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Yamareco

記録ID: 288951
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沢登り
丹沢

【小川谷廊下】 下山でピンチ!油断大敵 【同角ノ頭】

2013年04月27日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
16.7km
登り
2,123m
下り
2,123m

コースタイム

【往路】
西丹沢県民の森(穴ノ平橋)05:35-05:45小川谷入渓ポイント-08:20欅平(朝食)08:40
-09:15東沢水場(アイテムチェンジ)09:30-09:45東沢乗越09:50-11:25同角ノ頭(昼食)11:40
-13:05ユーシンロッジ

【復路】
ユーシンロッジ(アイテムチェンジ&休憩)13:40-13:55檜洞沢入渓ポイント
-15:45金山谷乗越分岐(アイテムチェンジ)16:05-16:40経角沢乗越-16:55石棚山稜分岐
-17:40箒沢分岐17:45-19:40西丹沢県民の森(穴ノ平橋)
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2013年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
穴ノ平橋上に5台ほど駐車できるスペースがあります。
コース状況/
危険箇所等
小川谷廊下は、水量が多い場合はゴルジュの処理に時間がかかることがありますので
ピッチグレードは水量次第でやや高めに感じることがあるかもしれませんが、
入渓までのアプローチと遡行距離が短く、ザレガレ場の詰め上げがないため、体力面を
考慮すると初級者〜中級者向きの沢と考えて差し支えないかと思います。

他人のような印象の同角沢と違って、小川谷はちょっと厳しいですが、父親のような
優しさ・愛情みたいなもので満ちています。

無理して棚に取り付かなくても比較的しっかりとした巻き道がありますので、ザイルや
登攀具等がなくても基本装備のみで遡行することは物理的に可能です。

※基本装備:沢靴、スパッツ、ヘルメット、残置支点を利用する場合はスリング&カラビナ

常識的に考えて、一級上の沢を3本程度歩いたら経験者の方と一緒にチャレンジしても
差し支えないレベルではないでしょうか?

はじめての遡行の際は、巻き道に高度感が出ることから、経験者の引率のもとザイルで
安全を確保してもらい、高度感に慣れた後、基本装備での単独歩きにステップアップ
すれば良いかと思います。巻き後の沢床への下降に懸垂が必要かどうかは個人の力量差が
ありますので言及は難しいところです。自分の場合、小川谷ではザイルを使う遡行は
していません。

※高度感のある巻き道

.錺淵仟先のスラブ状ゴルジュ ∪价 石積堰堤前の最後の滝

単純な滝高さだけで難易度は計れませんが自分の場合、目安として〜8mの滝は直登トライ、
8m〜は傾斜角度が寝ている場合やホールドが豊富にある場合を除き高巻き。

単独行ゆえ安全を確保することが沢歩きを楽しむ上での必要条件なのでリスクは可能な限り
減らすようにしています。小川谷廊下は、石棚が自分の中での高巻きガイドラインに該当
するので巻きました。また、今回は、左肩の状況が思わしくないため、残置スリングがある
スラブ状ゴルジュ入口の6mも巻いてます。

