【両毛国境】日光白根山〜皇海山〜庚申山【38/100】
- GPS
- 56:00
- 距離
- 39.9km
- 登り
- 3,178m
- 下り
- 4,082m
コースタイム
バス停12:16~14:13国境平14:28~15:35池畔15:51~16:40奥白根山17:00~17:45避難小屋
9/20
出発5:46~6:25白根隠山6:47~7:50p22968:10~9:25錫ヶ岳9:52~11:12p2140屈曲点11:36~13:20p199113:46~15:13p1840のピョコ15:20~15:54水場コル
9/21
出発6:07~6:57三俣山7:26~8:31p18289:16~11:26?国境平11:41~12:511900付近?13:06~13:37皇海山14:04~15:02?鋸岳15:12~16:50庚申山17:03~17:57庚申山荘18:11~18:44鏡岩18:50~20:30小滝坑跡20:37~21:23原向駅
天候 | 9/19 快晴のち曇り 9/20 快晴 9/21 快晴のち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:銀山平からわたらせ渓谷鉄道原向駅まで徒歩1時間半 大人の人はタクシーを呼べばいいんじゃないですか? |
コース状況/ 危険箇所等 |
前白根山〜白根隠山 明瞭な道あり。 白根隠山〜皇海山 道は不明瞭だが木の幹に大量の金属プレートが打ちつけてあり、それを追うだけでよいところが多い。 藪はとても薄く岩場等もないのでどこでも進める。植生は主に針葉樹と疎らな笹、偶にシャクナゲ。笹原が広がっていて見晴らしの良いところもあるが、枯木の株や倒木が笹の中に数多隠れていて油断ならない。 |
写真
感想
相変わらずの感想文です。読んだところであなたの山行に何ら益するところがないことは保証します。
一人で藪漕ぎがしたくて両毛国境に行ってきた。実際には藪はなかった。天気は三日とも最高の秋晴れ。そして安定の敗退。皇海山で百名山38座。
9月19日
1日目の行程が短いので今回は朝出発とする。これで睡眠時間が確保できると思ったがあれやこれやで時間を食い、前日の就寝は午前2時だった。3時間しか眠れなかった。1時間寝坊して6時に家を出る。新宿から都営新宿線→九段下で半蔵門線→北千住で伊勢崎線東武日光行き、と乗り換える。北千住から乗り換えなしの快速で日光まで行ってくれるのは有り難い。
それまでの通勤ラッシュからも解放され、これでようやく一眠りできる・・・と思ったらマップケースがない。北千住で乗り換えた電車に置いてきたようだ。流石に地図なしで藪漕ぎはできない。アプローチの電車で敗退かよ・・・と全身の力が抜けた。だが冷静になってみるとさっき乗り換えた半蔵門線は久喜まで直通運転するはずだから、久喜までの駅で降りれば回収できるかもしれない。車掌さんに時刻表を調べてもらうと、東武動物公園で一旦降りれば先程の電車に追いつけることが分かった。敗退は免れたがこれで1時間のロスだ。やれやれ、と座席に戻ってみるとマップケースがザックの下にのぞいていた。言葉が出ない。
東武日光の駅で切符を買ってバスに乗る。昼は30分に1本出ていて便利。1時間半弱で終点の箱根湯本に着く。もう正午を回っている。トイレで水を汲んで体操をして出発。
バス停の目の前のもみの木通りを西に進んでいくとやがて登山口の立派な標識が現れる。暫くは平らな森の中を行き、尾根に乗る。評判通り、急な上荒れた感じであまりいい道ではない。国道を走る車の音がよく聞こえる。意地で休みを取らずに国境平まで登る。
五色山まで登るとようやく白根山の山頂が見える。昨冬に来た時はガスで何も分からなかったが、今日は五色沼を囲む山々の様子が全て見渡せて気分がいい。しかし山頂に着く15分前からガスが出始め、さっきまであれほど晴れていたのに山頂からは何も見えなかった。なんてこった。
