記録ID: 349287
全員に公開
沢登り
甲信越
奥利根 米子沢〜上ゴトウジ沢下降〜小三ツ石沢右俣〜巻機山
2013年09月21日(土) ~
2013年09月23日(月)
sobacha
その他2人
- GPS
- 56:00
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 2,243m
- 下り
- 2,237m
コースタイム
9/21(土) 6:50桜坂駐車場出発〜7:10米子沢入渓〜10:50 1700m右の支沢遡行開始〜11:30上ゴトウジ沢下降開始〜14:10 60m滝&雪渓巻き開始〜14:55巻き終了〜15:00ブサの裏沢出会い〜尾根乗り越し〜15:50トトンボ沢合流〜16:00幕営
9/22(日) 6:30幕営地出発〜6:40下トトンボ沢出会い〜7:05ブサの裏沢出会い〜7:15下ゴトウジ沢出会い〜7:35小三ッ石沢遡行開始〜14:30稜線〜永松山〜16:30トトンボの頭手前1830m付近で幕営
9/23(月) 7:30幕営地出発〜9:40牛ヶ岳〜10:05巻機山〜井戸尾根登山道〜13:20桜坂駐車場
9/22(日) 6:30幕営地出発〜6:40下トトンボ沢出会い〜7:05ブサの裏沢出会い〜7:15下ゴトウジ沢出会い〜7:35小三ッ石沢遡行開始〜14:30稜線〜永松山〜16:30トトンボの頭手前1830m付近で幕営
9/23(月) 7:30幕営地出発〜9:40牛ヶ岳〜10:05巻機山〜井戸尾根登山道〜13:20桜坂駐車場
天候 | 9/21(土)晴れ 9/22(日)晴れ 9/23(月)雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■ルート概要とポイント 今回は新潟側から奥利根山域に入り、ほとんど記録がない「小三ツ石沢」を遡行することを目的の一つとして3日間の沢旅をしてきた。 ルートは次のとおり 越後の名渓、米子沢を遡行し、1700m付近左岸の支沢から牛ヶ岳南の稜線を乗越し、反対側の上ゴトウジ沢を下降する。 上ゴトウジ沢とブサの裏沢(奈良沢本流)との合流付近で泊まり、翌日、ブサの裏の支沢の一つである小三ツ石沢を遡行し、牛ヶ岳東の稜線まで詰め上がる。この稜線には登山道がないが、藪を漕いで西進し、2日目は稜線上のどこかで泊まる。 3日目は稜線の西進を続け、牛ヶ岳直下の登山道に出て、巻機山経由で登山道から清水集落へ下山する。 今回のポイントは以下のとおり 1.米子沢から牛ヶ岳南の稜線を乗越し上ゴトウジ沢源頭に入るまでの笹薮漕ぎ 2.上ゴトウジ沢からブサの裏沢の下降で雪渓や大滝の巻き 3.調査したが1976年の下降の記録しかなく現状が不明な「小三ツ石沢」の遡行 4.「小三ツ石沢」を詰めた後、牛ヶ岳までの稜線上の笹薮漕ぎ 特に、「小三ツ石沢」については、ゼフィルス山の会の小泉氏による、『日本登山体系』および『奥利根の山と谷』に掲載された1976年の下降の記録しかなく(ネットで調べたが、遡行記録はない)、これは8月初旬の記録であり中流域・上流域に雪渓があったとの記述があるが、その雪渓の下がどのような地形であるかの記載はない。今回は季節的に雪渓が融けていることが予想されたので、小泉氏の記録にはない要素が出現している可能性がある。また、上流部の右俣については「源頭は草付きであるらしい」程度の解説しかなく、詳細な記載がない。 過去に他の入渓者はもちろんいただろうが、記録がないため、我々にとっては未知の要素が高い遡行になった。 なお、小泉氏の記録には「小三ツ石沢」とあり、地形図には「三ツ石小沢」とあり、どちが正式名称であるかは不明である。我々は「小三ツ石沢」を用いることにした。 ■ルート詳細 ●9/21(土)晴れ 桜坂駐車場〜米子沢〜1700m右の支沢遡行〜上ゴトウジ沢下降〜ブサの裏沢〜尾根乗り越して上トトンボ沢へ〜下降地点で幕営 ・米子沢 随所に残置ハーケンがある。下部ゴルジュは水線突破したが、4m程の滝にも残置ハーケンがあった。 いすれの滝も難易度は高くない。(個度か?)巻き道は明瞭 ・1700m右の支沢 出合いは3〜4mの逆層の滝になっている。少々ヤブがかかっている。滝はない。稜線直下まで沢型があり、ヤブ漕ぎは5分かからず稜線に到達する。 稜線付近は身長以上の笹薮である。 ・上ゴトウジ沢 源頭に、クライムダウンが少し困難な滝が2つある。1400m付近の屈曲点右岸に茶色のスノーブロックがあり、それ以降しばらくの間の下流は水が濁っていて飲用できない。(飲用水は支沢から得た) 早い時期はこの付近にスノーブリッジがあると思われる。 1200m付近に50m程の大滝と大滝すぐ下に100m以上続く巨大なスノーブリッジがあり、左岸からまとめて巻いた。 1100m付近に滝とそれに続くゴルジュ地形があり、通過に多少時間がかかると思われたため、左岸の低い尾根を乗越して上トトンボ沢に降りた。 