10mを越える棚でも高巻きしたくないという場合は、機動力は落ちますがザイルや登攀具を
使用して安全を確保しながら直登するよう励行したほうがベターかと思います。

檜洞沢は、沢登り初心者の方でも比較的安全に遡行できる沢だと思います。沢靴がなくても
巻き道ががっつりついているので慎重に遡行すれば問題ありません。

一般登山道の同角山稜・石棚山稜は崩壊などなく、特に危険な箇所はありませんでした。

※画像の滝の左右表記は、岸表記でなく、向かって左右表記で記述しています。
24時間のみなさまの自分越え完遂を祈願しつつ、丹沢徘徊に出発します。
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24時間のみなさまの自分越え完遂を祈願しつつ、丹沢徘徊に出発します。
カープファンではないのですが赤ヘルです。そろそろ新しいヘルメットが欲しいです。
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カープファンではないのですが赤ヘルです。そろそろ新しいヘルメットが欲しいです。
入渓ポイント。丹沢黒部の一本目小川谷廊下に向けて降下します。
入渓ポイント。丹沢黒部の一本目小川谷廊下に向けて降下します。
小川谷の入り口3mです。左肩は使い物になりませんので、2点支持で遡行したいと思います。
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小川谷の入り口3mです。左肩は使い物になりませんので、2点支持で遡行したいと思います。
二番目の滝5mです。沢の真ん中に挟まっている大岩石の左右どちらからでも登れます。
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二番目の滝5mです。沢の真ん中に挟まっている大岩石の左右どちらからでも登れます。
今日は簡単な右側から残置スリングを利用して登りました。
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今日は簡単な右側から残置スリングを利用して登りました。
三番目の滝6mです。左側から登ります。
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三番目の滝6mです。左側から登ります。
水量は少ないほうなので遡行は楽です。ゆっくり安全に遡行します。
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水量は少ないほうなので遡行は楽です。ゆっくり安全に遡行します。
早朝の谷はマイナスイオンで満ちています。
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早朝の谷はマイナスイオンで満ちています。
谷に陽が差し込んでくると小川谷エメラルドグリーンが輝きます。
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谷に陽が差し込んでくると小川谷エメラルドグリーンが輝きます。
ワナバ沢出合いの開けた川原。澄み切った空気が美味しくて深呼吸。
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ワナバ沢出合いの開けた川原。澄み切った空気が美味しくて深呼吸。
残置が2本ある最初のゴルジュ入口6m。今日は2本目に左手が届きそうもないので巻きます。
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残置が2本ある最初のゴルジュ入口6m。今日は2本目に左手が届きそうもないので巻きます。
高度感が出るゴルジュの巻き道。残置スリングを使用して慎重に。
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高度感が出るゴルジュの巻き道。残置スリングを使用して慎重に。
巻き道を途中で降りてこの滝を左側から登ります。
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巻き道を途中で降りてこの滝を左側から登ります。
ゴルジュクリア。次に進みます。
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ゴルジュクリア。次に進みます。
大岩に到着。今日は残置ロープを利用して大岩を越えます。右滝も潅木利用で突破できそうでした。
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大岩に到着。今日は残置ロープを利用して大岩を越えます。右滝も潅木利用で突破できそうでした。
ロープの状態はOK。ボルトのプロテクションもしっかりしてます。
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ロープの状態はOK。ボルトのプロテクションもしっかりしてます。
大岩上からの眺め。大好きなアングル。廊下がU字蛇行するポイント。
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大岩上からの眺め。大好きなアングル。廊下がU字蛇行するポイント。
癒される緑の回廊。ユラユラと遡上します。アルプスの黒部のように白く、明るく、美しい花崗岩質の渓相。
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癒される緑の回廊。ユラユラと遡上します。アルプスの黒部のように白く、明るく、美しい花崗岩質の渓相。
キレイなナメ。帰りたくないですね〜。小川谷はもう少し長ければいいのにと思います。
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キレイなナメ。帰りたくないですね〜。小川谷はもう少し長ければいいのにと思います。
見事な廊下。ザクロ谷や称名廊下を歩けない人間も気分的に浸れます。
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見事な廊下。ザクロ谷や称名廊下を歩けない人間も気分的に浸れます。
本日のクライマックス石棚のゴルジュ。左右が壁に囲まれているのでここは前進あるのみです。
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本日のクライマックス石棚のゴルジュ。左右が壁に囲まれているのでここは前進あるのみです。
