谷川岳2&3日目・馬蹄形縦走(反時計回り)
- GPS
- 18:46
- 距離
- 23.3km
- 登り
- 2,601m
- 下り
- 1,963m
コースタイム
- 山行
- 14:26
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 16:05
- 山行
- 3:31
- 休憩
- 0:18
- 合計
- 3:49
天候 | 曇のち雨、曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
(半時計向きに)一ノ倉岳前、肩の小屋過ぎに雪あり。 一ノ倉岳過ぎに崩落箇所あり。 |
写真
装備
個人装備 |
帽子
レインウェア
Tシャツ
ショートパンツ
コンプレッションレギンス
膝サポーター
シューズ
アイゼン
靴下
トレッキングポール
ヘッドライト
セフライト
リュック
リュックカバー
行動食
ドリンク→2l+500×1)
タオル
充電器(ゴープロ用とサブ)
iPhone
gopro
ファーストエイド
エマージェンシーシート
ピルケース(ビール酵母
HMB
野菜
ロキソニン)
塗り薬
|
---|---|
備考 | 塗り薬は宿じゃないと塗れない。 |
感想
谷川岳2日目。
今回、登竜門的縦走"谷川岳馬蹄形縦走"に挑戦!
これをするために今まで縦走してきたんですよね…昨夜は気合い入り過ぎてあまり寝れなかったです。
夜中12時起床、緊張感に包まれながら装備を整えます、絶対失敗出来ねー。
1時になり宿を出発。
先日参考になった「夜間ヘッドライト+ライト歩行」を実行、自分はポール操作も考慮してリュックベルトに付けるセフライトを採用。
装備しているヘッドライトより3倍くらい明るい上に安定感もあるので、むしろこれだけでも良かったのかもと思えるくらい。
道中の光の無さは潔いくらいです、標識の反射材が自分で光ってるのかってくらい反射してくれるので、道迷いもなく40分くらい歩いて"土合駅"到着。
ちゃんとしたスタートということで駅舎まで進みます。
夜の中、特徴的な三角フォルムが宇宙船のイリグチノヨウダ、ヨーダ。
さて、気合いを入れ直して…始まりですね、これからがホントのスタートです!
ナビを参考、少し歩いた先に分かれ道、左方向は昨日の"土合砂防堰堤"のある橋、今回は右方向の"白毛門駐車場"へ登っていきます。
駐車場はあっても登山口が見当たらず、暗過ぎて先が全く見えない…。
車が数台止まってましたが、前乗りで寝てるところにライト当てても悪いので色々探し辛いです…下見しておけば良かった。
取り敢えず奥に奥に進むと字は読めないけどそれっぽい看板が見えてきました。
近付いていくと石板と道標が、よしよしここからっぽいですね。
進んでいくと登山カード入れや新しい案内板、そしてあの有名な"馬蹄形概念図"が見えてきました!
"馬蹄形概念図"、ついに自分の手でパチリ出来る日が来ました…テンションだだ上がりです、まだ登ってないのに!
その先は川のせせらぎ…そうです、あの有名な橋がお待ちかねです♪
(多分)雪の重みで手すりが潰れてしまった独特のフォルム…夜中故に日中映像や写真でよく見ていた姿よりもだいぶホラー感がありました。
ここを渡ると…ついに"馬蹄形"が始まるんですよね、チョードキドキしてきた♡
橋を渡り、おぉー、慎重に明かりの調整しながら登っていきます…たまらないですね、最近、こんなにも興奮したことあったかなぁと。
それにしてもホント真っ暗なので、目の前の登りしか見えません、後ろ振り返っても高度差が分からない…怖くもないし、どこまで進んだのかも分からないみたいな。
実は光の先は何もなくて、大きなランニングマシーンの中を一人進んでいるかのような、思考的にもハムスターのような無心さで登らされております。
上下を見渡しても同じような光を放つ存在が居ない、我ただ一人…何ともワクワクします、夜中、山の中で一人、なんてシチュエーションなんだろ、孤独過ぎて面白いです、こんなに孤独になれることってなかなか無いです。
途中幾つも出てくる急な岩場も緊張感あるのか、はたまた無いのか、確かに高度差はあるんですけど実感がないです。
ただとても実感させられることは酷く息切れするほど登っているんだなぁということです、順応するまでしばらくかかりそう。
ふと木の幹に「白毛門登山口→白毛門ブロック"A-6"」のサインが結び付けられてました。
遭難用サインなのでしょうが、何となく6合目位なのかな?と。
あー、あれあれ?、昨日の膝の違和感が早くも形になってきました…そんなまだまだ一座も登っていない段階なのに…。
計算では"清水峠"あたりで痛くなると思っていたのに、よくないです、ヤバイです、先が心配です。
