赤牛岳-平ノ渡場-薬師岳
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- GPS
- 25:31
- 距離
- 93.2km
- 登り
- 7,900m
- 下り
- 7,914m
コースタイム
- 山行
- 13:38
- 休憩
- 1:12
- 合計
- 14:50
- 山行
- 9:57
- 休憩
- 0:34
- 合計
- 10:31
00:20 新穂高無料駐車場
03:15 双六小屋
06:00 水晶岳
07:00 赤牛岳
08:50 奥黒部ヒュッテ
09:55 平ノ渡
--10:20 針の木側→平側
10:30 平ノ小屋
12:50 五色ヶ原山荘
15:20 スゴ乗越小屋
ブドウ糖300g, コンソメキューブ3, メンチカツパン1
7/18(日) 10時間40分 41km D+2,400m CT0.45
02:30 スゴ乗越小屋
04:20 薬師岳
06:20 北ノ俣岳
08:40 黒部五郎小舎
10:50 双六小屋
13:10 新穂高無料駐車場
ブドウ糖300g, コンソメキューブ2
天候 | 2日間快晴無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 下山後は荒神の湯。食事は平湯MUSTACHE |
写真
感想
新穂高を出発し双六-水晶-赤牛を通って読売新道を奥黒部へ下りる。平ノ渡場で船に乗り黒部川を横断したら五色ヶ原へ登り返して一泊。翌日は薬師-北ノ俣-黒部五郎を縦走して新穂高に戻ってくる。2019年、2020年と続けているこのルート。登りごたえがあって素晴らしく楽しい。今年もやろう。去年の記録を見ると「初日にスゴ乗越まで頑張るのはやりすぎた」と書いてあるが去年よりフィジカルもメンタルも補給のマネジメントも上手くなったのでいけるだろう。今年もスゴ乗越まで頑張ろう。ということで梅雨明け快晴の週末。行くしかない。
2019年の記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1945580.html
2020年の記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2470077.html
7/17(土)
前日移動で車中泊。新穂高の無料の第3駐車場は2段目まで満車なので3段目に停めた。夜の新穂高はひんやり涼しく快適な車中泊だった。数時間仮眠して出発。脚は去年より自信があるとはいえ10:20の船に乗るには結構頑張らないと厳しい。これに間に合わないと計画が破綻するので去年より30分早めの0時半に出発した。歩き出すと既に暑い。夜でこの暑さはヤバすぎる。尾根に出れば暑さとの戦いになるだろう。気合を入れていこう。双六に到着してもまだ真っ暗だ。三俣へ向かって中道を歩いているとようやく東の空が明るくなってきた。三俣から黒部源流へ下る。鷲羽は暑いのでスルー。黒部源流で夏道を外れてしまい10分ロスした。何やってんだ。これで平ノ渡場までの貯金が無くなってしまった。焦る。黒部源流でたっぷり水を組んだら水晶-赤牛岳は借金を取り返すべく本気で飛ばした。思い出の赤牛岳で時刻は7時。水晶-赤牛1時間。おかげで借金どころかふたたび貯金ができて一安心。たくさん写真を撮ったら黒部川へ落ちてゆく。読売新道は相変わらず岩がヌルヌルなので油断できない。ヌルヌル岩地帯を安全に突破する方法はとても簡単だ。ヌルヌル岩に足を置かない。これだけ。ここの下りは特に飛ばしたわけではないが去年よりだいぶ早く下りることができた。下りが上手くなったかもしれない。読売新道を登ってくる人は1人だけだった。奥黒部ヒュッテから平ノ渡場まではところどころ橋が流されていて現在整備中。次の週末までに整備が完了するらしい。この区間を一度も歩いたことがなくて心配な人は行く前に奥黒部ヒュッテに登山道の状況を確認するとよい。
平ノ渡場には25分前についた。去年は渡場が沈んでいたが今日は水量が少ないおかげで休むスペースがあった。日陰なので涼しい。しかし濡れた靴下を乾かしたかったので時間に余裕があるなら日なたで休んだ方がよかった。次に来る時はそうしよう。10時20分を過ぎても船が来なくて少し焦ったが1分後にちゃんと来た。ここからだと岩陰になっていて平の方が見えないので心配になる。今日は屋根無しの小舟だった。風を切ってめちゃくちゃ気持ち良かった。束の間の休憩を終えたらここが本日最大の難所。このクソ暑い中、五色が原まで1,000m登る。暑い。暑い。ただただ暑い。ここが地獄か。今年の山登りで一番しんどい。ペースを落として口から水と塩をガンガン投入して手と足を前に出すだけのマシンになった。無心で登っているといつの間にか涼しい風が吹いてきて、右手には立山(東一ノ越)が見えていた。去年は五色が原山荘付近で水が組めなかったので、野営場付近でたっぷり水を補給しておこう。はあーキンキンに冷えた雪解け水が本当にうまい。水がこんなに美味しく感じるなんて、暑いのも悪いことばかりじゃない。五色の水場でしっかり休憩したらもう時間制限はない。お花に癒されながらのんびりスゴ乗越を目指す。しかし五色-スゴ乗越間も楽ではない。全く風が吹かない太陽ギラギラの尾根を登って下って登って下る。ここも地獄か。ガスよ早く湧いてくれ。こんなにガスを望んだことなんて今までない。五色-スゴ乗越の間も僕の中での「アルプスめっちゃキツい区間」に認定しよう。ちなみに他の二つは聖平-百間洞と烏帽子-針ノ木。