丹沢にこのような美渓があることにただただ感謝!
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丹沢にこのような美渓があることにただただ感謝!
さよならゴルジュ!
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さよならゴルジュ!
大コバ沢を過ぎるといよいよフィナーレ。
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大コバ沢を過ぎるといよいよフィナーレ。
石棚に到着。7m+10m+10mの三段。二段目以降は左側の倒木あたりから巻きます。
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石棚に到着。7m+10m+10mの三段。二段目以降は左側の倒木あたりから巻きます。
高度感はありますが、スタンス・ホールドともに豊富です。
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高度感はありますが、スタンス・ホールドともに豊富です。
この確保支点はちょっと経年劣化が厳しいですね。
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この確保支点はちょっと経年劣化が厳しいですね。
トイ状のウォータースライダー。登ります。
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トイ状のウォータースライダー。登ります。
太陽が谷を照らし始めました。
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太陽が谷を照らし始めました。
深淵のいい釜です。夏は泳ぎたいですね。
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深淵のいい釜です。夏は泳ぎたいですね。
最後の滝。流芯ぎわを直登しましたが10分くらいセミになりかけました。
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最後の滝。流芯ぎわを直登しましたが10分くらいセミになりかけました。
ポイントはここ。足をこの窪みに突っ張って上体をお越し最後は腹ばいでクリア。
ポイントはここ。足をこの窪みに突っ張って上体をお越し最後は腹ばいでクリア。
高巻く場合、トラロープで下降できます。状態は確認しませんでした。
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高巻く場合、トラロープで下降できます。状態は確認しませんでした。
古代遺跡のような石積堰堤をくぐると遡行終了。
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古代遺跡のような石積堰堤をくぐると遡行終了。
廊下を抜けた明るく開けた川原で朝食休憩。
廊下を抜けた明るく開けた川原で朝食休憩。
年齢のせいでしょうか花を見ると最近ココロが妙に和みます。
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年齢のせいでしょうか花を見ると最近ココロが妙に和みます。
この堰堤を右折し、東沢経由同角ノ頭に向けて遡上します。
この堰堤を右折し、東沢経由同角ノ頭に向けて遡上します。
春の訪れが渓相に彩りを加えています。気持ちの良い沢散歩で気分爽快。
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春の訪れが渓相に彩りを加えています。気持ちの良い沢散歩で気分爽快。
新緑とナメ。丹沢最高!
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新緑とナメ。丹沢最高!
東沢水源に到着。大河の一滴を前に沢装備解除。バッドロックに履き替えます。
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東沢水源に到着。大河の一滴を前に沢装備解除。バッドロックに履き替えます。
乗っ越す前のザレ場で道標を発見。風で飛ばされて谷に落ちたようです。
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乗っ越す前のザレ場で道標を発見。風で飛ばされて谷に落ちたようです。
東沢乗越に到着。道標を木の根にとりあえず挟んでおきました。風の通り道なのでいつか固定しないと・・・。
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東沢乗越に到着。道標を木の根にとりあえず挟んでおきました。風の通り道なのでいつか固定しないと・・・。
同角ノ頭へは、キレットのあるこの尾根を1190P方面に登れば行けますが本日は同角沢を詰めあげたいと思います。
同角ノ頭へは、キレットのあるこの尾根を1190P方面に登れば行けますが本日は同角沢を詰めあげたいと思います。
同角沢は遺言棚で遡行終了なので詰め上げたことはありません。 尚ケルンの右手には一般道の同角山稜へ抜けるVRもあります。
同角沢は遺言棚で遡行終了なので詰め上げたことはありません。 尚ケルンの右手には一般道の同角山稜へ抜けるVRもあります。
伏流をいくつかはさみ、同角沢の大河の一滴に到着。
2
伏流をいくつかはさみ、同角沢の大河の一滴に到着。
いよいよ傾斜がきつくなってきました。厳しいガレ詰めの清涼剤に感謝。
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いよいよ傾斜がきつくなってきました。厳しいガレ詰めの清涼剤に感謝。
写真では平坦に見えますがなかなかの傾斜です。まだ尾根には逃げません。左俣を選択。
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写真では平坦に見えますがなかなかの傾斜です。まだ尾根には逃げません。左俣を選択。
岩が脆くザレてきました。そろそろ沢詰め限界のようです。尾根に乗ります。
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岩が脆くザレてきました。そろそろ沢詰め限界のようです。尾根に乗ります。