日が少し出てきました、少し安心、今更ながら高度感からプチビビり入ります。
季節柄なのか虫も増えてきました、これがなかなか、めんどくさいです。
黙々と登ってますが、何回かに一回、酷く右膝裏が痛みます、少し左膝側面も痛み出してきました。
何とか"A-7"通過、痛いっす、なんだろう、どした?、貧弱過ぎ。
不甲斐なさに頭来ます、まだ最初の最初だろうが、ドアホ!、と。
日が高くなるにつれて虫も勢い増して顔中におねだり開始です、こいつらホントマジウザいんですけど。
しかも蜘蛛の巣が目線にわざわざ張ってあるっていう嫌がらせ、蜘蛛にとってはこっちの方が嫌がらせしてるんでしょうけど…なにせ心にヨユーがありません。
まだまだ岩登り続きます、息が整わないっす、す、"松ノ木沢の頭"ってどこなのよー。
もうライト要らないくらい明けてきました、"A-8"通過。
ここら辺りで視野が開け、あの"ジジ岩"&"ババ岩"がドーン!、と視界に現れました。
何か、巨大生物が門番的に構えているような威圧感を感じます、ファンタジー、中々な見ものです。
ここから先もまだまだ登りますが、早くも限界、両膝が痛過ぎ、ちょっとした踊り場に強制着座させられました。
アブ、ハエ、カなどなど、虫が否応なく顔から首辺りに飛び付いてきますが、膝が痛くて相手出来ないです、もう、されるがまま。
情けないけど、もう下山しましょ…って、急登過ぎて下りる方が危険じゃなかろうか?
"白毛門"を過ぎればその先は高度的に厳しくないと思われるし、プライド的にもも少し進みたいです…これは困ったもんだ。
少し休んでも激痛が走るので…奥の手、使います、踏破が目的、後は踏破して考えましょう。
身体に合うか初めて試すロキソニンを服用、効いてくれるのを願いつつ騙し騙し登ります、イテテ。
…しばらくして薬が効いてきました、ホントラッキー…安堵ってこの事ですよね、これなら薬が切れるまでに"朝日岳"越えられるかも、身体には申し訳ないけど先進ませていただきます。
なんとか"白毛門"登頂成功、多少ガスってますが清々しいです、まずは一座一息。
標識と共に自撮りしてみたら額の何箇所かから流血、先ほどの虫集り放題でやられたっぽいです、しかし腫れも痒みもないのは何故?
身体が冷えそうだったので程々に休んで出発。
標識には「笠ヶ岳55分」、「朝日岳130分」とのこと、なかなかありますなや。
出発して目の前の視界に下るべき&登るべき道が先の方まで提示されております、そっかそっか、見た目はとても絵になります、が、しっかり目の毒ですわね。
薬が効いてるので通常の速度で歩が進みます、横を見たら残雪が横たわってます、ガスも少しかかってて、なんか現世じゃないような感覚です。
大体時間通りに"笠ヶ岳"登頂。
またガスってますね、一息付いてたら健脚のメガネイケメンがサッサと登ってこられました。
彼は軽く挨拶した後に標識撮ってすぐ通過されていきました、若いって素晴らしいです。
また身体が冷えてきたので出発、ゴープロも順調に撮れている模様。
ここからは標識より「朝日岳75分」とのこと。
出発してすぐに"笠ヶ岳避難小屋"に到着、外観と小屋内をパチリ、こういった小屋が多くの登山家達を助けているんですよね、ありがたやです、心強いです。
先程より道が荒々しくなってます、薬が効いていても所々痛いです、痛みの天井は低いですが。
ガスが少し引き、尾根周りの残雪の斜面を眺め、ニセピークに騙されながら、くそっ、登りました。
手前に大岩があるピークが見えてきました、恐らくあれが"朝日岳"頂上でしょう、あそこまで登らなきゃ…。
小休憩入れながら息整えて登ります、大岩を巻いて登り、ついに"朝日岳"山頂へ。
ここもガスってますね、パノラマが見られない…の割にジャンクションピーク方面は何故かクリアです、意外。
またここで小休憩、少しだけスマホとアップルウォッチを充電、さて進みましょうかって時に新たな健脚2人組が登って来られました。
半袖半レギンス、緑と黒の二人組。
一見して上級者の方々です、挨拶を交わして先に出ます。
熊笹の間に木を敷き詰めて作られた桟橋のような道を歩きます。
快晴ならとても綺麗な景色なんでしょうけど、こればかりは仕方がない、残念なり。
先程の2人が追いついてこられたので、道を譲ります、それにしても速い2人です。
宝川温泉に抜ける交差点標識をパチリ、「清水峠まで125分」だそうな。
道沿いに歩き、間もなく"ジャンクションピーク"に到着。
ジャンクションというだけあって"大烏帽子山"、"檜倉山"方面へ抜ける道との合流点になります。
標識が表札のように小さくってあれれ?って感じでした、ここは休まず通過します。
標識は「清水峠まで90分」の表記…あれ、35分も歩いたっけ?
