悪沢岳・赤石岳(沼平〜椹島〜千枚岳〜悪沢岳〜中岳〜赤石岳〜椹島〜沼平)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 3,034m
- 下り
- 3,034m
コースタイム
7月13日:中岳避難小屋(4:40)〜中岳(4:45-4:50)〜荒川小屋(5:35-6:20)〜大聖寺平(6:50)〜小赤石岳(7:45-7:50)〜大倉尾根分岐(8:00)〜赤石岳(8:15-8:30)〜大倉尾根分岐(8:40)〜水場(9:15)〜富士見平(9:45-9:55)〜赤石小屋(10:15-10:25)〜1900m地点(11:35)〜椹島(12:40-12:50)〜聖沢登山口(13:10)〜赤石トンネル(13:20)〜中の宿吊橋(13:45)〜畑薙大吊橋(14:15)〜沼平ゲート(14:25)
過去天気図(気象庁) | 2008年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
写真
感想
百名山33座目および34座目。
南アルプス南部、憧れの悪沢・赤石。行くか行くまいか最後まで迷っていましたが、思い切って行ってしまいました。決断したのはいくつか理由があって、
(1)東海フォレストの小屋は7月16日から営業開始なので、この土日に行けばただで泊まれる。
(2)小屋がやってないのですいてるに違いない。
(3)井川ダム付近の通行止めのため路線バスが運行されていないため、なおすいてるに違いない。
(4)シカによるお花畑の食害がニュースになっており、とにかく早く行きたい。
などです。
急に決めたので休みを取れず、行けるのは土日だけ。本来は初日は移動だけで椹島に1泊。2日目は千枚小屋、悪沢を越えて大展望の中岳避難小屋へ1泊。3日目に赤石を越えて下山という予定を立てていましたが、これを土日だけで駆け抜けるとなると金曜夜から移動するしかありません。しかも椹島に泊まらないので送迎バスに乗れませんから、沼平〜椹島18kmを自転車移動することにしました。
ちなみに、コースを反時計回りにしたのは、時計回りでの赤石避難小屋泊だと、反時計回りに比べて翌日のコースタイムが大分長くなるという理由です。
通行止めの迂回路は千頭から市道閑蔵線、もしくは富士見峠から林道小河内川線となります。千頭まで行くとかなり西まで行くことになるので、行きは小河内川線を使うことにしました。井川大橋も経由できますがネットで写真を見たら怖すぎのため井川湖の北端まで林道を使うルートを選択しました。とにかく夜の運転が不安で前日もそれで頭がいっぱいでした。
金曜日は早々に帰宅。荷物は準備していましたが自転車は帰宅してから前輪を外して積み込みました。もたもたしてて出発したのは7時過ぎ。厚木インターから東名に乗り、中井PAで夕食。その後は順調に進んで清水インターで高速から降り、静清バイパスを西へ進みます。地図を頼りにのろのろと進み、千代田上土インターでバイパスから離れ北へ。標識には「井川50km」とあり、意外に近いかも・・・とか期待しましたが大きな間違いでした。道は道路工事中の横を通っていき、次第に雰囲気は山の中。真っ暗で良く分かりませんが。いよいよ道も狭くなって登りもきつくなってきました。しかも霧がすごい。不安に駆られつつ長い長いのぼりを経てやっと笠張峠へ。富士見峠はすぐ先で、それを過ぎて下っていくと通行止めのため、右に折れて林道に入っていきます。ここから状態はかなり良いもののダートが続きます。また入れ違いするには狭い程度の幅員でカーブも当然多く、緊張を緩められない状態が続きます。井川大橋への分岐を過ぎるとすごい傾斜の登りとなり、登りきると今度は一気に下ります。それも何とか乗り切ってやっと畑薙第一ダムへの道路へ入りました。舗装もきれいで幅も広くてらくちんと思っていましたが遠い遠い。ここだけで20km近くあります。しかもここにくると動物がやたら出現してきます。キツネ?タヌキ?シカ?そのたびにドキドキさせられます。
