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Yamareco

記録ID: 331657
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

本谷山−丹後山

2013年08月09日(金) ~ 2013年08月11日(日)
 - 拍手
体力度
6
1~2泊以上が適当
GPS
51:28
距離
23.9km
登り
2,001m
下り
2,010m
歩くペース
ゆっくり
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
5:05 駐車場−6:33 内膳落合登山口−8:55 三十倉−11:13 小穂口ノ頭−11:40 水場の池−12:10 本谷山−13:04 鞍部1750M−15:05 越後沢山−16:33 越後沢山の下り斜面1720M付近(ビバーク)
2日目
5:35 斜面1720M−8:40 ピーク1710Mの手前1700M付近(ワンゲル部と遭遇)−9:03 ピーク1710M−14:05 ピーク1792Mの西側1780M付近−14:58 丹後山九合目分岐標識−15:04 丹後山−15:06 丹後山避難小屋(宿泊)
3日目
6:03 丹後山避難小屋−6:40 五合目−7:15 三合目−8:02 栃ノ木橋登山口−8:30 駐車場
天候 1日目 曇り
2日目 ガス
3日目 ガス
過去天気図(気象庁) 2013年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
十字峡ゲート前駐車場
三国川ダム左岸の新潟県道233号落合六日町線を上り、十字峡トンネルを出たところ。
7台ほど駐車可。
コース状況/
危険箇所等
〈登山ポスト〉

ゲート前。
用紙、筆記具ともにあり。

〈道の状況〉

■十字峡−本谷山
内膳落合までの林道は、完全に崩落した箇所もあり、大規模な工事が進んでいる。
アブが何十匹もまとわりつくので、それなりの服装で歩いた方がよい。
内膳沢の橋を渡ったら、三国川に沿って右に進むこと。
草の生えた林道に入るとすぐに登山口の標識がある。
地形図に表示されている登山道の入口とは場所がことなるので注意。

登山道は、それなりに急なところがあり、三十倉の三角点からは登り返しもある。
刈払いがされているにもかかわらずあまり歩かれていないので、道にはかなりコケや地衣が生えている。
刈払いは、9月のはじめに中之岳救助隊が行っているようだ(2005年のブログ記事の情報による)。
クマの糞らしきものがたくさん落ちていた。
マムシらしきヘビもいた。
スズメバチが巣をつくることもあるらしいので、不用意に倒木などを踏まないこと。
小穂口ノ頭に近づくにつれて道が草に被われるが、踏み跡ははっきりしており、本格的なヤブコギをしなくても山頂に到達できる。
小穂口ノ頭から山頂に向かう途中にある小さな池で、飲んだ分の水を補充した。
飲むときは煮沸するつもりで容器を別にした。

■本谷山−丹後山
本谷山から越後沢山までは、踏み跡のないヤブコギだが、それほどきついところはなかった。
越後沢山から丹後山の手前のピーク1792Mあたりまでは大部分がひどいヤブで、進むのに難渋した。
背丈を越える密集したササだけだったらよほどましな部類。
ガスがそれほど濃くなければ、時々はヤブの間から次のピークが確認できる。
しかし、目に入る小さなピークが地図上のどこにあたるのかは判断ができなかった。
ところどころ尾根が曲がっているので、稜線の見通せないガスの中ではGPSがないと進むべき方向がわからなくなる。
GARMINのetrex20は、夜は電源を切っているが、2日目に電池交換をしなければならなくなった。
丹後山に近いヤブは比較的進みやすい。