ここから先を見ると"清水峠の送電線監視小屋"が奥の方に小さく見えます、あそこまで行くのかー。
先ほどの2人はすでに一山分ぐらい先の尾根を歩いているのも視野に入りました、マジ速いんですけどっ!
地図で見ると"清水峠"まで下りが続きます、膝に注意してかないと。
下りも尾根を蛇行するような感じで、岩は勿論、片側が砂地で下まで滑り落ちるようなところもあったり。
それ以外は草木が鬱蒼としているのでとにかく虫が多い。
"白毛門"の時よりチームワークというか、虫の集合体がワラワラムワッと絡んできて(タチの悪いヤンキーかポン引きみたい)、次の集合体にバトンタッチして新しい集合体がまたついてくる「リレー」みたいな感じというか…テリトリーがあるのか、とにかくコンスタントに濃度が高くて、ウザい。
高度高いとガスって寒いし、低いとこんなふうに虫がこんにちはなので参ったもんです、醍醐味といえば醍醐味なのかも知れないですけど。
尾根を挟んで視野から消えてはまた戻るを繰り返しながら"送電線監視小屋"も大きくなってきました、手前にどデカい鉄塔も見えてきました。
普段フェンスがあったりとなかなか近くで見上げられないサイズのものだったのでなかなか面白かったです、勿論パチリ。
"送電線監視小屋"の奥に控えて見えている"七ツ小屋山"って、遠くから見たイメージでは冬スキー場で、今は青々と芝が茂っているように見えてたのに、近付いて見てみると"芝"じゃなく全て"笹"だったんですね。
なんてこったい、ざわわってるじゃん、心の手触りが変わりまくりです。
頂上に続く道を先程の2人とは違う色の2人が登っているのが見えます(先ほどの2人はもう越えたってことなの!?)、写真撮りながらのんびり登ってる感じなのでいつか追いつけるかも…。
そんな遠くを観察しながら"清水峠"到着、やっと半分です、長かったー!
まず"送電線監視小屋"の手前の"清水峠白崩避難小屋"を覗いてみます、パチリ、中は意外に広く、詰めて7〜8人泊まれそうです。
近くの祠もパチリ、ブラブラしながら"送電線監視小屋"へGo。
なにかのアニメに出てきそうないい感じのフォルムなのです。
側の避雷針やタフそうな風力計(風力発電?)が普段は過酷な自然環境なんだぞと無言で語っておられます。
ここで休憩タイム。
軽くあられやカロリーメイトなど食べ、ロキソニン再投入、靴も左母指球のマメや右外脛骨の靴擦れなどの処置が出来て一安心。
しっかり仕切り直して再出発、"七ツ小屋山"の直登路が目に痛いです、足元だけ見て登ろう…。
坂とはいえ悪路ではないので意外にもサクサク登れます、ちらっと見上げる頃にはあと少し…って、おいおいニセピークかよー。
山頂はまだまだ先ですなー、そーですなー、見晴らしは良くなってます、先の2人も確認、あのピーク(恐らくホンモノ)を登らなきゃーですなー。
コツコツ進むもピーク手前はなかなか急でした、マジえれー、デラエレー。
なんとか登ったぞー、"七ツ小屋山"ピーク頂きます、先の2人は標識横ですっかり休憩されてました。
標識をパチリ、お二人としばし会話。
今日は"笠ヶ岳避難小屋"泊からのスタートで、この先の"蓬ヒュッテ"に泊まられるそうです、3日間コースですね♪
自分も無理せず屋根の下で泊まりながらゆったり登山することも考えないと…今度はそうしてみたいです。
挨拶して別れ、時間的にロープウェイには乗れなさそうだなぁと、"西黒尾根"はアブナイので"田尻尾根"からライト付けて下山かなぁ、など考えながら"蓬峠"を目指します。
恐らくあれは"一ノ倉岳"でしょ?、ってくらいまで見える視界深度なので、そこまで続く尾根がとても綺麗…なんですが、そこまでが長いんだぞと、さすが馬蹄形。
