南会津 丸山岳 (白戸川 芦安沢〜メルガ股沢)
- GPS
- 56:00
- 距離
- 31.5km
- 登り
- 1,962m
- 下り
- 1,956m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
関連記録 https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-4281625.html |
写真
感想
遅い時間だから煽られることもなくシルバーラインをのんびり走り奥只見ダムへ向かう。
大好きな山域への玄関口であるが、やはり後ろめたさはある。
ここを起点にする登山はトンネルを車で走り、いきなり山奥からスタートしてしまう。
自分が好ましく思っていないロープウェイ利用のトレッキングや、リフトやゴンドラ利用での山スキーと本質的には変わらない。
標高差は無いもののシルバーラインの時短は数日レベルなので、反則度合い的には立山黒部アルペンルートとそう変わらない。
近年増えている白石沢スラブへの渡船利用でのアプローチについても考えていたが、シルバーラインを良しとしてお金を払った渡船に疑問を呈すのは矛盾でしか無い。
あと数年経てば開通するであろう八十里の国道289号線も同じように、それを利用して山に入る人が増えるはずだ。
自分が遡行した沢で一番多くのゴミあった叶津川流域もより身近になり、さらに釣り師とゴミが増えることは必然だろう。
静かだった浅草岳東面も山スキーで賑やかになるだろう。
けれど、この構図は冠松次郎が黒部ダムについて反対していた様子と全く同じではないか。
そして、僕自身もその完成した黒部ダムを利用して上ノ廊下を遡行したり、剱岳の岩場を登ったりした。
さらに今こうして電源開発のために作られた奥只見ダムへ通じるトンネルを利用して南会津へ向かっている。
袖沢乗越(峠)へ続く踏み跡に少し顔が緩む。"径(みち)"もまた、人が作ったものであるにも関わらず、登山道や車道より愛着を感じるのも矛盾だ。
大きなカエルが沢山いた。顔をかすめる枝からたまにコシアブラの匂いがしてほっこりする。
春にWakaとスキーを担いで歩いた袖沢峠を跨ぎ白戸(しろと)へ下る。
いい響きである。いつか春に渡る場所を考えながらのんびり下る。
洗戸(あらいど)沢は洗淀とも書き、古くは荒戸/荒淀(あらよど)とされている沢とは思えないほど穏やかな顔だった。
芦安沢で振り返ると猿倉(べいくら)山が聳える。だんだんと毛猛(けもう)や会津朝日も見えてくる。開けた場所で休むと風が通り心地よい。
稜線に出るとひどい藪だ。ツタが絡まり離してくれない。しかし、こんな密藪も丸山岳の一部だと思うと笑顔になる、わけがない。
こんな藪をスキーを担いで歩くのは頭がおかしい。
山頂へ飛び出ると、紛れもない楽園だった。
ホシガラスが大きな声で鳴いて出迎えてくれた。
丸山岳にはかつての登山道の爪痕が未だに残っている。
会津朝日岳まで続いていた登山道と違い、何十年経っても戻らない湿原の傷だ。
雪化粧を取り、原始の姿を表した山々が一面に拡がる。奥深さゆえの素晴らしい展望だ。
ただ、2つだけ見える人工物が「奥只見ダム」と「湿原の傷」というのはなんと皮肉なことか。
そして自分自身がその奥只見ダムから来てしまっている。
染まりゆく山々を見て眠りに着いた。
朝も綺麗に染まった。ただただ素晴らしい。
けれどその美しさより、見渡す山々あちこちに思い出が出来ていることが嬉しい。
守門、浅草、御神楽、飯豊、会津朝日、毛猛、檜、未丈、大鳥、村杉、猿倉、裏三山、平、燧、梵天、高幽、坪入、窓明、三岩、会津駒…
大きい山は調べなくても、もうわかる。
昨日のような藪漕ぎも対してなくメルガ股沢の沢型へはすぐ入れた。
水が綺麗で森が近い沢だ。ここがほんとうの森だ。
袖沢林道はとてもしっかりしており、車の往来の痕跡が今もある。
美しいってブナ林を見ながらその道を利用してダムへと戻った。
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