烏帽子岳〜野口五郎岳〜南真砂岳〜水晶岳〜赤牛岳 ◆北アの奥深いトコロ◆
- GPS
- 25:21
- 距離
- 49.2km
- 登り
- 4,242m
- 下り
- 4,031m
コースタイム
- 山行
- 10:52
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 11:53
- 山行
- 12:39
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 13:26
天候 | 1日目:晴れのち曇り 2日目:快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※2日目の復路では高瀬ダムから七倉までタクシーに乗りました(2,340円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■七倉山荘 → 高瀬ダム 一般舗装路。トンネルをいくつも通過しますが灯りのないトンネルもあるのでヘッデンは必携です。 ■高瀬ダム ↔ ブナ立尾根登山口 トンネルを通過しますが平日日中は大型ダンプがたくさん通ります(歩道あり)。吊り橋を渡ってしばらく進み、濁沢を渡ると間もなく登山口です。 ■ブナ立尾根登山口 ↔ 烏帽子小屋 日本三大急登のひとつ、烏帽子小屋まで標高差1,200mを一気に上げます。道は歩きやすく、下部は階段、手摺なども整備されています。12分割された表示が目安になります。 ■烏帽子小屋 ↔ 烏帽子岳 小屋から南岳方面へ進むと、途中で「烏帽子岳山頂」方面に分かれます(案内標識あり)。山頂直下にはクサリあり(タテ1本、横トラーバース1本)、難しくはありませんが狭いので行き違いでは譲り合いが必要です。 ■烏帽子小屋 ↔ 湯俣分岐 石灰岩がザレた白砂が多く、歩きやすい道です。ところどころに大きめのゴーロ帯やガレもあり。三ツ岳ピークは登山道から逸れます。野口五郎岳は頂上へ向かうルートと頂上踏まないルートの2本あり。 ■湯俣分岐 ↔ 南真砂岳 分岐から平行トラバース気味に進み、一旦鞍部まで落とした後に登り返します。崩落斜面のトラバースにはピンクテープが付けられています。足元は脆いですが丁寧に踏み跡を追えば問題ありません。その後ハイマツ帯になりますが、それほどうるさくありません。「晴嵐荘方面はこちら」の案内板から少し進んだ先が頂上です。 ■湯俣分岐 ↔ 水晶小屋 単なる通過区間と思っていたのですが、なかなかの難路でした。大きめのゴーロ帯が続き思った以上に時間がかかります。東沢乗越を越えると水晶に向かって岩稜帯の登りになります。小屋に近付くと木段が整備されています。 ■水晶小屋 ↔ 水晶岳 水晶岳取り付きまでは一般登山道。取り付きからは険しい岩稜になります。南峰を越えて進み、さらに登った先が北峰(2,978m)です。 ■水晶岳 ↔ 赤牛岳 水晶から向かう方向だと前半は下り基調、温泉沢ノ頭まではガレや岩場が多いです。その後赤牛までは歩きやすい道と岩場が半々くらい。赤牛手前で登り上げていくゴーロ帯にはケルンがたくさん積まれており、とてもわかりやすいです。復路では水晶に向かって登り返すことになります。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
はじめて歩く裏銀座、そして最も奥深い百高山・赤牛岳へ。計画は随分前からつくってあったものの天候不順に泣かされたこの夏、台風の隙間を縫って2日間は天気がよさそう→水晶小屋の予約を押さえ、七倉へ向かいました。
午前3時すぎにヘッデンスタート、真っ暗なトンネルを抜けていきます。やがて九十九折を過ぎて高瀬ダムに。ここからもう1本トンネルを抜けて吊り橋を渡ります。濁沢を渡ってしばらく進んだ先がブナ立尾根登山口でした。
ブナ立尾根はほどよい傾斜、リズムよく登っていかれます。上部にくると林のむこうに眺望、先月歩いた蓮華岳〜針ノ木岳の姿が見えてきました。
取り付きから2時間20分で烏帽子小屋へ。軽食を取っていると途中でパスさせていただいた3人パーティさんが到着されました。石川県から来られたという皆さんとしばし山話をさせていただき、野口五郎へ向かう皆さんと別れて私は烏帽子岳へ。向かってすぐに見えてきたピークらしきがそれかと思ったら、烏帽子岳はその向こう、ピラミダルな岩稜の峰でした。クサリも使って大きな岩を登り頂上に到着、その景色を眺めます。明日歩く予定の水晶〜赤牛の稜線も遠くに見えていました。
烏帽子小屋まで戻ると稜線を南に。三ツ岳、野口五郎岳を経て湯俣との分岐、百高山の南真砂岳へ向かいます。はじめは水平トラバース、その後鞍部まで落とした後はハイマツ帯の登り返しとなりました。振り返るとワリモ、鷲羽、三俣蓮華の峰々、奥深いところに来たんだなぁと実感します。
分岐まで戻ると本日の宿・水晶小屋へ。この区間は消化試合のつもりだったのですが、なかなか大変でした。大きなゴーロ帯に時間がかかり、東俣乗越を過ぎると険しい岩場も現れます。それらを越えて15時すぎに小屋に到着しました。