距離があるとはいえ、それほど激しめな道ではないので順調に進みます。
なんで下りては登るんだよう、登るならわざわざ下りなきゃ良いのに…独り言です。
景色がホント綺麗…ジャブジャブ浴びるように景色、浴びてます。
幸せもここまで来ると日常です、すみません、ありがとうございます。
それにしても"蓬ヒュッテ"が見えません、あれ、おかしいなぁー、"清水峠"並みに見えても良いと思うんですけどー。
コツコツとしばらく歩いてたらいきなり尾根の影(?)から現れました、その位置にあるのか、するすると下り、"蓬ヒュッテ"に到着。
近くのベンチを拝借、先の2人に「近くに水場があるよ」とお聞きしていたのですが、パッと見て分からなかったので、最後の2Lペットの残りから600mlペットにフル継ぎ足ししました。
これが最後の飲み物です、ゴールまでいけるとは思う、思うことにしましょう。
足をマッサージしてストレッチ、さて出発、鐘を少しだけ鳴らさせて頂きました。
それに気を取られてそのまま進んでしまって、最後の飲み物を忘れて30mほど引き返す羽目になりました、八兵衛、うっかりです。
次は"武能岳"目指します、ここは登りです、がんばります。
"七ツ小屋山"と同じ笹の中、黙々と安定したペースで登れたので予定タイム通り山頂に到着、取り立ててこれといった出来事がなかったかと思われます。
ここで小休憩、ここから頂きが覆われている"谷川岳"が見えます、あそこの天気良くなさそー、ヤバそー。
手前には下りがあり、越えるべき尾根?、小山?が3つほど見えます(笹平?)、手を替え品を替え楽しませてくれますよ、ホントにもう。
出発の際にここでもうっかり、元来た道を逆走…あれ?、おかしくね?、地図見て気付きました、薬が効いてるのか何やってるんだか・汗
何気に下りもキツく、尾根のウネウネもアブナイ箇所が何箇所かあって油断できねーって感じ。
3つめの小山を過ぎて少し降りたところで右膝に激痛、1日2回の服用と書いてありましたが、鎮痛の反動の痛みが酷く、仕方なく服用…あとは下山してから考えましょう。
そこから少し登って後ろを振り返ると、先程の苦痛で座り込んでいたところに黒い影が。
近視でも浮いて見える黒い影…忘れ物?、いやいやあんな大きそーなものはおそらく身につけてます。
熊?、動かないので生き物でもなさそー。
まっくろくろすけ?、カオナシ?…と色々想像するも分からずで、装備してきたもので忘れたものがない(と思う)ので先に進むことに、何だったんだろう、あれは…不思議なこともあるもんですね。
そこからの直登にも痺れながら足元だけ見て登ります…無心で、余計なこと考えず、ワタシハキカイデス。
それが功を成したか想像以上に登れます、良い感じです。
気分は上向きですが天気は下降気味、かなりガスってきました。
騙し騙し繋いで来たアップルウォッチもついに電池切れ、ガスの中に紛れるように"茂倉岳"登頂。
もう景観もへったくれもガスの中にって感じです。
ここで雨も混じってきたので、このまま進むのも危ないなぁとのことで…宿に電話。
「すみません、連泊予定していたものなんですけど、まだ山の上で下りられそうにないので避難小屋に泊まって早朝に帰ります。」
「あっ、そうですか、それは残念ですねー、ここは中央コールセンターなので"谷川岳"のホテルに伝えておきますねー。」と、慣れたもんです、緊張感なし。
楽しみにしていた夕食ビュッフェがとんだ…けれど、避難小屋に泊まるのも過酷で楽しそうという天秤脳だったので、それはそれ、さっさと避難小屋探ししましょうー♪
理想は"一ノ倉岳避難所"なのですが、人がいたら難しそうです、とにかく現地へ急ぎます。
おぉ、ここで待ってましたの雪渓じゃあありませんか!