尾根が低いため、尾根を乗越して沢床に下りるのに30分もかからない。1100m付近の上トトンボ沢は随所に幕営適地がある。 ●9/22(日)晴れ 幕営地〜下トトンボ沢出合い〜ブサの裏沢出合い〜下ゴトウジ沢出会い〜小三ッ石沢〜稜線(永松越路)〜永松山〜トトンボの頭手前1830m付近で幕営 ・上トトンボ沢〜ブサの裏沢〜小三ッ石沢出合い 1100m地点以下の上トトンボ沢には滝はなく河原歩きである。ブサの裏沢に出合った後は大きな川となり、両岸に広い河原が出現する。 増水時は危険であるが、随所に砂地がある。 ・小三ッ石沢 出合いは平凡である。入渓してしばらくは、ところどころ赤みがかかったナメと登れる小滝が続く。圧迫感はないが、両岸とも小さなゴルジュ地形である。 続いて、10mクラスの滝がいくつか出るが、滝直前に支沢が合流しており、この支沢を使って巻くことが可能である。沢床への下降は、懸垂が良いが、付近に適当なルンゼがあれば利用しても良い。 この付近は遅くまで雪渓が残るのであろうか、両岸ともに潅木は高いところにしか生えていなく、切り立った草付きになっているので、巻き・下降のルートを慎重に見定めるべきである。 中盤に2段30mの滝がある。左岸の潅木帯を使って巻く。左岸潅木帯の高さ40m付近に土のバンドがあり、これに沿って進めば懸垂せずに沢床へ下りられる。 左俣を分けた後、一旦伏流になる。その後の7m滝は右がフレーク状になっており、クラックがあるので、カムで支点が取れる。 この滝以降傾斜が増し、しばらく両岸がゴルジュとなる。小泉氏の記録によれば、この付近は早い時期に雪渓があるらしいので、急傾斜の雪渓登りを強いられることになるだろう。 その先、中間ルンゼが水量比1:1で右岸に8m程の滝を懸けて交わる。我々は右俣を進む。中間ルンゼ出合いの先に4mの黒くヌメった滝があるが、左の潅木を掴んで強引に越える。 それ以降、2m程の滝はあるものの、困難な部分はなく稜線下の草付きに到達する。草付きは所々に花崗岩の露岩がある。 稜線直下まで沢型が続いており、ほとんどヤブ漕ぎなしで永松越路に到達する。稜線付近は膝ほどの笹薮である。 なお、中間ルンゼ源頭は、右俣と同様の草付きであり、永松山の頂上に突き上げている。 ・永松越路〜牛ヶ岳東の稜線上の幕営地 主に笹薮であり、高さは膝から身長を越えるものまで場所による。たまに、シャクナゲ、ハイマツその他の潅木が混じる。 三ツ石沢遡行者の踏み跡であろうか、稜線上の笹にうっすらとした跡が残るが、ヤブ漕ぎが楽になるほどの跡ではない。 永松山付近は、地形図では平坦地または傾斜が相当緩い地形になっているが、実際は等高線に表れない小ピークが多くあり、平坦地は少ない。 トトンボの頭手前で幕営したが、若干の傾斜がある笹薮の中に無理矢理タープを張った。なお、水は小三ッ石沢源頭で各自2リットル程度を汲み上げた。 ●9/23(月)雨 幕営地〜牛ヶ岳 前日までの稜線と変わらない、笹を中心にしたヤブ。ブサの裏沢遡行者が多いためか、トトンボの頭と牛ヶ岳間のコル付近から、笹を漕いだ跡が強くなる。 牛ヶ岳に近づくと笹が途切れて草原が出現する。池塘が現れると、すぐで登山道に出る。 |
写真
感想
■小三ツ石沢の遡行図を作成しましたので、そのうちこのページで公開します。
一般公開していないけど、記録は会報にも載せます。
◆米子沢
美渓です。初めて沢できれいだなーと心から感動しました。他のナメとか比じゃないです。晴れていて雲ひとつない青空の下に緩やかなナメが続いていて、本当に天国への坂道のようでした。
一度は行っておきたい沢です。
◆上ゴトウジ沢
大滝と雪渓の巻きに少々てこずりました。自分はまだまだ高巻きやヤブ漕ぎが下手糞なもんで。ファイントラック類似のモンベルの超撥水シャツを着ていたんですが、これは汗をかくくらいの状態になると、汗を排出するので体温が上昇し、危険です。
暑がりで大汗をかく自分は、熱中症の危険と隣り合わせになります。
現在、このシャツではないものを着ようと検討中。
◆小三ツ石沢
記録がほとんどない沢ということで楽しみにしていきました。
雪渓がなくて良かった&、1976年(古い!)の記録にある中流部・上流部の雪渓が融けた下にとんでもない滝やらゴルジュが隠れていたらどうしようと、若干ドキドキしていましたが、隠れていたものは10mクラスの滝一つくらいで無事遡行できてよかったです。
◆牛ヶ岳東の稜線
えんえんヤブ漕ぎしました。わかっていました、これはドMルートであることは。
でも大変でした。
2日目は稜線上の適当なところでタープ張って寝ましたが、タープの中は笹をビニルハウス栽培しているかのようで、笹に囲まれて寝ました。熊になった気分でした。
こんなところでビバークする経験はなかなかないので、今後に生かされそうです。
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