【南アルプス縦走と大井川源流遡行】便ヶ島〜上河内岳〜聖岳〜赤石岳〜悪沢岳〜蝙蝠岳〜塩見岳〜大井川源流〜(西)農鳥岳〜間ノ岳〜仙丈ヶ岳〜北沢峠


- GPS
- 152:00
- 距離
- 93.7km
- 登り
- 10,577m
- 下り
- 9,251m
コースタイム
- 山行
- 11:45
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 12:25
- 山行
- 10:35
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 11:15
- 山行
- 11:10
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 11:50
- 山行
- 10:45
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 12:05
天候 | 8/1(日) 晴れのち豪雨 8/2(月) 快晴、夜小雨 8/3(火) 濃いガスと強風、昼前から徐々に晴れ 8/4(水) 快晴 8/5(木) 快晴 8/6(金) 快晴 8/7(土) 晴れ時々ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
[下山] 北沢峠から登山バスと路線バスで伊那市へ 【参考】車の回収には非常に労力がかかり大変だったが、それでも林道歩きだけで一日多くかかる静岡県側よりは充実していると個人的には思う。 以下、下山から車の回収のスケジュールと費用を参考まで。 8/7(土) 14:40北沢峠〜仙流荘15:40(南アルプス登山バス 1070円) ※一部林道崩れのため徒歩あり。そのため料金が割安になっている ※仙流荘で入浴時間は十分あった(500円)。とても快適。 17:00仙流荘〜高遠駅17:20(ジオライナー茅野駅行き 310円) 18:45高遠駅〜伊那通町19:03(JRバス 530円) ※この日は伊那市駅そばの旅館(食事つき!)に宿泊。この旅館は食事が大変充実しておりおすすめ! https://www.aiya-ryokan.jp/ 8/8(日) 6:53伊那市〜飯田8:44(JR飯田線 990円) 9:30飯田駅前〜本谷口10:43(飯田市コミュニティバス かぐらの湯行 700円) 本谷口バス停(梨元ていしゃば)から芝沢ゲートまでは山の上からタクシーを予約しておいた(約45分 7440円 回送料1000円込み)。天竜観光タクシー(0260-36-2205)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・熊ノ平から大井川源流へは水場の沢(地図上の名前は乗越沢)を1時間下るが、下りはじめからしばらくの間は相当に急なので十分注意が必要。懸垂用ロープは不要で登山靴で下れるが、スリップや滑落には十分注意。登山道ではないので、沢登りに慣れていない人にはかなりの難路だと思った方が良い。また、大井川本流は枝沢かと思うほど小さいので(私のように)間違えないように注意。 ・便ヶ島から西沢渡までの水平道は何か所か崩れている。一応ロープなどで整備されていますが、かなり滑って危ないので注意。滑ったら遥か下の川まで落ちるかも。 ・聖岳〜兎岳の間はキレットの登降はそこそこ危険なので注意。雨の日は十分注意したい。私は持って行かなかったが、ここはヘルメットもあったほうが良かった。 ・徳右衛門岳の水場はガレの下降に十分注意。迷うとの情報が多かったがそれほど迷う地形ではなく、むしろガレの登降の危険が気になった。 ・大井川源流の魚止めの滝から三国沢の登山道合流までは危険個所は皆無。ロープも不要で沢靴だけで登れ、単独でも楽しい。間ノ岳の南カールに出たときの感動は遡行ならではで、尾根を登っていては味わえないと思う。 ・登山道で難儀だと思ったのは三峰岳から仙丈ヶ岳までの仙塩尾根。倒木がかなり多いのと、仙丈ヶ岳が近くなるとハイマツ漕ぎが多くなって労力が多い。6年前にも歩いているが、これほど倒木やヤブは多くなかったと記憶してる。