このような大きい岩がゴロゴロした尾根です。ジリジリと高度を上げていきます。
このような大きい岩がゴロゴロした尾根です。ジリジリと高度を上げていきます。
そして坂の上の雲を目指し山頂付近に出ると・・・
そして坂の上の雲を目指し山頂付近に出ると・・・
どかーんと日本一が!疲れが一気に吹き飛びました。
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どかーんと日本一が!疲れが一気に吹き飛びました。
同角ノ頭に到着。山頂にはユーシンから登って来た登山者の方がいらっしゃいました。
同角ノ頭に到着。山頂にはユーシンから登って来た登山者の方がいらっしゃいました。
富士山は僕らの一枚上手を行きますね。予測不能の美しさです。何枚も撮影しました。
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富士山は僕らの一枚上手を行きますね。予測不能の美しさです。何枚も撮影しました。
蛭ヶ岳方面のパノラマ。GWで天気もサイコーだし主脈は大賑わいのことでしょう。
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蛭ヶ岳方面のパノラマ。GWで天気もサイコーだし主脈は大賑わいのことでしょう。
今日はもう一本沢を仕上げます。同角山稜を使ってユーシンに降ります。ザンザ洞キレット通過。
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今日はもう一本沢を仕上げます。同角山稜を使ってユーシンに降ります。ザンザ洞キレット通過。
一般登山道ですが、緊張感のある良いコースです。
1
一般登山道ですが、緊張感のある良いコースです。
大石山のクサリ場から振り返ると・・・。
2
大石山のクサリ場から振り返ると・・・。
四附の杜を従えて威風堂々とそびえる霊峰富士山!プライスレス!中ノ沢経路で脱渓してたらこんな絶景は見れてません。
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四附の杜を従えて威風堂々とそびえる霊峰富士山!プライスレス!中ノ沢経路で脱渓してたらこんな絶景は見れてません。
青空をバックの大岩。絶景を次々ゲット!
3
青空をバックの大岩。絶景を次々ゲット!
ユーシンロッジに到着。夏のような空です。
ユーシンロッジに到着。夏のような空です。
再びキャラバン大峰の出番。これから檜洞沢を登り返します。
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再びキャラバン大峰の出番。これから檜洞沢を登り返します。
明治薬科大の裏手の旧登山道を使って堰堤を超えたあたりで入渓。これ以上巻くと一番おいしい箇所をスルーしてしまいますので注意。
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明治薬科大の裏手の旧登山道を使って堰堤を超えたあたりで入渓。これ以上巻くと一番おいしい箇所をスルーしてしまいますので注意。
檜洞沢の見事な回廊。個人的にはこのような滝の少ない沢が好きです。
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檜洞沢の見事な回廊。個人的にはこのような滝の少ない沢が好きです。
丹沢ゆらゆら沢歩き。尾根下りで疲れた足をひんやりクールダウン。夏はピークと沢をつないで歩く山行がお気に入りです。
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丹沢ゆらゆら沢歩き。尾根下りで疲れた足をひんやりクールダウン。夏はピークと沢をつないで歩く山行がお気に入りです。
どうですかこの雰囲気?丹沢にも奥只見とか新潟系の明るい良い沢がたくさんあります。
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どうですかこの雰囲気?丹沢にも奥只見とか新潟系の明るい良い沢がたくさんあります。
ザンザ洞出合いを過ぎたあたりから陽が陰ってきました。プラプラ歩きすぎたようです。遡行速度を上げます。
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ザンザ洞出合いを過ぎたあたりから陽が陰ってきました。プラプラ歩きすぎたようです。遡行速度を上げます。
金山谷乗越出合いで再びバッドロックの登場。檜洞丸まで詰め上げたかったのですが時間切れ。
3
金山谷乗越出合いで再びバッドロックの登場。檜洞丸まで詰め上げたかったのですが時間切れ。
乗越を詰めました。夕焼けがみたいので石棚山稜を使って西丹沢県民の森に下山します。
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乗越を詰めました。夕焼けがみたいので石棚山稜を使って西丹沢県民の森に下山します。
バイケイソウが群生する分岐を左折し石棚山稜に入ります。
バイケイソウが群生する分岐を左折し石棚山稜に入ります。
熊笹の峰〜犬越路の稜線。大室山も左手に見えてます。印象的な夕暮れ。
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熊笹の峰〜犬越路の稜線。大室山も左手に見えてます。印象的な夕暮れ。
石棚山を過ぎると西丹沢県民の森への分岐。急坂を下ります。
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石棚山を過ぎると西丹沢県民の森への分岐。急坂を下ります。
東沢乗越のアーベントロート。大タル丸もばっちり撮影できました。ここからが第二幕開幕。
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東沢乗越のアーベントロート。大タル丸もばっちり撮影できました。ここからが第二幕開幕。
いい感じで日没。今日一日ありがとうございました。だがしかし・・・途中経過省略。
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いい感じで日没。今日一日ありがとうございました。だがしかし・・・途中経過省略。
全ての力を出し切って仲ノ沢径路に下降。安堵しました。
3
全ての力を出し切って仲ノ沢径路に下降。安堵しました。
西丹沢県民の森に到着。本日登られた方お疲れ様でした。完!
3
西丹沢県民の森に到着。本日登られた方お疲れ様でした。完!

