奥秩父完全縦走
- GPS
- 132:54
- 距離
- 133km
- 登り
- 9,145m
- 下り
- 10,331m
コースタイム
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:16
- 山行
- 10:37
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 11:50
- 山行
- 9:44
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 11:03
- 山行
- 6:35
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:05
- 山行
- 11:02
- 休憩
- 1:34
- 合計
- 12:36
- 山行
- 13:05
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 15:03
天候 | 2日 晴れのち雪 3日 晴れ 4日 晴れ 5日 晴れのち曇り一時雨 6日 曇りのち晴れ 7日 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
萱ダワ〜1915ピーク、大ダル〜飛龍山:踏み跡ほぼなし 信州峠〜小川山、西御殿岩稜線、竜喰山〜大ダル、長沢山以降の巻かなかったピーク:踏み跡あり それ以外:一般登山道 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
サンダル
ザック
ザックカバー
軽アイゼン
食料
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
ダクトテープ
細引き
ロールペーパー
保険証
携帯
モバイルバッテリー
充電器
時計
タオル
ストック
ポール
テント
シェラフ
携帯トイレ
鈴
熊スプレー
|
---|
感想
4月のうちに仕事を片付けて6日と7日を休み、ゴールデンウィークを9連休にした。今年は奥秩父の積雪が少ないという。この機会にと思い奥秩父完全縦走を計画した。
奥秩父を縦走するルートとして最もメジャーなものは、奥秩父主脈縦走と呼ばれるものだろう。瑞牆山荘から入り、瑞牆山を往復した後、大日岩から主稜線に取り付いて、金峰山から雲取山までの稜線を歩き、石尾根を経て奥多摩駅に下りるルートだ。雲取山から東は奥多摩・奥武蔵と呼ばれることが多く、瑞牆山から西も日本百名山に数えられる山がなく、ルートも不明瞭なので、このコースがメジャーになるのも頷ける。
しかし、瑞牆山荘も奥多摩駅も既に奥秩父の山深くにある。完全縦走と言うならば、地形的に尾根が平野となって終わるところを端としたい。奥秩父というのだから秩父からだとか、地形的に最も長く歩けるので須玉から吉見までだとか、いくつかルートは考えられる。
調べていくと、分水嶺トレイルというものを発見した。年によってルートは異なるが、長いものでは青梅から野辺山まで歩いているようである。しかし、競技ということもあり、完全に分水嶺を歩いている訳ではなく、巻道があるところはそれを使ってしまっている。
今回はこれを元に、できるだけ分水嶺を歩くようにルートを設定した。具体的には、飯盛山から伸びる分水嶺の尾根が八ヶ岳に飲み込まれる野辺山の鉄道最高地点を始点に、分水嶺が多摩川の作る扇状地に消える大塚山公園を終点にした。小川山、西御殿岩〜飛龍山、水松山以降のいくつかのピークは、巻道を通らず分水嶺を歩き通した。これなら、自分の中で自信を持って、奥秩父完全縦走と言える。天気の良い3日4日を高標高な地域に当てられるよう、5月2日に野辺山に向かった。
【一日目】
前述の通り鉄道最高地点から歩き始める。信州峠までは一般登山道。景色が開けると雪化粧した八ヶ岳や金峰山、そこまで伸びる長大な尾根が目に入りうんざりする。信州峠からは笹薮の中のシカ道をGPSを確認しながら進む。15時前に萱ダワに着いた。
この先はテントを張れなさそうだと分かっていたのでここにテントを張った。明日大弛小屋まで行きたいと思い、電話をしてテン場を押さえた。程なくして雪が降り始め、夕方には1cm程度の積雪となった。大ザックでの雪薮の不安と氷点下で溶けない雪に、身も心も寒い夜を過ごした。
【二日目】
