赤岳 − 展望無くても充分楽しめたのですが…自己嫌悪も
- GPS
- 09:34
- 距離
- 13.6km
- 登り
- 1,405m
- 下り
- 1,391m
コースタイム
羽衣池 7:10
リフト終点 7:50
賽の河原 7:58
牛首山 9:05
扇山 9:24
真教寺尾根核心部入り 11:07
真教寺尾根分岐 12:03
赤岳南峰着 12:28
赤岳北峰 12:34
赤岳天望荘 13:02
赤岳天望荘発 13:19
県界尾根・トラバース路分岐 13:39
大天狗 14:19
大なぎ頂 15:00
清里分岐(小天狗分岐) 15:08
登山道入り口 15:30
県道終点ロータリー 15:59
たかね荘到着 16:25
天候 | 曇り後雷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・入口には”八ヶ岳美し森ロッジ”とあります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト: ★リフト終点にポストあり。 真教寺尾根: ★核心部(標高2700mぐらい)までの登りが長く、結構消耗します。焦らずに休憩を入れつつ登ると良いと思います。たかね荘から1100m、美し森からなら1200m登った後が核心部になります。 ★核心部入りして最初の鎖場(その前に一つ準備運動的な鎖場がある)は、足場に乏しく斜度もありキツイという印象でした。その後稜線に出るまでの全ての鎖場は、手がかり足がかりが豊富で鎖は補助的に使えばよいです。 ★過度に恐れる事は無いと思います。 天望荘〜県界尾根トラバース路: ★残雪ありません。小さなルンゼ状の場所を幾つか横断しますが、落石に注意。荒れ気味という印象でした。 県界尾根: ★トラバース路より下部には、上から順に、ザレた土の長い鎖場、長い一枚岩の鎖場、梯子と鎖のコンビネーションの3カ所の鎖場があります。このうち、長い一枚岩の鎖場は斜度があり、岩の質的に、しっかりした足がかりが取れるか不安でした。濡れているとさらに危険だと思います。結局、懸垂下降のような形で降りました。 ★県界尾根の鎖場は、ある程度の腕力が必要になると感じました。 ★清里分岐(小天狗分岐)から大門沢の登山口までは長い急な下り。さらに車道に出るまではコンクリートと石ころゴロゴロの辛い道です。 詳細なルートガイドはこちらを参照されると良いと思います。 ★日本アルプス登山ルートガイド>八ヶ岳 http://www.japanesealps.net/yatsugatake/index.html |
写真
感想
前日に茅野市と北杜市の天気予報を確認し、赤岳行きを決行する事にしました。
夜の0:30頃に自宅を出発。須玉のデイリーヤマザキで飲み物とランチパックを調達し、すき屋で牛丼と食べて美し森の駐車場に午前3時半頃に到着。2台ほど駐車している車がありました。途中は霧と雨で不安でしたが、取りあえず出発予定の午前5時まで少し仮眠をとりました。目が覚めると外は雨で霧もかかっており、出発時間を2時間ずらす事にしました。再度目を覚ますと雨はあがっており、核心部の手前まで行って判断するという前提で出発する事にしました。
美し森でトイレを済ませて、少し上のたかね荘まで車で移動します。賽の河原までの笹薮を通過する際にはレインウェアの下を着用した方が良いという前情報を得ていたので、最初から着用して午前7時にスタートしました。途中リフト終点までに2人パーティをパス、リフト終点では4人パーティが登って来られて、先に行って頂きました。こちらの方々とは、この後核心部手前まで抜きつ抜かれつでした。こちらはソロで初めての道。同じルートを近くに歩いている人が居るとやはり心強くなりますね。
賽の河原でレインウェアとジャケットを脱ぎ、少し休憩。目指す赤岳山頂はガスの中で裾しか見えません。樹林帯の中で不安だったアブやブユは近寄ってきませんでした。赤や黄色の服が幸いしたのか、それとも天気か。先は長いので1時間毎に10分程の休憩を入れつつ牛首山、扇山を越えると、見晴しが開けて赤岳が見えてきました。相変わらず山頂はガスの中でしたが、天狗尾根の奇岩は見えています。少しはマシになってきたのかなと、ホッとしました。足元にゴゼンタチバナの小群落があって、写真を撮っていたら、すぐ傍らにずっと探していたヒカゲノカズラを見つけました!胞子嚢を付けた茎を元気ににょきにょきと伸ばしています。