感想

本日は丹沢24時間耐久の開催日でした。

参加したかったのですが、millionさんやFutaroさんのような鉄人達と同じペースで
歩けるイメージがまだ持てないことと、水ノ木沢で負傷した左肩の調子が思わしくなく、
ストックを効果的に使えないため、ロングトレイルはムリと判断しました。
それでも開催日に歩きたくて山に入ってしまいました。

今回はロング縦走はせず、体調を確かめながら沢からピークへ、ピークから沢へ気分に
まかせてユラユラと丹沢の源流部を歩いてきました。

若かりし頃は難しい滝をクリアすることが快感でしたので、沢歩きは核心部のみクリア!
あとは最短ルートで脱渓。源流の詰め上げなんて好んでやろうとは思えませんでした。

しかし今はスリリングな滝を登ることよりも、装備を省いて荷物を軽量化し、大河の一滴を
求めて源流部を詰め上げる沢歩きが本当に楽しい!

山ヤでもなく、沢ヤでもない、源流ザレヤというジャンルがあれば、おそらくその言葉が
一番しっくりくる気がします。

「あっ!水が消えた・・・」

この瞬間に出会えた時、なんとも言えない達成感に包まれるのです。

美しい沢をその裾野にたくさん抱いている丹沢源流部の素晴らしさを伝えることが
できたなら、どんなに嬉しいことでしょう。

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【山行後記-沢歩き】

昔の丹沢は、行列ができるほど沢歩きが流行ったものですが、最近はあまり人気が
ないようです。メジャーな水無川や勘七、そして今回遡行した小川谷などの定番沢
を除き、週末でもほとんど誰にも会わないことがあります。

理由はよくわかりません。まさかヒルが原因ではないでしょう。

ただ、なんとなくインターネットの影響なのかな?という気がしてます。

昔は、インターネットのような優れた情報検索ツールはなく、沢歩きの為の情報は、
先輩からの口コミや、手書きの簡単な遡行図のようなようなものを参考にするしか
ありませんでした。

