春の御嶽山
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 891m
- 下り
- 887m
コースタイム
10:02〜11:41昼食休憩
11:41剣ヶ峰 〜 13:39田ノ原天然公園展望台 〜 13:47田ノ原天然園駐車場
天候 | 晴れのち下山後に曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は広く、脇にトイレも完備されて居ます 国道19号線から田ノ原天然園までは、かなりの距離が有りますので、時間に余裕をもって行ってください。 私の場合軽自動車で、国道から駐車場まで約1時間かかってます。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪が結構な量残っています。 登山道入り口から30分程の間は、夏道がはっきりして居なく、踏み跡を頼りに雪の上を歩く事に成りますが、一番はっきりした踏み跡をたどれば間違いないでしょう。 |
写真
感想
楽しみにしていた御嶽山山行の2日ほど前の夕方
「伝え忘れましたが、当日は午後6時半より理事会も行います。」電話の向こうでそう言ったのは、副理事長でした。
「え〜!!??」って、言葉を失ったのはHandMでした。
HandMは某組織の理事長を務めて居たりするんです。
5月の27日の晩午後8時から、先週開催したイベントの反省会と称した飲み会を行う事は承知していたが、その前に理事会を行うなんて、聞いて無いよ〜<笑
午後6時半の理事会に間に合うためには・・
時間を逆算しながら、「きつい山行になるかな?」って予感がした。
はじき出した出発時間は、自宅出発が午前4時。登山開始時刻が遅くても午前7時半。
午後2時には下山&帰宅開始して、午後5時には帰宅・・会議場まで1時間強かかるから・・
はたして間に合うのか??
山行中にアクシデントでも有れば、絶対にアウト!やな、そうなったらやけくそで、途中で風呂に入ってから帰宅してやる。
開き直りまでをも計画に詰め込み、お風呂セットもしっかり車に積み込んで、ちゃんと出発。
いきなりですが・・登山口です。
「しかし、国道19号から分岐してからが遠かったな」むかしむかし、40年も前に御嶽山登山に連れて来られて以来の道だったので、やたらに遠く感じてしまった。
青空こそ見えないが、雨の降りそうな気配は無い。
数日前の天気予報では、傘のマークが付いていて、山行出来るかどうか気をもんだ。
心配をよそに、標高の高い駐車場からは、下界に雲海までもが見られて、すでに満足気味。
予定していた時間よりすこし早く出発。
登山口に有る大きな鳥居をくぐる時には、雪はそんなに見えなかったが、進むにつれてそれは嵩を増してきて、夏道をふさぐようになってきた。
登山道脇か、樹林帯かは分からないが、背の低い樹木が雪で倒され行く手をふさぐ。
踏み跡を探しながら進むも、時々「あれ?」と道を失う。
とは言え、十数メートル先では、何処を進んでも合流し一緒に成るので、心配した事は無い。
おおむね踏み跡は濃く、ルートは明瞭なのだ。
登山口からいきなり山塊全体が見える、頂上付近が見渡せるというのは、独立峰ならではの景色。
日本百名山にある「伊吹山」に感じが似ている気がした。
山行中に振り向けば、いつでも雄大な中央アルプスの景色が見渡せるのは、登って居ても実に気持ちが良い。
もっとも伊吹山とは、標高で圧倒的に数字が違うが。
ヤマレコの登山レポートを読むと、標準的な登山時間は登りで3時間前後、下りで2時間前後の様だった。
足の遅いHandMと連れの事だから、プラス30分程の余裕を見れば十分かなとも思う。
8時30分頃、下山してくる御老人とすれ違う。
「何時から登り始められたのですか?」と聞いてみたら、「5時半ころ」と言う答えが返ってきた。
すこし時間の勘定が合わない・・早くても9時半にすれ違うなら納得の時間だが。
この長靴を履いた御老人が素晴らしく健脚には見えないが、人は見掛けに寄らないだけなのか?