念の為日の出前から行動開始。萱ダワから1915mピークまでが一番難しかった。ルートを間違えると通行不能レベルのシャクナゲやコメツガの激破に襲われたり、倒木を匍匐前進でくぐったり、大岩を巻きすぎて登り返しに苦労したりと大変な目にあった。1915ピーク以降は踏み跡が分かるようになり、道は快適になるが、防水の甘い靴が中まで濡れ、そちらはかなり不快だ。標高2300mくらいで凍結箇所が現れ、アイゼンを履いた。小川山山頂直下まで踏み跡は続いていたが、10mくらいの薮が回避できず、短いことは分かっていたので無理矢理通過した。
小川山からは凍ってはいるものの、一般の登山道になる。大日岩からは一気に人が増えた。雪のない箇所も多く、軽アイゼンだと歩きづらい。森林限界を超えると景色は良くなるが、風も出てくる。10mを超える風邪の中、何とか金峰を超え、大弛小屋に駆け込んだ。遅かったため、テントの下が半分凍っているサイトしか空いておらず、また凍えながら眠る羽目になった。
【三日目】
昨日足が濡れてふやけたまま歩き続けたためか、かなりひどい靴擦れが出来ていた。とりあえず、テーピングテープでこれ以降擦れないようにして歩き始める。
今回の縦走の最高峰北奥千丈岳を踏む。標高を下げると雪は消え、奥秩父らしい苔むした森になる。甲武信ヶ岳付近になるとまた凍結箇所が出てくるが、気温が上がってきており、アイゼンを履かずともなんとか歩けた。雁坂峠が近づいてくると、開けた笹原が出てきて、標高が下がってきたのを感じる。雁坂小屋で泊。やや標高が下がったこともあり、前日までとは打って変わって暖かく眠れた。
【四日目】
朝歩き始めると、右足の筋が痛む。慣れない軽アイゼンで歩きすぎたために、痛めてしまったようだ。幸か不幸か、将監小屋から雲取小屋までは稜線上に正式なテン場がなく、雲取小屋は遠すぎるので、今日は確実に将監小屋泊まりとなる。今日は無理せずゆっくり歩くこととする。
時折20m近い風が吹く中を快調に歩く。名のあるピークは少ないが、意外とアップダウンがある。唐松尾山から少し進むと、西御殿岩への尾根伝いの道が分岐する。分岐にはテープもあり、踏み跡もしっかりしているため迷うことはない。西御殿岩から東は踏み跡が薄くなるが、2035mくらいの岩峰を巻いた後、下りる尾根だけ間違わないようにすれば良い。途中から笹薮が出てくるが、シカ道を辿れば難なく山ノ神土に出る。小雨のぱらつく中を将監小屋まであと少し歩いてそこで泊。
小屋は管理人不在で、宿泊カードと料金を箱に入れる仕組みだった。小屋には武甲山から入り、瑞牆か野辺山に抜けようという人がいた。似たような山行をしている人がいて嬉しい。歩行に支障が出てきたので、靴擦れの水脹れをいくつか潰した。青梅までどうにか持ってほしい。
【五日目】
夜には本降りとなっていた雨は止み、霧が出ていた。竜喰山、大常木山には踏み跡がある。大常木山山頂付近には複数の岩峰があり、山名標は西から3つ目のものに着いている。このあたりは岩峰を含め基本的に尾根を通すが、山梨側に巻道があるものもある。飛龍山への上りは踏み跡がなく、尾根を離れすぎないようにして適当に登りやすいところを登る。山梨側の方がシャクナゲの薮が薄いので、行き詰まったらそちらを見下ろすと歩けそうな道が見つかることが多い。難易度は小川山西尾根の萱ダワ〜1915ピークと同じくらいだ。斜度が緩くなると間もなく飛龍山山頂に着く。
それから先は大したピークではないので巻道を利用させてもらう。計画では雲取山荘で泊まる予定だったが、調子が良いので次の避難小屋まで行くこととする。大きな芋ノ木ドッケのピークを超えて、水松山、滝谷の峰は巻道ではなくピークを踏んだ。酉谷山避難小屋で泊。心配していた水場も問題なく水を採れた。マットと毛布で快適に寝られた。
【六日目】
テント撤収の必要がなかったので綺麗にパッキングができた。ここまで来ると今日中に下りることになるが、コースタイムは15時間近くにもなる。朝2時に起き、3時半に歩き始める。
霧と暗闇の中、巻道を歩かずに山頂を踏んでいく。日向沢ノ峰からは一気に標高を下げ、1000mを切る。大きなピークはないが、細かなアップダウンがここまで酷使してきた体に追い打ちをかける。15時頃からは雨も降り出した。分水嶺は青梅市街地のすぐ北を掠め、山を切り開いた住宅地に入る。最後のピーク大塚山公園に登って尾根を辿り、完全縦走達成とした。
ここから分水嶺は多摩川が作る扇状地上に走る。扇状地の北側に降った雨は霞川は入間川から荒川に流れ、扇状地の中央から南側は多摩川に注ぐ。
トイレで着替えさせてもらい、東青梅駅から帰路に着いた。乗り換えの階段の細かなアップダウンが辛かったことは言うまでもない。
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