2022/5/4 奥秩父主脈縦走(瑞牆山荘→奥多摩駅)
- GPS
- 35:46
- 距離
- 70.9km
- 登り
- 4,856m
- 下り
- 6,256m
コースタイム
- 山行
- 6:02
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 6:59
- 山行
- 10:51
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 12:10
- 山行
- 9:02
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 10:01
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 8:06
天候 | 1〜3日目:晴れ、4日目:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
携帯トイレ
|
---|
感想
2020年7月に試みるも天気悪くてやり切れなかった金峰山・甲武信ヶ岳縦走をやろうと、とりあえず韮崎駅から瑞牆山荘までのバスを予約(GW中の臨時便が予約制で出ていた)。でも、連休後半に6連休が確保でき、天気も良さそうなので、もっと先の目標のつもりでいた奥秩父主脈縦走を実行してしまうことにした。
全てテント泊で、1日目大弛小屋泊、2日目笠取小屋泊、3日目雲取山荘泊の3泊4日とした。笠取小屋のみ予約が必要そうな情報があったので、SMSで予約。折り返し電話をもらい、無事に予約できた。
【1日目:瑞牆山荘→大弛峠】
自宅最寄駅からほぼ始発で鈍行で寝ながら韮崎に行くつもりが、八王子で松本行きの中央線に乗り換えるときに登山客多くて座れなかったのが誤算。こんなことなら特急あずさ予約すればよかったとやや後悔(甲府までには空いた)。
韮崎駅では瑞牆山荘行バス乗り場を案内する人が立っていたので、てっきり臨時便についての案内なのかと思って(先日のバス予約完了メールにあった乗り場とは異なるが)指示通り行列に並ぶが、予約した人もここですかと質問してる人がおり、それによると予約してる人はやはりメール通りのバスターミナル外の観光バスだった。予約していたバスを逃したらお金も時間も無駄になるところであぶなかった。
例により運転手が案内をしつつ瑞牆山荘まで小一時間。瑞牆山荘付近は路駐が凄まじかった。さすがは晴天予報の連休である。準備運動して10時頃出発。子ども連れやキャンプ目的ぽいパーティも多かった。ほどなくして富士見平小屋の水場。ここでソフトフラスク2本と100均プラティパスに水を注ぐが、のちに歩いてるときに100均プラティパスから水が漏れて,ザック内部から水がしみ出して気づくという事態に。ザックの中にはそれなりに水が溜まっていたけど、幸いなことにダウンシュラフとダウンジャケットは無事だったのでよかった。荷物を出して中をタオルで拭き,再パッキングして出発。初日に水を大量に持つことを諦める事態になったのがかえってよかったのかも。暑くはないので必要以上に水を持って消耗せずに済んだ。
金峰山の登りは意外とつらい。砂払いノ頭直下から残雪や凍結が見え始めたが、ここはまだ端の土エリアを踏んで乗り越えた。天気は最高。2020年7月に歩いたときはガスと雨で何も見えなかったが,富士山もきれいに見えるしうつくしい稜線が続いていた。とはいえ山頂までの岩地帯が見た目はきれいだけど歩くにはどうも苦手で何とか進む。岩は日差しで熱くなり雪も氷もないが,日陰にはところどころ残雪や凍結があった。それでも持参したチェーンスパイク装着するのが面倒でそのままクリアしようとしていたが,ついに金峰山小屋との分岐のところから先がグサグサの雪で覆われた斜面でスパイクなしでは不可能な感じとなり,チェーンスパイク装着。無事に山頂着。まだ先はあるので大休止としてお湯を沸かしてなんか食べてもいいなと思ったけど人が多くて休める場所を探すのも面倒だったので朝日岳方面に進む。下っていくとかなり雪が多く、よく踏まれてるものの踏み抜きもあった。