出発から6時間半、深夜1時半にやっと沼平ゲートに到着しました。先客が5,6台。駐車場にテントが1張。とにかく早々に自転車を車外に出して、助手席のシートを倒して就寝。十分暑いので寝袋も必要なさそうです。疲れがあったので眠れました。3時になったらもうすぐ明るくなるだとうと思って支度を開始。4時過ぎるとあっという間に明るくなり、あわてたいところですが途中で壊れたら最悪なので自転車を慎重に組み立て、4時20分車を離れます。東俣林道はほとんどがダート。状態は思っていた程よくありません。しかし最初は登りはほとんどなく順調に走れます。湖を左に見ながら走ってると、出ました、畑薙大吊橋。すごい。こわい。
近くで見ると、足場はネットで見た20cm幅の木板1枚ではなくて、50cm幅の軽量鋼製板になってました。帰りに歩こうと決めてここは通過。やがて道は右岸に渡り、発電所を過ぎるとすごい登り。押すしかありません。押して押してやっと下り。その後もアップダウンを繰り返し走っていると、大きな吊り橋。「笊ヶ岳登山口」とあります。中の宿吊橋ですね。さらに走ると目の前にダムが現れました。高いな。ジグザグの登りはきつく、やっと登り切ってトンネル。トンネルを抜けるとすごい崩壊地で、「ザァーッ!!」という音と共にたくさんの落石。握りこぶしくらいありそうなのが目の前を通過していきました。思わず悲鳴がでてしまいましたね。
その後は平らないい道が続き、聖沢登山口を過ぎて、ついに椹島へつきました。沼平から2時間。もう結構ヘロヘロです。ネットで見た超健脚者さんでも1時間40分くらいのようですから、まずまずかな?
ロッヂの受付にお願いして自転車を前に置かせてもらい、とりあえず自宅に電話をして無事を伝え、第二の朝食を食べ、いよいよ山道へ入ります。最初沢沿いを緩やかに登りますが、吊橋を渡ると急な登り。しばらく登ると尾根に出て、アップダウンがあり、林道を横切り、小石下へ。清水平の水場は特に表示はありませんが沢が登山道のすぐ横を流れています。冷たい水で一服。樹林の中を黙々と登ると、目の前が開けました、見晴岩です。登山道から尾根の方まで登るとさらにすばらしい展望。これ見られただけで十分かも、という感じです。
千枚小屋まであと少し!と駒鳥池目指し登り始めますが、かなりきつくなってきました。寝不足?自転車?とにかくふらふらながらも駒鳥池までは登り、そこで大休止&昼食。千枚小屋へひと踏ん張り。少し回復はしましたがやはりきつい。特に千枚小屋手前は急坂で足が進みません。ただ大分花が咲いていて折れそうな気持ちを慰めてくれます。
ついに千枚小屋到着。とりあえず水を補給。小屋にバイトさんがたくさんいます。開業の準備でしょうか。笊を見ながらもうやめるか思案投首。
ここでやめたら明日悪沢ピストンで帰るしかないし、六時までかかってもいいから進むことにしました。登りだしたところで初めて登山者とすれ違い。千枚岳への登りもザレた斜面できつい。しかし展望は非常に良く、とにかくゆっくり進みます。小屋から55分。コースタイム超えてしまってますけど千枚岳到着。すばらしい展望です。少し岩場を通って、丸山を目指します。それにしても花が多い。
丸山への登りが名前と裏腹にまたきつい。また55分かかって丸山へ到着。完全に各駅停車になってます。
ここから悪沢は非常に近く見え、元気が沸いてきますが、なかなか近づいてくれません。しかし椹島から苦節8時間、ついに日本第6位悪沢岳に登頂です。
まさに展望360°。
ちなみに、悪沢の山頂付近には南ア特産、「赤い石」がたくさんあります。
名残惜しいですが小屋を目指します。かなり急に下って登り返しますが今までほどはきつくありません。それにしても悪沢の北面、南面、西面の花の多いこと。至仏も目じゃありませんね。