■丹後山−十字峡
丹後山避難小屋には、天水タンクの半分の200Lほどの水があった。

〈下山後の温泉〉
さくり温泉健康舘
入浴料370円。10時〜21時。
http://www.moegien.jp/Sakuri.html
ファイル
(更新時刻:2013/08/12 11:11)
(更新時刻:2013/08/12 11:11)
内膳沢の橋を渡ったら、三国川沿いに右へ進む。このへんで立ち止まると20匹以上のアブが体にとまる。
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内膳沢の橋を渡ったら、三国川沿いに右へ進む。このへんで立ち止まると20匹以上のアブが体にとまる。
草の生えた道に入ってすぐに標識がある。
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草の生えた道に入ってすぐに標識がある。
本谷山の登山道には、こんなものがたくさん落ちていた。鈴は必携。
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本谷山の登山道には、こんなものがたくさん落ちていた。鈴は必携。
ハナゴケとコケ。
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ハナゴケとコケ。
ブナとマツ。
それで隠れたつもりなのかな。
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それで隠れたつもりなのかな。
オニグモだろうか。食事中だった。登山道いっぱいに張られた巣の一部を切って通らせてもらった。
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オニグモだろうか。食事中だった。登山道いっぱいに張られた巣の一部を切って通らせてもらった。
マイマイガの幼虫だろうか。かなり大きかった。
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マイマイガの幼虫だろうか。かなり大きかった。
雨量計測所。中ノ岳の五合目、日向山にある建物とそっくりだった。
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雨量計測所。中ノ岳の五合目、日向山にある建物とそっくりだった。
ヒカゲノカズラでいいのかな。元気に伸びている。
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ヒカゲノカズラでいいのかな。元気に伸びている。
ムラサキホウキタケかな。小さなサンゴみたいだ。
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ムラサキホウキタケかな。小さなサンゴみたいだ。
小さなクサリ場が全部で2箇所。
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小さなクサリ場が全部で2箇所。
シジミチョウ(雄)。
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シジミチョウ(雄)。
シジミチョウ(雌)。
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シジミチョウ(雌)。
小穂口ノ頭から本谷山への稜線。
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小穂口ノ頭から本谷山への稜線。
低い笹を分けて登る。踏み跡ははっきりしている。
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低い笹を分けて登る。踏み跡ははっきりしている。
小穂口ノ頭から下津川山、小沢岳への稜線。
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小穂口ノ頭から下津川山、小沢岳への稜線。
水場の池。大きなヤゴがいた。ここまでに飲んだ分の900mlを補充。一口飲んで悪い味はしなかったが、使うときには煮沸するつもりだった。
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水場の池。大きなヤゴがいた。ここまでに飲んだ分の900mlを補充。一口飲んで悪い味はしなかったが、使うときには煮沸するつもりだった。
イワカガミかな。
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イワカガミかな。
本谷山の標識らしきものはこれだけ。
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本谷山の標識らしきものはこれだけ。
越後沢山への稜線。この先踏み跡なし。
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越後沢山への稜線。この先踏み跡なし。
越後沢山手前の鞍部は気持ちのいい草原。幕営に好適な地面もあるが、まだ時間が早いので先に進む。
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越後沢山手前の鞍部は気持ちのいい草原。幕営に好適な地面もあるが、まだ時間が早いので先に進む。
本谷山方面の浅いササの斜面を振り返る。残雪を下るようにして、快速で鞍部まで下ることができた。でもグリセードはさすがに無理だろう。
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本谷山方面の浅いササの斜面を振り返る。残雪を下るようにして、快速で鞍部まで下ることができた。でもグリセードはさすがに無理だろう。
越後沢山の登りにかかると、上から咳払いのような声がした。
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越後沢山の登りにかかると、上から咳払いのような声がした。
1、2分くらい向かい合っていただろうか。ときおり威嚇するように蹄を踏み鳴らす。こちらを通れないことにいらだっていたのかもしれない。
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1、2分くらい向かい合っていただろうか。ときおり威嚇するように蹄を踏み鳴らす。こちらを通れないことにいらだっていたのかもしれない。
越後沢山の三等三角点。
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越後沢山の三等三角点。
平らな平ヶ岳。そこから歩いてきたワンゲル部の一行と翌日すれちがうことになる。
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平らな平ヶ岳。そこから歩いてきたワンゲル部の一行と翌日すれちがうことになる。
水が底をついていたら、ここで雪が補給できそうだ。
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水が底をついていたら、ここで雪が補給できそうだ。
越後沢山から高度を下げたところに、平らではなかったが、明るいうちにシェルターを張った。風雨に備えて小さな木のかげ。背丈ほどのササを踏み倒して整地。荷物には小さなブルーシートで申しわけ程度の屋根をつけた。
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越後沢山から高度を下げたところに、平らではなかったが、明るいうちにシェルターを張った。風雨に備えて小さな木のかげ。背丈ほどのササを踏み倒して整地。荷物には小さなブルーシートで申しわけ程度の屋根をつけた。
水が底をついていたら、ここでも雪が補給できる。赤テープは、ワンゲル部がつけていったようだ。
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水が底をついていたら、ここでも雪が補給できる。赤テープは、ワンゲル部がつけていったようだ。
最後の丹後山の登りは浅いササの原。
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最後の丹後山の登りは浅いササの原。
トラロープの外側から、丹後山九合目の分岐点の標識に近づく。
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トラロープの外側から、丹後山九合目の分岐点の標識に近づく。
丹後山の登山道にもこんなものが落ちていた。
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丹後山の登山道にもこんなものが落ちていた。
三合目のマツの巨木。
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三合目のマツの巨木。
栃ノ木橋登山口。
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栃ノ木橋登山口。
十字峡のゲートがめずらしく開いている。漁業組合の人たちが魚を放流しにトラックを連ねて入っていったのだ。
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十字峡のゲートがめずらしく開いている。漁業組合の人たちが魚を放流しにトラックを連ねて入っていったのだ。