平坦で広い尾根もあり、これで踏み跡なくて自分でルートファインディングしないといけなかったらかなり時間がかかっていたはず。完全に踏み跡に助けられた。面倒なのでゲイターをつけなかったが、この区間でこそ装着すべきだった。靴に雪が入り、その都度手で取り除く必要があった。なんだかんだで17時を回ってから大弛峠着。それなりにテントあり。外のテーブルに幕営の記入用紙があったので記入し声をかけるとやさしい雰囲気のおじさんが出てきて水場とトイレの説明など受ける。テントサイトは番号が振ってあって区画が整理されていて良い。夕食後は平坦な土のいい床で静穏な夜でぐっすり眠れた。やや寒く思えたのでダウン着てビビィも重ねた。
【2日目:大弛峠→笠取小屋】
一度夜中に起きたが4時過ぎ起床。4時に出たいくらいだったので寝すぎである。即座にお湯を沸かして朝食とするが、撤収して出発したのは6時前となりすっかり明るくなってしまった。いきなり雪が多い。今日はチェーンスパイクに加えゲイターも装着した。今日も天気はいい。北奥千丈岳も分岐から5分もかからないで山頂だったので行って良かった。早朝のきれいな眺めが見られてすごくよかった。国師ヶ岳までは順調だが、そこからはすべり台のような急傾斜を雪が残る中下らねばならず結構イヤな感じだった。登るのも相当つらいと思われる。国師ノタルで雪がなくなったのでチェーンスパイク外す。尾根のアップダウンや倒木を跨いだりを長時間繰り返し、最後の急登をクリアして11時半前に甲武信ヶ岳登頂。ずっと登ってみたい山だったのでうれしい。少し下って甲武信小屋となるが、また雪と凍結が出てきて結構こわい。甲武信小屋はいい雰囲気でテラス席みたいなのがあったので100円で水を汲ませてもらい、バーナーも出して大休止。ゆっくり昼食。
朝の出発が計画から2時間遅れだし疲れもあるので木賊山は当たり前のように巻いてしまった。巻き道も雪が多く滑ったら滑落しそうなあぶない道だったものの、もはやザックをおろしてスパイクつけるスペースもないのでなんとか抜ける。その後もまだいちいち雪があるので途中でチェーンスパイク装着するが、着けたと思ったらもう雪は減って、岩場とかが出てきた。眺めのいいザレ場で再度外す。前方に破風山が見え、鞍部の避難小屋に着けばいよいよ取り付き。かなりの急登ですごくしんどかった。直射日光が当たって暑さを感じたのもあり、全行程でも有数のつらさだった。その後グッと下って再度雁坂嶺への登りとなるが、今度はゆるい傾斜でのアップダウンなので歩きながら回復していくようでそこまでつらくなく、むしろ気持ちのいい道だった。15:40くらいに雁坂峠着。笹原で展望が良く素晴らしい道。しかし笠取小屋への到着が遅くなりそうで気持ちとしては焦りが出てきていた。いくつか山を越え雁峠への下りは急坂のつづら折りで時間がかかり閉口したが、ここまで来れば今日のゴールは近い。ちょっと丘を登っていくと眺めのいい笹原にいろんな道があり、よくわからずに「小さな分水嶺」に着いた。縦走路のレポで見かけて気になっていたところなのでちゃんと来られてよかった。整備された木道を下るとほどなく笠取小屋。18時まぎわになんとか到着。遅くなってしまいましたと手続きするが,またもやさしいおじさんがやさしく迎えてくれた。ここも平坦でいいテント場。いい場所を開けておいてくれていた。登山者風でない子ども連れの外国人がいたりしてキャンプ地としても人気なのかもしれない。疲れてるので水場往復もややしんどかったが遠くはない。なんとなく気温も高くビビィは不要だった。電波(LINEMO)もなく20時にはシュラフに入るが疲れのためかかえって変に頭がさえており全然寝られず。数時間しか寝られなかった。
【3日目:笠取小屋→雲取山荘】