また三峰岳の北側はかなり急なので滑落には注意。 〜全般を通して〜 昨年の北アルプスの8日間の縦走に味を占め、今年は南アルプスで計画してみましたが、終わってみて総合的な難易度も体力面でも南アルプスのほうがワンランク上でした。昨年の北アルプスはテントを置いて軽い荷で歩く日も多かったので、その点でも状況はまるで違いました。 余裕を持った計画にしたつもりが、全然そんなことは無く、毎日毎日11時間越えの行動となってしまい体力的に非常にキツい行程になってしまいました。特に2日目は荷物が重く、百瞭兇遥か彼方に思えて絶望的になりました。2日目の時点では計画通り仙丈まで完走できるとは全く思えず、途中大井川源流はカットするつもりでいました。 4日目くらいから荷が徐々に軽くなり、少しずつ余裕も出てきました。この縦走の一番のチャームポイントは大井川源流を遡行して間ノ岳に至るところであり、そこをあきらめることなく絶好の天気の時に合わせることができ、本当に幸運でした。そして源流での幕営を楽しめたのは道連れのIさんのおかげであり、感謝の言葉もありません。 1週間とかの荷の重い縦走では1日で歩けそうな工程の0.8倍くらいで考えないとだめだなーと感じました。もうトシですので… またいつか大井川源流を訪れる機会があれば、もっと余裕を持った工程にして、釣りと合わせて楽しめるようにしたいです。 |
その他周辺情報 | 仙流荘入浴 500円 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
日高での過酷な水取りを経験している自分にはまだまだeasyな水場です。翌日の雪投沢のほうが大変だった。
感想
1日目(8/1) 晴れのち豪雨: 芝沢ゲート〜聖平小屋△
前日は中央道の駒ケ岳SAで力尽き仮眠。タクシーが予約できなかったので芝沢ゲートまで車で入った。易老渡への林道はよく雨で崩れるのでなるべくなら長期放置はしたくないが仕方ない。下山後にここまで取りに来ることにする。
この日のハイライトは西沢渡の手引きゴンドラ。縦走装備でしかも一日目の一番荷の重いとき。なんとか到着してもモタモタしてたらゴンドラがずり落ちてしまう。えらい大変だった。
聖平小屋に着いて水くみに行って帰ってきたら突然の豪雨。テントにしようと思っていたが地面が水浸しになってしまったので小屋泊まりにした。冬季小屋は広くて20人以上入るが、この日は5人だけで快適に過ごした。岡山から来た若いお兄ちゃんといろいろ話して楽しかった(最終日に北沢峠で奇跡的に再会して驚愕)。
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2日目(8/2) 快晴、夜小雨: 聖平小屋〜上河内岳〜聖平小屋〜聖岳〜百瞭胸海硫箱
聖平から上河内岳の区間は歩いたことがないので、今日の行程は長いが頑張って行ってみることにした。南岳から上河内岳までの区間はカール地形を感じさせる独特の景観で印象に残った。山頂からの日の出と富士山もなかなか素敵だった。
聖岳は22年ぶりで登る。前回も快晴だったが、今回もそれに負けず劣らず。小聖を過ぎたところに一張だけの幕営地と水場があったと記憶していたが、全く無くなっていて驚いた。崩れてしまったのだろうか。聖の山頂からは赤石の堂々たる姿と振り返って見る上河内岳が印象に残った。
先は長いので奥聖はスキップして先に進む。兎岳までのキレットはこんなに危険だったか、、前回は悪天候で必死だったのであまり地形の記憶がない。兎岳に着くと地形は温和になるが、アップダウンが相変わらずすごく体力が奪われる。兎岳の避難小屋は少しリフォームされたようで中はきれいだった。
小兎岳の水場で水を汲み、ラーメン休憩する。ここの水場は簡単に取れる上、とても美味しいのでぜひ寄ってほしいところ。このあと、あまりの暑さにペースががくんと落ちた。中盛丸山の登りはきつくて絶望を味わった。息も絶え絶えで大沢岳に到着。眼下に見える百瞭胸海硫箸慍爾襪、足の裏が痛くなってしまい、10歩歩いては立ち止まって休む有様だった。