「仕事が有るから、下りてきた・・」と、聞いても居ないけど、御老人は話始めて、話が進んで行っても、HandMにはさっぱり要領を得なかった。
「気をつけて・・・」と下山する御老人を見送ってしばらく、連れに「あの御老人は何を言って居たの?」って聞いたが、連れにも意味不明だったらしい。
この話は、下山開始時に、意外な展開を見せて、事の次第が明らかに成るんだけど。
9合目と刻まれた石柱が2か所にも有ったのは、すこしモチベーションを下げてくれたが、しっかりと整備された登山道は、歩いていて気持ちよく道迷いの心配もなく、ハイキング気分でも楽勝って、思わせてくれた。
だけど、くれぐれも3千メートル級の山だと言う事は忘れてはいけない。
陽が照って、南南西の微風だからのハイキング気分であって、ひとたび風が強まりガスが出たりすれば、自然は抗いようの無い牙を人間に向けてくる。
しかも、今はまだ5月だ、雪が降って冬山にだっていつでも戻る状態なんだから。
時間がたつにつれ、天気は良くなり、陽が差して暑い。
足元は残雪なので、眩しくて仕方ない。
忘れずにサングラスを持ってきて良かった、そんな自分を褒めてあげたい。<誰も褒めてくれないから。
田ノ原からの登山道は、別名「王滝口登山道」とも言うらしい、本名はどうやら王滝口登山道のほうらしいが、田ノ原天然園の名が知れ渡っているため、田ノ原登山口と言うほうが、世間には分かりやすいようだ。
登山道は一旦「王滝頂上」を迎える。
この一つ目のピークは、南側から登る王滝登山道側からの頂上となり、北側の濁河温泉近くの濁河登山口からは、別の「飛騨頂上」という所が、最初の頂上となる。
どちらの頂上からも、噴火口の有る頂上「剣ヶ峰」を目指す事に成る。
王滝頂上から一旦下って、剣ヶ峰を目指した時、40年前の苦しかった事を思い出してしまった。
「頂上だ〜!」って大喜びしたHandMの前には、ずいぶん遠く剣ヶ峰が見えたんだ。
標高3000メートルって、結構空気が薄く感じて息苦しく、足を出すのがやたらにきつかった記憶だ。
あれから40年たって、54歳になったHandMにはもっときついはずだが、その時と違うのは、「山登りが好き」と言う事だ。
「歩幅を小さく、とにかく小さく、一歩一歩を刻んで進めよ」と、連れに言いながら、実はHandM自身に言い聞かせて、剣ヶ峰を目指す。
どうやらここは八丁だるみという所らしいのは、これを書いているときに知った事では有るけれど。
目測で30分って思った時間は、小さな歩幅のお陰で、息が上がる事無く歩いたおかげで、20分足らずで到着。
連れの愚痴が激しくなると予想していたが、ほぼ無言のまま頂上に到着。
苦しすぎて、声も出なかったわけではない、本当に小さな歩幅のお陰で、息も上がらずに済んだんだった。
独立峯ゆえに、山頂からは文字どうりの360度の景観が楽しめるって言うのは、本当に気持ちが良い。
登頂時にはすこし視界が悪くなって居たとは言え、北に目をやれば乗鞍岳、その向こうに槍穂高の峰々、西には白山。
南側は中央アルプス、南アルプス。すこし右には恵那山。
さすがに富士山までは見えはしなかったが、実に気持ち良い。
剣ヶ峰頂上には大きな社が有り、その左側を通って奥に回り込むと、地獄谷が見える。
今でも水蒸気をあげる噴気孔が有り、1979年に噴火した名残をとどめている。
活火山なんだぞって、主張しているようですごい。
しかしその水蒸気の量は、箱根の大涌谷辺りの方が圧倒的に多い様に思う。
「腹が減った」
HandM恒例の山ご飯の時間だ、今日は「キムチ鍋」にしてみた。
ご飯の炊き方のコツが分かってきた気がするので、きっと今日も上手く炊けるだろう。
いつもご飯の量が多すぎるので、今日は1合1勺程にしてみた。
そんなに?と言うほどの水の量で、バーナーに点火、沸騰したまま吹きこぼれに注意しながら炊き上げる。
画像にも有るように、蟹の穴?のあるふっくらご飯の出来あがり。
お焦げを作ると、コッヘルの掃除が大変なので、焦げる寸前で火を止める、寸止めだ<笑
むらし時間の合間に、キムチ鍋を煮込む。
