで標高差で300m、このペースでは一気の登りだ。
一時はピークに雲がかかっていたがクリアになっている。
山頂までの道のりが見えているので意識しないで確実に歩を進める。
まずはライチョウ平に到着。早いトレランが抜かしていく。
さすがにペースを乱すと足に来そうなので一定ペースで登る。
木々の背丈が低くなり日光が容赦なく当たるのが辛い。
ライチョウ平まで来るとあと標高差は100mだ。
高山植物の花も見事。
野生のブルーベリーもを口にしたが、渋い味がした。
木の階段を昇り、8時40分、ようやく山頂に至る。
妙高山、戸隠、高妻山、焼山、金山、雨飾山や頚城の山々が良く見える。
思わずKS氏とハイタッチ。
八ヶ岳の上には薄らと富士山も眺められる。
写真撮影と軽食を済ませ、下山にかかろう。
4.火打山〜笹ヶ峰
下山は、来た道を高谷池ヒュッテまで戻り、さらに、
富士見平、十二曲を経て笹が峰に至る。
山頂で靴下を交換したおかげで足の調子が良い。
笹ヶ峰まで距離が長めの1000mの下りだ。
天狗の庭まで多くの登山者とすれ違う。写真を取りながら下山で落ち着かない。
一瞬、時間を気にしたくなかったが、あまり遅いと暑さでやられるので注意だ。
天狗の庭で火打山に別れを告げ、高谷池ヒュッテまで一気に下った。
営業中の小屋の前は人であふれていた。
テーブルで小休止して水分を取るがやはり暑い。
やはり下山しよう。正午着を目安に進むことにした。
ヒュッテを後にすると黒沢岳西側の裾野を横切る。ここは木陰があり助かった。
途中で北アルプス展望台という岩がある。
すでに北アルプスには夏雲がかかりイマイチであった。
昼前なので多くの方々が登ってくる。
さすが百名山、密にならないように気配りしてスライド。
富士見平で黒沢池ヒュッテ分岐に飛び出した。
ここも多くの登山者が腰を落として休憩中でした。
こちらはそのままスルーでゴールに向かう。
スギの木立の中を快適に下る。地面が柔らかいので快適ハイクだ。
標高2000mを切り十二曲に達する。やはり甘くなかった。激坂が幾つかある。
逆登りは昼間は嫌だが夜なら行けそうだ。
各カーブに案内板があり、数をひとつずつ減らしていく。
といってもきついところは木の階段があるのでダメージは少なかった。
そろそろ活動時間が10時間を超え、ちょっとした日向が体力を奪うので
なるべく影踏みをして標高を落とした。
標高1600mを切ると緩やかになり、川の音が近づくと黒沢橋だ。
ここで冷たい水で手と顔を洗い、クーリングダウン。
この後、約2劼量敍擦延々と続き、笹ヶ峰に到着。
誰もいない受付で入山料を500円納めて車まで歩く。
よく整備されて多くの人が登りに来るのが理解できる。
実にダイナミックなコースで味わい深い一日でした。
同行してくれたKS氏に感謝申し上げます。
5.エピローグ
登山終了後、温泉に浸かるために、ナビで燕温泉を検索して車を走らせた。
笹ヶ峰は牧場風で実に気持ちが良い。また、いつか来てみたいと思う。
自転車を回収して、杉野原に向かう。
温泉は、黄金の湯が目的地である。たぶん、いろんな資料を調べるうちに、
妙高山登山口にある無料の湯ということで記憶に残っていたのであろう。
しかし、車で向かうと予想以上に凄い山の中にあることが分かった。
燕温泉手前の脇道に路上駐車の車が多く見かけられた。
そうか、妙高山登山者の車だとようやく気が付いた。
黄金の湯は、日帰り登山者用駐車場から集落を抜けて歩かねばならなかった。
思わず他の温泉にしようかとも考えたが、早く汗を流したそうなKS氏の顔色を見て行く決心が付いた。
それにしても暑い。湯治場までの登りが一番きつかったかもしれない。
男女別の露天風呂で浴槽と着替え場があり、簡素である。
湯の色が乳白色で実によく温まった。湯から上がっも汗が止まらない。
一番上手のお土産屋さん(大日屋商店)で飲んだコカ・コーラが実に美味しかった。
今度はここから山頂ピストンもありかなと考えながら、帰途に就いた。
自宅に戻ると気温37℃、道具を仕舞うのに汗が吹き出し参りました。
8月10日 山の日、今年は黒部の源流を周回しようかと考えていました。
1週間前から天気を見ても安定しない、右膝の裏辺りに張りがあり、どうしようかなと悩んでいたところに、osamuinさんから「妙高〜火打周回どう?」と連絡が。
よくよく聞くと、笹ヶ峰からのデルタ周回じゃなさげな感じ。
GPSデータを送ってもらって、即お願いします!と連絡してました。
0時出発で涼しい時間に稜線に上がり体力の消耗を防ぐ山行。
笹ヶ峰〜林道出合までは自転車でダウンヒル(osamuinさんに借りました)。
林道出合から大谷ヒュッテまでは快適な林道歩きでしたが、途中、クマザサがガサガサするたびにビビる!(^^ゞ
妙高山へは急登の連続。深夜の鎖場は緊張しましたが、思いのほか足場がしっかりしていて助かりました。
妙高山で朝焼けを見てから300m下り外輪山への登り返しの際に太陽出現。
稜線上の太陽は暑い!!
大倉乗越を超えた辺りでまた曇り空になり助かりました。
火打山までは曇り空の中、順調に歩みを進めていましたが、火打山手前から青空!
山頂では最高の景色を拝むことができました。
高谷池ヒュッテへ戻る際、天狗の庭で火打山快晴!
写真ばっかりで先に進めません、どーしてくれるんだ!(^0^)
笹ヶ峰までの下りも暑い中の下りとなりましたが、水分をしっかり取りながら歩みを進めることができました。
山の日、最高の山行となり大満足!!
osamuinさん、また誘って下さい!!(^^)
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