北岳〜間ノ岳〜農鳥岳
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- GPS
- 19:03
- 距離
- 25.4km
- 登り
- 2,692m
- 下り
- 3,356m
コースタイム
広河原9:00-11:20二俣11:40-13:40小太郎尾根13:40-15:15北岳15:20-16:20北岳山荘
7月19日(土)
北岳山荘5:00-6:40間ノ岳6:50-9:30農鳥岳9:50-10:20大門沢下降点10:20-13:00大門沢小屋13:30-17:00奈良田
天候 | 7月18日:曇り時々雨 7月19日:曇り時々雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
18日は広河原行きのバスが夏ダイヤになる前の平日だったのでガラガラでした。 19日の夕方に下山したときは駐車場が半分程度埋まっていました。 駐車場に仮設トイレ有。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは広河原インフォメーションセンターと広河原山荘にあります。 危険箇所ですが、 左俣コースは上部で崩落があったため、できるだけ右俣から登るように小屋の人から言われました。 また、大門沢下降点から急坂を下りてすぐにある橋は少し斜めに傾いていて、濡れていると滑って危険です。僕は滑りました。 |
写真
右側の草の中に岩があったので、そこを掴んでなんとか通過しました。
が、この後しばらくして登山道から外れた場所を歩いているのに気づき、しばらく右往左往することになります。
今思い返すとこの時点ですでに登山道から外れていたのかもしれない。
装備
個人装備 |
カッパ 1
ピッケル 1
医薬品 1
GPS 1
コンパス 1
地図 1
行動食 1 適量
水 1 適量(2Lくらい?)
エマージェンシーシート 1
アイゼン 10本爪
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感想
梅雨の晴れ間を期待して、去年と同じ白峰三山縦走に挑戦してきました。
去年はテント泊装備の重さと気温の高さで体調を崩し、北岳に登っただけで帰ってくるという体たらくだったので、その反省から今回は小屋泊まりで荷物を軽量化して挑みます。
二日間とも基本的に曇り空だったので去年のように熱中症のような状態になる事もなく歩き続ける事ができました。
ただ、稜線に上がってからは西風をまともに浴びるようになってしまい、特に北岳山頂から北岳山荘へ向かう道中では歩く事が困難なくらいの強風を経験しました。
曇り空のおかげで体力的に楽だった半面、景色をほとんど見る事ができなかったので、気候が安定する時期にまた歩きたいと思います。
また、今回の山行では普段しないようなトラブルを続けて起こしてしまい、かなり反省しています。
自戒のため、何が起きたかまとめておきます。
1.北岳山頂付近で道を間違える
北岳山頂から北岳山荘へ向かう途中、ガスで視界が悪くなりマークを見失って登山道ではない斜面を下ってしまいました。
そちらが正しい方向だと思った理由は、マークを探してきょろきょろしている時に影らしきものが見えた為です。山頂手前で4人パーティに追い抜かれていたので、先行している彼らの影だと勘違いしました。
しかもその斜面には踏み跡が残っていたので、あまり深く考えずにそちらへ下りてしまいました。
ただ、下りるほど傾斜が急になっていくし、立っているだけで足元が崩れていくほど足場が悪い。
先行しているはずの4人パーティの姿も見えないし、何かおかしい。
下りようと思えばまだ下りられるけど、滑落の危険を感じたのでそこで止まってちょっと考えてみました。
・登山道にしては浮石が多すぎる。
・かなり傾斜が急で歩きにくいのにロープや鎖が設置されていない。
・こんな危険な道なら地図に何か書いてあるのが普通ではないか。
などなど。
結論として道を間違えたと判断し、とりあえず山頂まで戻ることにしました。
が、登り返そうにも足場が悪く、油断すると滑落しそうなので山頂までかなり苦労して戻りました。
判断を誤った原因は、自分の進む道を「他人が歩いているから」という理由で決めてしまったことだと思っています。
山頂に戻った後、地図やコンパスで方向を確認してしっかり探したらマークはちゃんと見つかったので、最初からそれをやらなければいけなかった。
しかも4人パーティだと思った影の正体はただの岩で、他人ですらなかったという有様です。
2.浮石を踏んで足を強打する
農鳥岳の山頂で大きめ(デスクトップPCくらい)の浮石を踏んで足を怪我しました。
説明が難しいのですが、シーソー状に浮いている石の端っこを全体重をかけて踏んだら石がきれいに半回転して、踏んだのと反対側の端っこが右足の脛を直撃しました。
弁慶の泣き所という位で痛みも強烈で、しばらく動く気にならずにうずくまっていましたが、幸い骨に異常はなかったようで痛みは次第に治まってきました。
