鋭い爪を見せながら手招きする白い稜線 ~八ヶ岳~
- GPS
- 17:53
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,513m
- 下り
- 2,491m
コースタイム
美濃戸口5:48 - 6:55美濃戸山荘 - (北沢) - 8:32赤岳鉱泉9:10 - 11:40赤岩の頭手前 - 12:30赤岳鉱泉(泊)
3月19日
赤岳鉱泉7:20 - 9:26赤岩の頭 - 9:51硫黄岳 - 11:10横岳(奥の院) - 12:20地蔵の頭 - 13:13赤岳14:10 - (文三郎尾根) - 15:40行者小屋 - 17:00美濃戸山荘 - 17:50美濃戸口
天候 | 18日:朝は快晴でしたが9時ごろから雲が出はじめ、尾根では強風とガスで行動を中断しました。 19日:夜中から天気は回復し、朝は前日同様の快晴。 一時雲が出ましたが、夕方まで晴れてくれました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
八ヶ岳山荘前の駐車場に停めました。 500円/日 |
コース状況/ 危険箇所等 |
赤岳鉱泉から硫黄岳への登山道、途中で横岳西壁のルンゼ(バリ・ルート)に向かうトレースが多数あります。 稜線では視界がある限りは道迷いの心配はありませんが、雪が湿ってきていて崩れやすく、横岳など急斜面トラバースのシーンでは要注意です。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック 1
下着着替え 1
靴下予備 1
防寒インナー 1
ダウンジャケット 1
レインウェア上下 1
救急用品・薬品 1
ナイフ 1
ヘッデン 1
非常食・行動食 1
食料 3食
水 1.5ℓ
帽子 1
ストック 1
ガスカートリッジ 1
コンロ 1
手袋 3 インナー2・アウター1
コッヘル 1
マグカップ 1
タオル 2
ティッシュ 2
財布 1 カード・保険証含
シューズ 1 靴紐予備含
カメラ 1
携帯電話 1
カメラスタンド 1
エマージェンシーシート 1
ネックウォーマー 1
アイゼン 1
ワカン 1
ツェルト 1
1:25000地形図 1
腕時計 高度計、コンパス機能
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感想
久しぶりの遠征は八ヶ岳でした。
昨年末に雪の赤岳に登った感動を忘れられず、もう一度あの場に立ちたいと計画してみました。
とはいえ、今回は赤岳ピークハントというよりは硫黄岳からの稜線歩きをメインにしています。
2年前の9月に逆から縦走したときはガスと強風で硫黄岳の印象を残せなかった心残り。
(霧の中に次々現れるケルンが印象的でした・・・)
今回天気はどうでも、五感のアンテナをいっぱいに張って歩いてみよう。 前回とは違う発見がありそうです。
今回は行者小屋のテン泊ではなく赤岳鉱泉の小屋泊にしました。
年末に時間を取られたテント設営や食事準備、今回はそこを節約してみようと。
(ここの食事と風呂が大きな魅力だったのが実は大きいのですが・・・)
途中で仮眠する前提でシュラフを積んで前夜7時に自宅を出発し、4時ごろに美濃戸口に到着しました。
このまま美濃戸まで行かなかったのは、できれば2日目に阿弥陀岳から御小屋尾根経由で美濃戸口に下山の予定があったんです。
2日間を歩き切ろうとイメトレはバッチリ(笑)
予報では18日の天気は良くなさそうでした。
視界がなくても道迷い等に気をつけて、できることを楽しむ気でいましたが、暗い空を見上げると星がたくさん光っています!
徐々に明るくなる空には雲がなく、予想外のほぼ快晴でのスタートとなりました。
このあと下り坂には間違いなさそうですが、歩き出しは上々です!