五色避難小屋に泊まるのも昨冬以来だ。綺麗で実に快適。管理して下さっている方々に感謝。でも土間に水の入ったペットボトルがたくさんあるのはなんでだろう。
日没が迫っているのでザックを置いて急いで水を汲みに行く。水場は五色沼の畔を右に行ったところで小屋から片道15分。看板があるが、沼の畔に出れば水音が聞こえるからそれで見つけられた。水量豊富で美味い。沼からの登りはヘッドライトをつけた。途中道を見失ったが適当に上へ登ったら小屋に着いた。
今日の夕食は北アルプスの帰りに車に乗せて頂いた方に教わったメニュー。インスタント味噌汁を作ってコンビニおにぎりを三個ほど投入し、雑炊にする。おにぎりの具は何でもよく、僕は牛肉、鮭、明太子にしてみた。美味い。具の味はほとんど味噌汁に消されてしまうのだが、少しは残っていて、それが繊細な味を生み出している、気がする。特に明太子がいい味を出していた。海苔も磯の香を醸して食欲をそそる。仲間と登る時は各自でおにぎりを持ち寄って闇鍋風にするそうだ。是非やってみたい。
改善点としては、僕は今回フリーズドライの野菜が付いた具沢山味噌汁を使ったのだが、これ1食分におにぎり三個だとやや汁気が足りない。それはそれで美味いのだがコッヘルが汚れてしまう。具沢山味噌汁なら2食分におにぎり4個が妥当な分量だと思う(おにぎり3個でも十分お腹いっぱいになるが)。また運動の後は白味噌より塩辛い赤味噌の方が嬉しいだろう。
寝る前にラジオを聞こうと思ったがAMは野球中継と法律番組?しか入らない。仕方ないので野球中継を聞きながら寝た。
9月20日
夜中寒さで何度か目が覚めたが、シュラフから出て防寒具を出したいほどの寒さではなく、悶々としながら朝を迎えた。今日も寝坊。最近は下界だけでなく山でも寝坊するから困る。だが誰かに叩き起こされずにのんびり朝寝ができるのも単独行の特権の一つだろう。日程に余裕がある時なら。朝飯は抹茶オレとヤマザキのコッペパン。抹茶オレは二人前作るべきだった。今日はいよいよ藪の日だ。水を1L捨てて4L持つことにする。
前白根方面へ登山道を行き、稜線に出たら南へ向かう。白根隠山まではっきりした道が付いている。これをエアリアに記載しないのは不当ではないだろうか。途中今にも崩壊しそうな小屋があったが怖くて中を見る気にはなれなかった。白根隠山は眺望が素晴らしくのんびりする。
この先の道の様子は上のコース状況に書いた通りである。自分が予想していた難易度のレンジの中で最も易側に針が振れた感じだった。とはいえ初めての単独バリエーションルートなのでしっかり地図を見ながら慎重に進む。やや慎重を期しすぎて時間をロスした感はあるが。
白根隠山から稜線上を暫く進むと崖が現れるので一旦左のガレに降りて巻く。見晴らしの良い笹原が続く。やがて笹の下生えと針葉樹に時々シャクナゲが混じるようになって、ずっとそんな植生が続く。針葉樹の葉が上から降ってきて襟首に入る。
錫ヶ岳山頂はやや広く中禅寺湖が望める休憩適地。その先も難易度はさほど変わらない。時々笹原が現れて癒される。しかし倒木や倒木の株が多く潜んでいるので気が抜けない。全く倒木にはいらいらさせられた。この辺りの木は折れすぎだ。もう少し粘り強く生きてほしい。
p2441の先で稜線が右へ直角に折れるところで道を間違える。正しいルートよりも早く降り過ぎてしまったらしい。突然標識が途絶えたので道間違いに気づき、右側へトラバースして尾根に復帰した。かなり焦った。
宿堂坊山前のコルにはネギトの標識と水場への案内があったが、汲みにいかなったので水があるかは分からない。かなり水音が大きかったから多分あるだろう。宿堂坊は疲れる登りの割につまらないピーク。宿堂坊山と三俣山の最低鞍部に下調べになかった水場があったので、これ幸いと行動を打ち切った。標識の通り栃木側へ7分で水が出た。味はあまりよくない(というより味がしない)がほとんどごみが浮いていないし水量は豊富だし稜線から近いし百点満点の水場だ。しかし降り口は倒木が堆積した上に土が被さってあちこち落とし穴状になっているので注意。僕は2回もはまった。