探し物を見つけて少しテンションが上がり、周りには高山の植物…コケモモやイワカガミ、鮮やかな赤紫の雄花を付けたハイマツが目立ち始めます。牛首山の登りあたりから既に疲れを感じていたのですが、このあたりまで来ていよいよ足が止まり始めました。核心部を前にこんな事でどうするんだよ…と思っていたらお腹がグ〜。考えてみれば…3時頃に牛丼を食べて以来、何も食べてません。もう10時か…これが所謂シャリバテ?お腹が空いたという感覚はあまり無かったのですが、何か食べなきゃ!とランチパックのブルーベリーを頬張りました。先週の西丹沢でもえらく疲れて、バテるのが早い理由は他にもあったのですが、それは当日の夜に気付く事になります…
そんなこんなで登り続けると、いよいよ鎖が出てきて核心部に迫ってきたようです。ここで進むか退くかのジャッジ。ガスはかかっていますが雨は降っておらず、風は強めでしたが体を動かされる程の強風ではない。という条件なので進む事にしました。ヤマレコでも良く見る最初にして最大の難所の下まで来ると若いカップルが休憩していました。私も”手もと足もと”の看板の下で身支度を整えて、この日の為に買ったヘルメットをかぶり、一服してアタック開始!…と10分ほど前に出発したはずの先程のカップルがまだ鎖場に居ました。女の子の方が随分難儀をしていて、すぐ上からお兄さんが励ましながら色々と指示をしているのですが、泣きながらパニックになってしまっている様子でした。
結局、私は彼女が何とか登り終えるまで下から見ているしかありませんでした。色々と考えはしたんです。そばまで登って行って、何か手助けしてあげられるのだろうかと。けれども、複数の人から何か言われるとパニックを助長するだけかもしれないし、何よりも…万が一の場合に巻き添えになる訳にはいかないという思いが勝りました。…冷たいですかね…。命綱を確保する装備は無いし、本格的な鎖場なんて今日が初めての私に何が出来る?恐らく見ているしかないし、その選択は正しいと信じていますが、今でも多少の自己嫌悪はあります。
登り終えてお兄さんの方と少し話をしました。真教寺尾根ピストンの予定だそうです。この先も鎖場は続くし、怖いのはすぐに何とかなるものではないと、暗に引き返すべきだと仄めかして先に進みました。その後の鎖場は大した事は無く、色々な高山植物の写真を撮りながら稜線まで登り終えました。真教寺尾根分岐には青いミヤマオダマキが咲いていました。竜頭峰を巻くと、前方のガスの中から声が聞こえるので、そこに山頂がある事が解ります。時折りガスが途切れると、下の方から続々と人が登ってくるのが見えました。赤岳南峰はこんな天気でも人が沢山登っており、ソロらしい方にシャッターを頼まれ、こちらも一枚撮って頂きました。その間にもどんどん人が増えていくので、すぐに北峰に移動しました。赤岳頂上山荘のそばでは見たかったツガザクラが咲いていました。
ガスで展望は全く無いので、勿体無いという気にもならず、山頂を立ち去り昼食予定の赤岳天望荘まで降りました。ランチパックを食べながらガスが切れる事を期待していましたが、残念ながら赤岳の雄姿を見る事はかないませんでした。出発時間を遅らせたので時刻は午後1時を過ぎており、雷が鳴り始める前にある程度下まで降りておきたいというのが次の目標です。出発準備を済ませトラバース路に向かうと、ガスが途切れて野辺山のあたりが一瞬見下ろせました。天気が良ければなぁ…どうしようもないとは言え、つくづく残念です。
トラバース路は途中数カ所のルンゼ状の場所を横切ります。雪渓になっていたらさぞかし危険な場所だろうと思いますが、登山道上に雪はありませんでした。途中で県界尾根と真教寺尾根のツインズが一望できます。荒れ気味のトラバース路を終え県界尾根に合流すると、ガスの中登ってきた真教寺尾根の核心部が上の方に見えます。県界尾根の上の方には岩峰が見えますが、あんなところ登れるのか??って感じでそそり立っていました。最初に出てきたのがザレた土の鎖場で、その次が一枚岩の長い鎖場でした。両方とも怖いと言うよりも、滑らないように降りるのが厄介だなぁという印象でした。いざりながら降りるよりも、腕力に頼って懸垂下降するように降りる方が良さそうだったので、そのようにしました。手っ取り早く片づけられました。
