絶好の登山日和とまさかの暴風雨(爺ヶ岳・鹿島槍・八峰キレット・五竜岳)
- GPS
- 34:27
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 3,039m
- 下り
- 2,840m
コースタイム
- 山行
- 9:48
- 休憩
- 2:01
- 合計
- 11:49
天候 | 7月26日:晴れ 7月27日:曇りのち暴風雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
日曜PM1:00頃戻ってきたときは、空き6台分くらい。 トイレ:登山口近辺にはなし。 ●五竜テレキャビン片道¥950 ●エスカルプラザ〜扇沢 アルプス第一交通タクシー¥10,000 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●鹿島槍北峰から五竜岳の間は転落事故につながる危険箇所多数。 ●稜線上は強風注意。降雨時は岩場が滑りやすいので慎重に。 ●登山ポストは柏原登山口にあり(記入用紙もあり) ●キレット小屋 1泊2食¥9500(朝ごはんはお弁当に変えてもらいました) お風呂も個室もありません |
その他周辺情報 | 下山後の温泉:信濃松川のすずむし荘¥500 下山後の甘味:梓川SA さびップルソフト¥330 |
写真
感想
♪絶好の登山日和とまさかの暴風雨(扇沢〜爺ケ岳〜鹿島槍〜八峰キレット〜五竜岳)♪
海の日の三連休後、甲信越地方でも梅雨明けが発表された。この週末は特に予定は立てていなかったのだが、梅雨明け10日は晴天率が高い。そうするとどこかの山に行きたくなってしまう。そこで、先週志賀高原から帰った後、突然計画したのが以前からずっと登ってみたかった鹿島槍。どうせ登るなら日帰りではもったいない。それなら1泊2日で八峰キレットを越えて遠見尾根を下山してみよう!
そうと決まれば早い。さっそくキレット小屋に予約を入れて週末を待った。
★★一日目★★
★扇沢〜種池山荘
爺ケ岳〜鹿島槍の稜線を写真撮りながらのんびり歩いて小屋でまったりしたいので、時間に余裕を持たせるために今日もナイトハイク。柏原新道は以前も歩いたことがあり、よく整備されているので夜でも歩きやすい。夜空を見上げると満点の星空。天の川もはっきりと見える。いつものごとく夜中の3時から4時頃少々眠くなるが、足元に気を付けながらゆ〜っくり歩く。
薄明が始まるとこれまたいつも通り小鳥たちが囀り始める。今朝はウソさんが登山道の真ん中でおしゃべりしていた。
太陽の光ってスゴイ!この光を浴びると眠気が飛んでいき元気が出てくる。
種池山荘に到着すると、山荘前には前日小屋泊の人たちと思しき人々でいっぱい。みんな爺ケ岳方面を目指すようだ。
★種池山荘〜爺ケ岳〜冷池山荘
今年は雪が遅くまで残っていたのだろう。山荘前のチングルマが2シーズン前に来た時よりも少ない。かわりにショウジョウバカマがまだちらほら。
この区間、景色も良いしお花も多いので楽しく歩ける。そして前回来た時にはこの区間でライチョウ親子のお散歩に遭遇したのだが・・・、何と!今日も運よくまたお会いできました。しかも50cmくらいの至近距離で。こちらがびっくりしてしまいました。おちびちゃん3羽を連れたお母さん。おちびちゃんたちは楽しそうに砂浴びです。しばし登山道はライチョウさんたちの貸切になりました(笑)
ツルギも近くに見えるしこちらも楽しく歩いていると、何と!またまたライチョウ家族に遭遇。愛らしいちびちゃんたちに癒されます。がんばって立派なライチョウになるんだよ。
★冷池山荘〜布引岳〜鹿島槍南峰〜鹿島槍北峰
鹿島槍南峰までは歩く人も多いが、北峰まで向かう人は少なくなる。静かな北峰山頂で、本日最大のヤマ場に向け凍らせてきたトマトジュースで栄養補給。
★鹿島槍北峰〜キレット小屋
北峰を過ぎると今までとは登山道の雰囲気が変わってくる。そして歩く人も更に減ってくる。
キレット小屋は思いのほか早いうちに確認できるのだが、なかなかたどり着かない。狭い道に、ハシゴ・クサリなど気の抜けない箇所も多いので、ここはゆっくり行こう。
キレット小屋近くのハシゴ付近で、今までなかなか会えなかったミヤマオダマキに出会う。何て上品なお花なんだろう。紫の花びらが高貴な雰囲気。こういう崖っぷちを好んで咲くところもコマクサより通好みか?