2日目も午前3時スタート、小屋を出て見上げた空にたくさんの星たちが瞬いていました。真っ暗なアルプスの稜線を歩いていきます。薬師岳の方角、太郎山あたりかヘッデンの灯りが一つ、雲ノ平あたりにもう一つ見えて、この広〜いアルプスでこんな時間に動いているの3人だけかと考えたら愉快な気分に。
小屋から程なくして水晶岳取り付き、それまでの道から様相が変わって険しい岩稜になります。ハシゴを登り、岩も登っていきます。ヘッデンの灯りにキラキラと光って見える細かい粒は水晶の結晶でしょうか。「鉱物を採取しないこと」という(植物や動物でなく)珍しい看板を通過して山頂につきました。
ここから赤牛岳へ、まずは山頂からぐんぐん下ります。ガレた岩場に注意しながら高度を下げ、しばらく進むと温泉沢ノ頭、そこからは多少のアップダウンを交えつつほぼ平坦に進んでいきます。東の空が色付きはじめ、進んで行く先に大きな山のシルエットが見えてきたので、その黒いシルエットが赤牛岳だと思い込みました(意外と簡単に着いてしまった印象)。ポツポツと積まれたケルンを頼りに大きめのゴーロ帯を登っていくと、しかしそこは山頂でなく、その向こうに本当の赤牛岳が現れました。ちょうど日の出前のタイミング、もともとの山の色(赤い岩稜)とモルゲンの効果も手伝って、幻想的な赤牛岳が目の前にありました。
赤牛山頂でちょうどご来光、昨日にも増して素晴しい朝です。後立山、劔・立山、薬師、黒部源流、槍・穂高・・・。どこを切り取っても絵葉書になりそうなパノラマが拡がっていました。水晶に向かっての復路は黒部五郎や笠ヶ岳、槍・穂高を眺めながらの絶景ハイクでした。
水晶小屋で休憩すると昨日来た道を戻ります。湯俣分岐より手前のゴーロ帯だったか、どこかのタイミングで右足を踏み違えて軽くひねってしまいました。その時は気にもならず、その後も普通に歩いていたのですが次第にくるぶしが腫れてきたのか、靴にあたる部分が痛くなってきました。右足の紐を思いっきり緩めたり、誤魔化しながら進むもいよいよダメ!念のためザックに入れてあった地下足袋に履き替えることとなりました。地下足袋ではくるぶしはまったく痛くなく、爪先も開放感があって良いのですが足裏は薄くて痛いのでガレ場はビクビクです。ブナ立尾根も木の根や石に気を使いながら、(心境的には半泣き状態)何とか降りてきました。
計画段階では七倉まで歩き切りたいと考えていましたが、高瀬ダムでタクシーを見た瞬間、「乗れますか?」と尋ねていました。
写真を拝見するに、南真砂の難所だった平坦ザレ場の急斜面トラバースが崩れたんでしょうか?なんか、崩れてくれたおかげでむしろ歩きやすそうな斜面に変わったのかなと思いました。これなら女子1人(私じゃ無い😅)でも行ってもらえそうかな😁って思わず、お供百高山を見放そうかなと頭がよぎりました 笑 南真砂もお供かなーって思ってたもので。
それにしても2日とも良いお天気で、プレゼントの手拭いがバエル写真でうらやましいです😍 地下足袋の備えもさすがですね!踝、お大事に〜。
濃密な2日間でした!こんな素晴しい場所、1泊2日ではもったいない。できるならば高天原温泉あたりでのんびりもう1泊・・・などと想像は膨らみますが、とりあえず2日間で目一杯歩きました。
南真砂の急斜面トラバースは(2021年6月のharubo33さんレコを再度拝見しましたが)、明らかに歩きやすくなっています。正直言って「急斜面」「トラバース」という意識もないまま、普通に通過していた感じです。harubo33さんたちがトラバースされたのより低い部分に踏み跡ができており、足元はやや緩いものの、丁寧に踏んでいけば普通に歩いて通過できます。お友達の経験値にもよりますが、技術レベルとしてはさほど難しくはないと感じました。
本当に天候に恵まれた二日間でした(^^)。地下足袋は過去に2度黒戸尾根を昇降していましたが、できるならばもうあまり使いたくないです(笑)
このルート、以前に似たルート歩いたなと自分の山行記見返してみたら、
9年前に高瀬ダムIN-OUTで水晶岳まで歩きました。
赤牛まではとても無理って感じだったの思い出しました。
北アルプスのど真ん中にいるような水晶〜赤牛岳の稜線、ほんと素晴らしいです!
過去レコ拝見しました、9年前に高瀬ダムから歩かれていますね。xyzJINさんが歩かれた湯俣周回コース、ギリギリまで(歩きながらも)どちらにしようかと迷っていました。晴嵐荘前に吊り橋が掛け直されたということで渡渉の心配はなくなったのですが、最後の10km平坦が退屈そうで・・・ピストンを選びました。
おっしゃられる通り「北アルプスのど真ん中」でした!!水晶〜赤牛間はどちら向きで歩いても最高の稜線歩きになること間違いありません。読売新道、いつか行かれたらいいですね(^^)
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