誤算は、この位食べられるだろうと思った鍋の量が多すぎた事だった。
ほら、食べ過ぎると歩くのが辛いから、何回も食べ過ぎて思い知って居るでしょ<自分
少し離れてお一人でお握りを食べて居た女性に声をかけ・・その時その女性しか居なかったという事だけの話なんだが。
食べきれないキムチ鍋を、おすそ分けと言う随分と聞こえが良い言い訳をして、食べていただいた。
おかげで、コッヘルの中はご飯もキムチ鍋も全部綺麗に無くなった。
お湯を沸かして、ティーバックで日本茶をいれ、その女性も含めて3人で緑茶を飲みながら、話がはずんだ。
昨日準備して居る時にティーバックを掴むと偶然3個が手に有ったんだけど、2人だからって、一個を戻してきた事を悔やむ、あれは何か虫の知らせでも有ったんだろうか?まぁ世の中そんなもんやね。
その女性は仙台にお住まいなのだそうだが、数日前に紀伊半島の「大峰山」を登り、そこから北上しながら百名山の登頂をしているという事だった。
HandMにはいかにも羨ましい話で、付いて行きたいくらいだ。
息子に家業を譲り・・・アカンアカンまた妄想が始まってしまう。
時間をかけて、まるで我が家での、ゆうげの食卓の様なお昼ご飯をたべ終わり、後かたずけを済ませた頃には、すでに1時間半ほどの時間がたって居た。
なにせ今日は、夕刻から会議が有るんだった。
火口の周囲をぐるりと回る「お鉢めぐり」も非常に魅力的で、ぜひあっちの縁まで行ってみたいが、時間が無い。
御嶽教では、死者の魂は「摩利支天山」にもどり、祀られるらしい。
HandMの30年前に無くなった母親の魂もきっと摩利支天山に眠るに違いない。
その母の叔父は、御嶽教の修験者で、40年前の御嶽山山行の時には先達を勤めてくださったという、筋金入りの御嶽教信者だったのだ。
だから、その修験者の言われた、「摩利支天山に祀られた・・・」という言葉を、HandMは信じる事にした。
そこへ行けば、無くなった母親に会えるなんて思えば、ちょっとは気が楽になるというもんだ。
そんな事を言うHandMは、昨年に体を悪くするまで、山登りをしようとも思わなかった不届き者で有るのだが。
その摩利支天山は、お鉢めぐりよりもさらに向こう側で、時間的に無理・・
昼飯に1時間半も掛ける奴の言う言葉とは信じがたいが、無理無理、ぜったい無理。
今年中に、3回は御嶽山に登るぞ!と、意気込んでいるので。
誰がって、HandM自身がである。
お鉢めぐりと摩利支天山詣では次回に送るとして、下山開始。
いくつに成っても、場当たり的な御都合の良いHandMに嫌気がさして居ないでもない今日この頃か?
下山開始後に、一人の登山客と思しき人に出会う。
「頭の禿げたお爺さんを見なかったか?」と問われる。
「頭の禿げたお爺さん?? 午前中・・朝8時半ごろに、作業服風の物を着て、長靴を履いた人なら、すれ違居ましたよ。 作業服は確か・・グレーっぽい色だったような気がするけど。」と答えた。
「カクメイドウ?の雪かきを§¶€☬㍵、仕事が・・」と、言っていた事を伝えると、その人に間違いないようだ。
どうやら覚明堂とは、山頂直下に有る山小屋の事のようで、昨年は閉じて居たが今年は小屋をあけるらしく、そのための除雪をしに登ってきたという事で、HandMのすれ違った御老人は、どうやら覚明堂に辿り着く前に、勝手に黙って下山してしまった模様だ。
下山時にすれ違った人は、仕方なく一人で作業を終えて帰る時に、HandMたちに会ったと言う事に成る。
これですべての話がつながった。
と言うほどの事件でも事故でも無いのであるが、下山して駐車場に戻ると、その御老人はトイレの建物の片隅に座り込んで、仲間が帰って来るのを待って居たから、驚きだ。
そうしなければならない理由が有ったのだろうし、田ノ原の場所を考えれば、歩いて帰る事が出来る所でもないが。
王滝頂上からの南向き斜面には、7合目までは続いて居るんじゃなかろうかと言う雪渓が残っている。
尻スキーをやってやろうじゃないかと、尻スキーの道具を持ってきたHandMは、おもむろにそれをリュックから取り外して、腰をおろす。
スーっと滑る!!