百瞭胸海硫箸砲話もいなかった。ここも小屋が解放されているので、スペースを欲しいままに占拠してダラダラ過ごした。水が豊富な宿泊地ってほんと素晴らしい。百瞭兇脇逎▲襯廛垢念貳峭イな泊まり場だ。
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3日目(8/3) 濃霧と強風、昼前から時々晴れ: 百瞭胸海硫函狙崟亞戞噌喟郛屋〜荒川前岳〜悪沢岳〜千枚岳〜千枚小屋△
予報が大外れでほとんど雨と言っていい濃霧になった。停滞しようかとしばらく様子を見るが、晴れ間もたまに見えるのでそのうち回復すると踏んで出発した。風が非常に強く、重装備では足元がふらつくくらいだ。
赤石岳の避難小屋に着いて、ラーメンを食べながら様子を見るが、天候は改善の気配なし。赤石は私は大好きな山なのにほんとついてない。避難小屋に泊まってしまおうかと思ったが、まだ3日目で予定変更は嫌なので心を鬼にして先に進む。
大聖寺平への下りになると天候が回復してきた。荒川小屋で水を補給。いつもの水場は渇水していてさらに三分下ってチョロチョロの湧き水を汲んだ。荒川岳への登りはお花畑も豊富で雰囲気がよい。この斜面は3度通っているが今回が一番花密度が濃かった。
中岳の避難小屋まで来てさらに先に進もうか悩むが、結局進むことにした。悪沢岳も残念ながら晴れなかったが花が非常に豊富で癒された。特に悪沢〜千枚の間はこの縦走中最も花が凄かった。ビランジがこれほど多いのは鋸岳以外では初めて。
悪沢岳を越えて丸山で雷鳥に遭遇。ヒナが4羽、元気に育ってほしいものだ。千枚小屋の水は細いが一応出ていた。小屋は火事で修復中だが百枚小屋という冬季小屋を開放してくれており、ここに宿泊した。この日は5人宿泊。私含めて3パーティなので、うまくレイアウトして密にはならなかった。
日没になるとようやく雲が晴れ、富士山や赤石・聖が見えてきた。遅いよ…もっと早く晴れてほしかった。
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4日目(8/4) 快晴: 千枚小屋〜千枚岳〜二軒小屋〜徳右衛門岳〜2581ピーク△
千枚小屋からの富士山は素晴らしい。そして千枚岳からは赤石岳が劇的な輝きを放って見える。千枚岳は南アルプスの主稜線から外れているだけあって、色々な山を横から眺めるのに最適だ。
せっかくのいい天気なのにこの日は二軒小屋まで標高差1300mをまず下る。二軒小屋周辺はリニアの工事基地になっていて大きな村が出来上がっていた。小屋はいまは閉鎖されているが、近くにいた人に声をかけて水だけ頂いた。
さて、そのあと大井川東俣の徳右衛門岳の登山口に行くところを間違って西俣に入ってしまった。ミスに気付いたのは30分以上歩いてからで、登山口がなかなか現れないのでGPSで確認したら全然違う場所だったので唖然とした。1時間近くロスして東俣の登山口にたどり着いた。大井川は本流である東俣より西俣のほうが水量が多く、本流に見えるので注意が必要である。
長い長い蝙蝠尾根の標高差1200mをひたすらもくもくと登り、徳右衛門岳手前の水場下降点に来た。今朝千枚岳であった年配の方はここの水場で迷って水を汲めなかったとおっしゃっていたので、アドバイスに従って若干右寄りに下る。しばらく下ると左方向のガレから水音が聴こえたので、方向を変え、左にトラヴァースしてゆくと水が出ているガレに出た。どうも下りすぎたようだが、水量は十分で無事に水は汲めた。トラヴァースは若干危険だが迷うような場所ではなく、良い水場だ。
徳右衛門岳を越えてしばらく行くとナタを持った作業着姿の若い女性に遭遇した。登山道の整備をテントで泊まり込みでしているそう。そういえば水場の入り口にモンベルのテントがあった。横にスペースがあるのでテント張りませんか?と言われたが、もう少し先に行きたいのでご遠慮した。少し行ったところにももう一名いて、二人で整備されていた。ありがたいことである。
この日は2581ピークに幕営した。この山行で初めてのテント泊である。針葉樹の森で一人寝るのは落ち着く。風も微風で、全くの無音の中夜は更けていった。
