五竜岳〜鹿島槍ヶ岳(アルプス平〜八峰キレット〜扇沢)
- GPS
- 29:55
- 距離
- 23.9km
- 登り
- 2,732m
- 下り
- 2,843m
コースタイム
- 山行
- 7:06
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:36
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 2:54
- 合計
- 10:04
天候 | 23日:曇り、強風 24日:晴れ9時頃からガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
帰り:扇沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・アルプス平〜小遠見山 よく整備された登山道。ここの往復の場合登山届は不要らしい。階段が多いので体力はいる。小遠見山付近は見晴らしが良い。 ・小遠見山〜西遠見池 樹林帯のアップダウン。 ぬかるみもあり。 ・西遠見池〜白岳 五竜山荘、白岳を見ながらの景色の良い急な登り。 鎖場あり。 ・白岳〜五竜岳 一旦五竜山荘に降りてからは緩やかな登り。 終盤は岩場の急登。 ・五竜岳〜キレット小屋 ザレ場下りから始まり、いくつものピークを超えたり巻いたりしながら進んでいく。 高度感を感じる様な箇所は少ないが、足場が狭かったり脆かったりする箇所はあるので注意が必要。 ・キレット小屋〜鹿島槍ヶ岳北峰 梯子登り、梯子降るあたりが核心部と思われる。 崖の様なところを通るので高度感があると思う。 岩場直登があり目印に注意。 ・鹿島槍ヶ岳北峰〜南峰 南峰直下が岩場の急登になるので足場をよく確認する必要あり。 ・鹿島槍ヶ岳南峰〜種池山荘 最初のガレ場下りは少し急だがよく整備されており、歩きやすい。 爺ヶ岳は巻道もある。種池山荘前で樹林帯に入る他はずっと景色が良い。 ・種池山荘〜扇沢 樹林帯がメイン。 右側が切れ落ちた水平道があるので踏み外しや落石に注意が必要。 登山口に出たら舗装路を登る。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
飲料
地図(地形図)
携帯
時計
タオル
|
---|---|
共同装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
飲料
地図(地形図)
携帯
時計
タオル
|
感想
念願の八峰キレットへ行ってきました。
初日午後の白馬あたりの天気予報が微妙なのと強風が懸念され、直前まで行くか行かないか悩みましたが、滅多に取れない連休の予約。
これを逃すと今年は行けないかもと思い、自分にとっては少しチャレンジングな条件でしたが決行することにしました。
〜1日目〜
今の時期遠見のテレキャビンは遅い時間の営業で、8:15からのスタートでした。
スキーシーズン外というのもあり周辺の店は何もやってなくて、待ち時間が暇で暇で。
ちょっと離れたセブンイレブンくらいしかやってなさそうでした。
そこからエスカルプラザまでは
あれ?登山始まってる?と思うくらい結構な登りで予想外に疲れました。
エスカルプラザの階段を上がり案内に従って進むとチケット売り場と乗り場に着きます。エスカルプラザは7時半くらいに開きました。
定刻くらいになりさほど並ぶこともなくテレキャビンには乗れました。
標高差700m。
一応歩いてもいけるみたいですが2時間近くかかるかもと思ってやめました。
到着するといきなり白馬三山と唐松岳、五竜岳が見えました。
千畳敷ほどのインパクトではないですが、やはり遠目でもかっこいい。
今回リフトは休止してましたがリフトから見るといい眺めになると思います。
なわけで、リフトは使わず植物園の遊歩道を通って登山開始します。
青いケシ見てみたかったですがもう咲いてませんでした。9月って見頃のお花少ないのかな。
コマクサなんかもシーズンでは見られるみたいです。
小遠見山までは石段や階段などが多く、トレッキングコースと呼ばれています。標高差500mとトレッキングコースとしてはきつめですがとても整備されて歩きやすいし、景色も良かったです。
小遠見山では遠見尾根のコース上唯一爺ヶ岳が見えていました。もちろん鹿島槍ヶ岳もバッチリ見えます。片耳しか見えなかったので新鮮でした。
そこからは少し狭くなった道でアップダウンが続きます。ぬかるんでいる箇所も少しありました。
険しくなるのは西遠見池を超えたあたりからでしょうか。
五竜岳や唐松岳の紅葉した斜面が遠目で見ていたのと違う山かのように輝いて見えました。上空は曇り空でしたけど長野側は晴れ間も見えていたのでまずまずの眺望でした。
白岳を目指しますが中々の急登で鎖場も4,5箇所ありました。いずれも使わなくても登れる程度の難易度です。
大変な登りを終えるといよいよ主脈稜線歩き。
風が強い強い。
五竜山荘に降りてからヘルメット、ウィンドブレーカーを装着し、五竜岳へ向かいます。
人は少なめでした。
トレランの方が多かったです。
というかこの山登ってる人みんな早すぎてびっくりでした。
早く動かないと泊まれなかったり帰れなかったりする場所だからかもしれませんが。
五竜岳はラストの岩場がきつかったです。
山頂がなかなか現れず、まだあるの?が何回か続きました。
何組かすれ違いましたが着いた時は自分一人。
休日の北アルプスの百名山でもこんなことあるんですね。
寒かったし、小屋の予約もあるので程なくして八峰キレットへ向かいました。
序盤はザレザレの下り。