写真などの情報も不十分でしたので、現地で滝を見て、取り付くまでは、それが
本当に危険かどうかは知る術が少なかったのです。

なので、勢いで「とりあえず行っちゃえ。登れなかったら帰ればいいんだし。」

みたいなノリの連続でひと沢ひと沢突撃していきました。

難しいと言われていた滝の直登も案外スムースにできたりして、自信を深めて
いったような記憶があります。

現在は、高解像度の画像つきで沢歩きを紹介するブログが増え、遡行する前に
かなりの情報を入手することができます。どこから取り付いてどこに登るのか
事細かにルート紹介しているサイトもあります。 

これらの情報共有はとても有効です。自分自身かなりお世話になっています。

しかし、あまりに棚の画像が鮮明で、凸凹がリアルに写っていたりするとこの棚は
本当にのぼれるのだろうか?と躊躇してしまうこともあります。棚の画像は、
レンズの焦点距離や画角によっても見え方は異なりますが、画像で見る棚は、
それはそれは恐ろしい壁のように見えるものです。実際の棚は、横から見ると
傾斜が寝ていることも多かったりします。

さらに、ブログには「カムやナッツなどの登壁用具は必須!」

「巻き道渋く懸垂下降必要」

「入渓するのはいいけど自己責任で」

このような断り書きが綴られます。

自分が沢歩きの経験がない中で、このような情報に触れたらどうだったのか?

おそらく行かないと思います。

現在の沢は、ひと気がなくて沢歩きを楽しむ人間にとっては最高の環境です。
自分も含めた多くの沢歩きファンは、

「現状維持で静かなまま放っておいて!」というのが偽らざる心境でしょう。

でも、素晴らしい光景を目の当たりにすると、ココロの片隅には、丹沢の
素晴らしい沢を少しでも多くの人に体験して欲しい。と思ってしまうのです。

本格的な沢登りではなく、最低限の装備だけ持ち、登れない滝は巻いて
楽しく沢を歩く。そのような人が少しでも増えていって欲しい。

自分は、家族をもってからザイルや登攀用具を使った沢登りはしていません。
もう確保の仕方も忘れてしまったくらいです。

沢靴、ヘルメット、スパッツ、スリング数本、カラビナ。これだけの装備で
今は歩いています。重い登攀用具を持たないことによる機動力の向上は恐ろしい
ものがあります。もっと遠くに!もっと速く!歩けちゃいますから。

今年の夏は、みなさん丹沢の沢に繰り出してみてはいかがでしょうか?
一級くらいの沢であれば、最低限の基本装備さえあれば十分遡行できます。

沢を渡る爽やかな風がみなさまをお待ちしています。

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【山行後記-左肩】

現在調子が思わしくない左肩ですが、日常生活ではそれほど困りません。
服を脱ぐときに痛みが伴うものの、回転させたり、大きな力を加えなければ
痛みは発生しない状況です。

しかし、沢歩きとなると少々やっかいです。突っ張りやへつりではどうしても
腕を使いますので、荷重を伴った回外・回内の関節稼動ではやはり痛みが
でてしまうのです。

この状態の中、2点支持でどこまで歩けるかが今回の課題でした。

結果として、小川谷と檜洞沢の2本とも仕上げることができましたが、
単独沢歩きとしては多少リスクが高まったかもしれません。

廊下の最後の滝は左手によるホールドができず、滝の途中で10分くらいセミの
ように固まってしまいました。

今年の夏は、時間をかけて慎重に沢を歩いて行こうと考えています。

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【山行後記-道迷い】

西丹沢県民の森に下降するルートでやってしまいました。

きっかけは大タギリ・裸山丸の撮影に夢中になっている時にペットボトルを
落としてしまったことから始まります。

「今日歩いた東沢乗越のアーベントロート!なんてキレイなんだ!」

でも木が邪魔な感じ。撮影ポイント移動

「おぉなかなかいい感じ!大タル丸もはっきり見えてるじゃない。」

ちょっと角度を変えて撮影したくなりました。

「お腹もすいたし、行動食でも食べながらゆっくり撮影しよう・・・。」

その瞬間

「あっ・・・」

ペットボトルがこともあろうにザックのサイドポケットから落ちてしまった
のです。急勾配なのであっという間に谷底へと落下していきました。
県民の森に下降する尾根から一本東側の尾根の更に東側の谷に落ちました。