暫く歩くと避難所になりそうな大きな岩穴があり、その前に紫色のムシトリスミレが咲いていました。写真を撮っていると、突然横岳の方から雷鳴が聞こえました!マズい…まだ核心部を抜けていないのに!雷は午後3時過ぎかなと予想していましたが、まだ2時少し前…焦りました。大急ぎで降りていくと、すぐに梯子が出て来ました。躊躇せずに取り付き、降り切るとすぐに鎖が続きます。先程と同じような一枚岩で、同じように懸垂下降で降りると鉄の桟橋に続いていました。これは知っています。これが出ると核心部は終わりのはず…少しホッとしました。
雷鳴は合計3回聞こえて取りあえず止みましたが、雷雲が発生しているのは間違いないので引き続きペースを上げて降りていくと、前方から登ってくるパーティが見えました。15人程の中高年のパーティで9割近くが女性でした。挨拶しましたが、半分ほどの方々は見向きもせず返答も無し。まだこれから核心部が待ってるのに、結構いっぱいいっぱいだなぁ…という印象でした。返答頂いた方々に雷が鳴った事と、鎖場は意外と腕力が要ると思うとお伝えして別れました。そのパーティとすれ違った場所から20分弱で大天狗に着きました。道標には赤岳山頂まで1:40と書いてありましたが、余力が有って且つ全て順調な場合でその位かと感じました。あのパーティの方々は雷が怖くないんだろうか…と違和感が残りました。
途中地図に載っていない”大なぎ頂”という道標がありました。かなり急いで降りて来たので、小天狗分岐を見落としたのか?と不安になり、GPSで位置確認をしました。結果、まだ分岐手前である事がわかって一安心です。暫く止んでいた雷鳴でしたが…小天狗分岐の手前あたりで、今度は隣の真教寺尾根の方からドーンと轟いてきました。その後はさらにスピードアップして笹薮の急坂を大門沢へ駆け下りました。これが結構長かったです。天望荘を出発して以来休憩無しで来たので、膝がかなり痛くなっていて歩くのが結構苦痛になっていました。雨が降る中右側に続く堰堤を幾つか見送って、コンクリートの濡れていない場所で腰を下ろして一休み…ヘルメットもまだかぶったままでした。
後はたかね荘の駐車場までやっつけ仕事。このルート、大門沢まで降りてからが長いですね。疲れた足には辛い展開でした。車まで戻って程無く土砂降りになったので、これはラッキーでした。美し森の駐車場まで降りてトイレで着替えを済ませ、さぁソフトクリームでも食べよう!と思ったのですが売店は既に閉店…がっかり (T_T)
翌日は北八ヶ岳の方に行く予定でしたので、韮崎のコインランドリーに服を洗いに行きました。雨が上がった空にそびえる赤岳を見ながら、あそこに登ってきたんだよね〜と充実感を味わいながら、洗濯が終わるのを待ちました。展望は無かったし、考えさせられる事も残ってしまったのですが、多くの高山植物の花を見る事が出来て、探し物も見つけて、鎖場も楽しむ事が出来て…大いに満足した一日でした。当日のねぐらは石和健康ランド。翌日に備え、バブルジェット風呂にて足腰を十分に水流マッサージしました。体重計に乗ると66Kg近くある!ベストは62Kgぐらいなのに…バテるのが早いワケです。もっと絞らなきゃ!
ビールを飲んで仮眠室で眠りにつきました。…オヤスミナサイ…
みつかってよかったですね。
tokumuraさん!こんばんは
ヒカゲノカズラの写真が出るのを楽しみにしていました。
レコを拝見すると、私が赤岳に登った時期とは違う花 がいっぱい咲いていたようです。
そういえば、今年はまだ、イブキジャコウソウ をみていないし
キバナオダマキ もみていないです。
また、登ってみたくなりました。
赤岳は4回ほど登っていますが、山梨側からはまだ登っていません。
今度は山梨側から登ってみたいと思いました
hyouchanさん こんばんは
見つけられました それも、何カ所も。あるところにはあるんですねぇ
hyouchanさんのレコにあったイワウメやオヤマノエンドウは見当たらなかったです。ツクモグサも。ひと月近く違えば変わるものですね^^
真教寺尾根はドラマティックで良いルートだと思いましたよ!
チャレンジしてみて下さいね
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