「こんなでかい石なら動かないだろう」という油断が招いた事故ですが、もしも骨折していたら厄介な状況になっていたと思います。これからは足を置く場所にもっと気を使わなければなりません。
歩けるようになるまでの間、もしも本当に骨折して自力歩行が不可能になってしまったら何ができるかメモを取りながら考えていたので清書しておきます。
・応急手当。
応急手当のマニュアル本とピッケル、テープを持ち歩いているので、それらを使って患部を固定することはできそう。
・救助要請。
山頂にいるのは自分だけだが、同じコースを歩いている登山者が後方に一人いるはず(農鳥小屋で情報交換していた)。その人に伝言を頼む。
・ビバーク
大門沢小屋に救助要請を伝えてもらったとして、救助してもらえるのは早くて翌朝と予想されるのでビバーク要。
・天候は曇り時々雨で、さらに悪化する可能性あり。
・西風が強いが、山頂から一段下りれば風を避ける事はできる。
・ツェルトは無いがエマージェンシーシートはある。
手持ちの食料
・バターロール ×5個
・ゼリー飲料 ×1個
・飴玉 ×1袋
・チョコ ×1袋
・ドライフルーツ×0.5袋
・水 ×3.0L
翌朝までと考えれば十分だと思われる。
衣類(行動中に着ているものを除く)
・ダウンジャケット
・ジャンパー
・長袖Tシャツ
・長ズボン
・厚手の靴下
・カッパ上下
加えて防水加工のザック(70L)と防水インナーバッグ(90L)有。
雨が止んだ隙にササッと着込んでエマージェンシーシートに包まり、ザックとインナーバッグを被ってしまえば
凍える事はなさそう。
・費用
保険に入っているので何とかなる。
という感じで、このときの所持品で対処できそうでしたが、やっぱりツェルトはあった方が良いなと思いました。
今度買おう。
3.橋から滑り落ちる
大門沢を下るルートでは丸太でできた梯子状の橋がいくつも架けられていますが、最初の橋は横棒が丸太でできている上、橋の真ん中から先は捻れて谷側に傾いています。しかも雨で濡れているので滑る要素満載でした。
渡るときに前後方向に足が滑ることを警戒して、靴底の土踏まずの部分で横棒を踏み、つま先とかかとのブロックを引っ掛けるようにして渡っていたのですが、谷側に傾いた所で横方向に足を滑らせてしまいました。
土踏まずの部分は溝が無いので滑りやすいのは当然ですが、あそこまで抵抗なくつるりと行くとは思わず…。
そのまま下半身が完全に橋から落ち、右手で掴んだロープと橋の縦棒に引っ掛かった左腕の肘で何とかぶら下がる格好になりました。
右手だけは絶対に離さないように気をつけて橋の上によじ登り、その後もズルズル滑りながら何とか渡り切りましたが、あの橋はどうやって渡れば足を滑らせずに済んだのか?
横棒じゃなくて縦棒を踏みながら横向きに歩けば行けたかな。
4.大門沢で道を間違える
大門沢小屋を過ぎて橋を二回渡った後、川の右岸を歩いている途中でいつの間にか登山道ではない場所を歩いている事に気付きました。ずっと登山道を歩いているものと思っていたのですが、ふと気が付くと完全に藪の中にいたという感じです。
地図を見ても右岸に登山道があることは間違いないので、自分が立っている斜面の上か下に登山道がある筈。
辺りを見回すと5〜6mくらい下に踏み跡らしきものを見つけたので、滑落しないように気をつけてそこまで下りてみました。
地面がやわらかくてたくさんの人に踏まれている感じではなかったので登山道でないことはすぐ分かりましたが、その踏み跡を辿って下流方向へ歩いてみる事にしました。
迷ったときは正しい道だと確信が持てる地点まで引き返すのが鉄則だと思いますが、下りてきた斜面が脆くて滑落の危険があったので引き返す事ができなかったのです。
で、結局この踏み跡も数分もすぐに消えてしまい、改めて登山道を探す羽目になりました。
下はもう川しか無いので可能性があるのは上だけです。目を凝らすと20mくらい上に道っぽい雰囲気の水平なラインが見えます。
斜面を直登すると滑落しそうだったので、藪漕ぎしつつ斜め上方に移動してじりじり高度を稼ぎ、下から見えたラインのところまで上がるとそこが正しい登山道でした。
ちょうど腰掛けるのに良い石があったので、休憩がてらどこで登山道から外れたのか思い返してみましたが、さっぱりわからず。途中で通過するのに危険を感じるほど崩壊している箇所がありましたが、あの時点ですでに登山道から外れていたのかも。
さらにその前ということは、恐らく小さな沢を横切らないといけない所で誤って沢に沿って歩いてしまい、そのまま本流の方へ下りてしまったのかなという感じです。
どこで間違えたか確認するために登山道を引き返そうかとも思いましたが、体力的にきつかったし、後でGPSログを確認すれば良いだろうと考えてそのまま帰ってきました。
車まで戻ってGPSロガーを見ると途中でバッテリーが切れたようで電源がオフになっていました。
帰宅後にGPSログを確認してみると、西農鳥岳付近でログが途絶えていて大門沢のログは取れていませんでした。
結局どこで道を間違えたのかわからないままで気持ちが悪いので、やっぱりもう一度同じルートを歩いてみなければと思っています。
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