「マズイ・・・汗」

疲れているので、放置しようかどうか逡巡しましたが、結局回収することに。

かなり下降してようやく発見!回収成功。

ルートを逸脱してしまった為、ルート変更して下降します。

今回下降を予定していた破線尾根は勾配が急でかつ長く、膝への負担が大きく
なることから最短距離で降りれる尾根に乗って仲ノ沢径路に降りればいいや。
くらいの気持ちで下降を開始しました。

ここらへんは意見が分かれるところですが、自分的にはダラダラと尾根を
下るよりも、沢に一端急下降して傾斜角を落としたほうが膝への負担が少ない
ので尾根から外れて沢をクライムダウンすることが多いのです。

そうこうするうちに日没。

「100ルーメンの新兵器があるので楽勝!今日も暗闇を切り裂きますよ〜」

最初は本当に楽勝ムードでした。

しかし、降り立った沢は、かなりのザレで、足もとが不安定でした。
ヘッドライトは進行方向に向けていたいので、つい足もとの状態の確認が
おろそかになります。そして3m程度の棚も入り混じってきます。

滑る・落ちる。転がるようにして沢を下降していきます。

「四附の原生林に比べたらたいしたことない・・・」

なんて強がってましたが、内心すこし焦ってました。

「昼と夜では勝手がちがう・・・」

コンパスは常に南を指しているので方角は間違いありません。そろそろ
仲ノ沢径路に交差してもよさそうなのですが、山容の目視が効きませんので、
自分の高度がわかりません。

何回かクライムアップとダウンを繰り返して、仲ノ沢径路の踏み跡を探します。

見つかりません。

左右の尾根に移ってクライムアップとダウンを繰り返します。かなり体力を
消費しました。西側に移った尾根でクライムダウンした時ついに踏み跡を
見つけました。水平経路です。

「あった!」

嬉しかったです。そして安堵。とても薄い踏み跡でした。
30ルーメンのヘッドライトでは絶対見つけることは難しかったと思います。

前回のナイトハイクの慣れで夜間歩行を油断していたようです。

やはりセオリー通り16時帰着は守るようにしたいと痛感した山行でした。

昼歩く場合は高度計は自分にとって不要ですが、ナイトハイクには欲しい
アイテムです。スントでも買おうかな? to be continued...

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コメント

2点支持って。凄過ぎます。。。
souldoctorさん、こんにちは〜

最後はちょっとヤバそうだったんですね
ご無事でなによりです〜

こんな私でも若い頃は赤ヘルで小川谷廊下を2回遡行したことはあるんですが、もう20年ぐらい沢登りから遠ざかってるので怖いです

でも、ヘルメットを黄色と黒のタテジマに塗り替えて再チャレンジしたい気持ちはまだあります

ところで、セミになってた間はなんて鳴いてたんですか?
ミーンミーン ? ツクツクボーシ〜ツクツクボーシ
2013/4/28 17:49
過信は禁物ですね。
FRESCHEZZAさんは阪神ファンでしたか
ぜひトラカラーで沢に戻ってきてくださいね〜
阪神ファン、カープファン、巨人ファン入り乱れての遡行楽しそうです。