米を炊くのが面倒なので晩飯は抜きにして予備日分の行動食を食べた。計画では袈裟丸山を越えて沢入に降りることになっていたのだが、このペースではとても無理だ。3時間ほど本を読んで寝る。
9月22日
寝坊。朝飯も火は使わず、カロリーメイトもどきを齧って済ませる。もうガスは要らないんじゃないかって気がしてきた。
三俣までややきつい登り。このコースの登りは標高差はそれほどでもないが、押し並べて急登なので疲れる。踵が痛い。三俣山頂はやや広い笹原で休憩適地。
この先のp1828はピークのやや手前から尾根が続いている。道標もそのようについているから注意していれば問題ない。僕は誤って右へ折れずに直進してしまったが、p1828先のベロには展望の素晴らしい岩峰があった。右手に白根、左手に皇海、正面に(多分)武尊、背中には松木渓谷。特に皇海は、手前のコルから一息に500m突き上げているのが真正面に見えてとても立派である。去年男体山から見たのと同じ山とは思えない。こんなところで冷えたビールが飲めたらどれほど幸せだろうか。冷えたビールはなかったが1時間近くのんびりした。発つときに写真を撮ろうとしたが、何とこのタイミングで電池が切れてしまった。という訳で申し訳ありませんが、p1828の絶景はご自身の目でお確かめ下さいませ。
下調べではp1736先のコルが国境平ということだったが、それらしい標識は見当たらなかった(それほど熱心に探しはしなかったが)。p1695とp1636先のコルにはそれぞれ国境平の標識があって、どちらかに水場の案内があったと思う。どちらだったかは忘れた。いずれにせよ昨日泊まったところに偶々水場が無かったら、ここまで苦しい水のやりくりになっただろう。危ないところだった。
皇海山までの500mの登りは実に辛かった。1時間半かけて辿りついた山頂ではいかにもハイキングらしい出で立ちのパーティーが昼食を広げていた。場違い感が半端でない。パーティーが立ち去った後は静かな山頂だったが、格別の感慨がないのは展望がないからか、袈裟丸山まで行けなかったからか。こうして家で記録をつけている今ではそれなりの達成感はあるのだが。
下り。植生など自然の様子は今までと何等変わらないのに、道があるだけで雰囲気が全く違う。下りは快調に飛ばしたが、鋸山までの150mの登りで足が前に出ない。完全にばてている。もう4時なのに。山頂直下は長い岩場でかなり消耗した。
この先庚申山までの縦走路は暫く岩場が続く。それほど長くはない。難易度は、北アルプスでいえば不帰キレットよりやや易しいくらい。ただああいうメジャールートと違って、何となく人工物が信用できないような気がしてしまうのは怖い。実際は問題なかった。
岩場を過ぎてから庚申山までは何ということのない緩やかでやや不明瞭な道。ガスって来て展望もない。庚申山のピークは地味だった。庚申山の先は暫く緩やかな道が続いて突然急になる。お山巡りコースを分けたまでは良かったのだが、その先すぐ下り始めた涸れ沢が間違いだった。浮石が少なかったので気づくのが遅れた。セオリーに従えば登り返すべきだが、このまま行っても降りられそうだと思ったので先へ進む。2回ほど小滝を巻く。モーター音のようなものが聞こえ、庚申山荘かなと思ったが庚申山荘は無人小屋だからそんなはずはない。徐々に地形が険しくなり、流石に危機感を覚えて右手の尾根上に乗り、下っていく。すぐに擂鉢状の地形に出た。地図から見て庚申山荘はこの辺りのはずだと思い、何となく右のほうに進んで行ったら道に出て、庚申山荘に辿りつけた。モーター音はやはり庚申山荘のものだった。休日には人が入っているらしい。下調べが足りなかった。水を汲み足す際、1L入りの水筒がなくなっているのに気づく。恐らく今朝のテント場に置いてきたのだろう。序でにザックにつけていた熊よけ鈴もなくなっていた。
既に辺りは真っ暗なのでヘッドライトをつける。幸い道はとても歩きやすい。ザクザク降りる。暗闇の中に度々シカの目が光って吃驚する。無心になってひたすら下る。気がつくと車道に出ていた。