恐ろしい程の勢いで滑る!
まわりから見たら、スピードなんて全然出て居なかっただろうけど、体感スピードの話である・・あくまでも。
慣れて居ないHandMは、完全にビビった・・・もし止まれなかったら、何処まで落ちて行くんだろう。
それに、お尻が冷たすぎるし、ブレーキ代わりに出した手も冷たい。
2つほどの理由が有れば、尻スキーを止めるには充分だから、さっさとリュックにその道具を格納・・コンプレッションベルトを利用して、括りつけてるだけだけど。
アイゼンも持って来ては居るけど、雪は程良く柔らかくて、踵から足をおろすと、ザクザクと雪にささって気持ち良い。
とは言え、その雪にも時々硬い部分が有って、ザクって刺さるはずの踵が、ツル〜って滑って尻もちを付いてしまう。
何回もコケてしまったが、無事に夏道に戻ってこられた。
結局、夏道を歩くのと変わらない時間を掛けてしまった・・今日って会議が有るんじゃなかった?
はい松の脇を抜けて樹林帯まで下ってきたが、あいにく今日はライチョウに遭遇する事は出来なかった。
ザックに付けたクマスズが邪魔をしたのか、良すぎる天気のせいかは分からないが、残念だったな。
ヤマレコには結構な遭遇体験が書いて有ったので、期待は十分以上に持ち合わせて来て居たのだけど。
すこし予定よりも早いコースタイムで下山出来たので、下山路から向かって左手に有る田ノ原展望台に寄ってみる。
木道を進むと、東斜面に広がる大きな谷を見渡せるのが売りの展望台の様だ。
だが、頂上からの絶景を見てしまったHandM達にとっては、「ふ〜ん」という、作った人にはとても失礼な感想しか持てない事と成ってしまった。
車の置いて有る田ノ原の駐車場に戻ると、山頂でお会いした数人の方々が、かたずけをしていらっしゃった。
キムチ鍋をおすそ分けしたあの女性も、もちろんいらっしゃった。
「この下に○○風呂が有るから、一緒に入って居かないか?」と声を掛けられたが、あいにくもうHandMには時間が無い。
「夕方から会議が有るんで、このまま帰ります。」と、聞いた人には訳のわからない理由を伝えて、車を発進。
お風呂セットはちゃんと積んであるのに、もったいないこったね。
あの時間を決めた副理事長を怨んでやる、呪いをかけるには十分すぎる理由が有るじゃないか?どうするHandM<笑
朝来た道を、そのままに家路を急ぐが、時間が時間だけに車が多くてペースが遅い。
国道19号線は、「中山道」と言われるほどの大動脈であるから、大型のトラックも多いのは承知の事だ。
アップダウンが多い山の中の大動脈の事だから、よけいにゆっくりになる。
しかも、この中山道は速度違反取締の多発地帯で有名だ。
時間や曜日は関係ないのって聞きたいほど、取り締まりがおおいので、気を付けないといけない。
なんとか時間に間に合う事が出来た今回の山行。
3千メートル級にしては歩行時間が少ないのが心残りだったが、美味しく炊きあがったご飯と、美味しいキムチ鍋に満足できた。
これを書いている頃に、この東海地方も梅雨入りしてしまったと、ラジオが伝えた。
平年に比べて11日も早い梅雨入りだそうだ。
「え、え〜??来週の・・6月の3日4日と梅雨入り前に、テント担いで常念岳に行こうと思ってたのに、なんで〜??」って、早くも次の山行を案ずるHandMであった。
追伸:
反省会は夜11時ころまで開催され、アルコールは一切飲まなかったHandMだが、さすがに朝3時半起きが堪えて、アクビの連発をしていました。
ハイ・・ハイ・・そこのアナタ・・↓の拍手をドウゾ!!<笑える?
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