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Yamareco

記録ID: 4679264
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

南岳→焼岳(新穂高温泉経由)

2022年09月10日(土) ~ 2022年09月13日(火)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
67:38
距離
65.5km
登り
5,641m
下り
5,621m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:45
休憩
0:11
合計
4:56
距離 35.3km 登り 1,305m 下り 1,150m
15:14
16
15:30
15:33
63
16:55
17:01
0
17:45
29
18:14
41
18:55
18:56
74
2日目
山行
8:43
休憩
2:01
合計
10:44
距離 11.2km 登り 2,447m 下り 1,204m
4:18
6
4:24
4:28
36
5:04
5:13
101
6:54
7:06
66
8:12
8:16
5
8:21
8:37
4
8:41
8:44
83
10:07
10:24
65
11:29
12:01
4
12:05
12:06
138
14:24
14:47
15
3日目
山行
5:19
休憩
3:54
合計
9:13
距離 8.0km 登り 1,136m 下り 1,755m
6:21
32
6:53
7:02
29
7:31
7:50
22
8:12
7
8:19
9:16
90
10:46
10:58
12
11:10
11:30
2
11:32
11:57
11
12:08
12:45
14
12:59
13:26
8
13:34
13:38
8
13:46
14:03
18
14:31
14:36
27
15:03
19
15:22
15:23
11
15:34
4日目
山行
4:38
休憩
0:57
合計
5:35
距離 11.0km 登り 739m 下り 1,498m
5:09
7
5:30
5:31
54
6:25
6:28
27
6:55
7:00
42
7:42
7:58
4
8:02
7
8:09
8:10
5
8:15
8:17
46
9:03
9:32
28
10:00
42
10:44
ゴール地点
GPSの誤差で、変な時間が記録されている箇所がある。
藤木レリーフでは止まっていない。
A沢のコルでの休憩が長谷川ピークの滞在だと認識されている模様。
逆層スラブでも止まっていないし、間ノ岳では煙草休憩をしたがせいぜい20分である。間ノ岳から西穂高岳までも止まっていない。西穂独標では10分ぐらい止まっている。
天候 日曜〜火曜 いずれも朝は快晴。稜線は次第にガスる。夜は雨ぱらつく。風・気温ともに快適。
過去天気図(気象庁) 2022年09月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 自転車
コース状況/
危険箇所等
〜滝谷避難小屋
夜歩いた。よく整備されていて飛ばせるが、いくつかある渡渉点は中部山岳らしい大規模なゴーロで、ヘッデンで対岸の登山道を探すのに少し手間取る。

〜南岳
滝谷と南沢の渡渉点も昨晩同様ヘッデンでは少し手間取る。未明から日帰りで槍を目指す人が何人か歩いていたが、皆すんなり渡渉しているようで大したものである。
槍平で槍への道を分けると、利用者の減少に伴って両脇から伸びた草に触れるようになる。とは言え良く整備されている。急登なのでペースを守って地道なアルバイトをこなす。途中から笠ヶ岳と北穂の滝谷側の展望が素晴らしく、ペースを乱される。

〜北穂
大キレットは正直なところ怖い箇所は無かった。単発の岩場の難易度では西上州や御神楽とかにもっと怖い所があったように思う。しかし岩場の総量はそういった他所の山域とは一線を画しており、更に酸素の薄い中で大きなアップダウンを強いられる体力的な要素を加味して国内有数の難ルートと評されるのであろう。今回はほぼ無風で好条件であったことも記すべきである。半分ぐらいガスってたけど滝谷を登攀するクライマーを見られた。

〜奥穂
岩場の難易度は大キレットとどっこいどっこい。涸沢岳の登りでは南岳新道で消費した脚がそろそろストライキを画策し始めたらしく、ペース落ちる。

〜西穂
大キレットと比べると2,3段階は難しく、評判通りにちゃんと怖かった。要所にペンキや鎖が整備されているが、単なる岩稜歩きの経験に加えて、多少は岩登りの心得が要ると思う(私の登攀能力は室内壁で5.10bがようやくといったところで、クライミング界隈ではお子様レベルであるが)。今回は平日を選んだので、それなりに足の揃った数人がほぼ等間隔を保って進行しており、人為落石には余り怯えずに済んだ。
ペンキは薄い所も結構多く、私はジャンダルムの少し先で信州側を巻くべき所を暫く稜線伝いに進んでしまい、落石を起こさないように復帰するのに難儀した。ペンキが無いと更に5段階ぐらい難しくなる(私は行けない)と思う。
名前が付いている難所は前情報で想像が膨らんでいるせいか、案外すんなり行ける。しかし無名の怖い箇所が沢山ある。逆層スラブみたいに鎖がなければ自分でロープを出してラッペルするような所はちゃんと鎖があるので、潔く鎖を使ってちゃっちゃと進めば良い。問題は鎖があればありがたいなぁと思うような箇所で、こちらはたまに鎖が無い(おそらく、鎖を設置すると落石祭りになる)ので、特にクライムダウンの時はゆっくりネチネチ進む。