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5日目(8/5) 快晴: 2581ピーク〜蝙蝠岳〜塩見岳〜雪投沢水場〜熊ノ平〜大井川東俣魚止めの滝上△
登り始めて30分ちょいで森林限界。ここから先、蝙蝠尾根はほんと景色の良い尾根である。特に富士山を眺めるにはこの尾根が最適だろう。蝙蝠岳に登頂し、南アルプスの主だったピークはすべて登ったことになる。この山は塩見から往復するのではなく、蝙蝠尾根をあえぎながらぜひ登ってみたく、それが叶って嬉しかった。
塩見岳は22年ぶり。前回はガスガスだったのでこの晴天は嬉しかった。南アルプスでは赤石の次に好きな山だ。特に北から見るバットレスの迫力は素晴らしいものがある。南アルプスのど真ん中の絶景をかみしめるように堪能した。
あまりに暑すぎて昨日徳右衛門岳で汲んだ水はほぼ尽きていた。雪投沢の源頭まで水を取りにいかねばならない。日照り続きなので水が出ているポイントはかなり下で、往復たっぷり30分かかって戻ってきた。雪投沢は沢筋にダケカンバのヤブがあり、登りは枝が絡まって結構大変。北海道・日高の水取りを思い出す。南アルプスと日高はどことなく似ている。
雪投沢の分岐点まで戻ってラーメンを作っていると、若い女の子が蝙蝠方面からやってきた。聞けば私と同じ5日間も山にいるそうで、熊ノ平小屋を拠点にあちこちタコ足ピストンしているそう。その発想はなかったので、ちょっと感心。熊ノ平から蝙蝠をピストンしようなんて普通は思わない。いいアイデアもらった。
22年前の縦走でも気に入った北荒川岳周辺の芝生とダケカンバの疎林のゴルフ場のような景色を楽しみながら熊ノ平に到着。南アルプスではかなりの山奥の小屋なのに、結構にぎわっていてびっくり。あまりに暑くてへばってしまったが、時間は十分あるので予定通りここから乗越沢を大井川に降りることにする。登山道ではないので緊張するが、下調べによればロープ無しで登山靴で十分下れるはずである。
途中沢筋があまりに急で下れないので、少し沢を離れて巻いたりしながら、なんとかかんとか下った。乗越沢上部はスリップは大けがなので十分注意が必要(沢登りに慣れていない方は不可だろう)。150mも下ると斜度が落ち、楽に下れるようになった。1時間ほどでほぼ水平の流れになり、左から枝沢が合流(実は枝沢でなく大井川本流だった)。水量が多くなったので沢靴に履き替えた。更に下っていくと驚いたことに人が現れた。幕営の準備をしている。乗越沢に釣りに来たのかと話してみると沢登りで来たという。更にいろいろ聞いてみるが話が全然かみ合わず、どうも私がトンデモない勘違いをしていることが分かった。この沢は乗越沢ではなく実はもう大井川東俣本流で、ここは魚止めの滝のすぐ上だそうだ。まさかこの小さな沢が大井川本流?最初は信じられなかったが、まさかウソをついているようにも見えない。そもそも彼はたった今魚止めの滝を登ってきたところなのだ。
時間も遅いので自分もここに幕営させてもらうことにした。同宿のIさんは、明日は私と同じで大井川源流を詰めるという。思わぬ形で道連れができた。Iさんがいなかったら私は魚止めの滝を下り、どんどん大井川を下って行ってしまったかもしれない。Iさんは奈良田から広河内岳を越えて池ノ沢池に下り1泊、今日は大井川本流まで下ってから遡行して魚止めの滝を越えてここまで来たそう。ここで出会えた奇跡に感謝だった。Iさんは広河内岳を過ぎてから全く人に会っておらず、私が現れた時はクマかと思ったそうだ。
Iさんがイワナを釣りに行っている間に私は火起こし。まぁそう簡単に釣れないだろうなと期待せずに待っていたら、2匹釣れたと嬉しそうに戻ってきたので驚いた。予想外に御馳走の夜になった。山登りの最中でイワナを自分で焼いて食べるなんて初体験で、イワナの美味しさには涙が出るかと思った。釣屋さんたちはこんなうまいものをいつも食べていたのかとカルチャーショックを受けるとともに、食糧を現地調達できる釣りを山登りに取り入れるのも悪くないなと今更ながら思った(釣り竿はとても軽く、邪魔にもならない)。
思わぬ形で最高の夜になり、大満足で眠りについた。