赤岳鉱泉への林道はまだ凍結していて4WDでないと厳しそうです。
下ろした足がツルツル滑り、半分本気でアイゼンを付けたいと思っていました。
赤岳鉱泉までの標高差は700m余り、北沢を歩くのは今回初めてでしたが幸い迷うこともなく鉱泉のアイスキャンディーと出合うことができました。
昼食用の湯を沸かしてテルモスに入れ、アイゼンを付けて小屋を離れ・・・かけましたが、雪で案内が隠れている上にトレースがいくつかあって、小屋の前でまさかの道迷い・・・
テント泊の登山者の方に教えてもらってやっとスタートできたとは格好悪い話です。
地形図を手にトレースを辿り始めますが、あまりにもはっきりしているので照らし合わせるのがなおざりになってしまいます。
その結果、途中の分岐を見落としてしまい、気がつけば横岳西壁の氷瀑の前に立ち途方にくれていました・・・
アイスクライミングのポイントや稜線へのバリルートが数多く存在し、谷の分岐ごとにトレースが残る状況は完全に予想外でした。
目に入るものに無防備に引き寄せられてしまうこと、反省しないとダメですね。
約1時間のタイムロスを悔やみながらルートに復帰し、赤岩の頭に向かいます。
2年前に下ったはずですが、こんな急傾斜だった印象はなく、身体が悲鳴を上げ始めました。
焦って前のめりになると体力の消耗が激しくなるので、ゆっくりゆっくりと足に(?)言い聞かせながら進みます。
高度計の表示が上がっていき、赤岩の頭に近づいたあたりでガスに囲まれ視界がなくなりました。
稜線が近いこともあって風がやたらと強くなっています。
足を踏ん張りきれない風に立ち止まったとき、下りてきたのは小屋の前で言葉を交わした方でした。
山頂近くまで登ったが戻ってこられたとのことで、上の様子を聞いて私も一旦小屋に引き返すことにしました。
予報の通り下り坂でしたが、想像を超える急な天候の変化に驚いたことです。
結局この日は半日赤岳鉱泉から出られず、小屋の内部の探索に時間を費やしたのです。
冬季に風呂がないのはショックでしたが、この広い小屋で別荘のように悠々と過ごす時間もいいものです。
夕食のステーキには感激でした!
前評判に偽りなしですね♪
暖かい布団で熟睡して目を覚ますと外が静かです。
まだ暗い窓から見上げると星が・・・
どうやらいい天気です♪
朝食後にバタバタ準備を終えてスタートしますが、ここでまた道を間違えたのにはテンションが下がりました・・・
散々自分にツッコミを入れながら、もう他の宿泊者が登った道を後ろから歩きます。
昨日よりは体力がある分、なんとか余力を残して稜線に立てました。
雪が湿っぽくて重いのは春の現象かと想像しながら山頂に進みます。
四方に開けた視界を楽しみながら歩く広い山頂部。
爆裂火口、南北の山並みの違い、遠方のアルプス、浅間などの景観を今日は存分に眺めながら歩けます。
赤岳にかけての稜線は一歩一歩の集中力を試されるような緊張感がありました。
峰を巻いて雪の急斜面をトラバースする場面、足元の雪ごとすべり出さないかと・・・
自分の装備や技術でできることは限られますが、ここを歩く楽しみを知っている自分を自慢したい!
地蔵の頭から展望荘へに上がり、食事休憩を取ったところで阿弥陀岳は無理と判断しました。
前日の行程が今日にずれ込んでしまっているので行ける余地はなかったのが本当のところ。
赤岳から文三郎尾根を下ってみることにします。
(この下りも初めてです)
ところが山頂からの下り口が見つからず、しばらくウロウロした挙句にあきらめてしまいました。
前回と同様地蔵尾根から下ろうと下山を始めたのです。
下からすれ違ったペアの登山者と挨拶を交わし、道が見つからなかった話をすると女性の方が良く知っておられ、元気をもらった私はもう一度登り返したのです。
このお二人、女性は山岳会にも入って経験を積まれている方で、あちこちの山のことや技術的なことを教えていただきました。
(基礎が身に付いた上での経験の上積みってやっぱり違いますね・・・)
びっくりしたのは男性(私と同年輩?)が雪山もアイゼンもこの日がデビューだったこと!