事前に二箇所ほど"残雪踏み踏みポイント"があると聞いていたので、残っていて嬉しい、けどアイゼン着けてないので不安。
端を軽くカカト落とし、この感じなら行けそう、なるべく滑っても大地に転がれるよう下ります、オモロイオモロイ。
サクッと終わってしまってなんとも物足りない、すぐに目的地の"一ノ倉岳"到着。
標識すぐのところにお目当ての避難所がありました。
さてさて中を見てみましょう、誰かいるかなー?
幸い誰も居なかったので、お邪魔します♪
この時間じゃ位置的にももう誰も来ないかも。
しかしなんていうか簡素過ぎて不安、ざっくり言うと"大きなドラム缶を縦に半分に切ったような屋根に地面から少し浮かせたベニヤの床"という感じです。
中には前に泊まられた方が使った"破れて捨てられたエマージェンシーシート"と"干されてそのまま残されたタオル"、"床に忘れられた小さなタオル"、部屋の隅に"チリトリと箒"があるのみでした。
しばらくドアを開けて空気の入れ替え、部屋の中央辺りに座って荷物を降ろします。
突き当たりにふっと背を任せて、暗い部屋からドアの形に切り取られた外の景色を眺めていると、その光景が何とも「これからキミを孤立させまっせ」の最後の心残りを映し出してるかのようです。
誰も覗き込むこともなかったのでそろそろ寝る準備しましょうと、ドアをバタン。
ライトは強いの2つで照らしてるので間接照明的に良い感じ、ただ少々雨漏りが…。
曲げたトタンをボルトで止めてるだけの仕様なので、老朽化からかそのボルトから所々水が漏って床を鳴らします。
だんだんと寒くなってきたのでエマージェンシーシートで身体を挟んでみます。
あぐらをかいて下に敷くも、底冷えが酷い…これって、眠れるんですか?
ちょい焦る、低体温症にならないようにあられとチョコを食べます。
基本姿勢も身体のコア部を冷やさないようにうずくまります、胎児のポーズ。
先程よりも雨が強くなってきました。
横殴りな感じの屋根鳴らし感、それに合わせてポタポタボルトの数も増えていきます、そんな奮発しなさんなって。
壁にもたれてもトタンです、体温持ってかれます、床も徐々に濡れてきます。
捨てられたタオルをピチャピチャ跳ねるポイントに敷いてみます。
身体は自然と隅っこに、シートが防水なので上手いこと床の水が入ってこないように端をクルクル巻いて足で押さえます。
意外と保温出来てきたので少しだけ寝てみます、30分ほど寝たら足元のシートが解け内気なのに外気の寒い隙間風に起こされます。
で、またクルクル巻いて寝返りするも背中側がパッカンと開いてしまい寒くて少ししか眠れない。
最悪寝ずに帰ってもいいやと思ってるからかそれほど怖くはないのですが、体温と天気だけが心配。
それにしてもザリザリとよく鳴るシートです、ザリザリ。
そんなタイミングのなか、悪天候にもかかわらず外で足音が。
ドアを開けるかと思ったら開けず、隣でテントを組み立ててるっぽい…確かに狭い中でご一緒は嫌でしょう…少し寝ます。
また寒くて起きます、時間経たないなぁ、雨音がひどい、雨漏りもまた、酷い。
お隣さんも起きてらっしゃるのか、こっちのザリザリに反応して音が聞こえます、耳障りだったらすみません。
丑三つ時ですか、スマホの電波は入ったり入らなかったり…今日の天気は1時間ごとにどうかな?、サイトを変えて天気はどうかな?、寒いからUSBのバッテリー兼カイロみたいなの欲しいかも、Amazon見てみる、チョコをパリパリ、バッテリー余分に持ってきてて良かった…指先がとても冷えます。
さすがに寒いです、息も白い、2000m足らずの6月の山でも生意気に寒いじゃあないか、もう眠気より寒気、足元が濡れてますます寒い、寒いさむいサムイ…いい避難感です、求めてたものです。
天気もなんだか注意報出てるし、朝方曇るようならここで一気に下山しないとまた一日この小屋に籠らなきゃなので、それは体力的にも食料的にもキツい。
ここから"ロープウェイ駅"まで3時間半、ロープウェイの開業が8時、下山後のバスが9時、ロープウェイの乗車時間が15分くらい…逆算して最低でも5時には出発せねば。
4時ごろ外の音が収まったので…ここで勝負かけます。
荷物をまとめ、アイゼンも装着、レインウェアも深めに被ってライトも装着、ゴープロもオッケー、ロキソニンドーピングも完璧、いざ外へ…。
お隣さんの様子をと、隣を見ると居るはずのテントが、無い。
一足先に出発されたのか、それともいわゆる心霊さんだったのか…"一ノ倉沢"の上なのでどちらもありえます。
どちらにせよ、心強い夜になったので感謝してます、やっぱ山の人達は良い人ばかりですな。
急いで"天神平"を目指します。
もー、先が見えないガスガスガス、でもGPSがあるので方向は大丈夫。
危険な底抜け崩落箇所があってなかなかスパイシーな場面もありましたが、無事通過、すぐに明るくなったのであまりライト要らなかったです。
"ノゾキ"に到着、覗くも何もガスが凄いんじゃ!、何も見えんのです。
さっさと行きましょ、岩が湿ってて集中力が増します、ニセピークがなんとかの次元じゃないくらい道は見えどもピークは見えず、"オキの耳"はまだかー!