〜西穂山荘
西穂を過ぎれば殆ど走っていけるような道かと思いきや、ちょいちょい後ろ向きで下らなきゃならん箇所がある。高山入門のつもりでロープウェーから西穂ピストンする人なんかかなり怖い思いをするんでは無かろうか。

〜焼岳小屋
泥濘多し。それは避けられるが、高山帯には無かった朝露を纏った下草がワンワンで、4日目にして遂に靴がベショベショになる。

〜中の湯登山口
急に日帰りハイカーが増えて高速道路化する。でも4日目なので思ったほどスピードが出なかった。
その他周辺情報 滝谷避難小屋
私は死人の思念が実体化したり、あまつさえそれが現世に何か作用したりといったことは有り得ないと考えている(もしそれが有り得たら曰く付きの場所に限らず、ヒトの生息地全てで歴代の戦災や自然災害の犠牲者の霊がごった返すであろう)が、現代科学や自分の持てる知識が及ばない事物の存在を否定するわけではないので、幽霊と表し得る事象に邂逅できた暁には専心して観測したいと思っている。とは言えやっぱりちょっと怖いので、小屋に入る際は元気よく挨拶して心の中で念仏を唱えた。
残念ながら今回、幽霊らしき事象は観測できなかった。人の話し声はずっと聞こえるが、滝谷の沢の音が煩いので建物に反響しているのだろう。そもそも滝谷に散ったクライマーでなくて、ツアー客のおばちゃん軍団みたいな声だった。山の中で一人で寝ていると聴覚が敏感になって、無意識に脳が自然音に情報を付加してしまうのだと思う。その他の霊体験として流布されている事象も大概は自己催眠とか白昼夢の類であると推測するので、観測してやろうと意気込んでいる限り、会えることは無いのかも知れない。
懸念していた便所の薫りは、居住区との間にしっかりした扉が2枚あるので気にならなかった。泊まる人は少ないらしいが肥溜にはしっかり養分が貯えられていた。オシッコを掃射すると蛆虫が一斉に踊り出し、ヘッデンに反射する光が夜空の星のように瞬き出す。クサイ光景である。
水場はあるらしいが、暗くて分かんなかったので滝谷から直接汲んだ。美味しい水だった。

穂高岳山荘はテン泊者も水が汲み放題だった(しかも稜線の小屋なのにそのまま飲んで美味しい)が、西穂山荘の水は別料金(500ccあたり百円;箱に入れる方式)だった。夕方に汲むのをサボって明け方汲もうと思ったら小銭を切らしており、両替のために小屋の人を起こすのも忍びないので、朝飯準備のため?発電機が回り出すのを待って自販機で茶を買った。
予約できる山小屋
槍平小屋
栃尾温泉の洞谷
南岳新道上部。振り向けば奥丸山が常に見えていて、それを追い抜いて高度を上げてゆくのが気持ち良い。
南岳新道上部。振り向けば奥丸山が常に見えていて、それを追い抜いて高度を上げてゆくのが気持ち良い。
この構図のジャンダルムはあんまり出回ってない気がする。奥穂~西穂の前半戦は結構眺めが良かった。
1
この構図のジャンダルムはあんまり出回ってない気がする。奥穂~西穂の前半戦は結構眺めが良かった。
西穂独標より振り返る。高い所はガスった。
西穂独標より振り返る。高い所はガスった。
割谷山のあたりから、新平湯温泉の湯気や洞谷が掛け下った先の栃尾温泉など、自転車区間を一望する。
と、思っていたが後で地図をよく見たらこれは中尾温泉の辺りが見えているだけだった。
割谷山のあたりから、新平湯温泉の湯気や洞谷が掛け下った先の栃尾温泉など、自転車区間を一望する。
と、思っていたが後で地図をよく見たらこれは中尾温泉の辺りが見えているだけだった。

装備

個人装備
テント タイツ 半ズボン トレランシューズ 長袖シャツ ドライレイヤー ラガーシャツ(殆ど着なかった) ワークマンのソフトシェル 雨合羽ズボン ヤッケ上衣(雨合羽の上衣がボロボロ藪漕ぎ仕様なので) 生米1合 α米3パック(うち1パック予備) レトルトの牛丼とか3パック ソーセージ3パック 朝飯用早茹でパスタ100g×4(うち100g予備) 行動食1000kcal×3日分+予備500kcalぐらい 水筒最大4リットル分(小屋での補給を当てにして行動中は2リットル程度しか持たず) 日焼け止め ヘルメット 寝袋 化繊綿入り上衣 などなど