初めてアイゼン付けて、この傾斜を下るのは正気の沙汰では・・・失礼!
きちんとサポートされていた女性はまだ若い方でしたが、お見事でした!!
行者小屋でお二人と別れ、スリルの連続だった一日が無事に過ぎました。
おかげさまで歩けた文三郎尾根、目いっぱい楽しんで下ることができましたよ!
このレコを読んでいただいてますか?
この場を借りてお礼申し上げますね!
男性の方は、翌日アイスキャンディーに登られましたか(笑)
そこから美濃戸口までの下りがかなり長くて足に来ましたが、南八ヶ岳を満喫できた素晴らしい日になりました。
午後に稜線にかかってきたガスもまるで私の通過を待っていてくれたようで、何のストレスも受けなかった縦走です。
南からの権現岳ルートや東からの県境尾根など食指の動く舞台はまだまだいくらでもあります。
基礎力を少しずつでも身につけながら次の舞台を楽しみに・・・
八ヶ岳はやっぱりええな〜
横岳付近のそっち周りのトラバースは私の苦手とするところです
どのくらい寒かったのかな〜?
こんにちは!
小さな温度計をぶら下げていて歩きながら何度か確かめていたのですが、氷点下だったことはありませんでしたよ
硫黄岳や横岳のピークでも0度〜+4度でした。
硫黄岳では風のおかげで体感温度は相当低かった
結局それ以外は寒さが気になることはなかったです。
やっぱり迫力ありますね!
いつかは行ってみたいと憧れますね・・・
まだまだ先になりそうですが、初心者コースからちょっとずつ頑張ります
hiroねーさん、こんにちは!
八ヶ岳の山域は北と南で全く違う世界が見られます。
横岳、赤岳の稜線はさすがに気が抜けないルートでした
まだまだ私が雪のシーズンに行けるところは限られています。
夏の間に偵察をして、冬に行って・・・
何度行っても新しいことが経験できる
やっぱり山はスゴイですね
senrakuyaさんと同感!
八ヶ岳はいいですね〜
硫黄〜横岳〜赤岳の縦走とはさすがですね
我々は結局今年は冬の八ヶ岳へは行けずに終わりそうです
monsieurさんのレコで我慢、我慢
素晴らしいレコ、ありがとうございます
こんばんは!
年末の八ヶ岳では赤岳から横岳ピストンでしたので、2度目の今回はちょっと怖さも薄れて・・・
褒めていただいて・・・
メリハリのない文章ですみません・・・
月一回程度は遠征のチャンスをつかめそうなので、がんばって計画してみようと思っています。
来月は先延ばしになっている木曽駒・・・
2日間、八ヶ岳だったのですね、、、
赤岳だけでも私の憧れなのですが、硫黄岳までの稜線歩きとは、
無雪期に歩いても、高度感があり、冷や冷やする箇所が多かったので、
積雪のある今の時期に歩くなんて自分には絶対真似できません
monsieurさん、今回も無事に歩かれたみたいで、すごいな〜
充実の2日間でしたね。
アイゼンも雪山も初めての方も、赤岳に登られていたという話は
とても驚きました!相当な度胸のある方ですよね〜
slowlifeさん、こんばんは
「自分には絶対真似できません 」
・・・わたしは信用してません
でも危険の度合いとか怖さとか、人それぞれにツボが違うようで、今までの経験が違えば当然なんでしょうね。
slowlifeさんの山行を私が真似しようとしてもできないシーンはたくさんあります。
アイゼン初心者の方は、実際には足が止まってしまいそうだったらしいのですが、「誰も担いで下ろしてはくれない」と、覚悟を決めて動いていたとおっしゃっていましたよ。
傍らでずっと指示を続けていた女性は山岳会仕込みなのか、的確な言葉がけでいいサポートをされていました。
でも、初アイゼンで赤岳は私も絶対無理です
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