あれ?、鳥居に到着、なんだろうって思ったら左側に"富士浅間神社奥の院"が。
位置確認でスマホを見たら、やべっ、歩行記録スタートするの忘れてた、これはショック…。
そこからすぐに"谷川岳頂上、オキの耳"に到着。
標識をパチリしてたら横からいきなり「こんにちは!」ってば、こんな天気と時刻に人に会うとは思わなかったのでビックリした、こんにちはってー。
パノラマってなんですか、何も見えません…景色より下山の方が今は価値があるのです、夢中で霧中急ぎます。
近い割にアップダウンが堪えます、まだかまだかと上下して"トマの耳"に到着。
流れるように「標識」、快晴なら大活躍であろう「円盤」、「三角点」を連続パチリ。
あれ、どこ行けば良いの?って感じのガス感に思わず逆走、しまった、無駄な体力消費なり。
ここから地図は急降下始めるシグナルです、おほ、エグいー!
すぐに"肩ノ小屋"に到着、ここの鐘は鳴らすの止めました、中に人がいたら迷惑ですもんね。
外に提示されている"ぐんま県境稜線トレイル"の見取り図がイカれてました、馬蹄形含めて距離100kmってなんですの、いつかやってみたいですよねー!!
こんなオーバーサイズな世界があるのに自分ときたら小さな事でぴーぴーと、かなぴー…お前はこんなサイズの男じゃないだろ?、オスオス!…逆に元気出てきました・笑
小屋を後に下り出すとすぐに雪渓の中へ、これはシビれる、アイゼンサイコー!
グリグリゾリゾリ下ります、これがしたかったのです、サンキューサンキュー!
難もなくじっくりとスノーステージクリア、まだまだ下りますよー、岩場でも泥場でもアイゼンが大活躍、よっ、さすがですっ!
下りの急下降ストレートをじーっくりと見せられるポイントがあり、正直萎えポイントだったんですけど、先程の100kmトレイル図を見てから精神的にかなり楽になりました、こんな程度屁にしなきゃあかんぜよ。
途中、"天狗の留まり場"も通過、ここも普段は見晴らしが良いんでしょうね、ドンマイドンマイ。
鎖場もあり、掴んで下りながら、ひっくり返ったり、ずり落ちたりしながらもグイグイ進みます、場合によってはそっちの方が楽だったりもします。
ナビが時刻と高度を話す度に100mぐらい下がってて、良いペースで下ってます。
素直な下りは膝を曲げないよう「立ちコザックダンス」みたいにサッサカ足を投げ出していくと痛くないことをラーニング。
"白毛門"よりこっちルートから登る方が楽って言われてますが、下ってる感覚では登るのも結構大変そうです、単に"谷川岳"に登頂するだけでもそれなりにキツそうです。
そんなこんなで"熊穴沢避難小屋"に到着。
ドアが開きっぱ、すでに人は居ませんでした、パチリも終了、周りをグルッと見てすぐ出発。
あと1時間で"天神平駅"に着かなければ…道も落ち着きつつあるので良い感じの手応え足応えです。
ひたすら休まず歩きます…ですが、予定のペースよりやや遅いかなぁ、悔しいなぁー。
なんとか"田尻尾根分岐点"に到着、もうゴールしたも同然ですっ、よし上がるっ!