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6日目(8/6) 快晴: 魚止めの滝上〜三国沢分岐〜間ノ岳南カール〜農鳥小屋〜西農鳥岳〜農鳥小屋〜間ノ岳〜三峰岳〜両俣小屋△
暗いうちから大井川を遡るが、地形的には安全なのでサクサク進む。三国沢の分岐がなかなか近づかずGPSで確認したりするが、分岐は幕営できるほど明るく広い場所なので迷いようは無かった。Iさんは常に地図で現在地を意識しており、いい加減な私とは大違いだ(だから私は大井川本流を枝沢と間違うのだ…)。右の農鳥沢と水量は1:1である。今日はヤブ漕ぎの無い左の三国沢を進む。
標高差300mで間ノ岳南カールに出た。ゴールがカールの沢登りってほんと感動的。あまりの絶景に大休止して写真を撮りまくった。特に振り返って見る塩見岳が大迫力だった。登山道との合流点で伏流していた水路は復活し、湧き水汲み放題だ。まさに大井川の最初の一滴。大河の源頭を詰めるというのは感慨深いものだ。頑張って大井川に下って本当に良かった。
登山道を右に進み、農鳥岳に向かう。西農鳥岳までIさんと行動を共にした。Iさんはバイクを置いてある奈良田に下山する。彼に会わなければ私はもっととんでもない道迷いを犯していたかもしれないし、おいしいイワナにもありつけなかった。大感謝である。お礼を言いまくって別れた。
間ノ岳、三峰岳と晴天の中進み、景色を堪能した。ここ3日間、天気は一日中快晴で夕立もない。最高の天気なのだが如何せん暑い。ちょっと雲が湧いてくれればいいのにな〜と罰当たりなことを思いながら両俣小屋に下った。両俣小屋はこの縦走で初めて営業している小屋。迷わずビールを購入した(本当は食事もしたかったのだが時間を大幅にオーバー)。この日は12時間を超える行動で疲労困憊だったが、沢詰めから間ノ岳を登頂出来た充実感は何にも代えがたかった。
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7日目(8/7) 晴れ時々ガス: 両俣小屋〜仙丈ケ岳〜北沢峠[下山]
台風が来るというのでこの日は雨なら野呂川沿いを下山しようと思っていたが、朝は晴れていた。予定通り仙丈を越えることにする。ここまで来たら正直意地の世界である。稜線まで出ると風が強く、北岳〜間ノ岳が滝雲に覆われていた。仙丈ケ岳も若干雲がかかっている。いつ雨になるかわからないので、急いだほうがよさそうだ。
仙塩尾根は倒木が非常に多く時間がかかった。おまけに森林限界に出てからはハイマツのヤブが酷く、ザックがひっかかりまくった。昨日の三峰岳からの下りも結構な難路だったが、仙塩尾根は一般道とはいえ整備が若干悪いので、時間に余裕を持っていたほうが良いだろう。しかし仙丈ってなんて素敵な山なのだろう。北アルプスで言えば黒部五郎にとても似ている。ハイカーが多いのが玉に瑕だが、南アルプスでは一番格調が高い景色が味わえるところかもしれない。
大仙丈ヶ岳まで順調に来たので、ここで頑張って残しておいたとっておきのチリトマトヌードルを食った。大仙丈までは日帰りのハイカーも何人か来るようで、久しぶりに軽装の登山者を見て新鮮だった。仙丈ケ岳では残念ながらガスってしまったが、この縦走の最後のピークに無事到達できた喜びをかみしめた。長かった1週間の縦走の思い出に浸りながら北沢峠に下った。
おしまい。
コメント
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天気がずっと良かったのが一番の成功要因だと思います。モチベーションを落とすことなく、最後まで歩き通せました。
3000以上へ登ってニ軒小屋まで下ってまた登り…。遡行アイテムも担いでこんなに長い間歩いて…。
読んでいるだけでお腹いっぱい胸いっぱいです。
毎日の歩みも(距離も速度も)すごいですね。タフだ〜
沢登中に宴会をしたことがなく、飯盒&イワナが羨ましいです。
今回、焚き火宴会は酒なし(前日まででウィスキー全て飲んでしまった!)でしたが、イワナがあったお陰でとても楽しめました。釣りも勉強したいです。
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