7/18(日)
2時起き2時半出発。満天の星空だ。今日も晴れる。夜明けまでは天国だが日が昇れば今日も地獄が約束されている。昼を過ぎたら雨が降りだすかもしれないので、あまりのんびりはできない。右手には富山の夜景、左手には昨日歩いた尾根、徐々に色が変わってゆく空。夜の尾根歩きは楽しい。4時半に薬師岳に到着。日の出を待ちたい気分だが先は長いので進もう。薬師峠-太郎平小屋-北ノ俣と順調順調。涼しくて良いペースで進む。この区間はとにかく登山道が歩きやすくて傾斜も緩く気持ち良い。秋にもう一度訪れたい。真夏のアルプスは日が昇るともう暑くて歩きたくなくなる。夏のアルプスの理想は10時にはテン場に着いて日陰でボーッと過ごす。そんな山行がよい。たくさん歩くなら秋が良い。
北ノ俣の手前で朝が来た。今日も頑張ろう。黒部五郎までガーッと下って壁みたいな斜面をじりじり登ってゆく。黒部五郎西面の岩肌はまだひんやり冷たくて快適な登りだった。それに僕は知っている。本当にキツいのはこの黒部五郎の登りではなく、最後の三俣蓮華の登りであることを。最後まで温存温存。今日は今まで歩いたことが無かった尾根道を行くことにしたがこれは失敗した。暑いし花は咲いていないしアップダウンは激しい。なんで今日に限って尾根道を行っちゃうかな。素直にカールから行くんだった。尾根道を歩いているのは僕とスライドした男性の2人だけだった。黒部五郎小舎周辺はコバイケソウがこれでもかってくらいワンサカ咲いていて実にメルヘンだった。ここでテン泊したいなあ。秋の課題。なんだか秋にやりたいことがいっぱいある。未踏の劔-立山-五色間をつなげるために馬場島in - 黒部五郎泊 - 新穂高か上高地か中房温泉outなんてやろうか。
一休みしたら気合いを入れて三俣蓮華へ登り返す。序盤は森の中なので涼しかった。今日一番涼しいんじゃないかってくらい快適だったが、高度を上げて森を抜ければやっぱり暑い。知ってたよ。双六分岐を見た時はもう大きな登りが無いってことでやり切った感。中道をぺたぺた歩いて双六小屋を超え、弓折分岐まで来たら正真正銘、もう登らなくていいです!ポールをしまってガンガン下っていく。気温もガンガン急上昇。マジで、暑い、です。登ってくる人みんなつらそう。下りもつらいです。下っても下っても終わらない。ここの下りはいつもそう。毎回思うんだけど双六まで登り2時間40分に対して下り2時間20分っておかしいでしょ。登ってる時の方がかなり楽に感じる。よく考えたら下りはスライド追い越しの数がハンパ無い。だから速度が遅いわけじゃなくて止まっている時間が長いから登りと下りの時間差が小さくなるんだな。止まって動いては呼吸も乱れる。だから双六から新穂高への下りはキツくて長いのだ。林道はブナの木陰で涼しい。日陰を選んでジョグる。走れば暑いが早く解放されたいのでジョグる。笠の水場もスルー。めぐみ橋まで来たらようやく終了。「山の水、飲めます」をガブ飲みしてクルマへ。クルマの中はサウナより暑かった。
ひらゆの森は相変わらずサウナ休止中なので今日も荒神の湯で済ました。ここには水風呂は無いが川の水を引いていると思われるホースの水を被ると気持ちよかったのでこれで十分だった。というかそのまま川に飛び込みたい気分。久々の平湯MUSTACHEでパフェを補充して松本へ。これからは高山ではなく松本方面に下りることになる。松本へ下る通りはお食事どころがたくさんあって迷う。今回は十字路に入ってみた。メニューがどれを見ても美味しそうに見える。他のお店も気になるが十字路の他のメニューも気になるところ。北アルプスの帰りの食事の楽しみができた。東京方面は大月から大渋滞。こりゃ帰るのは明日にしよう。車中泊するには暑すぎるので山梨のビジホに泊まって朝帰りした。明日は仕事だが3日働けばまた週末が来るなんて最高。
やっぱりこんなに暑い日にスゴ乗越まで頑張るのはやり過ぎだ。平ノ渡場の時間制限は精神衛生上よろしくない。次にやるなら逆回りにした方がいいんじゃないか。初日は薬師経由で五色から平に下りて奥黒部ヒュッテ泊にするとか。でも来年になったらしんどかったところだけ忘れてまた同じプランでやるだろう。山でのつらかった思い出は三日で忘れる鳥頭だからな。
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