"田尻尾根"を下れなかったのは残念でしたが、"天神平"までの道が歩きやすく、かなり気が楽になりました。
歩いてるとすぐに建物が見えてきました、やった、ロープウェイだ、やった!
早く早く!、焦るとなかなか着かないものですね、今から登山する方と交差&ご挨拶、思いっきり楽しんできてねー!
密かに"天神山"も狙ってたんですが、もう時間がない、ここまで目標達成出来たんだし、満足しましょう!
ロープウェイ乗り場の前に着いて深呼吸…無事ゴール出来ました、ありがとう、ありがとうーっ!!
土を落としてロープウェイ乗車、ポールを拭いてリュックに収納、パンツやリュックに付いた泥も拭き取って、1人しかいないゴンドラ内でベンチを浅くダラっと座ります…。
おわったー…実感湧かないけど、笑えてきます。
ボーッとするも鉄塔のローラーでゴンドラをグイッと持ち上げられる度に緊張させられます、この緊張感慣れないなぁ。
15分ほどで"土合口駅"到着、ゴンドラから下り、しっかりした床を踏みしめます、あー、コンクリって硬いね、安心するー。
まだバスの出発まで時間があったので昨日のベンチでしばし休憩。
ゴープロなど取り外してリュックに収納…長い戦がついに終わりました。
祭りの後の寂しさみたいなものが背中にうっすらと張り付いてきます…成し遂げた達成感より終わってしまった喪失感の方が大きいとは意外でした。
ここまで意識の底を上げ続けてきたイベントが終わってしまうと、次に何が登山のモチベーションになるのかなぁと…それは帰ってからゆっくり考えましょう、そうしましょう。
とりあえず今度から下山したらコーラ飲もう、とにかくスッキリしたいのです、決定。
乗客が自分だけの始発貸し切りバスに乗り…宿に到着。
朝食は間に合わずでしたが、温泉には滑り込めました。
汚れを落とし、生気を充填出来ただけでもラッキーでした、朝風呂は汗が残らないよう微温めなんですね、優しい配慮です。
そんなわけで今回も色々と勉強になりました、「山はナメたらあかん!」…決してナメてはないのですが、不測の事態に対する考えが及ばずでした。
これを教訓に、日帰りのつもりでも小さめでも良いから寝袋か寝袋型のエマージェンシーシートを持ち歩こう、あと体力余っててもなるべく早くにテントか山小屋に泊まろうと思います。
今回の消費カロリー&歩数、距離はアップルウォッチの電池切れまで+翌日再開分だけでも5000kcalオーバー、60000歩、約30km(歩き始めの宿からの計測と上下動の距離含む)をカウント、薬漬けだったとはいえ想像以上に良く動けたと思います、そりゃ足もおかしくなりますってば。
さてさて来月は先月から宿予約していた"日本一高い山"に登ってきます、誕生日にご来光です、頼む、晴れてくれー!
〜〜〜
帰宅してゴープロ映像を確認。
武能岳前のドーピング休憩(あの黒い影がいたところ)でゴープロのケーブルを破損してしまったらしく、一ノ倉岳避難所までの80分間が撮影されてませんでした、ショック!
…ではありましたが、防水処置もままならない中でそれ以外の場所では無事撮影出来ていたことに感謝です☆
そんな断片的映像と自分好みの曲をシチュエーション関係なく詰め込んで、ザーッとまとめて映像作ってみました♪
馬蹄形される方の参考になれば良いのですが…でなくとも作業用BGMにもなりそうなので、時間がある時にでもダラダラ流し見してやってくださいませませ♪
コメント
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逆ルートでの挑戦でしたが初めてテン泊装備で重くて重くて蓬ヒュッテで決意して土樽駅へ下山しました。
ひょっとしてあなたはアスリートレベルなのでは?
コメントありがとうございます!
おぉ、so-nan-syaさんも挑戦されていたのですね!
馬蹄形、縦走者の憧れですよね✨
蓬ヒュッテからの勇断…山はいつまでも待っていてくれますから再度リベンジ報告お待ちしております💪
アスリートだなんてとんでもないです、僕もロキソニンがなければ最初の白毛門でリタイアでした・涙
今思い出しても学ぶことが多く、山の厳しさを知れた縦走でした…今度は西黒尾根からの主脈縦走したいですね☺️
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