3時には起きて朝食とし撤収して4:55発。天気のいい中まずは笠取山。うっかり巻き道に行っていたのでちょっと戻る。恐るべき急坂の直登。朝一なのでなんとかなるが、例えば2日目のゴールを将監小屋にしていたらこれを疲労困憊のなかこなさねばならず、自分には不可能に思えた。笠取山山頂からはきれいに富士山が眺められる。電波も入ったのでメールなどの用事を済ませる。笠取山の東側のピークまでは岩がちなやせ尾根で結構こわかった。下りもまあまあの急坂で苦手な感じで気を遣う。巻き道に合流すればさわやかな笹の道で,唐松尾山まで尾根に乗ってからアップダウンがあり、岩を乗り越えたりする場面もあるもののそれほどつらくはない。トレラン風の人などとスライド。いちいち富士山も見え快適。唐松尾山から山の神土まではちょっといやなトラバースもあった。山の神土から将監峠まではなだらかな笹原で走る人にとっては高速道路さながらの快適な道。縦走路のレポで密かに気になっていた「萬羽日出夫君ここに眠る享年18歳」の碑もついに見ることができた。
トイレに行きたいので将監峠から将監小屋に下りかけるが、すぐそこの稜線を行くと思うとここで谷筋を下って行くのはあまりに無駄なので、小屋寄るのはやめにして竜喰山方面へ。竜喰山への道標はあったが昭文社の地図では破線すらないのでさすがにこれは巻いても許されようということで通常のルートを行く。竜喰山を含む山脈が飛龍山まで続いてるが、飛龍山直下まで全てトラバース道(実はその先も)。平坦なのではじめのうちは「もう雲取までは楽なんだな」と思って快調に歩くが異様に長い。途中、登山道の真ん中で鹿が死んでおり腐臭を放って骨を見せつつあった。異様に長いトラバース道を進むうち足がふやけてきてる感触があり、そのうちベロンと皮が剥けたら大変なので心配になる。大ダルというところが開けておりゆっくり休めたのでゲイターも外し靴も脱いで足の様子を確認。幸いにも皮が剥けそうという感じではなかった。しばし足を乾かしソックスを予備のものに替える。ゲイターをなんとなく付けてると脛が蒸れて汗をかき、それがソックスを伝って足を濡らしていることがわかった。
水の残量にやや不安があるので飛龍山前の岩清水という水場で水を汲む。岩陰から湧いてるのでそこにたまっているところにペットボトルを浸して水を汲むしかなかった。大ダルから飛龍山への山頂登り口まではトラバース道だが急な登りもあり消耗しかなり時間がかかった。飛龍山分岐からはちょっと斜面を登るとあとはゆるやかなシャクナゲのトンネルを行く感じで良い雰囲気だった。無事に飛龍山も登頂。記憶にはないが中学2年のときに登ったことがあるらしく必ず寄りたいと思っていた。記憶がよみがえるなどは全くなかったが、まあまあ感慨深いものはあった。昭文社の地図では破線だが山頂から北側に明瞭に登山道があり、急な下りではあるが雲取へのルートに合流。
三条ダルミまでも延々と長く続くトラバース道で、常に滑落を気を付けないといけないし、崩落して高巻きするところがいくつかあるし、頑丈な木橋は心強いものの全く楽しい道ではない。基本的に平坦ではあるけど支尾根のために遠回りさせられてる感覚があり、たまに木々の間から雲取が見えはやく取り付きたいと思うのになかなか近づかない。平坦という意味で尾根筋よりナイスだなどと思ったりもしたが、実際には尾根の上をアップダウンしたほうがはるかに楽しいだろうと思えた。途中トレラン風の人に抜かれたりしつつなんとか三条ダルミ着。天候はずっと良好で富士山もよく見えた。ゼリー飲料飲んだりしてひと休みして最後の雲取への登り。標高差200mくらいで破風山や笠取よりもさらにつらいが、今日のファイナルデスティネーションだし東京都最高峰の著名なピークなので前向きにがんばれた。30分くらいかかり14時半頃に登頂。しばし休んで雲取山荘へ。結構下るので明日登り返すのがいやになり、七ツ石小屋まで進むのもありかなと思うが雲取山頂も電波がなく七ツ石小屋幕営に予約が必要かどうかの確認もしてないし、予定通り雲取山荘とする。15時前に到着。幕営手続きで1500円支払う。まあまあ混雑していて小屋から離れながらもなんとか隙間に設営できた。その後に来た人たちは設営できる余地を探して結構苦労していた。水場は勢いよく水が出ていて食器を洗っていいのかたわしもあり,トイレも清潔でいい環境。昨日おとといと比べてかなり早く着いたのでやることもなくゆっくりできた。大休止をとってないので早めの夕食。結局今日も小屋のアルコールにも手を出さず、全行程で水以外補給しなかったので全然お金を使わなかった。気温が高くないので快適で、どうしてもコーラを飲みたいみたいな気持ちになることもなかった。