稜線はアップダウンが連続していて、曇天のせいか後ろに控える鹿島槍ヶ岳がコウモリでも飛び交っていそうな不気味な雰囲気を醸し出していました。
この危険な雰囲気、去年の北穂〜涸沢岳を思い出します。
見た感じコースタイム3時間半もかかりそうに見えないと甘く見ていたら大間違い。
ピークを超えるに従って、さらに見えなかったピークが現れるという、少年漫画の敵キャラの様な展開で精神的にやられました。特に今回のルートではキレット小屋の前にラスボスが5匹くらい出てきました。
下りで全体像が見えなくなるのをいいことに途中から距離足されてたのではないかと今でも疑っています。
鎖場や梯子も少々ありますが、そこよりも浮石が多く崩れやすいところが多かったのが難易度を上げていると感じました。
大キレットの様なミスったら即終了という場面は少なく、それよりも落石や転倒によるケガに注意が必要でした。
キレット小屋に着いた時の安堵感は異常です。
心からホッとしました。
キレット小屋の立ち入れる範囲は北穂高小屋と似た作りでこじんまりとしてますが、奥地の割になんでも揃っています。
夜ご飯にハンバーグが出てきたのは嬉しい誤算でした。
難点は携帯の電波が届かないくらいかな。
あと強風で一晩中建物が音を立てていました。
人は少なく快適に過ごせました。
〜2日目〜
翌朝、まだ暗いうちからスタートしました。
八峰キレットの核心部を暗いうちに通過するのは少しもったいない気もしましたが、ご来光のためには仕方ありません。
キレット小屋から少し上がればご来光を見ることもできますが、どうせなら高いところでという気持ちがありました。
いきなり梯子や鎖場がたくさんあり、崖の様な所も通過します。
昨日より危険な場所ですが暗いせいか高度感はあまり感じませんでした。
稜線の東側と西側を行ったり来たり。
東側は日の出方向。
西側は昨日見えなかった剱岳がうっすら見えます。
写真は暗すぎて撮れませんでしたが。
キレットを過ぎると直登の岩登りが続き、息を切らしながら登ったのはとても楽しい時間でした。
体力がある時とない時で気持ちの持ち方が180度違います。
昨日は辛かった。
やがて鹿島槍ヶ岳北峰の脇にある分岐に到着。
ここ気持ちよかったですね。
ずっと遠くに聳えていた主峰の基部に直結して裏側の景色がパッと開けるわけですから。
分岐から北峰へはさほど危険箇所もなくすぐに着きました。
運よく日の出の直前で最高の景色を独り占めしてしまいました。
雲海の先には八ヶ岳と南アルプスの間に富士山まで拝め、立山や剱岳も完全に見えるし、昨日登った五竜岳から白馬岳まで、そして槍穂高連峰、この間登った針ノ木蓮華。
地図やネットを見なくても山の名前が分かると絶景がさらに味わい深いものになるのを実感します。
そして行きたい山が増えてしまう。
ひとしきり堪能し次は南峰に向かいます。
ここの道中も岩場があり油断のできない場所です。
道を逸れると崩れやすい足場になっていることにも注意が必要でした。
南峰はさすがに人が多かったです。冷池の方から次々と登ってきます。
北峰より高い分南側がよく見えるし、抜群の天気に喜んでいる方々の様子を見てこちらもさらに嬉しくなりました。
昨日の暴風の中の1人五竜が嘘の様です。
それはそれで好きですけどね。
鹿島槍からの下りは危険箇所はなくガレ場を九十九折に降りるのみでした。
布引山に少し登り返しがありますがたいしたことはありません。
その頃長野県警と思われるヘリがずっと周辺を旋回してました。
後でわかりましたが前日に鹿島槍の南峰直下で滑落事故があったらしく、
その現場検証か何かだったのかもしれません。
楽しいはずのレジャーで悲しすぎる事故。
ご冥福をお祈りいたします。
またズンズン降っていくと樹林帯に入り冷池山荘のテント場につきました。
20張程度は張れそうな広場に15張くらいすでに張られていました。時間的に昨日入られた方々と思います。
昨日は強風で大変だったと思います。
でも良い景色でうらやましいです。
テント場は山荘より数十m高い位置にあり、往復15分から20分かかります。
不便に思いますが、扇沢から来て初日にここに泊まって2日目に鹿島槍にアタックするのにうってつけの場所なんですよね。
自分もキレットが無理ならこちらのプランを考えていました。
冷池山荘を後にしたAM9時頃から段々とガスが上がってきて日は差すけどどの山も山頂部が隠されるという嫌がらせの様な状態になりました。
幸いこれから登る爺ヶ岳はしっかり晴れてくれました。
日が登ってきたからか斜面の紅葉が目立つ様になり、どこも色鮮やかで素敵でした。
爺ヶ岳は北峰中央峰南峰の三峰からなる山で、北峰だけは立ち入ることができず、他の峰は登ることができます。
どちらも巻道がありますが、数十mほど上がるだけだし時間に余裕があったので登ってみることにしました。
針ノ木サーキットが今までに比べ大きく見え、歩いてきた道のりを実感します。
立山方面を見比べると一番角度的に良かったのは布引山かなあと思いました。行ければ鳴沢岳や黒部別山あたりがさらに素晴らしいかもしれません。
そこからは種池山荘への下り。
そこ一帯だけハイジに出てきそうな小屋と高原で癒されました。
名物のピザはやってなかった様です。
ガスに覆われてしまったことだし柏原新道を下山します。
ここはとにかく長い。
ただ看板や鈴など整備してくれている人の遊び心や優しさが満載で、救われました。
でも登りに使うのは大変そうです。
扇沢に登山道を直結してください(贅沢)
天候や体力に不安があった山行でしたが、無事乗り切れたことに感謝。
いい体験をさせてもらいました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する