装備

個人装備
レインウェア
ゴアテックス スパッツ込み 1kg
つば広帽子
あごひも付き
腕時計
SUUNTO vector
GPS
GARMIN etrex20
カメラ
NIKON coolpix AW100
トレッキングポール
1
山と高原地図
2011年版
電子国土地形図
コンパス
天気図用紙
55Lザック
ザックカバー込み 1.9kg
5.5L
スポーツ飲料
1.5L
行動食
飴・バナナ 500g
食糧
おにぎり・パン・レトルトごはん・餅など 1kg
非常食
カロリーメイト・ゼリー飲料 500g
シェルター
HERITAGE エマージェンシーソロシェルター 200g
ペグ
4
80g
シート
85×170cm 140g
エアマット
54×117cm 780g
シュラフカバー
ミクロテックス 260g
ウォームアップシーツ
230g
防寒着
320g
救急用品
コムレケアなど
アルコールバーナー・コッヘルセット
600g
ヘッドランプ
予備電池込み 330g
ラジオ
100g
ナイフ
40g
細引き
5M
タオル
防虫ネット
蚊取り線香
携帯ケース 60g
熊よけ鈴
100g
熊スプレー
40g
ホイッスル
補助ロープ
8mm×20M 1200g
ハーネスセット
ハーネス・カラビナ×2・スリング・ATC 800g
貴重品

感想

1人ワンゲル縦走みたいなことをやってみた。
18kgもの荷物をかついだのははじめてのことだ。
すっかり肩が痛くなった。
丹後山を下るとき、左足の母趾の外側にそれまでできたことのない靴ずれができた。
水と食糧には余裕があったが、体の方は2日間が限度だったようだ。

丹後山避難小屋まで温存した水と食糧。
水(2.5L) スポーツ飲料(1.5L)
レトルトごはん(240g) パン(400g) 餅(120g)
カロリーメイト(300g) ゼリー飲料(180g)

ヤブコギでは、ササをまとめて押し倒すのにトレッキングポールが重宝するということがわかった。
手袋は不要だった。
レインジャケットを着ると暑いので、半袖シャツでヤブをこいだ。
虫は行動中ほとんど気にならないが、ビバークをするときにはブヨなどがかなり集まってきた。
暗くなるとなぜかブヨは姿を消す。
夜は蚊が数匹寄ってきたが、眠る妨げにはならなかった。
防虫ネットを頭にかぶり、体はシュラフカバーに入れた。
シュラフなしでも寒くはなかった。
ただし、今回の装備で悪天候をしのぐだけの自信はない。
途中で雷雨にでも遭ったらどうなっていたことやら。

2日目のヤブコギの途中で、ある大学のワンゲル部とすれちがった。
ワンゲル部のコースは、平ヶ岳から巻機山までの大縦走だ。
後半の食糧などは、あらかじめ丹後山避難小屋にデポしておいたらしい。
遠くからでも聞こえる大きな声を出しながら、きついヤブの中を明るく進んでくる。
こちらも元気が出て、その後ヤブと格闘しながらワンゲル部のかけ声(ホーヤコールというらしい)をまねたりした。
ワンゲル部はその朝丹後山避難小屋を出発してきたというので、その日のうちに避難小屋までたどりつく希望をいだくことができた。
10人分の踏み跡にも期待したのだが、これは甘かった。
踏み跡などすぐにわからなくなる。

2日目の午後3時に丹後山に到着することができた。
2日目に下山する予定だったが、無理をせずに避難小屋に泊まった。
予備日を1日設け、3日分の水と食糧(非常食は別)を用意してきてよかった。

避難小屋では、利根川源流を探りにきた父子と同宿させてもらった。
父親は、水だけで6Lかついできたのだそうだ。
これもたいへんなことだ。
避難小屋では携帯電話はつながらないそうだ。
三国川ダムまで下りなければならないという。
携帯電話とは別に無線のトランシーバを持参していた。

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