【4日目:雲取山荘→奥多摩駅】
風と雨の音で真夜中に起き、ややウトウトしながら最終日はレインウェアを着て歩くのかーと案じる。トイレ行くのも傘がないと面倒だななどと考えていたが3時になったので起きて朝食。外に手を出してみたらテントは全く濡れておらず、雨が降ってると思ったのは全くの気のせいだった。風で木からなにかが落ちていたのか。軽めの朝食後撤収して5時ちょうどに出発。山頂は昨日通ったので巻き道という手もあったが、せっかくなのでまた登る。朝一で体力回復してるのでそれほど苦ではない。すっかり夜は明けてるのでご来光とかはなし。今日は快晴ではなく高曇りで山々は雲の下から見えはする。快適な石尾根を歩き七ッ石山を過ぎる。次の高丸山の手前で誤って巻き道に入るが、やはり巻き道はつまらないということで分岐で登り返して高丸山、日陰名栗山と歩く。急登で登りもつらいが高丸山の下りがすごく急でかなり慎重になる必要があった。日差しも出るがまあまあ寒く、とはいえ上着着ると絶対に暑くて汗をかいて水を消費してしまうので半袖一枚で行動するが、さすがに消耗したのか首回りに妙なこわばりが出てきて顔の筋肉も変に緊張してきて明らかに休憩しないとヤバい感じになってきた。ちょうど鷹ノ巣山避難小屋があったので入って休む。宿泊した風のおじさんがシュラフに座ってラーメンを作っており、自分もラーメン食べたくなって非常用に入れていたシーフードヌードルを食べて大休止となる。おじさんとも会話し避難小屋に二泊してる人がいるなどいろんな楽しみ方を知る。確かに快適そうだけど混雑して寝られないのも困るとは思った。
鷹ノ巣山に登ると酉谷山とか長沢背稜の山々が見え、あまり理解してなかった奥多摩山域の雰囲気がやっとわかってきた。マルハダケブキもやたら多い。あとは石尾根縦走路をひたすら下っていく。また首のこわばりとか謎の症状が出るのでその度に飴を食べて休憩を入れた。最後の林道直前ではもうゆっくり歩くしかできないくらい疲労の極みだったが、いざ林道に出れば計画をこなせたうれしさでちょっと元気は出た。そこからも意外に奥多摩駅は遠かったがなんとか到着。天候に恵まれた最高の4日間であった。
観光案内所でもえぎの湯を紹介され、10分程度という話だったので歩いて向かうが結構遠い。温泉に入って着替えてリフレッシュし、もえぎ御膳という川魚の定食でゆっくりと昼食。また駅まで歩き16:17のホリデー快速おくたまに乗る。18:03東京着の快速。指定席もなにもなく来たのに乗るだけで、「快速かまくら」とは大違いで好ましい。クロスシートであってくれてもいいとは思ったが。
【まとめ】
夏山装備を基本としつつ、シュラフを冬に使ってる暖かいやつにし、また長袖シャツの代わりにナノエアライトフーディを着て行った。これが失敗で、行動中は暑過ぎた。結局半袖のTシャツ一枚で動くことになり、運動量が多い場面ではなんの問題もないけど、風の吹く場所だと寒かった。とはいえナノエアライトまで着て歩くのは暑いので、普通に夏山に持って行ってる薄手の長袖を用意しておくべきだった。テント場などではダウンも当然必要。
4日間の行程で宿泊地のチョイスはちょうどよかった。初日に早朝スタートなら甲武信ヶ岳まで行けるかもしれないけど体力的には結構いっぱいいっぱいになりそう。
2日目は雁坂峠から雁峠まではそんなに大変じゃないので、ちょっと頑張って笠取小屋まで行っておいたのはよかった。一方、2日目に将監小屋までというのは、仮に笠取山を巻くにしても私の力量では到底無理だろうと思った。3日目はトラバース道が多く楽ではあるけどつまらないのに危険な道なので最も苦痛だった。最終日は快適な石尾根を下るだけなのでかなり楽。と思っていたのがそれなりに長い下りなので結構限界ではあった。
ツェルト泊にしたりとか装備重量を工夫すればいろんな可能性はありそう。
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