感想

3日間の夏季休暇を普通は盆に取るのだが、何となく先送りにしていた。9月中に取らねばならない。ちょっと忙しいのだが無理矢理休む。

かれこれ15年近く登山をしてきたが、穂高に行ったことが無い。どうやら北アの天気が安定していそうなので行ってみることにする。本当は丸山岳とか御神楽沢も考えていたが、もっと真面目に計画しないと難しそうなので一般ルートで日和った。ついでに焼岳も未経験なので計画に加える。上高地は何度か来ているが新穂高側は知らないので、そっちに起終点を置きたい。ところが焼岳から新穂高側に下るルートが通行止めらしいので、中の湯か上高地と新穂高温泉を繋ぐ必要が出てきた。バスをちょっと調べたら乗り換えとか出てきてもう面倒くせえので自転車にする。ちょうど槍ヶ岳は以前登った時に次は北鎌から来ると誓いを立ててしまっているので、飛騨乗越ではなく滅多に通る機会の無さそうな南岳新道を使うことにして収まりが良くなった。

土曜
早朝自宅を出て十日町で給油。松本近郊で食糧の買出し。スマホの地図だけだと頻繁に見るのがかったるいので、エアリアを買おうと書店に行くが在庫なし。更にカモシカスポーツに行くもここも在庫なし。折角なので穴の開いた靴下を更新する。結局スマホの地図だけで歩くことになった。大方の地形は暗記しているが、奥壁バンドとかロバの耳みたいなこまい地名を押さえてなかったので、のちのち他の登山者との会話に若干齟齬を生じることになる。そうこうしていたら15時を過ぎてしまい、ちょうど焼岳の日帰り組が続々と帰り始める時間だったのでスムースに駐車できた(駐車できなかった場合は鍋平を起終点に焼岳カットの短縮版を考えていた)。

駐車地点の標高が高いので難なく安房峠を越える。自転車を採用したのは交通機関の下調べが面倒いからだけでなく、全行程人力で繋いだ方が美しいという宗教的理由もあるのだが、これではズルである。
エンジンブレーキの無い乗り物での下りは怖い。穂高の稜線よりこっちのが危ないかも知れない。
平湯か栃尾の適当な店で煙草を補給しようと思っていたのだが、すっかり忘れてしまい、節煙山行となる。
自転車をデポし、サイドバッグからザックにパッキングし直して歩行開始が17時半。滝谷避難小屋に先客は居ないであろうが、もし居たら顰蹙だ。何なら私のヘルメットとザックはちょっと古風なので、先客が居たら幽霊に間違われるかも知れないなと思いつつ快調に進む。避難小屋まであと100m足らずの地点で、下界で食い溜めしたグリコーゲンが枯渇したらしく、1回余計に休憩した。

日曜
稜線直下まで快晴のもと愉しく登る。槍ヶ岳も見えていたが、南岳で写真を撮ろうと思っていたら着いたときにはガスってしまった。電波が通じたので天気図を見たりして大休止。暫く気圧配置に大きな変化が無いので明日明後日も今日と同じような天気であろうと希望的観測を行う。この読みはだいたい当たった。
北穂高小屋でラーメンに課金。美味かった。
涸沢岳は何回も偽ピークに騙されてしんどい。眼下をヘリが旋回して何か探している様子だったが何だったのだろう。
穂高岳山荘はすごい賑わいであった。焦って明らかに狭いテン場を確保したが、テントを広げてみると想像以上に無惨な状況で、見かねた周りの人に場所変えたら?上にまだ空きがあるよ?と言ってもらってようやく冷静になった。草臥れて変な判断をしていたようだ。良くない。
晩飯のα米とおかずだけだと500kcalに満たないので、ソーセージを持ってきたが、これのせいでビールを買うハメになった。北穂に続く課金。学生時代は帰りの汽車賃とテン場代を除くと風呂代さえ覚束無かったので、小屋で良いものを飲み食いしている大人達を目の敵にしていたのだが、私も見事つまらん大人に成り果てた。

月曜
昨日より行程は短いが核心の日である。夜に雨が降ったので日が昇って岩が乾くのを待ち、のんびり準備する。未明から奥穂のピークにはヘッデンの明かりが渋滞していて、それを眺めながら標高が高くて上手く炊けなかったパスタをモソモソ飲み込む。自分が出る頃にはだいぶ渋滞も解消した。小屋のトイレで身体の軽量化を済ませて出発。
普段山頂で看板や自分の写真は撮らないのだが、ジャンダルムではちょうど登ってきた方に撮ってもらった。
回収不能になった落とし物をちょくちょく見掛ける。ここではザックの外付けは厳禁であろうに。
西穂山荘でまたビールを買ってしまって飲んでいると、大キレットから前後して歩いてきた方に親しく話しかけていただいた。私は例によってウニャウニャとしか喋らなかったのでちょっと申し訳無い。夜は遠くで雷がピカピカしていた。

火曜
朝は水の補給に手間取ったのと、パスタに飽きて食欲がイマイチだったため、予備の行動食で済ませた。ピャッと焼岳を踏んで下山。平日なのに続々登ってくる人が居て驚いた。南峰に登っている人も居た。周りから丸見えなのに大した度胸の持ち主だ。
自転車を回収するが、来る時すんなり積み込んだはずのものがなかなか車に収まらず、焦る。奮発して温泉宿に泊まり、記録を書く。


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