誰も聴いてくれる人いませんでしたから泣けませんでした・・・
ちなみにセミは「カナカナカナ」と鳴くヒグラシが好きです。

良い連休を!
2013/4/28 18:53
今回は沢やさん!!
souldoctorさん、お疲れさまです。

地図とレコを確認しながら拝見しました

またまた魅力のあるコースで沢の経験ゼロ!
の私ですが、とても行ってみたくなりました。
いい季節になってきたので少しずつ・・・ですが

最後は大変でしたね〜でも回収に行く気持ちは
とても共感します

これからもレコ楽しみにしてますね〜
2013/4/28 20:57
goechanさんおはようございます。
そうですか! 沢に行ってみたくなりましたか。

嬉しいです

お勧めは、今回の檜洞沢→表丹沢の新茅ノ沢→四附の水ノ木沢です

いずれの沢も1級〜1級上くらいの癒し系の沢です
水ノ木沢は、難易度は高くありませんが、アプローチで若干
体力が必要ですがgoechanさんなら問題ないと思います

isさんもいることですしね!

では良い連休をお過ごしください。
2013/4/29 8:14
こんにちは
沢2つお疲れ様でした。
普通はユーシンロッジで下山でしょう。
洞沢を再び登るとは驚きです。
アイテム交換、ロッジ内ですよね?
開業していましたか?
2013/4/29 12:07
なんとまぁ
このコースを一日で廻るんだから、相変わらず凄い体力ですね〜
ぜひとも丹沢24での活躍を見てみたいです。
でも24時間というより奥多摩から丹沢まで、みたいな長距離での企画があったらいいですね
soulさん、企画してください!

第二幕は大変でしたね
確かにドーガク尾根の山容は魅力的です。
地形図見てるだけで萌えます(笑)

でも私は沢は苦手なので尾根沿いを下ります。

源流部を詰め上げるのって興味ありますね

コンコンと湧く泉を発見するとゾクゾクっとします
2013/4/29 16:11
kazikaさんこんばんは
小川谷の直近の状態、kazikaさんのレコで参考にさせていただきました。
ありがとうございました

棚のホールド、ちょいちょい壊れてましたね。
沢って年々変化していくんですね。今回も大変勉強になりました

ユーシンはまだ開業されておらず避難小屋として開放されている状態でした。
何組かロッジ内で休憩してました。

早く開業してくれるといいのですが

花の名前勉強中なのでkazikaさんの次の山行も楽しみにしてます
2013/4/29 23:35
isさんこんばんは
今回のコースは16kmなんで距離的には短いんです。
前回45km歩いたから感覚がマヒしちゃってるのかも

isさんも来月には同じ感じで丹沢徘徊してると思います

下山は久しぶりに狼狽してしまい、対応力がまだまだだなと反省しきりです
夜間歩行はやっぱり慎まナイト

連休のチャレンジ頑張ってくださいね〜
2013/4/29 23:36
ご無事でなにより。
souldoctorさん、おはようございます。

まずはご無事で何よりでした。

丹沢の沢、綺麗ですね。
私にはなかなか縁のない流域ですが、今朝家を出る前に
このレコ拝見させて頂き、思わず丹沢のガイドブックを
もって出勤しました。
souldoctorさんが撮られているのと同じような構図の
写真がいくつもあり沢も少し身近に感じることができました。

写真、そしてそのコメント、感想、すごくまとまっていて
あっという間に読み進められました。
才能、少し分けてもらいたいです。

PS
滝沢林道の情報ありがとうございました。
今度ricalojpさん達に同行させてもらい雪のある
富士山にトライの予定なんです。
今年は初めてアイゼンを履いたのですが、その感覚を
少し取り戻すために雪のある山に行こうと思いまして。
3,4日と行く予定なんですが、傾斜のきつくならない
あたりを行ったり来たりうろちょろしようかなと思って
ます。
今の時期で雪が残っている山で行ったことがあるのは
富士山しかないもので。
2013/5/1 7:50
millionさんおはようございます。
いいですね残雪の富士山〜

自分も雪のあるうちに登りたかったのですが、
アタックはちょっと遅くなりそうです。

3,4日は天気も良さそうなので楽しめそうですね

帰りは「紅富士の湯」という眺めの良い日帰り温泉
が近くにありますので良かったらぜひ!

それでは良い連休を
2013/5/1 9:04
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