これだけ下山が遅れると終電の時間も気にしなければならない。わたらせ渓谷鉄道の終電は確か9時20分だか40分で、それに乗れば何とか今日中に家に帰れる。折角だから何としても今日中に帰宅したい。
銀山平まで長い林道歩き。長い。ひたすら長い。昼間なら庚申渓谷の眺めが見事なのかもしれないが、この闇の中ではヘッドライトの光を見つめてひたすら足を前に出すだけだ。ああかったるい。
そうして銀山平についたが貧乏学生にタクシーを呼ぶ金などあるはずもなく、わたらせ渓谷鉄道の駅まで更に歩く。時々現れる銅山の遺跡が気を紛らわせてくれたが、それにしても長かった。八ヶ岳でもう車道歩きはしないと誓ったはずなのに、またぞろ同じことをしている。忘れっぽいのも善し悪しだ。急いだ甲斐あって、国道に出た時点で時刻は9時を回った所。これなら間に合うかもしれない。ザックを弾ませながら、国道をひたすら走る。
21:23。遂に原向駅に着いた。いや長かった。全く長かった。これでお家に帰れると思って時刻表を見たら終電は19:56だった。
・・・
ああああああぁぁぁぁ!
絶叫したくなる。何やってんだ俺は。もっと頭使えよ計画的に生きろよ本当に大学生か。仕方がないので駅で寝て始発で帰ることにする。ここまで温存していた(というか出る幕がなかった)カップラーメンを食べ、国道を500m戻ったところにある煙草屋で親に下山連絡を入れた。序でに自販機でドラゴンボールのコーラを買う。まずい。これが敗退の味か・・・。
駅舎は暖かい上に虫も少なく、11時には消灯してくれたので大変快適に寝られた。
9月22日
始発5:57→相老で東武桐生線→太田で東武伊勢崎線→館林→久喜で宇都宮線→大宮で湘南新宿ライン→新宿。家に着いたのは10時半過ぎ。
まとめ
目当ての藪はなかったが天気が良かったのでいい山行になった。色々辛いことはあっても、天気さえ良ければ登山というのは楽しいものだ。でもあの車道歩きは二度としたくない。
コメント
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kigisuさん、はじめまして。いつも楽しく羨ましいレコありがとうございます。
桐生から東京までが21時台でギリギリだと思いながら読んでいました。最後のオチには爆笑です。でも、以前書かれていたとおり、計画通りに縦走するのが良い、という価値観がすべてではないと私も思います。アクシデントも含めて楽しいのが山遊びではないかと。
これからもガンガン歩いて下さいませ。
derakkumaさん、コメントありがとうございます!
部活では肩の凝る登山ばかりしているせいか、一人で山に入る時はついルーズになるようです。無事下山できる範囲で行動中の「気まぐれ」を大切にできる様な登山ができれば理想的なんですけどね。心の欲する所に従えども矩を踰えず、でしょうか?
無理が利くうちに無理をしておきます
初めまして。yoginsと言います。
ちょうど10月の連休に同じコースを歩く予定で、参考になりました。
オチには大爆笑してしまいました^^
そういうのは嫌いではないですがね。
今後も楽しく辛い山行をできるといいですね。
今日(2014.3.1)
初めて拝見いたしました。
楽しく読ませて頂きました
藪がお好きな様で・・・
藪好きなら六林班に抜けた方が楽しめたと思いますよ!
腐木のトラップもあるし
肩程に伸びた藪の中でコケるのも、なかなか面白いよ!
俺は嫌だけど
また、栃木に遊びに来てください
NikkoMonkeyさん、コメントありがとうございます!
鋸岳以南にもぜひ足を伸ばしたかったのですが、如何せん体力不足で時間切れになってしまいました。 尾根を繋ぐのが好きななので次に行くとしたら赤城から鋸岳までの縦走でしょうか。しかし一の鳥居から駅まで歩いた記憶が薄れるか、タクシーを使える身分になるまでは実行に移せなさそうです・・・。
どちらにせよ、いずれ必ずリベンジします
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