3時から始まった長い1日が終わったのは16時20分でした。小屋に入ると先客が1名と、管理人さんが。戸惑いながら「素泊なんですけど・・・」と言うと、「宿泊の費用は要りません」とのことでひと安心。ただトイレは有料で
す。それにしても管理人さんいるなら素泊千円でもとればいいのに、サービス良すぎですね、東海フォレスト。
夕焼けの悪沢は息をのむような存在感でした。泊まって良かった。
夜目覚めたら星でも見ようと思って7時に寝たら目覚めたのは4時半近くでした。相当疲れていたようです。それにしても寒い。なんと気温4℃。空気もきれいで富士山もくっきりです。
管理人さんに挨拶して出発です。主脈の東側を下って行き、尾根を一つ乗っ越して、お花畑!と思ったら、え?というくらい咲いてませんでした。ただ時期が早いだけなんでしょうか。シカが頭をよぎりますが正確なところは分かりません。頭の中が?で一杯になりながら歩き、水場も過ぎて、あっという間に荒川小屋に到着。水のたくさんあるところで朝食にします。
小屋を過ぎて大聖寺平への登り。いやな雪渓のトラバースがありました。かなりこわいので普通に歩かず上向きになってカニ歩きで通過。
赤石へのきつい登りに入りますが、一晩寝たおかげで昨日より大分元気です。小赤石の付近にもすばらしいお花畑が広がっています。
分岐にザックはデポして、赤石山頂を目指します。さすがに体が軽い。赤石岳登頂。
小屋で一緒だった方も登ってこられました。鳥倉から来て悪沢・赤石ピストンして帰るということ。すごい。さて、本当に帰るのが惜しいですが帰らなければなりません。大倉尾根分岐までもどったときに赤石小屋の管理人さんがいました。コースの雪かきにこれから行くということ。それを聞いて不安になります。いくつか雪はありましたが、こわいのは1箇所。それもカニ歩きで何とか通過しました。この北沢コースも花がすばらしい。
途中、「クェ〜!」という声に振り向くと、雷鳥!
道は樹林の中に入りますが、富士見平はすばらしい展望が広がっています。赤石を見て気づいたのですが、北沢もカール地形ですよね。調べたら日本最南端のカール地形ということです。
小屋の水場で喉を潤し、しばらくフラットな尾根を歩くと、ひたすらの下りです。1900メートルのところで林道を横切ります。ガイドブックに載っていた「カンバの段」とか「林道を一部歩く」というのは分かりませんでした。若干道が変わっているのでしょう。やがて道は尾根からはずれて巨大な斜面をジグザグに下るようになり、とうとう椹島へ戻ってきました。
ロッヂで家に電話をかけ、自転車で沼平へスタート。行きよりは下りが多いわけですけど、やっぱりきつい。なに
しろ暑いし。畑薙大吊橋まで来たので記念に少し歩いてみました。こわいけど結構大丈夫でしたよ。ここまでくればもうちょっと。小屋を出てから10時間近く、ついに帰ってきました。自転車をなんとか片付け、時間も時間なので温泉もパスして帰宅の途につきます。行きの林道がもうたくさん、という感じだったので帰りは千頭に行こうかな、と思っていたら途中道が半分ゲートで閉められていて、「この先全面通行止め」。非常に迷いましたが、半分開いてるし車が何台か来てるので大丈夫なんじゃない?と思って千頭方面へ突進。そしたら、接阻峡も過ぎて閑蔵駅のあたりで本当に全面通行止めでした。「どうしたらいいの?」と聞いたら「井川大橋渡って帰って」との返事。結局まるまる10kmほど戻ることになり、しかも絶対いやと思っていた井川大橋渡ることになりました。渡るところにある「2台以上通行禁止」という標示がこわさをさらにレベルアップさせています。しかも後ろで1台待ってるのが「あの人俺の後ろについて渡ってきたらどうしよう・・・」といのるばかりでした
とにかく怒涛のような2日間でしたが、天国のような2日間でもありました。次は北岳・間ノ岳です!
いいねした人