★キレット小屋
受付を済ませ、小屋で冷たいコーラと温かいカップヌードルをいただく。どちらもおいしいね〜。夕食までの間寝床でくつろいでいると、団体さんの到着で小屋はしだいににぎやかになってきた。今日はかなり混みあっているようだが、割り当てられたスペースは布団6枚に3人だからそんなに狭くはない。
夕食もハンバーグ定食でおいしい(漬物とたけのこの煮物付)。
食後は外のベンチで夕日が沈むのを眺めた後、明日に備えて早めにおやすみ〜。
★★二日目★★
★キレット小屋〜五竜岳
山小屋では眠れないことが多いのだが、今回はナイトハイクの疲れもあったのだろう、非常によく眠れ、朝の目覚めもよい。
しかし、夜半から風が強いのが気になっていたが、朝4時頃は非常に強い風。雨は降っていないようだが、どうも天気は荒れそうだ。
前日にいただいていたお弁当を食べながら出発準備。4:30頃、これ以上風雨が強くなっても大変だ、ということで小屋出発。途中、ご来光も見られるほどの天気になった時間もあるのだが・・・。
雨は突然降り出した。ツルギ方面が真っ黒になったな〜と思ってたらポツポツと雨粒が落ちてきて、それがいきなりザーッと。近くを歩いていたみなさんと一緒に、いっせいにカッパを着込む。これからG4,G5を通過するというのにこの暴風雨ですか〜!
岩が滑るので、手足のホールドに細心の注意を払いながら歩く。そんな時間をしばらく過ごすと、あれ?いつの間にか難所のG4.G5を通過してしまっていた。意外とあっけなかったな〜というのが感想。
相変わらず風雨はおさまらないが、とりあえず五竜岳山頂に立ち寄って記念撮影をし、五竜山荘へ向かう。
★五竜山荘〜遠見尾根経由〜五竜テレキャビン
山荘前にいらしたパトロールの方によると、この悪天候は昨日の夕方頃から予報されていたとのこと。下山路についても丁寧に教えていただきありがとうございました。
遠見尾根を下山するが登山道は雨でグチャグチャ。先週も苗場山でグチャグチャになったが、今回はその比ではない。下からふきあがってくるようなあれだけの暴風雨、靴の中にも水が入り込み歩くと音をたてる。
途中から天気は回復しはじめ、テレキャビン降り場近くの高山植物園ではすっかり晴れ。そして観光客がワンサカ。小汚い(いや大汚い)私たちを見て不思議だったのだろう、「どこから来たのか?」たずねられてしまう。
この高山植物園、ヒマラヤの青いケシを目玉とする各種高山植物が見られるが、何だろう?同じ生育環境にないものが同じ場所に植えられているのにすごく違和感を感じる。先ほどまであの風雨に耐えて健気に咲き誇っていた野生のお花たちを目の前で見ているだけにね・・・。
テレキャビンに乗る前にタクシーを呼んでおいたら運転手さんがエスカルプラザ前で既に待っていてくれ、タイムロスなしに扇沢まで戻れました。
★余談
この二日間、最高の天気と最悪の天気を一度に体験したことで、山の素晴らしさと恐ろしさを身をもって感じました。何事もなく無事に下山できたから言えることなのですが・・・。
山に登るには、相応の体力・経験・技術・装備などが必要です。本当に今回は他のメンバーを連れていなくて良かった〜というのが本音。
そして、今シーズン取り組んできた長時間・長距離歩行、登り返しなどの成果が感じられた山行でした。
それでも・・・山はやっぱり天気の良い日に登りたいな〜!
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